- バランスの良い明瞭サウンド
- 強力なノイズキャンセリング
- マルチポイントなど多くの便利機能を搭載
- アダプティブANCはやや癖あり
- イヤホンから曲戻しの操作ができない
総合評価 |
|
8.5/10 |
---|
更新日:2024年10月 最新の基準に合わせて総合評価を修正
こんにちは、猫居です。
今回レビューするのは2023年10月25日発売の完全ワイヤレスイヤホン、SOUNDPEATS Air4 Pro。
定価8,480円というエントリークラスのTWSながら価格帯最高クラスの-45dBを謳う高性能ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載。
さらに2台同時接続可能なマルチポイントやハイレゾ/ロスレス再生が可能なSnapdragon Soundにまで対応。
コスパ高な完全ワイヤレスイヤホンをリリースしまくっているサウンドピーツが覇権を取りに来た感もある本作。
Air4やAir4 Liteとの比較を交えつつチェックしていきます。
本レビューはメーカー様よりサンプルをご提供いただいております。執筆料などはいただいておらず、自由にレビューさせていただくことを条件にお引き受けしています。
SOUNDPEATS Air4 Proのスペック・外観チェック
スペック表と特徴
Air4 Pro | |
価格 | 8,480円 |
連続再生時間 | ANC OFF 6.5時間 26時間(ケース込) |
ドライバー | 13mm DD |
コーデック | SBC /AAC /aptX /aptX Adaptive /aptX Lossless /aptX Voice |
防水性能 | IPX4 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
その他の機能 | 着脱検知 |
説明書 | Air4 Pro取扱書(PDF) |
特徴
- Snapdragon Soundに対応。「aptX Adaptive」では96kHz/24bitのハイレゾ相当、「aptX Lossless」ではCD品質の44.1kHz/16bitロスレス再生が可能
- バイオセルロースを含む3つの異なる特性の材料を使用した独自開発の13mmバイオセルロース複合振動板を搭載。異なる材料の特性を最大限に生かし、クリアな中音域とダイナミクス、そしてより自然なサウンドを実現
- アダプティブアクティブノイズキャンセリング機能を搭載しており、可聴域において最大45dB(特定の条件でクアルコム社による測定値)のノイズ低減を実現
- aptX Voiceを搭載し、標準的なBluetooth音声通話品質のサンプリングレートである16kHzの2倍の32kHzの超広帯域音声通話を実現
- 2台同時接続可能なマルチポイントに対応
(公式サイト:Air4 Pro|SOUNDPEATS JAPANより)
便利機能 | S・A・B・C・D |
---|
Air4 Pro・AIr4・Air 4 Liteの違い【スペック】
Air4 Pro (Amazon) |
Air4 (Amazon) |
Air4 Lite (Amazon) |
|
定価 | 8,480円 | 8,980円 | 7,380円 |
タイプ | カナル型 | インナーイヤー型 | インナーイヤー型 |
連続再生時間 | 6.5時間 | 6.5時間 | 7時間 |
ドライバー | 13mm | 13mm | 13mm |
コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless / aptX Voice | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless | SBC / AAC / LDAC |
ノイキャン | ○ | ○ | - |
マルチポイント | ○ | ○ | ○ |
低遅延モード | ○ | ○ | ○ |
アプリ | ○ | ○ | ○ |
- Air4・Air4 Liteはインナーイヤー型、Air4 Proはカナル型
- Air4・Air4 Proはノイキャン搭載、Air4 Liteは非搭載
- Air4・Air4 ProはaptX Adaptive、Air4 LiteはLDACでハイレゾ相当の再生が可能
機能面はAir4・Air4 Proの2つの方が若干充実しており、Air4 Liteはその名の通り廉価版という感じです。
ただ、Air4・Air4 ProのaptX Adaptiveは対応機種がそれほど多くないのに対してAir4 LiteのLDACは割りと安価な製品でも対応している場合が多く、ハイレゾ導入のハードルが低いというメリットがあります。
また、スペックには表れませんがAir4 LiteのマルチポイントとLDACは同時に使うことが出来ない点には注意が必要です。
外観・内容物のチェック
イヤホン本体
Air4シリーズ共通のデザイン。
