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新型コロナウイルス対策に係る研究成果

研究者INTERVIEW 1

広島大学の叡知を結集して新型コロナウイルスに立ち向かう

大学院医系科学研究科 教授 坂口 剛正

新型コロナウイルスに立ち向かうべく、医学・歯学・薬学・保健学の医療系の研究室が一丸となって(名称:広島大学CoVピースプロジェクト)、PCR検査体制の確立、ウイルス治療薬の探索、ウイルス検査方法の簡便化などの多方面のプロジェクトを進めています。ウイルス学研究室は、その中心としてP3高度封じ込め実験施設での新型コロナウイルス培養実験を行っております。始まってまだ間もないですが、すでに学内の薬剤シーズの中からウイルス増殖を抑制する薬剤を見つけ、その標的である細胞側の蛋白質を同定しています。今後は早く成果を出してウイルス制御に貢献していきたいと考えています。

本研究のプログレス
  • 2021年5月14日 広島大学の新型コロナウイルス研究者による第2回プレスセミナー

    新型コロナウイルス変異株を無力化する中和抗体を10日間で作成する技術を国内で初めて開発 〜新たな変異ウイルスの拡大に備えた抗体医薬へ期待〜

    新型コロナ変異株を無力化する中和抗体を作成する技術を広島大などが開発
  • 2021年5月7日~9日 第95回日本感染症学会学術講演会

    広島県における不活化新型コロナウイルスを用いた核酸増幅検査の外部精度管理調査
  • 2021年4月28日 広島大学の新型コロナウイルス研究者による第1回プレスセミナー
  • 2021年4月23日 広島ホームテレビニュース番組「みみよりライブ 5up!」中継出演

    今後の流行とワクチン、変異株についてコメント
  • 2021年4月8日 技術情報セミナー講師 技術情報協会Web講演

    「新型コロナウイルスの不活化メカニズムとその研究動向」

    3.新型コロナウイルスへの界面活性剤の不活化作用
  • 2021年3月12日公開 Webサイト『NETIB-NEWS』

    天然せっけんで新型コロナがほぼ不活化〜北九州市の企業との共同研究により確認
  • 2021年3月9日 広島テレビ「テレビ宣言」ビデオ出演

    変異ウイルスが広島で確認されたことに対するコメント
  • 2021年2月 日本臨床化学会第17回合同地方会

    広島大学病院におけるSARS-CoV-2に対応するcobas6800稼働に向けた検証を発表
  • 2021年2月17日特許出願

    出願番号:特願2021-022249

    発明の名称:親水性重合体を含む抗ウイルス性樹脂組成物及び成形体

    発明人:坂口剛正ら
  • 2021年2月17日 NHK「クローズアップ現代」ビデオ出演

    “攻めの検査”はどうあるべきか 自治体のPCR検査戦略
  • 2021年1月22日 令和2年度中四国乳酸菌研究会(Zoom)にて新型コロナウイルス増殖阻害薬の探索について発表
  • 2021年1月20日 TSS新広島テレビ『プライムタイム』ビデオ出演、広島県80万人PCRについてコメント
  • 2020年12月21・24日,2021年1月5日 日本テレビ『News Zero』にてイギリス変異ウイルスに対するコメント
  • 2020年10月20日 西日本新聞に「無添加石けん『手洗いせっけんバブルガード』が新型コロナウイルスを99.99%以上不活化させることを実証」と掲載
  • 2020年9月20日 中国四国ウイルス研究会(於 出雲市)にて成果の一部を発表
  • 2020年7月10日    広島ホームテレビ「みみよりライブ5up!2部」にて、県内コロナウイルス第2波について解説
  • 2020年5月22日 テレビ新広島「プライムニュース」にて、新型コロナウイルスについて解説
  • 各種新聞へ関連記事多数掲載
  • 他テレビ番組等メディアへ多数出演

