- インナーイヤー型最高峰の高音質・機能性
- アクセサリー感覚で装着できる美しいデザイン
- 快適な付け心地で“ながら聴き”出来る
- 操作カスタマイズの自由度が低い
- 構造上、人の声や高音ノイズはあまりカットできない
総合評価 |
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8.5/10 |
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更新日:2024年10月 最新の基準に合わせて総合評価を修正
TWSコレクターの猫居です。
今回レビューするのはHUAWEIの完全ワイヤレスイヤホン、FreeBuds 5。
インナーイヤー型TWSながらノイズキャンセリングにマルチポイント・ハイレゾ再生対応にも対応。
音楽が再生できるだけの単機能ものが多いインナーイヤー型TWSとしては異例ともいえる高機能さです。
また、雫のような曲線で構成された独特なデザインも魅力的。
デザインに惹かれてレビューチェックしようと思った方も多いのではないでしょうか。
音質・ノイキャン性能など細かくチェックしていきます。
HUAWEI FreeBuds 5のスペック・外観チェック
スペック表
FreeBuds 5 | |
価格 | 21,800円 |
連続再生時間 | 5時間 (ノイキャンON時は3.5時間) 30時間(ケース込) |
ドライバー | 11mm デュアルマグネットダイナミックドライバー |
コーデック | SBC・AAC・LDAC |
防水性能 | IP45 |
ノイキャン | ○ |
マルチポイント | ○ |
専用アプリ | ○ |
低遅延モード | ○ |
その他の機能 | 急速充電 ワイヤレス充電 |
シンプル機能の多いインナーイヤー型TWSでは異例とも言える高性能。
インナーイヤー型でマルチポイントに対応したものは個人的に初めてです。
ハイレゾ対応やノイズキャンセリング機能搭載についてもインナーイヤー型では非常にレア。
インナーイヤー型最高峰の高機能完全ワイヤレスイヤホンと言えそうです。
便利機能 | S・A・B・C・D |
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イヤホン本体
売りの1つであるデザイン性。
すべて曲線で構成されているというユニークなデザインです。
鏡面仕上げされたイヤホンは非常に質感が良く、アクセサリー感覚で装着できます。
イヤホンケース
外箱・付属品
付属品リスト
- イヤーチップ(装着感調整用)
- 充電用ケーブル
- 説明書類
HUAWEI FreeBuds 5 詳細レビュー
重さ・サイズ実測値
ケースサイズ | 縦:66.3mm 横:50.1mm 高さ:27.4mm |
重さ | イヤホン:5.5g ケース:44.6g |
デザインや機能にかなりこだわっていることもあってかイヤホンはそこそこの重量。
イヤホンケースはかなりコンパクトで持ち運びしやすいサイズ感です。
携帯性 | S・A・B・C・D |
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遅延測定結果
Android・PC その他 | iPhone | |
通常時 | 184ms(SBC) 344ms(LDAC) |
231ms(AAC) |
低遅延時 | 136ms(SBC) 128ms(LDAC) |
180ms(AAC) |
100ms=0.1秒です。
この測定環境ではスピーカー出力時52msの遅延を観測します。
結果から-52msした数値をワイヤレスイヤホン由来の遅延と考え表に記載しています。
- Android接続時=約0.13秒の遅延
- iPhone接続時=約0.18秒の遅延
LDACでもSBCでも低遅延モードにすればどちらでも非常に低遅延になります。
ただしLDACノーマルモードはかなり遅延大きめなので気をつけてください。
Android・iPhoneどちらでも動画視聴・ゲームプレイできるくらいの低遅延です。
(音ゲーは厳しいですが)
音質評価
インナーイヤー型最高峰の高音質
11mm マグネットダイナミックドライバーを採用。
これにより前作FreeBuds 4より低周波数帯域感度が30%向上。
再生対応周波数も16Hz~となり、半開放型ながら迫力のサウンドが楽しめるとのことです。
実際に聴いてみると、暖色系の音ですね。
インナーイヤー型とは思えない低音の質感と音の生々しさにびっくり。
半開放型なこともあって深みと広がりのある低音が非常に心地良いです。
これはカナル型では中々味わえない感覚。
中域も厚みがあって、ボーカルは情感たっぷり。
高音は癖のない自然な鳴り方で解像度高く、繊細な表現力も持ち合わせています。
同じインナーイヤー型でハイレゾ再生可能な完全ワイヤレスイヤホンにSOUNDPEATS Air3 Deluxe HSがあります。
Air3 Deluxe HSもインナーイヤー型にしてはかなり低音が出る方ですが、聴き比べてみるとAir3 Deluxe HSの音が軽いと感じるほど音の厚みがまるで違います。
FreeBuds 5は【インナーイヤー型にしては】という括りが必要ないレベルでしっかり低音が出ているんですよね。
