こんにちは、猫居です。
今回比較レビューするのはSONY WH-CH520とJBL TUNE 520BT。
どちらも実売価格7,000円ほどのマルチポイント対応ワイヤレスヘッドホンです。
去年この価格帯のBluetoothヘッドホンのレビュー依頼をいくつか頂いたときに参考用として購入した2つとなります。
大手ブランドの安価なワイヤレスヘッドホンはどちらがコストパフォーマンスに優れるのか。
まずは結論からみていきましょう。
SONY WH-CH520 | JBL TUNE 520BT | |
音質 | 7,8/10 | 7.5/10 |
装着感 |
7.5/10 |
7.0/10 |
操作性 |
S・A・B・C・D |
S・A・B・C・D |
マイク性能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
ビルドクオリティ | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
最小遅延 | 0.238秒 | 0.125秒 |
操作性と遅延以外は多くの面でSONY WH-CH520の方が優れているように感じました。
特に高音域の質感とビルドクオリティの差は大きく、どちらか1つを選ぶなら多少値段が高くても自分ならWH-CH520を選びます。
ただ遅延に関してはゲームモードのあるTUNE 520BTの方がだいぶ優秀なので、ゲームや動画視聴にも使いたいという方はTUNE 520BTの方が良いでしょう。
詳細な比較結果については目次以降をご覧ください。
- SONY WH-CH520とJBL TUNE 520BTのスペック比較表
- SONY WH-CH520 vs JBL TUNE 520BT 比較レビュー
- SONY WH-CH520 vs JBL TUNE 520BT 総評
SONY WH-CH520とJBL TUNE 520BTのスペック比較表
SONY WH-CH520 (Amazonリンク) |
JBL TUNE 520BT (Amazonリンク) |
|
価格 (2024年3月時点) |
7,000円 | 6,500円 |
連続再生時間 |
50時間 |
57時間 |
急速充電 |
5分充電 |
5分充電 →3時間再生 |
ドライバー | 30mmダイナミックドライバー | 33㎜ダイナミックドライバー |
コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC |
防水性能 | - | - |
ノイキャン | - | - |
マルチポイント | ○ | ○ |
専用アプリ | ○ | ○ |
Bluetooth Ver. | 5.2 | 5.3 |
資料 | 公式サイト | 公式サイト |
スペック上はJBL TUNE 520BTの方がわずかながら再生時間が長く、ドライバーも大きく、急速充電も優秀で値段も安いです。
ぱっと見比べただけならTUNE 520BTを選んでしまいそうですが…
便利機能評価
- SONY WH-CH520:A
- JBL TUNE 520BT:A
SONY WH-CH520 vs JBL TUNE 520BT 比較レビュー
ビルドクオリティの差:外観・付属品チェック
SONY WH-CH520の外観・付属品
もっちりした質感のウレタンフォームのイヤーパッドを採用。
シンプルなデザインながらしっかりとした造りで安っぽさを感じさせません。
【画像7枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
JBL TUNE 520BTの外観・付属品
JBLのエントリーモデルBluetoothヘッドホンは伝統的に?シワシワイヤーパッドを採用しています。
また、折りたたんで小さくすることが出来ます。
【画像8枚:スクロールバーorスワイプでスライド出来ます】
ビルドクオリティの差について
写真でどの程度伝わるかわかりませんが、ビルドクオリティには結構な差があると感じました。
イヤーパッドの違いが良い例ですが、手触りもTUNE 520BTの方がガサガサしていてお値段なりな印象を受けます。
ビルドクオリティ評価
- SONY WH-CH520:A
- JBL TUNE 520BT:B
重さ・サイズ / 遅延の差
重さ・サイズ実測値
WH-CH52のサイズ・重量
ケースサイズ | 縦:18.9cm 横:16.0cm |
重さ | 143.5g |
TUNE 520BTのサイズ・重量
ケースサイズ | 縦:17.7cm 横:16.3cm |
重さ | 157.8g |
並べて比較
若干TUNE 520BTの方がサイズはコンパクトです。
ただ、重さはWH-CH520の方が軽量。
どちらも気にするほどの差ではないと思います。
遅延測定結果
WH-CH520の遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 248ms(SBC) 312ms(AAC) |
312ms(AAC) |
低遅延時 | - | - |
TUNE 520BTの遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 197ms(SBC) 214ms(AAC) |
214ms(AAC) |
低遅延時 | 125ms(SBC) 147ms(AAC) |
147ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
- WH-CH520の最小遅延=約0.248秒
- TUNE 520BTの最小遅延=約0.125秒
TUNE 520BTには低遅延になるビデオモードがあるので、遅延はかなり小さめです。
音ゲーは厳しいですが、普通のゲームや動画視聴には問題ないくらい。
WH-CH520はゲームに使うのは厳し目。
