- 明瞭で癖のない高音質サウンド
- 実用レベルの空間オーディオ機能を搭載
- アクセサリーのような高級感溢れるデザイン
- ノイズキャンセリングはホワイトノイズ多め
- イコライザー・低遅延モード無し
- iOS向けのアプリが用意されていない
総合評価 |
|
8.5/10 |
---|
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはXiaomiの完全ワイヤレスイヤホン、Xiaomi Buds 4 Pro。
洗練されたデザインが魅力的なTWSです。
機能面では-48dbを謳うノイズキャンセリング機能や空間オーディオ機能が目を引きます。
同じ中華系スマホのメーカーでイヤホンの共通点も多そうな(デザイン性に優れている点や操作性が似ている点)HUAWEI FreeBuds Pro2などと比較しながらどの程度の性能なのかチェックしてみようと思います。
- Xiaomi Buds 4 Proの外観チェック
- Xiaomi Buds 4 Proのスペックと測定結果
- Xiaomi Buds 4 Pro 詳細レビュー
- Xiaomi Buds 4 Proの使い方と注意点
- 総合評価
Xiaomi Buds 4 Proの外観チェック
イヤホン本体
イヤホンケース
gif動画で雰囲気をチェック
付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
Xiaomi Buds 4 Proのスペックと測定結果
Xiaomi Buds 4 ProとHUAWEI FreeBuds Pro2のスペック比較表
Xiaomi Buds 4 Pro | HUAWEI FreeBuds Pro2 | |
価格 (2023/3/24 時点) |
26,800円 | 22,976円 |
ドライバー |
11mmデュアルマグネットスーパーバランスドライバー |
11mmクアッドマグネットダイナミックドライバー 平面振動板ドライバー |
連続再生時間 | 9時間 38時間(ケース込) |
6.5時間 30時間(ケース込) |
コーデック | SBC・AAC・LDAC | SBC・AAC・LDAC |
防水性能 | IP54 | IP54 |
ノイキャン | ○ | ○ |
マルチポイント | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ |
低遅延モード | ✕ | ○ |
空間オーディオ | ○ | ✕ |
連続再生時間と空間オーディオに対応している点ではXiaomi Buds 4 Proが有利です。
特にロング再生できる点は大きなメリットと言えそう。
(HUAWEI FreeBuds Pro2だとLDAC+ノイキャンONで2時間半くらいしか再生時間がもたない)
一方で低遅延モードがないのが少し痛いところです。
空間オーディオに対応している割にイコライザーが無いのも気になります。
ドライバーも平面振動板が入っているFreeBuds Pro2のほうが良さそうに見えますが、その辺は実際に聴いて確かめてみたいと思います。
LDAC+ノイキャン時の連続再生時間・電池残量の推移
LDAC+ノイキャンで再生
- 30分再生⇒電池残量95%
- 1時間再生⇒電池残量82%
LDAC+ノイキャンでの連続再生時間が3時間に届かないTWSがほとんどの中、Xiaomi Buds 4 Proは4時間以上は再生できそうです。
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:46.7mm 横:59.3mm 高さ:26.6mm |
重さ | イヤホン:5.1g ケース:39.7g |
見た目は結構重厚な雰囲気ですがイヤホン・ケース共にコンパクトで軽量です。
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 189ms/210ms (LDAC)/(SBC) |
316ms (AAC) |
低遅延時 | - | - |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでは約0.189秒
- iPhoneでは約0.316秒
の遅延です。
低遅延モードなしでもAndroidなら動画やゲームでぎりぎり遅延が気にならないくらいのレベルでした。
AACで接続するiPhoneではかなり遅延が気になる結果に。
iPhoneでYoutubeの遅延が気になる場合はブラウザから視聴すれば遅延補正してくれます。
詳細⇒【iPhone】音ズレ対処法!BluetoothイヤホンでYouTube動画を観ると遅延が気になる問題の原因と解決策
交換イヤーピースについて
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
✕ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
✕ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
✕ | final TYPE E(M) |
