社会福祉学部 社会福祉学科 | 弘前学院大学 HIROGAKU

社会福祉学部 社会福祉学科

社会福祉学部 3つのポリシー

 社会福祉学部 ディプロマ・ポリシー(Diploma policy:学位授与の方針)

卒業に必要な単位を修得し、次に掲げる能力を身につけた者に学位を授与する。

  1. 広い視野から社会を理解するための知識を身につけている。
  2. さまざまな人と協力し、主体的に問題解決を図る能力を身につけている。
  3. 多様な価値観を尊重できる。
  4. 社会の発展に貢献する姿勢を身につけている。
  5. 専門分野の知識・技能を用いて、生活問題の解決に取り組みつづける能力を身につけている。
 社会福祉学部 カリキュラム・ポリシー(Curriculum policy:教育課程編成・実施の方針)

社会福祉学部においては、その教育目標を実現するため、基盤領域科目、総合領域科目、自由選択科目を設置し、それらの科目を、ディプロポリシーの達成を図る観点から、以下のように位置づけて配置する。

DP1 の達成に向けて

1-1  基本的な知識を体系的に理解するための基礎を養うために、基盤教育科目群において、基礎領域科目および共通基盤科目を設定する。

1-2  建学の精神に基づいた人間性を身につけるため、「宗教学(キリスト教)」「キリスト教社会福祉論」を配置する。また、幅広い視野を身につけるため、「人間科学概論」および外国語科目・海外研修を配置する。

1-3  社会福祉学以外の様々な領域を学び、社会福祉学の専門知識を学ぶための土台を形成できるよう「総合領域科目群」において「哲学」「心理学」「歴史学」「社会学」「法学」などを配置する。

1-4  健康や運動についての知識を獲得するために「スポーツ科学概論」「ヘルスサイエンス論」「スポーツ科学実技」を配置する。

DP2 の達成に向けて

2-1  コミュニケーション力、チームワーク力を身につけるために「基礎領域科目群」「共通基盤科目群」「総合領域科目群」「専門実践領域科目群」において各種演習科目を配置する。

2-2  情報収集・活用力、レポート作成・発表力、問題発見力を身につけるために「基礎領域科目群」「共通基盤科目群」「総合領域科目群」「専門実践領域科目群」において各種演習科目を配置する。

DP3 の達成に向けて

3-1  建学の精神に基づく人間尊重の姿勢を身につけるために「総合領域科目群」に「宗教学(キリスト教)」、「専門実践領域科目群」に「キリスト教社会福祉論」を配置する。

3-2  対話をつうじて多様な価値観を身につけるために「基礎領域科目群」「共通基盤科目群」「総合領域科目群」「専門実践領域科目群」において各種演習科目を配置する。

DP4 の達成に向けて

4-1  市民社会のルールを理解し、市民社会の一員として自ら考え、行動できる力を身につけるために、「大学生のためのソーシャルスキル」「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」「ソーシャルワーク演習Ⅰ」「社会福祉実習Ⅰ」「精神保健福祉実習」「社会調査実習」などの科目を配置する。

4-2  地域社会や人々のくらしをより良くするよう、市民社会に関与できる力を身につけるために「人間科学概論」「社会科学研究方法」「専門演習Ⅰ」「専門演習Ⅱ」「ソーシャルワーク演習Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」「社会福祉実習Ⅱ」を配置する。

DP5 の達成に向けて

5-1  現代社会の生活上の諸問題を把握し、支援対象者の特性に合わせて問題解決の方策を考えられるよう「社会福祉学特講A(子ども・家庭・社会)」「社会福祉学特講B(障害と発達)」「社会福祉学特講C(老化と生体)」「社会福祉学特講D(現代の生活問題)」などを配置する。

5-2  現代社会の生活上の諸問題を把握し、社会福祉に関する制度・政策に照らし合わせて問題解決の方策を考えられるよう「専門実践領域科目群」において「社会保障論A・B」「公的扶助論」「保健医療論」「児童福祉論」「障害者福祉論」「老人福祉論」「地域福祉論A・B」などを配置する。

5-3  専門分野の知識・技能・態度などを統合的に活用し、自ら設定した課題に対し、解決策を生み出す力を身につけるため、「専門演習Ⅰ・Ⅱ」「社会福祉実習Ⅱ」「精神保健実習」「社会福祉調査実習A・B」を設定する。

