日本東洋医学サミット会議(JLOM)【鍼灸電子カルテベンダー様へのお願い】 - 公益社団法人 日本鍼灸師会
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日本東洋医学サミット会議(JLOM)【鍼灸電子カルテベンダー様へのお願い】

鍼灸電子カルテベンダー様各位との意見交換会を開催予定です。
詳細は、下記をご参照ください。
 
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日本東洋医学サミット会議(JLOM)【鍼灸電子カルテベンダー様へのお願い】

2024年2月19日

 
鍼灸電子カルテベンダー様 各位
拝啓 貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は日本の鍼灸電子カルテの発展と普及にご尽力いただき誠にありがとうございます。
さて、以下に記載した鍼灸電子カルテ標準化の必要性、これまでの我々の活動を踏まえて、鍼灸電子カルテベンダー様各位との意見交換会を開催したいと存じます。年度末で大変ご多用のところ恐縮ですが、是非ともご参加賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら貴社の益々のご発展を祈念いたします。

敬具

 

鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定に関する会議

南 治成 (日本鍼灸師会)
久島達也(鍼灸学系大学協議会)
和辻 直 (日本伝統鍼灸学会)
若山育郎(全日本鍼灸学会)
清水洋二(全日本鍼灸マッサージ師会)
中川紀寛(全日本鍼灸マッサージ師会)
松下美穂(東洋療法学校協会)
児山俊浩(日本鍼灸師会)
アドバイザー 山下幸司(鈴鹿医療科学大学)

 
鍼灸電子カルテ標準化の必要性
医療者は、健康維持や病態改善を目的として、患者から話を聞き、あるいは治療行為を施した場合は遅滞なく診療に関する事項を記録せねばならない。はり師、きゅう師も例外ではなく、対象が健常人、患者に拘わらず、診療・治療行為をした場合はカルテにその内容を記載せねばならない。
近年、病院や診療所において従来の紙カルテから電子カルテに移行してきているのは周知の通りであるが、その普及率については、大病院でこそ90%を超えているが中小病院や診療所では50%程度に留まっている。また、現在の医科電子カルテの大きな課題としては、電子化には成功したものの、各病院が独自のシステムを用いているため、電子カルテ本来の利点である施設間あるいは全国的な情報の共有がほとんどできていないというのが現状である。厚生労働省は、そうした課題を克服するため、行政主導で「標準型電子カルテ検討ワーキンググループ」を立ち上げ、2030年を目処に電子カルテ100%導入、HL7 FHIR を用いた文書データ入出力可能なシステムを構築しようとしている。
 
電子カルテに関して鍼灸界はどうかというと、昨年の全国の鍼灸師を対象としたアンケートでは、普及率は、電子カルテ使用 14%、電子カルテと紙カルテ併用 15%を合わせて 29%(n=402)であった。ただし、これはカルテを記載している方の中の割合で、全回答数(n=429)のうち、27名は「カルテを用いていない」との残念な結果であった。また、今回、回答いただいたのは比較的意識の高い鍼灸師だと思われるため、実際の普及率はおそらくさらに低いと予想される。すなわち、鍼灸臨床においてはほとんど電子化されていないのが現状であろうと思われる。
そこで、将来必ず来るであろう鍼灸カルテ皆電子化時代に備えて、また、現在、医科のカルテで起こっているような様々な問題を回避するため、
 ① 全国共通の電子カルテプラットフォームの策定
 ② コーディングが必要な項目の選定
 ③ バックヤードで必要な「鍼灸マスター」の作成
など標準化された鍼灸電子カルテとそれに関するシステムを検討するため、日本東洋医学サミット会議(JLOM)のフルメンバーとなっている鍼灸6団体の代表の同意を得て、各団体から委員を選出いただき「鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定に関する会議」及び「鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定に関する会議 作業部会」を立ち上げた。なお、6団体とは、日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会、東洋療法学校協会、鍼灸学系大学協議会、日本伝統鍼灸学会、全日本鍼灸学会である。
 
これまでの活動の経緯
2022年2月11日に、鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定に関する会議(鍼灸電カル会議)を発足、ミッションを鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定とした。現在まで14回会議を開催したほか、2023年3月に「鍼灸施術録(カルテ)記載に関するアンケート調査」を施行、その結果を全日本鍼灸学会雑誌73巻2号: 156-166及びWebに公開した。
https://jsam.jp/important/notice20230713/
また、進捗状況を第72回全日本鍼灸学会学術大会(神戸)にて発表、2024年の第73回宮城大会でも発表予定である。
また、2022年8月2日に、鍼灸電カル会議作業部会を発足、ミッションを全国から収集した鍼灸カルテの項目の拾い上げと分析とした。現在まで18回会議を開催し、全国89施設のカルテを収集しカルテ項目を分析中である。その進捗状況を第72回全日本鍼灸学会学術大会(神戸)にて発表、2024年の第73回宮城大会でも発表予定である。
 
さて、ここからは私どもから各ベンダー様へのお願いです。鍼灸電カル会議、同作業部会でさらに内容を詰める必要はあると存じますが、この度、鍼灸電子カルテ標準参照仕様の原案を作成いたしました。今後は各ベンダー様のご協力を仰ぎながら、標準化された鍼灸電子カルテの開発と普及に努めたいと考えております。
つきましては、下記意見交換会へのご出席をお願いしたいと存じます。私どもの原案を説明申し上げた後、皆様のご意見をうかがえればと存じます。ご出席いただける場合は、全日本鍼灸学会・若山までご連絡をお願いします(e-mail: wakayama@kansai.ac.jp)
 

 
日時:2024年3月15日(金)18:00~20:00(終了予定)
会場:Zoom (URLは追ってお知らせいたします)
 
なお、各ベンダー様の現在の電子カルテの特徴について、10分~15分程度のビデオ(mp4file)におまとめいただけませんでしょうか?鍼灸電カル会議及び同作業部会の委員で前もって視聴させていただきたいと思います。恐れ入りますが、3月4日(月)くらいを目処に、上記e-mailにお送りいただければ幸いです。併せてよろしくお願いします。
 

以上

—– ここまで —–

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