胃癌の外科手術おいて、胃全摘術を避けるために | 診療科・部門 | 浜松医療センター

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診療科・部門

胃癌の外科手術おいて、胃全摘術を避けるために


三次元画像作成と三次元手術モニターの有用性

胃癌の手術では、癌が胃の入り口に近いと多くの場合、胃の全摘出が必要となります。
胃切除後は、10%以上の体重減少が起こることが多く、胃が全部なくなる胃全摘出術の後はさらに体重減少が大きく術後の生活の質の低下が問題となります。
当院では、当科の宮﨑医師の報告※に基づき胃内視鏡検査とCT検査を用いコンピューター処理を行い三次元画像 (CT-gastrography) を作成しています。
手術前に三次元画像で検討することで、切除ラインを正確に想定し、早期胃癌ではできるだけわずかな胃であっても残す方針で手術を行っています。
最近では、腹腔鏡手術における3次元モニターの導入によりさらに手術手技の向上と安全性が高まっています。
※Three‐dimensional fusion images combining CT gastrography and CT angiography for early gastric cancer: Pilot experiences of preoperative simulation prior to totally laparoscopic gastrectomy 
Shinichiro Miyazaki et. al: Asian Journal of Endoscopic Surgery 2015 Feb;8(1):54-8

上部消化管内視鏡検査で病変の範囲と食道胃接合部(胃の入り口)の位置関係を調べます。

病変の胃の入り口側に目印となるマーキングクリップを縫着します。

クリップを縫着した後にCT検査を施行し、コンピューター画像処理を施行することで、三次元の胃と脈管構築画像を作成します。
手術時に赤の実線で示す様に切離すれば、胃の入り口の狭窄を来たすことなく胃全摘を避けた胃切除が可能であることが術前に分かります。
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