5-4  卒業後も生活問題の解決に取り組みつづける能力を身につけるため、「ソーシャルワーク演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」「精神保健福祉演習Ⅰ・Ⅱ」「社会福祉実習Ⅰ・Ⅱ」「精神保健福祉実習」「社会福祉調査実習Ⅰ・Ⅱ」「専門演習Ⅰ・Ⅱ」などを配置する。

 社会福祉学部 アドミッション・ポリシー(Admission policy:入学者受け入れの方針)

社会福祉学部は、人びとが抱える生活問題に関心を持ち、その解決のために必要な知識・技術を身につけた人材を育成し、社会の発展を目指す。そのために、以下に掲げる資質や意欲を有する人を求める。

  1.  広い視野から社会を理解するために必要な基礎学力を持つ人。
  2.  社会に存在する問題に関心を持ち、その解決に意欲を持つ人。
  3.  さまざまな人と協力し、主体的に問題解決を図ろうとする人。
  4.  社会福祉の知識・技術を修得して、社会の発展に意欲を持つ人。
  5.  多様な価値観を尊重できる人。
学部長メッセージ

 社会福祉学部では、人々がいつまでも「しあわせ」で「よりよく生きること」ができるように、地域社会への関心を高め、人と環境をつなぐ知識と技術を身につけ、人を尊ぶ力を育てます。人間が人間らしく生きてゆくために、さまざまな分野・角度から研究をしていきます。

 社会福祉学は、「個人と社会の幸せづくりをする学問」 です。社会で人々がよりよく生きるために一人ひとりの権利を守り、社会が持つ課題を発見し、それらの解決策を考え、誰にとっても生活しやすい地域社会の在り方を探ります。

 本学の特色は、学生一人ひとりの学習ニーズに対応した教育にあります。1年生から4年生まで少人数のゼミ(演習)を設け、個々の講義や演習、実習やインターンで得た学びに応じた教育を重視しています。ゼミをとおして、学生が自ら問題意識を持ち、主体的に学ぶ力の涵養に取り組んでいます。
社会福祉分野で社会福祉士や精神保健福祉士として活躍を目指す学生だけでなく、社会福祉分野以外の多様な領域において福祉マインドを備えて活躍する学生の育成にも力を入れています。

 社会福祉学は、社会の多様なニーズに対応し働きかける実践的な学問です。冒険心のある人のチャレンジをお持ちしています。

社会福祉学部学部長

社会福祉学部長 西東 克介 

社会福祉を学ぶ視点

 人は皆、自分自身としての最善の在り方を求めながら生きようとしています。そのためには、すべての人が、その人なりに尊重され、キラキラと光り輝きつつ、その人なりの最善の在り方を目ざすことが可能となる社会づくりが必要となります。

 そうした社会を実現するためには、人間を表面的(外面的)な能力で価値づけようとする『価値愛』ではなく、「その存在そのものに対して絶対的な価値を見いだそう」とするところの『絶対愛』に立脚した人間理解が必要です。さらには、個々人の相違性や特性を相互に受容し合い、是認したうえでの社会づくりが重要です。

 社会福祉を学ぶということは、「支え合い」のまなざしを学ぶことに始まり、救いを求める人々をしっかり支える知識や技術(実践力)を身につけるということでもあります。すなわちそれは、他者の痛みを自分の痛みとして感じ、他者の喜びを自分の喜びと感じつつ、 人々の平和と繁栄とに寄与してゆく働きができるような学び、ということでもあります。

 本学社会福祉学部では、聖書を通して示された愛なる神様からの深き教えや真理に基づいた教育を展開しています。つまりは、主イエス・キリストのお言葉にある、『互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。』(ヨハネによる福音書 第13章34節)の相互配慮のまなざしです。

 さて、社会福祉は人々の生活を保障する政策の体系であるのと同時に、個人や集団や地域のさまざまな場面において、人々の生活を支援し、より良き生活を構築するための援助実践の体系でもあります。さまざまな福祉施設や福祉支援機関等において、策定された政策や制度を活用しながら福祉実践 というソーシャルワーク活動が展開されています。

 社会福祉を学ぶためには、人間や社会への深い認識や、広い視野を有するのと同時に、社会福祉についての体系的・総合的な学びが求められます。さらには理論的な学びとともに、できるだけ人々の生活の現実や実態に触れることも大切です。そのため、自分自身もできるだけ実践の場に参加をしながら、そこで必要な支援のあり方や、その 活動の意味を体得することも大切です。

