ボランティアによる「市民の森」づくり事業 | 緑の募金

ボランティアによる「市民の森」づくり事業

事業分野「森林の整備」 国内の森を元気にする

こうち森林救援隊
〒780-0951 高知県高知市西塚ノ原105-24

団体の概要

我が隊は、間伐等による森林環境の保全や緑のダムとしての水源涵養能力の向上と、中山間地域と都市部住民との交流を基とした「市民の森づくり」を目指して、平成17年1月に高知市の職員15人が中心となって結成された。

17年度には27回の活動に延べ293名、18年度には76回の活動に延べ984名が参加し、間伐や間伐材の搬出、また間伐材を利用した木工教室やボランティア祭りの開催などを実施し、森林環境の保全と林業の再生や中山間地域の振興について広く喚起している。

募金事業の概要

平成17年1月、県都の高知市を流れる鏡川の源流域である(旧)鏡・土佐山村が高知市に合併されたことから、市民の水瓶で命の源でもある清流「鏡川」の源流から河口までが単一の行政区域に治まるという、全国的にも極めて珍しい新高知市が誕生したが、この合併により、高知市の森林面積は約3倍に増え、「鏡川」の清流を守っていくための森林の整備や、源流域から河口までの一貫した環境整備、林業の再生や中山間地域の振興などが、高知市民にとっての緊急の課題として浮上してきた。

こうした課題にボランティアの立場から協力するため、鏡川の源流域に広がる人工林の間伐と、間伐材を利用した木工教室やボランティア祭り等を開催し、環境の整備や林業の再生、中山間地域の振興を目指す「市民の森づくり」事業を実施した。

植樹風景
指導員のもとで玉切り作業

具体的には、この事業としての定例会活動を16回(327名が参加)行い、約5haの間伐と、およそ10の間伐材の搬出、2回の木工教室と1回のボランティア祭り(100名以上が参加)を開催した。これらの活動はいずれも土日を利用した宿泊型の活動で、旧鏡村の梅ノ木地区住民との交流を基としたもので、地域住民とボランティア団体との新しい協働関係を築くことを目指しているものである。

とりわけ、18年11月に実施したボランティア祭りでは、間伐地の提供はもちろん、ピザや豚汁等の食材提供や地場産品の販売など、祭りの裏方として地区住民の全面的な協力をいただくなど、ボランティア団体と地域住民との友好な関係が構築されてきている。

大工の棟梁を先生に木工教室
豚汁の器も各自手づくり

この事業で間伐された森林では、荒廃していた人工林に光が差し込み始め、赤茶けた僅かな土と岩肌しか見えなかった林内も、コケ類やシダ類、広葉樹の新芽も芽吹き始めるなど、徐々にではあるが生きた森への変貌を見せてきている。

またボランティア祭りでは、中山間地域の典型のような山里の旧鏡村の梅ノ木地区に、コンビニエンスストアの社員とその家族の方々を含む100名を越える人々が集まり、間伐や植樹、木工細工などの各種チャレンジコーナーを通じて、森や水の環境の問題についてともに考える良い機会を提供するなど、「市民の森づくり」事業は着実に実を結ぼうとしている。

何より、18年9月の事業開始当初は100名程度であった隊員が19年6月現在では150名にも急増しており、しかも、環境の問題にしっかりとした意見と意思を持った大学生を筆頭とした若者の参加が増えてきていることは心強い限りで、この事業の浸透と着実な拡がりを実感させてくれている。

参加者・地域の人の声

記念撮影
  • 大自然の恵みに感謝しながら、森林や清流に少しでも恩返しできることを自分なりに考えていきたいと思います。
  • どんぐりを拾いながら、子どもたちに森の大切さを話し、小さいことから伝えていくようにしています。
  • 間伐によって森、川、海がいい状態になる。間伐された木がそのまま放置されるのではなく、生まれ変われば木も人も豊かになると思う。
  • このようなイベントで森林保全の重要性を多くの方に知ってもらうことの大切さを痛感しました。

今後の取り組み

19年度においても、昨年度の実績を上回る勢いで活動が展開されており、我々の活動が5月にはテレビ高知の「頑張れ高知エコ応援団」、6月にはNHK高知の「土佐を元気にするキャンペーン」、また、9月に岡﨑市長(救援隊の隊員)が参加した定例会活動の様子が再び「頑張れ高知エコ応援団」で放送される等、マスコミ各社にも取り上げられ、緑の募金事業で構築された「市民の森づくり」に向けた取り組みは、ますます拡がりをみせている。

梅ノ木公民館のグラウンドで間伐材を利用したログハウス造りにもチャレンジしており、間伐材の利用促進のPRとともに地域住民と都市部住民の交流のシンボルとして位置づけ、現在ログハウスを組み上げている。

また、11月には昨年同様に梅ノ木地区においてボランティア祭りを開催し、森林保全の重要性や間伐材の利用を促すとともに、林業の再生や中山間地域の振興についても、広く喚起していくよう計画しているところである。

実績報告とりまとめ表

実施時期 18年
9月~12月
19年
2月~5月
備考
作業内容 植付面積 0.1ha 0.1ha 樹種:ツツジ、モミジ各15本
( )内は大学生
植付本数 30本 30本
間伐面積 1.6ha 3.5ha 5.1ha
参加者数 県内 203人 123人 326人
県外 1人 1人
204(延べ9)人 123(延べ15)人 327(延べ24)人
実施場所 高知県高知市鏡・土佐山地区
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