✕ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
✕ | Spinfit CP360(M) |
✕ |
NUARL Magic Ear+(M) |
✕ |
(自分がよく使うTWSイヤーピース+SONYのイヤピ2種との対応表です)
楕円形で特殊な形状のノズルなので手持ちのイヤーピースはすべて入りませんでした。
汎用性の高いSednaEarfit Crystalでも入らなかったのでかなり厳しいかも‥。
Xiaomi Buds 4 Pro 詳細レビュー
音質評価
音質のレベルは非常に高いです。
HUAWEI FreeBuds Pro2との比較として書き始めたものの、音の性格がずいぶん違うのでどうしようかと思ってしまいました。。
HUAWEI FreeBuds Pro2は非常に深みのある低音で壮大に聴かせるサウンド。
Xiaomi Buds 4 Proは全域に渡って癖のない、自然なサウンドといった感じです。
適度な量感と沈み込みの低音、明瞭で情感たっぷりな芯の太いボーカル、刺さらないけど明るくよく伸びる高音。
いくつか聴き比べした中では音質評価の非常に高いfinal ZE3000に近い音かなと思います。
聴き比べるとXiaomi Buds 4 Proのほうが低音の輪郭がよりはっきりしていてボーカル域や高音の明瞭感も少し上。
15,000円くらいのTWSと同程度かよと思われるかもですが‥
全TWSを含めても相当上位に入るイヤホンですし、ZE3000はノイキャンなしですからね。
音場も広く、非常に心地よいリスニングが出来ます。
空間オーディオの評価
AirPods Pro 第2世代やAnker Soundcore Liberty 4にも搭載されているヘッドトラッキング機能がついています。
これをONにすると正面に音像が固定され、後ろを向けば後ろから音が聞こえると言った感じに。
目を閉じるとステージの上から音が聞こえてくる感じで非常に臨場感があります。
実用レベルに達した良き空間オーディオと言えます。
ノイズキャンセリングの比較
-48dbを謳うノイズキャンセリング機能を搭載しています。
低音ノイズを大きくカットし、中音・高音に対してもそれなりの効果を感じます。
ただ、ホワイトノイズがあり無音にはなりません。
強力なノイキャンに分類される-42dbのHUAWEI FreeBuds Pro2と比較しても効いているなぁという感覚があり、期待が膨らみます。
次に最強クラスのノイキャン、BOSE QuietComfort Earbuds II・SONY WF-1000XM4とくらべてみましたが‥
この辺とは大きく差があって明らかにBOSE・SONYのノイキャンほうが上でした。
で、この時点で気づいたのですがXiaomi Buds 4 Proはノイズを消す量は結構多いんですがノイキャンが強まるにつれてホワイトノイズがものすごく大きくなるんですよね‥。
ノイキャンで消しきれなかったノイズよりホワイトノイズがうるさいみたいな感じです。
Noble Falcon ANCと比べてもやはりノイズ除去力は劣っていると感じます。
-43dbのSOUNDPEATS Capsule3 Proと比べるとCapsule3 Proの方がわずかに勝っているかな?ほぼ同じくらいかなという感じ。
しかし前述の通りホワイトノイズがうるさいのでどちらが静かかというと微妙な所。
-48dbはちょっと大げさなんじゃないかなぁというのが正直な感想です。
-43db相当と評価しておきます。
(参考:ノイズキャンセリングイヤホンのおすすめと最強がわかる比較表)
外音取り込み機能評価
- 通常の外部音取り込みモード
- エンハンスボイスモード
- アンビエントエンハンスモード
3つのモードが用意されています。
エンハンスボイスモードは人の声を増幅して聞こえるようにするモード。
アンビエントエンハンスモードにするとイヤホンしていないときより聞こえる大きく外音が聞こえるようになります。
どのモードでもサーッというマイクで取り込んだ音が若干入ります。
特にアンビエントエンハンスモードは雑味強め。
通常時の外音の取り込み具合は不自然な感じがなく、イヤホンをしていない時に近いです。
イヤホンをしていない時と比べて95%くらいの音量になる感じです。
基本はノーマルな外音取り込み機能で充分便利に使っていけると思います。
装着感の評価
軽い付け心地で長時間着用しても耳が疲れません。
フィット感はそこそこ。
多少の運動なら問題ないと思いますが、激しい運動に使うには心許ないかなと。
普通に使う分にはイヤホンをしたまま快適に過ごせます。
マイク性能・通話品質について
3つのマイクと VPU設定とXiaomi 独自開発のAIノイズキャンセリングアルゴリズムの組み合わせにより、ノイズリダクションを効率化して中断のないクリアな通話を可能にした - Xiaomi 公式ページより
謳い文句通りで非常にクリアな音声です。
小声で喋ってもしっかり相手に声が届いていました。
また、周囲の雑音も的確にカット。
ノイズカットと一緒に喋っている声までカットしてしまうイヤホンも少なく有りませんが、Xiaomi Buds 4 Proではそういったことが全然起こらず。