色味は手に持っている写真が現物に近いです。
イヤホンケース
指紋がつかない質感の良いイヤホンケース。
高級仕様のOperaシリーズを除けばSOUNDPEATSのTWSで過去1の仕上がりではないでしょうか。
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーピース
- 充電用ケーブル
- 説明書類
Air4 Pro・AIr4・Air 4 Liteの違い【外観】
イヤホンはカナル型とインナーイヤー型の違いがあるだけで同じデザインです。
イヤホンケースはAir4 Pro > Air4 > Air4 Liteの順でクオリティの高いものとなっています。
SOUNDPEATS Air4 Pro 測定データ
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:48.5mm 横:64.0mm 高さ:24.3mm 三辺合計:136.8mm |
重さ | イヤホン:4.6g ケース:31.9g |
イヤホンは最近では普通かちょっと軽いくらい。
イヤホンケースはかなり軽量で小さい部類に入ります。
手のひらで握って半分以上隠れる程で、ポケットに難なく入るコンパクトさです。
(参考:コンパクトなイヤホンケースの完全ワイヤレスイヤホン|サイズ比較表)
携帯性 | S・A・B・C・D |
---|
遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 268ms(SBC) 292(aptX) 256ms(aptX Adaptive/高音質モード) |
332(AAC) |
低遅延時 | 119ms(SBC) 148ms(aptX) 216ms(aptX Adaptive/ゲームモード) 100ms前後(aptX Adaptive/低遅延モード) |
201ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Androidでの遅延=約0.1~0.216秒
- iPhoneでの遅延=0.201秒
Androidでは接続するコーデックによって遅延が変わってきますが、概ねゲームや動画視聴をするのに気にならない程度の遅延だと思います。
iPhoneではややゲームは厳しいくらいの数値。
ただし、aptX AdaptiveでゲームモードをONにしてもあまり効果がない点には注意してください。
ややこしい話ですが、aptX Adaptiveのゲームモードと低遅延モードは別物です。
低遅延モードは接続が不安定な時やゲーム・動画視聴中と判別されたときに自動で切り替わります。
(基本的には)任意で切り替えることは出来ないので、自分で遅延をコントロールしたい場合はSBC接続でゲームモードをONにするのがもっとも低遅延となります。
交換イヤーピース対応表
SONY ハイブリッドイヤーピース(M) |
○ | AZLA SednaEarfit Crystal(M) |
○ |
SONY トリプルコンフォートイヤーピース(M) |
○ | final TYPE E(M) |
○ |
COMPLY TG-200 トゥルーグリップ(M) |
- | Spinfit CP360(M) 後継→OMNI |
○ |
NUARL Magic Ear+(M) 後継→Magic Ear+7 |
○ | 日本ディックス COREIR BRASS(M) |
- |
(自分がよく使うイヤーピースとの対応表です)
トゥルーグリップはイヤホンに入らず。
COREIRは装着できるもののユルユル&イヤホンケースに収納できず。
その他のイヤーピースは問題なく装着できました。
SOUNDPEATS Air4 Pro 詳細レビュー
音質評価
<aptX Adaptive(96kHz/24bit)で視聴>
最近のSOUNDPEATSらしい整った音ですね。
低音から高音までかなりバランス良く鳴ります。
低音は適度な量感と深みがあり、この価格帯のTWSでありがちな派手すぎる低音ではありません。
少し立体感に欠けのっぺりした印象もありますが、うるさすぎる低音が苦手な人にはちょうどいい塩梅の量感だと思います。
中音も凹まず充分な厚みがあります。Mini Pro HSからCapsule3 Proになったあたりからこの辺の表現力が上がったと感じます。
高音はCapsule3 Proと比べてややカラッとした印象になりましたかね。
総じて値段の割にかなり良い音と言えます。
苦手分野がなく、わりとどんな曲も楽しく聴けるでしょう。
音質 |
|
7.7/10 |
---|
ノイズキャンセリング機能の比較
音楽を流していれば気になりませんが、ノイキャン時のホワイトノイズはやや強め。
アダプティブANC機能により周囲の騒音状況に応じてノイキャン強度が自動調節されます。
ノイキャン強度がMAXのときは-43dBのCapsule3 Proを超える消音力と感じます。
ただ、このアダプティブANC機能というのが結構癖ありです。