もちろん値段差3倍くらいあるので当然といえば当然なのですが、それくらい良い意味でインナーイヤー型らしくない濃厚さがあります。
音質的には2万円前後のTWSでTOPクラスに良い音だと思います。
音質 |
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8.8/10 |
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ノイズキャンセリング機能の比較
インナーイヤー型にしては強力なANCだが過度な期待は禁物
トリプルマイクを搭載。
独自技術アダプティブイヤーマッチングテクノロジー(AEM)により最適なノイズキャンセリングを施すことが可能になったとのこと。
実際に使用してみると、たしかに他のインナーイヤー型イヤホンと違ってノイキャンが聴いている実感がしっかりあります。
ただ遮音性が皆無なインナーイヤー型なので、ノイキャンをきかせても中音が多いテレビの音はかなりはいってきます。
一方でファンの音など低音に対してはかなり強く、そこそこの音量ならピタっと止むくらい抑えられます。
現実には色々な種類の雑音が入り混じって耳に入ってきますからどうしても消せないノイズの印象が強くなりますね。
総合的には-30dBを謳うノイキャンイヤホンと同じくらいかなと。
(ノイズの種類によって印象がだいぶ違ってくるのですが…)
冷蔵庫の音など小さな騒音しかない環境では無音に近い状態を作り出せます。
一方、大きなノイズ下ではある程度騒音を軽減するに留まるといった感じです。
(参考:HUAWEI FreeBuds 5のノイズキャンセリングの強さを他社ANCイヤホンと相対比較)
ノイキャン |
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4.5/10 |
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外音取り込み機能の評価
ノイキャンOFF+適切な音量で“ながら聴き”が可能
FreeBuds 5は外音取り込み機能・ヒアスルーといった機能として外音を取り込むものは用意されていません。
単純に耳をふさがないインナーイヤー型の構造なのでノイズキャンセリングをOFFにすれば自然に外音が耳に入ってきます。
インナーイヤー型でも外音取り込み機能を有しているTWSにJBL TUNE FLEXやTaoTronics TT-BH1118などがあります。
これらはカナル型にもなる性質上外音取り込み機能も実装されているといった感じですが、インナーイヤー型では外音取り込み機能を使わないほうが自然な外音が聞けてよかったです。
なので外音取り込み機能が無いことはデメリットとはなっておらず、カナル型で機械的に取り込む音より自然な聞き心地な分むしろ優秀といえます。
外音取り込み |
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9.5/10 |
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装着感評価
インナーイヤー型らしい軽い付け心地+インナーイヤー型らしからぬフィット感
カナル型のようにイヤーピースで耳穴を塞がないので付け心地は快適です。
それでだけでなくフィット感が抜群に良いのが特徴的。
独特のフォルムで耳の入り口の隆起した部分に沿うようにフィット。
うまく支えられて安定したフィット感になっています。
挟まれるような感覚はなく、軽く添えられているような感じですね。
耳に触れる範囲が普通のインナーイヤー型よりは多く、重さもそこそこなので耳での存在感は多少大きめ。
しかしカナル型のような圧迫感は無いですし、フィット感はインナーイヤー型の中でも随一。
軽く運動したくらいでは全く外れそうにありません。
よく考えられたデザインだと思います。
装着感 |
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9/10 |
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マイク性能・通話品質について
流石の通話品質
スマホのメーカーとして有名なファーウェイなだけに、マイク性能は抜群に良いです。
同社ハイエンドのFreeBuds Pro2もそうでしたが、ただクリアなだけでなく肉声のように生々しい音声。
周囲のノイズもしっかりカットしてくれますし、風切り音対策も抜群。
快適に通話することができます。
通話品質 | S・A・B・C・D |
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音漏れに関して
インナーイヤー型なので音漏れもチェック。
家族に隣に立ってもらい音が聞こえるか確認してもらいました。
自分が適量と感じる音量では音漏れせず。
適量からある程度あげても音漏れしていないということだったので大半の人にとってちょうど良い音量で音楽を聴いても音漏れせずに済みそうです。
よほど大音量にしない限りは大丈夫でしょう。
専用アプリ【AI Life】の主な機能
ホーム画面
接続の管理
ノイズキャンセリング機能のモード選択
イコライザー機能
イコライザーはプリセット3種類とカスタムです。
LDACへの切り替え