研究者INTERVIEW2

小分子RNA解析技術を用いた新型コロナウイルス診断・創薬への応用

大学院医系科学研究科 教授 田原 栄俊

私たちは、qRT-PCR法による新型コロナウイルス診断の感度、特異度および簡便性を考慮に入れた診断技術の開発を進めています。また、その検査の精度向上を目的に、簡便かつ多検体できる自動化の機器開発を推進しています。さらに、次世代シークエンス解析による新型コロナウイルスの遺伝子変異解析によりウイルスの質的な変化の解析を行っています。これに加えて、臨床的に、コロナウイルスの感染時に、新型コロナウイルスで重症化するかどうかを判別できる診断技術の開発が必要視されています。そこで、これまでに私たちが進めてきた創薬バイオマーカー拠点を主体としたがんやアルツハイマー型認知症バイオマーカーの開発技術を応用して、体液中にある小分子RNAなどの遺伝子を次世代シークエンスにより網羅的に解析することで、重症化予測できる診断技術の開発を行います。このような唾液や血液など多様な体液検体を用いた次世代シークエンス解析による網羅的遺伝子解析は、小分子RNA等の核酸を用いた新型コロナウイルスの治療薬へと展開できる可能性があります。本研究により、日本国内の検査センターで使用可能な検査の自動化を加速させ、新型コロナウイルスの診断精度を加速化できる技術の開発を行い、創薬応用可能な新型コロナウイルス遺伝子解析データベースを構築します。このようなデータベースは、小分子RNA等を用いた核酸医薬などを用いた革新的な新型コロナウイルスへの創薬応用が期待されます。

本研究のプログレス
  • 2021年3月4日 中国新聞に「新型コロナウイルス変異株への予防行動」について解説を掲載
  • 広島県で発生した新型コロナウイルス患者の一部の検体でウイルスゲノムを解読。

    今後、更に検体を増やして新型コロナウイルスのゲノム解析を進める。

研究者INTERVIEW3

電力を必要としない、3Dプリント可能な人工呼吸器モデルで世界を救う

トランスレーショナルリサーチセンター 准教授 木阪 智彦

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界各地で人工呼吸器の需要が急増しています。特に新興国においては、もともと人工呼吸器の供給は極めて少なく、追加で購入する資金もほとんどないため、非常に深刻な状況にあります。
私たちの研究チームでは、電力を必要としない、図形データのみで制作できる「3Dプリント可能な人工呼吸器モデル」の開発を試みています。3Dプリンターと形成素材さえあれば、いつでも、どこでも、安価に大量生産することができ、また、使い捨てが可能なため、医療現場における二次感染リスクを抑えることができます。人を救い医療者の痛みを軽減するフルーガルイノベーション(frugal innovation: 低廉かつ高機能で臨床現場ニーズを捉えたイノベーション)で、必要とする患者のもとへいち早く届けられるよう努めます。

本研究のプログレス
  • 執筆:『人工呼吸』第38巻1号, 2021 特集「医工連携をはじめよう!『こんなモノがあったらいいのに』」「インド流!フルーガルイノベーションを活用した疫禍下の人工呼吸器開発」
  • 2021年6月15日 第60回日本生体医工学会大会 発表

    疫禍下で取り組んだ分散型医療機器開発と日本型エコシステム構築

    コロナ禍下の分散型医療機器開発プラットフォーム構築: COVIDVENTILATOR プロジェクトの取り組み
  • 2021年3月1日 広島ホームテレビ「みみよりライブ5up」にて研究内容の紹介
  • 2021年2月1日 経済産業省主催 「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC)2021」優勝賞受賞
  • 2020年12月17日 『WIRED』日本版 主催「CREATIVE HACK AWARD 2020」特別賞受賞
  • COVIDVENTILATOR PROJECT協力企業・団体は全国から26社が集まる
  • 2020年8月27日 欧州国の情報誌『euronews』に"The new Japanese technologies helping to fight COVID‐19"と題した特集を掲載
  • 2020年5月31日 国立病院機構の機関紙『NHOだより No.175』(令和2年5月発行)にCOVIDVENTILATORプロジェクトの紹介を掲載
  • 2020年5月21日 ITmedia NEWSに「3Dプリンタで作る人工呼吸器、経産省が補助金で支援」として掲載
  • 2020年4月9日 テレビ朝日「グッド!モーニング」にて、「3Dプリンターで作る人工呼吸器」プロジェクト紹介
  • 各種新聞へ関連記事多数掲載
  • 他テレビ番組等メディアへ多数出演