動画視聴はYoutubeやNetflixなどのアプリ側で遅延補正をしてくれるものなら大丈夫です。
音質の違い:ドンシャリ vs フラット
TUNE 520BTの音質評価
7.5/10 点
低音寄りのドンシャリサウンド。
音場は狭めです。
力強い低音が特徴的で、低音の質感はかなり良いと感じました。
JBLらしくボーカルも元気良く鳴ります。
一方で、高音は解像度が低くザラザラとしていて刺激も強め。
WH-CH500と聴き比べても高音の質感の差は明確で、中音域も比べるとやや膜を貼ったような印象を受けます。
プリセットイコライザー+カスタムEQで好みの音に調整可能です。
WH-CH520の音質評価
7.8/10 点
デフォルトではフラット傾向なサウンド。
音場は狭く、低音の量感がやや不足気味なのが気になります。
しかし、ボーカルはクリアに鳴りますし、高音もこの価格帯のヘッドホンとしてはかなり明瞭です。
全体的に派手さがなく、良く言えば堅実な音・悪く言えば地味な音という印象。
ただ素直な音でイコライザーも優秀なので、少しいじってあげると容易に自分好みの音に変化させることができます。
ClearBASSで低音を持ち上げるとかなり迫力のある低音を出すことができるので、低音に不足感を感じた場合は調整してあげると良いでしょう。
通常のプリセット+カスタムEQの他にファインドユアイコライザー機能が用意されています。
5パターン×2回、好みの音をチェックすることで最適なイコライザー設定に調整してくれます。
イコライザーを使うことで地味な音が一変します
装着感の違い:どちらも側圧はやや強め
WH-CH520とTUNE 520BTの側圧
上の画像は頭の平均的な大きさと同じ幅を取って測りをヘッドホンで挟んだものとなります。
数値からヘッドホン自体の重さを引いて、側圧がどれくらいかかっているか考えますと…
- WH-CH520=405g
- TUNE 520BT=389.2g
TUNE 520BTの方が僅かに側圧は軽いという結果になりました。
しかし、イヤーパッドの差のせいですかね。
実際の装着感は少なくとも自分はWH-CH520の方が良いと感じました。
いや、どちらも側圧強めでそんなに装着感がいいわけではないんですが…
シワシワイヤーパッドのTUNE 520BTはゴツゴツ感が頭に伝わりやすい印象
WH-CH520はウレタンフォームのイヤーパッドなので刺激が柔らかめです
装着感評価
- SONY WH-CH520:7.5/10 点
- JBL TUNE 520BT:7.0/10 点
マイク性能・通話品質の差はあまり感じず
どちらも室内での通話は問題の無いクリアさです。
WH-CH520はややカラッとしたボイスでTUNE 520BTは温いボイスという違いはありますが、どちらもそこそこ優秀くらいといった感じ。
風切り音には両方とも弱くて通話にならない状態でした。
雑音にも余り強いとは言い難いです。
マイク性能評価
- SONY WH-CH520:A
- JBL TUNE 520BT:A
操作性・使い勝手の差
ボタンの押しやすさに差があります。
WH-CH520はボタンが平べったくて、手探りだとどれが再生ボタンなのか?音量ボタンなのか?最初はわかりにくかったです。
慣れれば問題はない程度ですが、比べるとTUNE 520BTは優秀。
ボタンの凹凸がはっきりしていて着けはじめからすぐに手探りでボタンを判別できました。
操作性評価
- SONY WH-CH520:A
- JBL TUNE 520BT:S
アプリの機能比較
JBL TUNE 520BTのアプリ「JBL Headphones」
イコライザーの他、ビデオモードやボイスアウェア*などサポート機能が充実しています。
*ボイスアウェア=通話中に聞こえる自分の声を調整する機能
SONY WH-CH520のアプリ「Headphones Connect」
イコライザーの他、ファインド・ユア・イコライザーやDSEE*など音質関連の機能が充実しています。
*圧縮された音源で失われがちな高音域をCD音質相当までヘッドホン内で補完する独自開発の技術
マルチポイントの違い
SONY WH-CH520、JBL TUNE 520BTともに2台同時接続可能なマルチポイントに対応しています。
ただ、挙動には少し違いがありました。
SONY WH-CH520のマルチポイントは割り込み不可です。
端末Aで再生中に端末Bで音を出しても自動では切り替わってくれません。
逆にJBL TUNE 520BTのマルチポイントは割り込み可能。
端末Aで再生中に端末Bで音を出すと、自動で端末Bでの再生に切り替わってくれます。
SONY WH-CH520 vs JBL TUNE 520BT 総評
SONY WH-CH520 | JBL TUNE 520BT | |
音質 | 7,8/10 | 7.5/10 |
装着感 |
7.5/10 |
7.0/10 |
操作性 |
S・A・B・C・D |
S・A・B・C・D |
マイク性能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
ビルドクオリティ | S・A・B・C・D | S・A・B・C・D |
最小遅延 | 0.238秒 | 0.125秒 |
音質・装着感・ビルドクオリティなど、ヘッドホンとしての基本性能に優れるSONY WH-CH520。
ボタンの押しやすさ・ビデオモード・マルチポイントの仕様など、使い勝手・便利系の機能で有利なJBL TUNE 520BT。
冒頭で述べた通り、僕なら多少高くてもSONY WH-CH520を選びます。
フラットで中音・高音は値段の割に綺麗に鳴りますし、低音の不足感はイコライザーのClearBASSで調整することでかなり持ち上げることが可能です。
コスパ系の中華Bluetoothヘッドホンと比べても全然遜色ない音質だと思います。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。