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更新日:2021.07.02 / 掲載日:2021.07.02

UDトラックス、クオンに「UDアクティブステアリング」搭載 ステアリングが安定し疲労軽減

 UDトラックス株式会社は、ドライバーの運転環境を改善することを目的に、フラッグシップ大型トラック「クオン」に、快適で安定したステアリング感覚を実現する「UDアクティブステアリング」機能を搭載し※1、7月1日より全国一斉に販売開始した。

※1UDアクティブステアリングはCG後軸エアサス WB 7,520mm車、GK WB 3,200mm車にオプション設定。

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 「UDアクティブステアリング」は、従来の油圧式ステアリングギアの上部に新たに搭載した、電気モーターによる支援機能。電気モーターに付随する電子制御ユニット(ECU)が、1秒間に約2000回の頻度で様々なセンサーから運転環境を感知して走行方向とドライバーの意図を判断し、あらゆる走行条件下において、ドライバーの運転操作をアクティブにサポートする。後退・右左折・旋回などの低速走行時には取り回しが軽く、速度が上がるにつれてステアリングの安定感が増加。また積み荷や路面状況、横風などにも左右されない安定したステアリングを実現し、疲労軽減と安全に寄与するという。

「UDアクティブステアリング」5つの主な特徴

1.低速走行時の軽いステアリング 重量物輸送時でも軽い力で操舵でき、疲労を大きく軽減
2.高速走行時の直進安定性 スピードに応じて、ステアリングを適度な重さになるよう制御することで、直進走行時にドライバーの緊張感を軽減
3.不整路走行時の路面状況の影響軽減 路面の凹凸から受ける影響を自動補正し、振動や意図しないステアリングの動きを軽減
4.横風発生時の走行補正 横風の影響によるタイヤの微細な動きを素早く感知し、自動補正で直進走行をサ ポート
5.後退・右左折時の自然なハンドル戻り 後退時や交差点の旋回時にステアリングは自動でニュートラル位置に戻る

疲労軽減が実証実験で明らかに

 UDトラックスは今回、電子制御によるステアリングでどれだけ疲労軽減を図れるかについて、独自の実証実験※2を行った。実験では、脳波計測器を使い、運転時のストレスや運転に必要な集中力を調査。また、筋電計を使って運転時の筋活動量を、UDアクティブステアリング搭載・非搭載車で比較した。

 その結果、搭載車のほうが、運転時のストレスが低く、また過度な集中力を必要とせずに操作できることがわかった。また搭載車では、腕の力をより楽にして操作を行え、特に駐車時や路面の凹凸が激しい道路を走行する場合は、筋力を使わずにハンドル操作ができることがわかった。

※2今回の実験はUDトラックスが協力会社を得て独自に実施しました。被験者は5名、実験コースは、低速時の取り回し、悪路、高速時の直線走行性など、実際の走行環境に近い設定をしたコースで、搭載車・非搭載車に、それぞれ約4周ずつ時間搭乗して行いました。なお、結果が製品の機能を保証するものではございません。

人のために、技術は進化するーー運転性能におけるイノベーション

 UDトラックスはドライバーの負荷軽減を目指し開発を行ってきた。電子制御式トランスミッションESCOT-VIにより、ドライバーはシフトチェンジのストレスから解消され、また、渋滞時やカーブの多い山道などあらゆる道路状況に対応した走行性や操作性、快適性が得られるようになった。そして今回、UDアクティブステアリングを搭載することで、長距離走行時の安定感や、重量物運搬時の取り回しの軽さなども実現。トラックの「走る・曲がる・止まる」という基本動作を、「ESCOT-VI、UDアクティブステアリング、ディスクブレーキ」で、走行性をこれまでよりさらに高いレベルに引き上げ、ドライバーの運転環境を大幅に向上した。

 快適な操作性でドライバーの疲労を軽減し、交通の安全をもたらすことができる。また、ベテランドライバーにはシステムによるサポートを提供することで技能を伸ばせる一方で、経験の浅い人や若手・高齢者・女性ドライバーと、どんな人にもストレスなく運転できるトラックに仕上げているとする。

「自動運転につながる技術を、現在の課題を解決するために応用した。人のために、技術は進化する。ドライバーの疲労を軽減し、快適に運転できるトラックを提供することで、人材の多様化を図り、ドライバー不足に貢献していきたい」UDトラックス開発統括責任者のダグラス・ナカノは述べた。

 なお、今回のアクティブステアリングにはLDP(車線逸脱防止支援システム)も搭載されている。

UDアクティブステアリング特設サイト

<実験結果の詳細>

 UDトラックスは今回、大型トラック「クオン」に新たに「UDアクティブステアリング」を実装するにあたり、事前に独自の実証実験※1を行った。実証実験では、脳波計測器による運転時のストレスや運転に必要な集中力の調査、筋電計による運転時の筋活動量をそれぞれUDアクティブステアリング搭載・非搭載車で比較したもの。

 運転時のストレスと運転に必要な集中力については、UDアクティブステアリング搭載車の方が運転時のストレスが低く、過度な集中力を必要としないことを脳波計測器による実験で確認。

 次に、運転時の筋活動量については、主にハンドルを操作する際に必要な伸筋と、ハンドルを握る際に使う屈筋でそれぞれ計測を行った結果、伸筋に関してはUDアクティブステアリングを搭載することで、筋活動量が低くなる傾向が見られ、より楽な腕の力で操作を行なっていることが伺える結果となった。特に駐車時や、凹凸路など路面状況が悪い場合、UDアクティブステアリング搭載車両の方が、より筋力を使わずにハンドル操作が可能になると考えられるという。

 一方で、屈筋は伸筋に比べ大きな差が出ていないことから、ステアリングが軽くなることで強くハンドルを握ることなく、UDアクティブステアリング搭載後も運転時に余計な負荷はかからないことが考えられる。

 被験者に事後アンケートを行ったところ、「搭載車の方が低速の取り回しがしやすく感じた」「搭載車のほうが、長距離走行に向いている」「非搭載車は車庫入れなど低速時の操舵力がUDアクティブステアリング車に比べかなり重い。こんなに差があるとは思わなかった」など、運転時のステアリングの変化が実感できるほど違いがあることも伺えたという。

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グーネットマガジン編集部

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