Amazonのブラックフライデーセールに合わせて突然発売されたREBの完全ワイヤレスイヤホン(TWS)、GEAR01。
Amazon専売だそうです。
僕は11月24日に購入して26日に届きました。
今回は速報的に使用した感想を簡単にお伝えしたいと思います。
『REB』(レブ)というブランドは音質に定評のある日本のオーディオブランドfinalの新ブランドとして注目されているやつですね。
高音質×高機能を売りにした本作。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能にハイレゾ再生、ヘッドトラッキング機能までついて定価9,800円。
基本音質全振りのワイヤレスイヤホンばかり出してきたfinalとは思えない高機能ぶりです。
結論から簡単に書いてしまいます。
- 音質=とても良い。U1万TWSでは間違いなくTOPクラス 採点:8.5/10
- ノイキャン=強力とは言えない。そこそこの効き目。 採点:7/10
- 外音取り込み=ノイズが入るが割りと自然。並~良くらい。 採点:8/10
- 装着感=安定感があるのに圧迫感はそれほどなく優良。 採点:8.5/10
- 質感=かなり良い
- ヘッドトラッキング=動画・映画用
- 操作性=やや悪い
- 通話品質=並
高音質×高機能とは言えませんが、高機能×良機能といった感じ。
ノイキャンなどに過度な期待をしなければ音が良いので満足度は高いと思います。
機能面より操作性があまり良くないのが個人的には気になりました。
特に常にノイキャンをONで使いたい人にとっては結構めんどくさい仕様になっていますので後述の操作性に関する記述をご確認ください。
詳細な評価点数についてはもう少し使い込んでから追記する予定です。
REB GEAR01 スペック・外観チェック
スペック表と特徴
GEAR01 | |
価格 | 9,800円 |
連続再生時間 | ANC OFF 7時間 24時間(ケース込) ANC ON 5時間 18時間(ケース込) |
ドライバー | 10mm |
コーデック | SBC/AAC/LDAC |
防水性能 | IPX4 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | - |
専用アプリ | - |
低遅延モード | - |
その他の機能 | ワイヤレス充電 ヘッドトラッキング機能 |
説明書 | RED GEAR01説明書 |
特徴
- 音質は日本のオーディオブランドfinal音響エンジニアと共同開発
- ハイブリッドオーガニックフィルムを使用した大口径10mmダイナミックドライバー搭載
- ワイヤレス特有の聴き疲れしやすい音質を抑え、存在感のある深い低域とクリアで伸びのあるボーカルを両立した「新しいドンシャリ」を実現
- ハイブリッドノイズキャンセリング:片側2基ずつ内外にノイズキャンセリング用のマイクを搭載。耳の内外のノイズを正確に検知することで自然なノイズキャンセリングを実現
- 「SBC」と比べ最大約3倍の情報量を伝送し、最大96kHz / 24bitの音楽再生が可能な「LDAC」に対応。ハイレゾ音源の再生が可能で完全ワイヤレスでありながら高音質で音楽を楽しめる
- スピーカー再生のように音を頭の外から聞こえるようにしたい場合や、頭の動きに合わせて音の聞こえる方向をインタラクティブに変えるコンテンツを聴く場合などに適したヘッドトラッキングモードを搭載
- 音導管部分が深く奥まで挿入が可能で鼓膜までの距離が最適となるよう設計した「ディープフィット機構」を採用。安定性が高く快適な装着感と高い遮音性を実現
(公式サイト:GEAR01 – REBより)
外観チェック
しっとりザラっとした触り心地でプラ感が無いので値段の割に質感は良い方と言えるでしょう。
見た目こそわかりやすい加工はされていませんが、agのCotsubuやPitaといった『粉雪塗装』が施された同社イヤホンと触り心地は近しいものがあります。
(agはfinalのワイヤレスオーディオ用サブブランド)
REB GEAR01 レビュー
音質評価
「新しいドンシャリ」を標榜する本作ですが、たしかにドンシャリしてます。
低音は量感多め。
重低音を謳うag Bass2ほどの量感・響きの良さはありませんが、それよりはもう少しハキハキとタイトに勢い良く鳴る感じです。
中音はボーカル帯を立たせてすっきりした感じになっていて、ボーカルが非常に明瞭なのが印象的です。
高音はコーデックの差もあってか、ag Bass2などag産のイヤホンよりも明瞭で厚みがあります。
明るく強調感のある鳴りながら刺激感はしっかり抑えられてるあたり、流石はfinalという感じ。
ただ、音質的にはfinal ZE3000やZE2000のほうが明確に良いです。(値段もその分あがりますが)
特にZE2000とは少し聴かせ方の方向性も似ていますが、GEAR01のほうが大味な印象。
良く言えばより迫力、勢いがあるともいえますが。
ドンシャリとしての音のバランスや立体感は優秀で、この価格帯のTWSとしては高音質といって間違いないと思います。
ヘッドトラッキング機能について