研究者INTERVIEW4

COVID-19による重症肺炎に立ち向かう: 体外式膜型肺(ECMO)を駆使した救命戦略に関する研究

大学院医系科学研究科 教授 志馬 伸朗

COVID-19肺炎は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を併発し、低酸素症性呼吸不全から致死的な転帰をとる重症病態です。これに対して、人工呼吸療法や体外式膜型肺(ECMO)を適用することで、低酸素症を一次的に回避し、肺を休ませることにより自己回復を期待する治療があります。当研究室では、COVID-19関連を含む急性呼吸不全に対するECMO治療を集約的に行い、肺障害悪化に関連するバイオマーカの探索をおこなっています。また、COVID-19関連ECMOに関する全国的レジストリの中心となり、良い転帰に関連する治療介入因子を同定し、より有効かつ安全なECMOの適用方法を模索していきます。COVID-19肺炎を"助かる病気にする"ことを目標に、研究を続けてまいります。

本研究のプログレス
  • 2021年6月8日 広島テレビ「テレビ派」感染者数の減少傾向と重症度の関係、これまでと変異型の違い
  • 2021年5月25日 RCC「イマナマ!」新型コロナ感染急拡大による医療の現状
  • 2021年5月17日 日経メディカル掲載 COVID-19パンデミックに災害医療の視点で挑め
  • 2021年5月11日 NHK「おこのみワイド」これまでと第4波との違い
  • 2021年3月9日 中国新聞朝刊 広島での感染確認から1年、第3波猛威
  • 2021年1月23日 NHK全国にて「新型コロナウイルス感染症といのちのカード」という内容を紹介
  • 2021年1月15日 NHK広島にて「新型コロナウイルス感染症の集中対策期間延長」という内容を紹介
  • 2020年12月15日 広島テレビにて「新型コロナウイルス感染症における広島の医療状況」という内容を紹介
  • 2020年9月2日 中国新聞に「広島県のコロナ:第2波」として解説を掲載
  • 2020年6月27日 NHK広島にて、「ECMOnet・人工呼吸/ECMO講習会(広島)」について放送
  • 2020年4月22日 中国新聞に「新型コロナウイルスの重症化するケース」について解説を掲載
  • 関連する論文を多数執筆
  • 各種新聞へ関連記事多数掲載
  • 他テレビ番組等メディアへ多数出演

研究者INTERVIEW5

病原体に対抗する抗体の解析を通じて、感染症を克服する

大学院医系科学研究科 教授 保田 朋波流

新型コロナウイルスなどの感染が起こった宿主ではウイルスを中和する活性を持った抗体が作られます。しかしこれは体の中に最初から存在するのでなく、弱く結合する抗体が形を変えながらより強い結合力を持った抗体へと進化を繰り返すことで生み出され、ウイルスの排除にとても重要です。私たちの研究室では抗体をつくるB細胞がリンパ組織の胚中心と呼ばれる場所で抗体の結合力を上昇させる仕組みについて研究しています。多岐に変異したウイルスに対し強力に結合する抗体遺伝子を体から取り出す技術や免疫反応を人工的に体外で起こす技術を開発することで有効な抗体を取得し、人類にとって脅威となる病原体に対抗するためのワクチン開発や医薬創生に貢献していきます。

本研究のプログレス
  • 2021年7月2日 「日経メディカル 」シリーズ◎新興感染症 免疫のエキスパートに聞くアフターワクチン COVID-19とワクチンのあり方を考える 掲載
  • 2021年6月10日 讀賣テレビ WEBニュースにて、【特集】日本初 “変異株”を無力化する「中和抗体」の人工作製に成功!“夢の治療薬”開発となるか? 掲載
  • 2021年5月25日 「日経メディカル 」シリーズ◎新興感染症 変異株にも結合する人工中和抗体について記事掲載
  • 2021年5月14日 新型コロナウイルス変異株を無力化する中和抗体作成技術を開発した成果について報道発表
  • 2021年3月6日 テレビ朝日 「サタデーステーション」にて、筋肉内注射による免疫効果についてコメント
  • 2021年2月13日 テレビ朝日「サタデーステーション」にて、新型コロナウイルスワクチンのブースター効果について解説
  • 2020年11月14日 テレビ朝日「サタデーステーション」にて、新型コロナウイルスmRNA型ワクチンについて解説
  • 新型コロナウイルス感染者血液のB細胞から新型コロナウイルス中和抗体の作成を推進
  • 新型コロナウイルス感染者血液や唾液中の抗体成分の解析を推進
  • 2020年9月12日 テレビ朝日「サタデーステーション」にて、COVID-19重症化予防を目的とした人工抗体治療について解説


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