戸隠神社は戸隠山の中腹に点在する5つの神社の総称で、それぞれで個性的な書体の御朱印が頂けます。またこれらを巡る道中では数々の絶景スポットや戸隠そばの名店に立ち寄ることができます。戸隠神社へ出かけてみましょう。
戸隠神社五社の御朱印コンプリート
五社の御朱印が揃うと記念品として栞が頂けるということですが、私がお参りした時期はあいにく欠品していました。
御朱印の場所・種類・時間・値段
御朱印所は宝光社、中社、奥社にあり、火之御子社は宝光社もしくは中社、九頭竜社は奥社で扱っており、それぞれの御朱印所で直書き御朱印を頂けます。冬季は宝光社と奥社も無人となるため、五社分すべて中社で頂くことになります。
受付時間:9:00~17:00
初穂料:300円
五社の御朱印
宝光社
火を噴くような豪快な書体です。
火之御子社
一転して繊細な書体の御朱印です。宝光社と同じ方が書いているのが信じられません。
中社
中社の御朱印はどちらかというとほんわかした書体です。
九頭竜社
線が細く繊細な書体です。
奥社
九頭龍社と同一の人が書いているため、こちらも繊細な書体です。
戸隠神社の由緒
創建は849年とされている
現在の奥社の地で「学問」という僧が最初に修験を始めた849年が戸隠神社の創建とされています。
平安時代後期以降、神仏習合の寺院として全国にその名を知られ、最盛期は比叡山、高野山と並び称されるような存在だったといわれています。
戦国時代には上杉謙信と武田信玄の騒乱に巻き込まれますが、江戸時代になると徳川家康の保護を受けて繁栄し、山中は修験道場から門前町へと変貌していきました。
明治になってからの神仏分離令とそれに伴う廃仏毀釈の動きが激しくなり、戸隠神社では寺を切り離して神社として現在に至っています。
天の岩戸伝説に関係した神社
戸隠神社は日本神話に登場する天岩戸伝説と深く関係した神社です。高天原でのスサノオの蛮行を嘆き、アマテラスは天の岩戸にこもって入り口を大岩で閉ざしてしまいますが、太陽の神が隠れてしまったことで世界は闇となってしまいます。
八百万(やおよろず)の神々は困り果て、相談を重ねて策を練った結果、岩戸を開け放ってアマテラスを引き出すことに成功しました。
この「天の岩戸開きの神事」に功績のあった神々を祀っているのが戸隠神社です。
バスを利用したアクセス
戸隠神社は奥社の大鳥居までは車で行くことが可能です。公共交通機関を利用する場合、長野駅前7番バス乗り場から戸隠・飯綱高原方面のバスで約1時間です。
ループ橋経由の戸隠キャンプ場行きと、県道経由の戸隠中社行きのどちらを利用しても大丈夫です。
ちなみに県道経由の場合、バスはチベットかネパールを思わせる風景の中を走ります。
ループ経由の場合は真光寺ループ橋を通ります。
ちなみに宝光社の手前にある商工会館周辺にはATMがありましたが、そこを過ぎてからは一切見ませんでした。途中でお金が足りないということがないよう十分に注意してください。
中社と奥社が特に印象深い境内
宝光社
宝光社では「天の岩戸開きの神事」の天表春命を祀っています。中社の御祭神で岩戸を開ける策を立案した天八意思兼命の子で、学問や技芸、裁縫、安産や婦女子の神とされています。
当初は奥社の地に相殿として創建され、老若男女が四季を問わずお参りできるよう1058年に現在の地に遷座されました。
戸隠神社の五社の中で最も麓にあり、神社の玄関口的な存在となっています。
宝光社の社殿までは270段以上の石段を上らなければなりません。
現在の社殿は1861年に建てられた戸隠神社で最も古い建物で、神仏習合時代の面影を残す寺院建築の様式を取り入れたものとされています。
火之御子社
火之御子社は1098年の創建で、アマテラスがこもった岩戸の前で舞い踊った天鈿女命を祀っています。舞楽芸能の神、縁結の神、火防の神として人々の崇敬を受けています。
樹齢約500年の「二本杉」は一つの根から2本の枝がわかれて、寄り添うようにあります。縁結びのパワースポットとして訪れる人が絶えないようです。
神仏習合の影響が強く残る戸隠神社の中で、火之御子社だけは純然たる神社としての姿を保ち続けてきました。無人のため正面の引き戸に開けられた小窓から賽銭を入れるようになっています。
中社
中社の御祭神はアマテラスが天岩戸に隠れて世界が闇になってしまった際に、岩戸を開ける策を立案した天八意思兼命です。知恵の深い神様であることから、学業成就、試験合格、商売繁盛、開運、家内安全にご利益があるとされています。
伊勢神宮の堀川と火除橋を思わせる光景です。
拝殿まではこちらでも急な石段を上がらなければなりません。
拝殿の「龍の天上絵」は、平成15年に復元した狩野派の天才絵師といわれている河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の作品です。
拝殿右手奥にあるさざれ滝周辺は何やら神々しい雰囲気が漂っていました。
奥社・九頭竜社
奥社と九頭龍社まではここから約2㎞あります。車でまわってきた人も駐車場に車をいれて歩かなければなりません。
大鳥居から隋神門までの1㎞の紅葉は見事でした。
参道のちょうど中間点に神域に邪悪なものが入るのを防ぐ神を祀った隋神門があります。
隋神門を過ぎると周囲は一転して杉並木になります
JR東日本「大人の休日倶楽部」のCMで吉永小百合が中に入った杉の洞です。
参道が途中から上りの石段に変わりました。
飯縄社では飯縄山の主である飯縄明神を祀っています。飯縄明神は天狗と伝えられていて、上杉謙信や武田信玄が信仰した戦勝の神様です。
石段はさらに急になり、宝光社から歩き続けてきた脚にこたえます。
ようやく石段が終わろうとしている時、右手に小さな滝が現れました。
最後の踊り場からまずは九頭竜社へ向かいます。奥社は反対側にあります。
戸隠神社五社の中で九頭龍社だけは「天の岩戸開きの神事」とは無関係の九頭龍大神を祀っています。生命の源の水を司る神とされる九頭龍大神は、古来より雨乞いの神、虫歯の神、縁結びの神として信仰されています。
奥社に向かって最後の階段を上がります。
戸隠神社奥社は「天の岩戸開きの神事」において、外界の様子を探るためにアマテラスが少しだけ開けた岩戸を怪力で開け放し、アマテラスの腕を掴んで引き出した天手力維命を祀っています。
力の神、スポーツの神ということで、開運、心願成就、五穀豊穣、スポーツ必勝などにご利益があるといわれています。
戸隠連峰の山々が手が届きそうな場所に見えます。ここまで苦労してたどり着いただけにありがたみが全然違い、「奥社こそが戸隠神社である」というのはやはり事実であるようです。
紅葉が見頃だった
戸隠山の絶景ポイントとしては戸隠神社の他に小鳥ヶ池と鏡池があり、中社から奥社へ向かう車道からわき道に入ると見ることが出来ます。
お参りしたこの日は紅葉が見頃でした。
戸隠神社は冬季もお参りできる
戸隠神社の記事では「冬季は閉鎖されていてお参りできない」と書いてあるものも多いようですが、決してそんなことはありません。中社以外は社務所が無人になるだけであって、お参りは可能です。当然それなりの備えは必要ですが、冬季の戸隠神社は夏季とは全然違った魅力があります。(極力同じ場所で写真を撮るようにしたのでこちらもご覧ください。)
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