SBCで接続するかLDACで接続するか選択できます。
(端末側がLDACに対応している場合のみ)
操作方法のカスタマイズ
左右イヤホンのダブルタップ・長押し・スワイプ操作をカスタマイズできます。
といっても画像の通り、あまり自由度は高くないです。
低遅延モード
アプリの『設定』から低遅延モードのON/OFFが出来ます。
HUAWEI FreeBuds 5の使い方と注意点
【クリックで表示】
ペアリング方法
マルチポイント接続方法
1台目とのペアリングが完了したら以下の手順で2台目のデバイスと繋ぎます。
- イヤホンを収納した状態でイヤホンケースを開く
- ケースの機能ボタンを2秒間長押しする(ペアリングモード)
- もう1台のデバイスとBluetooth接続
- マルチポイント接続完了です
リセット方法
充電方法
付属の充電用USB Type-Cケーブルで充電できます。
5分の充電で2時間再生可能な急速充電が可能。
Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。
(Qi規格の充電パッドは別売り)
操作方法
L側 | R側 | |
2クリック | 再生/停止 | 再生/停止 |
長押し | ノイキャン | ノイキャン |
スワイプ↑↓ | 音量UP/DOWN | 音量UP/DOWN |
デフォルトでは曲送りと曲戻しが操作に入っていません。
カスタマイズで入れられる箇所も2クリックの場所しかないです。
自分は【左2クリック=再生/停止・右2クリック=曲送り】にして曲戻しはスマホからするという感じでカスタマイズしました。
スワイプで曲送り/戻しできるようにするとか3クリック目を実装するとかしてカスタマイズの自由度をあげてほしいところですね。
曲送り/戻し両方を入れるカスタマイズについて
着脱検知をONにし、再生/停止はイヤホンの着け外しで自動制御。
2クリックを曲送り/戻しにするというのが現実的でしょうか。
(着脱検知=イヤホンを外すと曲が自動停止。イヤホンを着けると自動で再生再開する機能)
操作性 | S・A・B・C・D |
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注意点1:専用アプリのインストール方法(Androidのみ)
AndroidではGooglePlayストアにアプリが置いていないのでファーウェイのサイトからアプリをインストールする必要があります
手順の紹介
- 『AI Life』のインストールを試みます
- すると先に『AppGallery』をインストールするよう促される
(ファーウェイ版Playストアのようなもの?) - 『AppGallery』をインストールしたら再び『AI Life』のインストールを試みます
- 今度は問題なくインストールできます
(『AppGallery』は終わったら消去しても問題ないです)
iPhoneでは通常通りApp Storeからダウンロード可能です
注意点2:LDACへの切り替えは専用アプリから行う
コーデックチェンジャーとかを使ってもLDACに切り替えることはできませんでした。
専用アプリ『AI Life』で『音質優先』を選択することでLDAC接続となります。
総合評価と代替候補
メイン機能評価
音質 |
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8.8/10 |
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ノイキャン |
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4.5/10 |
外音取り込み |
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9.5/10 |
装着感 |
|
9/10 |
使い勝手評価
操作性 | S・A・B・C・D |
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携帯性 | S・A・B・C・D |
便利機能 | S・A・B・C・D |
通話品質 | S・A・B・C・D |
FreeBuds 5はその独特なデザインに目が行きがちですが、イヤホンとしての性能も抜群です。
インナーイヤー型とは思えない音質、機能性、フィット感。
現時点でこれまで自分が使ってきたインナーイヤー型TWSの中でダントツ1位の総合力です。
ノイズキャンセリングはきちんと効果を実感できるものの【インナーイヤー型の中では強力】という評価。
カナル型で強力なノイキャンを有しているものにはさすがに及びません。
しかし音質に関してはインナーイヤー型ということを全く感じさせない低音や音の生々しさが素晴らしく、いい意味でびっくりしました。
2万円前後のTWSの中でトップクラスに高音質だと思います。
インナーイヤー型であることを活かした装着感の良さ・“ながら聴き”性能。
通話もクリアでマルチポイントにも対応。
総合力が本当に高い完全ワイヤレスイヤホンです。
インナーイヤー型TWSで良いイヤホンがほしいという方にはまずFreeBuds 5を検討してほしい、それくらいにおすすめです。
今回は以上となります。
また次回のレビューでお会いしましょう。