 こうした考えに基づき、社会福祉学部では、理論と実践とが統合化されたバランスの良い学習が展開できるように配慮がなされています。

 社会福祉学を学ぶ視点として、学内での学習に留まらずフィールドを学外に求め学ぶ機会も大切にしております。そのひとつがボランティア活動です。具体的には、学生による福祉施設や支援機関における日常的なボランティア活動、地域の活性化に向けた様々な活動への協力場面です。

 福祉支援実践は、「常に地球的な規模で思考しつつも、その一方では、地域社会のニーズに即した地道な活動」こそが求められます。まさに、それは” Think global, act local ! “のまなざしでもあります。本学社会福祉学部で学ぶ学生は、地域のさまざまなニーズに的確に応えるために、活発なボランティア活動の展開を通して、「地域に根ざした大学づくり」に努めております。

知的発達障がい関連勉強会(ミスターラージのボランティア活動)

西弘ちょうちんまつりボランティア

地元 西弘ちょうちんまつりへの参加

演習について

 大学での学びは講義を聞いて知識を身に付けるだけではありません。自分なりの問題意識を持って主体的に学び、たえず課題を追求 しながら実践力を身につけるために、学びを実際に試行する演習(ゼミ)が学年毎に数多く設けられています。ソーシャルワーク演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ等です。そのために、社会福祉学部では少人数での学習が設定されています。こうした学習形態のことを、大学では演習(ゼミ)と称しています。

 ゼミは、担当教員による懇切丁寧な学習支援(チュートリアル)を受けながら、お互いの発表や討論 やロールプレイなどを通して、自らの考えをまとめあげ実践できる力を身につけてゆく場で、様々な演習があります。

ソーシャルワーク演習

 学んだ援助方法についての理論・知識を体感を通して体験することにより、理屈を「腑に落として」理解することが求められるため、ロールプレイやトレーニングを活用し、実践につながる専門性を習得できるような内容となっています。

基礎演習

 1年次に開講されている基礎演習では、大学で学ぶことの意味や、各自が関心を持っている諸問題について主体的に考え、深めることを目的として、少人数による学習活動が展開されます。そうした学習を通して、考える力、読む力、聞く力、発表や討論を通して人に伝える力などの 基礎的能力の向上を図ります。

専門演習

 3・4年次に開講されている専門演習では、各担当教員たちが提示した学習テーマの下で、各自が専門的な学びを行なうことを目的とした学習活動が展開されます。この演習では、担当教員による全体指導や個別指導にもとづき、自らの研究課題を深め、専門的な内容に関して相互の報告や討論を行い、必要な文献研究や調査研究を行います。

 4年次の演習では、3年次の学習を踏まえて、さらに発展・深化した学習課題に取り組みます。ゼミによっては、それらの学習成果を卒業研究や論文としてまとめあげます。

演習(ゼミ)の様子

実習について

専門性と確かな実践力を養う現場実習

社会福祉実習

令和3年施行「社会福祉士養成課程(新)カリキュラム」における実習の位置づけ

 地域共生社会の実現に向けて求められる①複合化・複雑化した課題を受け止める多機関の協働による包括的な相談支援体制の構築、②地域住民等が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制の構築に必要なソーシャルワークの機能を、社会福祉士として担うために必要な実践能力を養うことができるよう「養成カリキュラム」が改正されました。本学社会福祉学部においても令和3年度入学生から新カリキュラムを導入し養成教育に取り組んでおります。
 社会福祉実習に関しては、地域における多様な福祉ニーズや多職種・多機関協働、社会資源の開発等の実態を学ぶことが出来るよう現行の180時間の実習を240時間に拡充しました。また、単に実習時間数を拡充するだけでなく、地域における多様な福祉ニーズ等の実態を複数の実習施設において学ぶことが出来るよう2段階<社会福祉実習Ⅰ(60時間)、社会福祉実習Ⅱ(180時間)>での積み上げとしました。

 社会福祉実習は実習生受入れの契約を結ぶと共に厚生労働省東北厚生局に届け出された施設・機関等にて行うこととされています。実習施設・機関等については以下の多様な分野・領域があります。