- ノイキャンが調節されて効き始めるまで10秒くらいかかる
- もう一段階強度を上げて欲しいときに手前で止まってしまうことがある
といった具合ですね。
アダプティブノイズキャンセリングをON/OFF切り替えられるようになると最高なのですが。
アップデートで機能追加されないかなーと期待しておきます。
(参考:SOUNDPEATS Air4 Proのノイズキャンセリングの強さをEarFunなど他社ANCイヤホンと比較)
ノイキャン |
|
9/10 |
---|
外音取り込み機能の評価
聞き取りやすさ重視の外音取り込み。
機能をONにするとサーというノイズが入りますが、取り込み量は充分。
イヤホンをしていないときよりも少し大きめに拾う印象です。
“ながら聴き”用というよりは人の声やアナウンスをしっかり聞き逃さないような調整なのかなと感じます。
外音取り込み |
|
8/10 |
---|
装着感評価
インナーイヤー型のAir4がそのままカナル型になった形でイヤホンの厚みは一般的なTWSと比べても薄め。
そのためか耳への収まりが良いと感じます。
スティック型でもあるので装着時の安定感も高めです。
多少の動きでは全く問題なかったのでスポーツなどにも使えると思います。
安定感あり、比較的長い時間つけっぱなしでもOK。
良き着け心地です。
装着感 |
|
8.5/10 |
---|
マイク性能・通話品質について
ボイスはややこもり気味。
いかにもデジタルっぽい声に聞こえます。
ただ、周囲の雑音は比較的よくカットしてくれます。
風切り音にもある程度抵抗してくれる印象です。
通話品質 | S・A・B・C・D |
---|
操作方法と操作性評価
L側 | R側 | |
1クリック | 音量DOWN | 音量UP |
2クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
3クリック | ゲームモード | 音声アシスタント |
長押し(1.5秒) | モード切替 ・ANC ・ヒアスルー ・ノーマル |
曲送り |
大半の操作がイヤホンで完結します。
が、曲戻しは出来ません。
アプリで操作方法をカスタマイズすることもできないので曲戻ししたいときは端末側から操作することとなります。
操作性 | S・A・B・C・D |
---|
マルチポイントの挙動について
Air4 Proのマルチポイントは割り込み可能でした。
自動で切り替わるので2台の端末と繋いでも便利に使えます。
専用アプリ【SOUNDPEATS】の主な機能
主な機能一覧
- アダプティブイコライザー
- イコライザー
- ノイズコントロール
- ゲームモード
- タッチ操作の無効化
- 着脱検知のON/OFF
ホーム画面
機能一覧
アダプティブイコライザー
使って気付いた注意点
- 初回ファームウェアアップデートあり
1.
イヤホンを接続してすぐに初回のファームウェアアップデートが来ていました。
アプリからアップデートしましょう。
Air4 Pro・AIr4・Air 4 Liteの違い【音質/機能】
音質に関してどれが良いというよりは好みですね。
Air4・Air4 LiteはAir4 Proと比べて柔らかく広がりのある音。
インナーイヤー型でも充分な低音が出ます。
Air4 ProはAir4・Air4 Liteに比べて硬質で密度のある音。
ノイキャンは明らかにAir4 Proの効きが良いです。
Air4 Liteはノイキャンなしですが、Air4もそれほど強いANCではないのでAir4 Proの方が圧倒的に効きます。
装着感はインナーイヤー型のAir4・Air4 Liteの方が軽いつけ心地です。
- 音質=お好みで
- ノイキャン=Air4 Pro >>> Air4・Air4 Lite
- 装着感=Air4 Air4 Lite > Air4 Pro
総合評価
メイン機能評価
音質 |
|
7.7/10 |
---|---|---|
ノイキャン |
|
9/10 |
外音取り込み |
|
8/10 |
装着感 |
|
8.5/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
---|---|
携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
総評
Air4 Proはこんな人におすすめです。
- バランスの良い音が好み
- 予算1万円以内でもノイキャンはよく効くものが欲しい
- マルチポイントは割り込み可能なものが良い
待ちに待ったSOUNDPEATSの強ノイキャン+マルチポイント機。
SOUNDPEATSらしいバランスの取れた音も健在です。
気になったポイントはアダプティブANCがちょっと癖のある挙動だというところくらいでしょうか。
総合力では間違いなく1万円以下TWS最強候補の一角となりそうです。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。