少し使った感じではヘッドトラッキングの精度は意外と言っては失礼ですが、結構良いように思いました。
少し上の価格のAnker Soundcore Liberty 4の空間オーディオより広がり・指向性が良いです。
ただ、ヘッドトラッキングをONにすると音量がガクッと落ち、解像感も落ちます。
音楽鑑賞用というよりは動画や映画の視聴に向いているようです。
ノイズキャンセリング機能の比較
自分のイヤホンが不良な可能性もありますが、ノイズキャンセリング機能をオンにすると右イヤホンから「シー…」という感じの異音が薄っすらと入ります。
音楽を流せば気にならない程度ですが、静かなところで耳栓代わりに使うには向きません。
ノイキャンの効果自体はそこそこで、同社のag Bass 2のANCよりは効きます。
具体的には低音ノイズを大きくカットする一方、高音ノイズはあまりカットできずといった印象。
手元のANCイヤホンと比較すると-40dBを謳うANCよりは明らかに弱いけど-35dBよりは強いという感じ。
-38dBを謳うANCと比べると若干高音の残りがGEAR01の方が多い感じがしますが、概ね同じくらいの効き目と言えそうです。
(参考:ノイズキャンセリングイヤホンのノイキャン強度比較表)
外音取り込み機能の評価
雑味が結構強めです。
サーっというマイクで取り込んだようなノイズが混じります。
外音の取り込み量はイヤホンをしていないときの85%くらいといった感じ。
やや音量は落ちますが、人の声なども十分に聞くことができます。
外音取り込み機能に関してはこの価格帯のTWSとしては悪くないです。
コスパの良い中華系のTWSも外音取り込み機能はあまり重視していない感じで、とりあえず聞ければいいでしょというものが多いので。
装着感について
ag pitaやag Cotsubuのような寝ホンとして使えるような軽めの装着感ではなく、ZE3000/2000のように耳奥までしっかりとノズルが入って安定させるタイプ。
イヤーピースだけでバランスを取っている感じなので装着感はZE3000よりゴツゴツ感が少なく、改良されているように感じます。
安定感のあるつけ心地ながらそれほど圧迫感もなく、割と快適です。
ただし、ノズルを耳奥まで突っ込むので人を選ぶ着け心地ではあるかも。
使い勝手について
操作方法
L側 | R側 | |
1クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
2クリック | 音量DOWN | 音量UP |
3クリック | 曲戻し | 曲送り |
4クリック | ヘッドトラッキング | ヘッドトラッキング |
長押し | モード切替 ・Normal ・外音取り込み機能 ・ノイキャン |
モード切替 ・Normal ・アンビエント ・ノイキャン |
タッチセンサーの感度は高め。
1タップ目が再生/停止なので装着時に誤操作しやすいです。
また、デフォルトでノイキャンがオフになっています。(ag Bass 2も同仕様)
ノイズコントロールの設定も保存されません。
なので電源を切るとノイキャンはオフになり、イヤホンを取り出すたびにボタンを長押ししてノイキャンをオンにしなければなりません。
しかも長押しタップ約3秒、押してからモード切替の反応があるまでが約2秒。
実際に1個モードを切り替えるのに5秒程かかります。
これは最近のTWSとしてはかなり反応が遅いほうかと思います。
さらに
『Normal→外音取り込み機能→ANC→Normal→…』
というループなので2回長押ししないとノイキャンに辿り着けないという。
基本ノイキャンはオンで使いたい自分のような人にとってはちょっとかったるい仕様です。
マイク性能・通話品質について
ややこもり感のある音声ですが、問題なく通話はできるレベルです。
あまり周囲の騒音をカットしている様子もなく、風切り音ももろに入ります。
あまり試せていないのでもう少し試して書き直すかもです。
総評
高音質なfinalのイヤホンに高機能がついた、超コスパイヤホンとは正直いきませんでした。
消音力はそこそこのノイキャン。
やや難のある操作性。
専用アプリが用意されていないのでイコライザーも使えませんし、操作方法のカスタマイズも不可。
2台同時接続可能なマルチポイントにも対応していません。
最近は1万円以内のTWSでも上記機能がほぼ全部揃ってしまう高機能TWSもありますからね。(EarFun AIir Pro 3やSOUNDPEATS AIr4 Pro)
でも音は普通に良いです。
普段のfinalのように音質重視のイヤホンとして見ることができれば良いイヤホンではあるんですよね。
そこにU1万ではまだほぼ見かけないヘッドトラッキング機能を搭載していることも考慮すると、高機能とは言い難いけどそこそこの機能性はあると言えると思います。
『高音質×高機能』ではないけれど、『高音質×良機能』って感じでしょうか。
中華イヤホンのような高機能を期待してしまうと失敗したなぁと感じてしまうかもしれません。
1万円以内の完全ワイヤレスイヤホンで高音質狙いなら◎。
特にドンシャリ好きでノイキャンなどはそこまで重視していないという方にはピッタリ合うイヤホンかと思います。
今回は以上です。
また次回のレビューでお会いしましょう。