弘前学院大学社会福祉学部 社会福祉実習施設・機関等

高齢者福祉・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・認知症対応型共同生活介護
・小規模多機能型居宅介護
・老人デイサービスセンター
・地域包括支援センター
児童福祉・児童養護施設
・障害児入所施設
・障害児通所支援事業所
障害福祉・障害者入所支援施設
・生活介護事業所
・就労移行支援事業所
・就労継続支援A型およびB型事業所
・障害者就業・生活支援センター
・特定相談支援事業および障害児相談支援事業所
・相談支援事業所
・共同生活援助
・自立訓練(生活訓練)事業所
生活保護法施設・救護施設
福祉行政機関・福祉事務所
社会福祉協議会・市社会福祉協議会
・町社会福祉協議会
医療機関・病院医療相談室(地域連携室)

精神保健福祉実習

令和3年施行「精神保健福祉士養成課程(新)カリキュラム」における実習の位置づけ

 現代社会において精神保健福祉士が果たす役割は、精神障害者に対する援助のみならず、精神障害等によって日常生活又は社会生活に支援を必要とする者やメンタルヘルスの課題を抱える者への援助へと拡大しています。 たとえば、精神保健福祉士の配置・就労状況は、医療(病院・診療所)や福祉(障害福祉サービス等事業所)、保健行政機関のみならず、教育機関(各種学校)、司法(更生保護施設、刑務所等矯正施設)や産業・労働(ハローワークなど)への拡大がみられます。また、地域における住民主体の課題解決を試みる体制構築に必要なソーシャルワークの機能を精神保健福祉士として担うため、必要な実践力も求められるようになっています。こうした精神保健福祉士を取り巻く状況変化に的確に対応できる人材育成することを目的に「精神保健福祉士養成カリキュラム」が改正されました。本学社会福祉学部においても、令和3年度入学生から新カリキュラムを導入し養成教育に取り組んでおります。

 精神保健福祉実習に関しては〈4年次: 210時間以上(7単位))〉が設定され、以下の本学と契約を結んだ実習施設・機関等で2回に分け(うち医療機関で90時間以上)実習を行うことにしております。これら複数の現場経験により、広い知識と実践力を身につけることを目指します。

弘前学院大学 精神保健福祉実習受託精神科病院・事業所

精神科病院青森県立つくしが丘病院、弘前愛成会病院、布施病院
浅虫温泉病院、芙蓉会病院、十和田済誠会病院
藤代健生病院、生協さくら病院、松平病院、東八戸病院
自立訓練(生活訓練)事業所自立訓練(生活訓練)事業所SUN
地域活動支援センター障がい者生活支援センター「すみれ」、地域活動支援センターすばる、地域活動支援センター翔、地域活動支援センターラ・プリマベラ、地域活動支援センターアセンドハウス、地域活動支援センターぴあす
特定相談支援事業所指定相談支援事業所大石の里
障害福祉サービス事業
(就労継続支援A型・B型)
つかのファーム
多機能型サービス事業所ベルエポック
生活介護事業所生活介護事業所「花束」、訓練はばたけ

取得可能な資格

  • 社会福祉士国家試験受験資格
  • 精神保健福祉士国家試験受験資格

教員免許

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)

上記いずれかの取得が前提になる

特別支援学校教諭一種免許状(知的障害者・肢体不自由者・病弱者)、取得可能な資格

社会福祉士について

 今日、単身の高齢者世帯や認知症である者に加え、孤独死、児童・高齢者等への虐待、ホームレス、ひきもり、消費者被害など、地域における様々な福祉課題を抱える人々が増加し社会問題となっています。そのような様々な福祉課題の把握・発見をはじめ、地域の社会資源の調整やネットワークづくり、成年後見、権利擁護の相談等、課題を抱えながらも住み慣れた地域で人々が暮らしていけるように、一人一人のニーズに応じた相談支援の提供が必要とされています。社会福祉士は、社会福祉実践に関する専門性を有する者として、地域福祉推進の中心的担い手であり、果たすべき役割はこれまで以上に大きくなっています。

 社会福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法により生まれた国家資格です。同法では、「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又はその他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう」と規定されています。

 社会福祉士は、さまざまな社会福祉施設や医療機関、福祉事務所、児童相談所、地域包括支援センター、社会福祉協議会などにおいて、ソーシャルワークの知識と技術を駆使して、生活する上で困ったことや問題を抱えている人の相談にのり、解決に導けるように援助にあたる「相談援助職」といわれる仕事をしています。近年は、上記のような機関・施設だけでなく一般企業や警察、学校、NPO法人、独立型社会福祉事務所などにおいても社会福祉士有資格者の専門職採用が増えてきており、活躍の場が広がっています。

