Speciality Guidance
浜松医科大学皮膚科では、皮膚疾患全般を対象として診療を行なっておりますが、特にアトピー性皮膚炎、乾癬、光線過敏症、薬疹、脱毛症などの免疫・アレルギー疾患と、皮膚リンパ腫、悪性黒色腫などの皮膚悪性腫瘍の診療・研究を精力的に行なっています。
皮膚という臓器は単なる「皮」ではありません。生体を外界の環境・外的異物から守る必須のバリア臓器です。また、極めて多彩な免疫反応を誘導する免疫臓器でもあります。このような機能的特性から、皮膚には多種多様な疾患が発症します。従来、それら多くの疾患は、臨床像・組織像など、形態学的観点から主に分類されてきました。また、皮膚疾患の多くは発症メカニズムがほとんど不明であったため、非特異的な免疫抑制剤が治療の主体となってきた時代が、長らく続いていました。
しかし、近年の基礎・臨床研究の発展に伴い、皮膚疾患はその発症メカニズムの観点からの分類が進みつつあります。また、治療についても、疾患発症の原因となる特定の分子を標的とする、効果的かつ副作用の少ない治療法が臨床応用されてきております。浜松医科大学皮膚科では、それら最新の治療を積極的に導入し、ベストな医療の提供に努めています。また、さらなる効果的治療の開発にむけて、日々研究を行い、成果を世界に発信しています。これらに加え、当教室は、静岡県の東部、中部、西部全域に渡り、20を超える基幹病院に30名を超える医局員を派遣し、これら病院と連携して、静岡県の皮膚科地域医療の中心的役割を担っています。
浜松医科大学皮膚科では、このような診療・研究活動をとおし、また医学生・次世代を担う皮膚科医の教育・育成を行い、患者さん・医療者双方に信頼いただける皮膚科医療の提供を目指しています。