伝統工芸品
兵庫県南西部に位置し、古くから西日本の交通の要衝として歴史的な要の地として発展した姫路。穏やかな気候と風光明媚な自然、そして城下町の歴史と風土に育まれて、数多くの工芸品が生まれてきました。現在も受け継がれている多くの伝統工芸品をご紹介致します。
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姫路張子玩具
張り子は「ハリボテ」といい、和紙を重ねて作られるもので、室町時代に中国から伝来されたと言われています。江戸時代になり、城下町では反故紙(不要になった和紙)を使った人形や玩具が多く作られ始め、城下町であった姫路でも、姫路藩の絵師・豊岡直七が明治初期に作り始めたのが始まりと言われています。
一般的な張り子は木型で成形するが、姫路張り子は土を焼いた瓦型を使う特別な工法で作り上げるため、紙が薄く軽い仕上がりが姫路産の特徴です。姫路張子玩具の伝統を今に伝える五代目松尾隆氏は、ダルマや虎など170種類の型からお面や置物などを作り続けています。
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姫路いぶし瓦
1805 (文化2)年、瓦に使える良質の原料粘土が多くあることから、姫路市船津町に瓦窯元が開かれ、昭和の初め頃まで多くの瓦工場が船津周辺にありました。船津では、現在も一般住宅用の瓦から寺院や城郭に用いる役瓦が生産されています。姫路城の「昭和の大改修」「平成の大修理」でも、大天守の瓦に船津のいぶし瓦が使われています。強度と美しさが評価されています。
【光洋製瓦株式会社】
姫路市船津町にある光洋製瓦は、大正12年に創業されました。良質の粘土を酸化焼成した後、還元燻化で焼き上げた光洋窯のいぶし瓦は、強度と美しさにおいても全国でも類を見ない程の逸品と評価されています。姫路城や近隣の市町村にある重要な寺社仏閣の復元も行っておりますが、いぶし瓦の強くて美しい風合いを空間のアクセントとして使えるよう生みだしたインテリア素材『KOYO IBUSHI』など、新しいことにも挑戦もされています。工場見学や瓦の学習、オリジナルシャチや鬼瓦作り体験なども人気です。
住所:姫路市船津町5241-5 TEL:079-232-5295
<HP>
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書写塗り
書写塗は、天正13年 (1585年)に羽柴秀吉の攻めに破れ離散した紀州根来寺の僧侶の一部が書写の地に逃れ、根来塗の技術を伝えたものといわれています。書写塗の漆器は、書写山圓教寺を主として盆、椀など数多くの品が伝存されています。黒漆の上に朱漆を塗り重ねるのが特徴で、長年使用すると表面が摩擦して下塗の黒漆が所々に見え隠れするようになり、これが魅力でもあると言われています。
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姫路独楽(ひめじこま)
幕末から明治初期に始まったと言われており、西播磨地方で愛される伝統工芸品です。飾り独楽で赤と緑に塗った鬼独楽一対を箱に入れ、松竹梅の飾り物を添えて正月の床飾りとする風習があります。
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姫山人形
姫山人形は、戦後姫路にふさわしい姫路の特産品をという依頼を受けた木彫家・佐野信雄氏が作り始めました。香り豊かなヒノキを用いて、干支や幼い女の子などをモチーフに手のりサイズで作られた可愛い人形です。
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しらさぎ染め
江戸時代に姫路藩が藍製造を藩業としたことから藍染物は大いに栄えました。その後、明治時代に途絶えたものの、昭和44年に伝統の藍染めに播磨のシンボル「姫路城」や「しらさぎ」などを図柄に取り入れた形で復活しました。
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マッチ
姫路でマッチ生産が根付いた理由としては、雨が少なく温暖な瀬戸内海性気候である姫路の気候が乾燥工程の多いマッチの製造に適していたことと、また国際貿易港である神戸港に近く、原材料の輸入や製品輸出に有利なことから発展したと言われています。
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伝統工芸品が購入できる施設・お店
(1)姫路市書写の里・美術工芸館
清水公照の作品やコレクション、姫路の伝統工芸品、昔懐かしい郷土玩具などを展示。
伝統工芸品の製作実演、姫路独楽、姫山人形、姫路はりこなどの絵つけ体験ほか、さまざまなイベントや体験教室も開催されています。
住所:姫路市書写1223番地 / TEL:079-267-0301
(2)播産館
住所:姫路市南駅前町123 (じばさんびる1階) / TEL:079-289-2835
営業時間:[平日] 10:30~19:00 / [土日祝] 9:00~19:00
※12月29日~1月3日以外は無休で営業
(3)姫路観光コンベンションビューロー 姫路城売店
住所:姫路市本町68(姫路城有料エリア出口)
営業時間:姫路城に準ずる 9:00~16:00 (閉門は17:00) ※夏季は1時間延長
※12月29日・30日以外は無休で営業