 また、地域共生社会の実現に向けて求められる、複合化・複雑化した課題を受け止める多機関の協働による包括的な相談支援体制の構築や、地域住民等が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制構築に必要なソーシャルワークの機能を、社会福祉士として担うことも期待されています。こうした時代の要請に応えて、必要な実践能力を身につけることができるよう、令和3年度からの社会福祉士の養成カリキュラムが見直されました。本学社会福祉学部においても令和3年度入学生から新カリキュラムを導入し対応しています。

 本学社会福祉学部は社会福祉士養成校として認可されており、指定科目を修めることで国家試験の受験資格を得ることができます。下の図に示すように様々な資格取得ルートがありますが、本学のような社会福祉士養成校を卒業することが資格取得を目指すうえで最も近道といえます。

社会福祉士国家試験受験ルート 説明図

出典:社会福祉・振興試験センターより、一部着色加工

精神保健福祉士について

 精神保健福祉士は1997年から制度化された国家資格であり、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)という名称で主に精神科医療機関をはじめ、精神障がい者社会復帰施設など精神保健福祉領域で相談援助を行う専門職です。(なお、精神保健福祉士も社会福祉士と同じく「名称独占」の資格です。)
※名称独占とは、法律によりある程度の業務内容が定められていますが、資格がない者もその業務の遂行が可能であることをいいます。

 精神科ソーシャルワーカーは、精神障がい者と社会とをつなぐパイプ役として、精神障がい者やその家族の経済的な問題、住居の確保、生活能力の向上、就職、学校や職場との関係調整など、さまざまな問題について相談援助にあたっています。具体的には、精神科病院において、入院から退院までの間に発生する問題や、退院後の問題解決に向けて、関係機関との連絡・調整を図ります。また、患者・家族との面接を行い、生活環境の把握につとめ、社会生活に適応できるよう地域社会にも働きかけます。さらには、最近では、ケアマネジメントによる訪問調査、退院促進を図るための地域移行支援対策事業といった地域支援の取り組みや、医療観察法における社会復帰調整官や精神保健福祉参与員といった司法分野へと職域が拡大し始めているところです。

 具体的な就職先としては、医療機関(精神科病院、総合病院の精神科、精神科診療所、医療機関併設のデイケア)を中心に生活支援施設(地域活動支援センター、自立訓練事業所、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、グループホーム、ケアホームなど)福祉行政機関(自治体など)、司法機関(保護観察所)など、ハローワークなどがあげられます。

 精神保健福祉士の受験資格を得るには、社会福祉士の場合と同じく、社会福祉学部に開講されている必要科目を履修することが必要になります。但し、精神保健福祉関連の学びは非常に専門的であり、かつ社会福祉士との同時履修の場合には、かなりハードな学びともなります。将来、精神保健福祉の分野で仕事に取り組もうとする強い意思を有する人のみが履修をするようにしてください。

精神保健福祉士国家試験受験ルート 説明図

出典:社会福祉・振興試験センターより、一部着色加工

教員免許状

 社会福祉学部では、卒業して学士の学位を得ることを前提として、所定の課程を履修することで、各種の教員免許を取得することができます。
※2019年度以降については、法律改正に伴う再課程認定を文部科学省に申請中です。

取得できる教員免許

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)

上記いずれかの取得が前提になる

  • 特別支援学校教諭一種免許状(知的障害者・肢体不自由者・病弱者)

教員免許を取得するにあたって

 教員免許を取得するには、学部の卒業に向けた勉学と単位の取得に加えて、それとは別の特別のプログラムに基づく勉学および単位の取得が必要になります。従って、明確な目的意識と継続的な努力が求められるというのは言うまでもありません。

 しかし、社会福祉の支援と教育現場における学習支援とは、対人援助の活動としては共通しております。すなわち、社会福祉の活動として障がい者の支援について学ぶことは、障がいを有する児童・生徒の学習支援について学ぶことと共通するだけでなく、後者の学びが前者の学びをより確かなものにできると考えれば、教職課程とりわけ特別支援教育の課程を履修することは、無駄であるどころか、むしろ、有益なものとなるともなるでしょう。

 ところで、このようにして取得される教員免許は、学校現場においてこそ、その真価を発揮します。そこで、学校の教員になることを希望するならば、教員免許とは別に、例えば、各都道府県が実施するいわゆる教員採用試験などといった関門を突破しなければなりません。こうした挑戦は、都道府県による違いこそありますが、決して易しいものではありません。入学後早い段階からしっかり目標を定め、きちんと情報を得て、着実な歩みを重ねていくことを切に望みます。