風切り音対策も完璧で、扇風機の風を直接イヤホンに当てながら喋っても全く問題なく通話できました。
通話品質は完璧といえる出来です。
専用アプリ【Xiaomi Earbuds】の主な機能
ホーム画面
ノイズキャンセリング機能の調整
外音取り込みモードの切り替え
操作方法のカスタマイズ
3Dオーディオ(空間オーディオ)
その他の機能
アプリ総評
中々アプリがイヤホンと繋がらないことがあり、個人的にはあまり印象は良くないです。
また、イコライザーがないのは残念ポイント。
【音声検出】は話し声に反応して自動で外音取り込みモードに移行する機能。
SONYの【スピーク・トゥ・チャット】と同様の機能と思われますが、精度は大違い。
【スピーク・トゥ・チャット】は喋り始めると即座に反応して外音取り込みモードになりますが、【音声検出】は反応したりしなかったり。
かなり大きな声で喋らないと100%反応しないなど実用性は正直無いと感じました。
Xiaomi Buds 4 Proの使い方と注意点
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
- 1台目とのBluetooth接続を完了させる
- イヤホンをケースに収納した状態でケースのフタを開く
- ケース下部の機能ボタンを2秒間長押し
- ペアリングモードに入るので2台目の端末と接続
- マルチポイント接続完了です
リセット方法
- イヤホンをケースに収納した状態でケースのフタを開く
- ケース下部の機能ボタンを10秒間長押し
- リセット完了です
充電方法
付属の充電用USB Type-Cケーブルで充電できます。
30分で満充電になるだけでなく、5分の充電で3時間再生可能な急速充電にも対応。
非常に充電が早いのも1つの特徴と言えます。
その他、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。
(Qi規格の充電パッドは別売り)
操作方法
スティック部のくぼみをピンチして操作する、疑似物理ボタン式になっています。
タッチセンサー式にありがちな誤操作がなく快適な操作感覚です。
L側 | R側 | |
1クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
2クリック | 曲送り | 曲送り |
3クリック | 曲戻し | 曲戻し |
長押し | モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み |
モード切替 ・ノイキャン ・外音取り込み |
専用アプリから操作方法を設定可能。
デフォルトでは音量調節が入っていないので、左右のどちらかに入れてあげたほうが良いと思います。
自分は↓画像のように設定しました。
注意点1:iOS用のアプリは現時点では用意されていない
現時点ではAndroidでしか専用アプリは使えないようです。
空間オーディオ機能はアプリからしかONにできないのでiPhoneでは空間オーディオは使えないということになりますね。
いずれApp Storeでも公開されるのでしょうか。
注意点2:Google Fast Pairはファームウェアアップデートで追加される機能
Google Fast Pair対応と書かれていますがアプリからファームウェアアップデートすると追加される機能です。
ワンタッチでペアリングが完了する便利なGoogle Fast Pairですが、アップデートを経由しないといけないので通常のペアリング作業が必要になります。
注意点3:アップデートにはXiaomi会員登録が必要
なんでだよって感じですが会員登録しないとファームウェアアップデートできませんでした‥。
中華系のメーカーは会員登録しないとアプリ使えないとか多いですねー。
説明書
オンラインマニュアルは用意されていませんでした。
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
9.4/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
8.5/10 |
外音取り込み |
|
8.5/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 |
S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
Xiaomi Buds 4 Proは-48dbのノイキャンに惹かれて買ったらむしろ音質の方が優秀だったという感じのイヤホンです 笑
総合的な性能は非常に高いTWSだと思いますが、ノイキャンのホワイトノイズやアプリの拡張性が低い点などは少し荒っぽさを感じます。
一方で
- 通話時の風切り音対策が完璧
- 充電が異常に早い
- LDAC+ノイキャンで接続しても長時間再生できる
こういった部分は他のイヤホンでは中々みられないメリット。
デザインも非常に優れていますし、見た目買いしても後悔しない素晴らしい音質と機能を備えたイヤホンであることは間違いないです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。