中古車購入チェックポイント
更新日:2022.03.01 / 掲載日:2022.02.27
中古車を購入したけどリコールには対応済み?確認方法などを説明します!
自分の乗っている車がリコール対象だということは珍しいことではありません。
リコール自体よくあることなので、中古車を買った場合はリコール対象になっていないかどうかすぐに確認したいところです。では、具体的にどのように確認するのでしょう?
もしもリコール対象車だった上に未対応だったことが判明したら、どういう手順で修理に出すのが適切なのか、リコールを無視し続けたらどうなるのか、など車のリコールに関する疑問について説明していきます。
中古車の場合、何年も前にリコール対象車になっていても、前の持ち主が修理やパーツ交換などの対応を行っているとは限りません。リコールに有効期限は存在しないので、発表から何年経っていてもディーラーはすぐ修理交換に応じてくれます。
以下では、そもそもリコールとは何か、リコール対応済みかどうかをどう確認すればいいのかについて解説します。
つまり、後で発見された車の不具合をメーカーが修理してくれるわけです。しかし、ひと口に不具合と言ってもその範囲は広く、全く報道されない小規模なものから放置しておくと人命に関わる重大なものまで様々です。
中でも有名なのが、某大手エアバッグメーカーのエアバッグの異常破裂による死亡事故の発生を受けて、2018(平成30)年5月にリコール対象で未改修の車両は車検に通らないという特別措置が講じられました。
リコールはメーカーが全対象車に対して必要な修理交換を施す制度なので、新車・中古車の違いは関係ありません。
リコールが発表されると、国土交通省が自動車の登録情報にもとづいてリコール対象となる車両の所有者へ通知します。ディーラーやメーカーではなく国が通知をするという点からも、リコール制度の重大さが分かります。
ただし、転居したのに登録情報が変更されていないなどの理由で通知が届かないこともあるでしょう。自分の乗っている車種がリコール対象であると分かったら、メーカーに問い合わせるかホームページをチェックして確認してください。
・通知がきたら確認する
・メーカーのホームページで確認する
・国土交通省のホームページで確認する
以下では、それぞれの方法について詳しく説明します。
ディーラーとのつながりがあれば電話などで連絡がきます。ただし、ディーラーは普段からメンテナンスなどでつながりの深いユーザーに優先的に連絡することが多いです。
中古車販売店から車を購入しており、日頃ディーラーとのつながりが少なければDMで通知がきます。
もちろん、通知が来るのを待ちきれなかったり、急を要したりするのであれば、こちらから最寄りのディーラーに電話を入れても構いません。ただし、その場合は該当する車の型式や車体番号を伝えなければならないので、事前に調べておく必要があります。
リコール情報は不具合の内容や必要な作業なども含めて必ず記載されているので、車の型式と車体番号を照らし合わせてチェックしましょう。
型式と車体番号はいずれも車検証で確認できます。車検証の「型式」「車体番号欄」に記されているので、見てみてください。
その他にも、エンジンルーム内などにあるコーションプレートによっても確認することができます。
ただし、こちらはメーカーとは異なり全メーカーの情報が事細かに記載されているので、自分の車の情報を探すのは少し大変です。
また、国交省ホームページでは「車名」「型式」「届出日」の情報が必要だったり、検索して示されるのはリコール内容ではなく届出番号だったりと、やや不親切と感じるかもしれません。表示される対象車両(車体番号)の中には、対象ではない車両が含まれていることもあります。
そのため、国交省ホームページで調べることはあまりおすすめできません。メーカーのホームページから検索していくのが簡単でしょう。
確認した結果、自分の車がまさにリコール対象に該当すると判明したら、次は修理や修復が済んでいるかどうかを確認する必要があります。
とはいえ、ほったらかしにしておくと車検に通らなくなることもあるので、車検前か車検時に済ませるケースがほとんどです。
また、リコール通知を無視して、それが原因で事故を起こしてしまうと車の使用者に賠償責任が発生することもあります。通知を受けたらすみやかに修理や修復を行いましょう。
・ディーラーに問い合わせる
・メーカーのホームページを見る
ここからは、それぞれの確認方法について詳しく説明していきます。
電話でもいいのですが、できれば直接出向いて車検証を提示し、リコールによる改修が済んでいるかどうか聞いてみましょう。そうすれば後はディーラー側で全て確認してくれるので楽ですし、もし未改修だったことが分かれば、そのまま修理のための打ち合わせもすることができます。
ちなみに、かつてはリコールの改修が終わった車には「e」を逆さまにした形のステッカーが貼られており、それで修理の有無が確認可能でした。しかし、現在は廃止されていて令和2年11月1日以降に改修されたものには貼られていません。
車検証を参照して車体番号を入力すれば、改修済みのものと未改修のものの一覧をチェックできます。
ただし、この方法では古い年式の車両についてはサイト内にも情報が載っていないことがあります。確認したいのが低年式の中古車であれば、すみやかにディーラーへ直接出向くのがベストでしょう。
まだ修理や改修が済んでいなければ、ディーラーに依頼しなければなりません。ここからは、その手順について説明していきます。
混雑していることもあるので、いきなり出向くのではなく、まず連絡するのがベストです。
リコール対応のためにどうすればいいかは基本的にディーラー側から指示があります。車の持ち主が準備することは特になく、車両と車検証とメンテナンスノートがあれば十分です。
ディーラーが混雑していると、こちらの第1希望日には対応できないこともあるので、第2希望、第3希望まで考えておくのが賢明です。
ディーラーが混雑するケースとして、リコールが発表された直後だったり車検の時期が重なっていたりして車両の持ち込みが増えている場合が考えられます。また、土日祝日は利用客も多く訪れる傾向があります。
ディーラーによりますが、リコールの修理中に無料で代車を貸し出してくれる場合もあります。ただし、リコール対象車が殺到している場合は代車が全て出払っていることもあるので、余裕を持って修理日時を予約するようにしましょう。
基本的に代車の貸し出しはディーラーが好意で行うもので、特に共通したルールはありません。借りられるかどうか、有料なのか無料なのかは確認しないと分かりません。
有料の場合は1日で約5,000〜10,000円ぐらいかかるのが相場となります。
鍵をスタッフに渡してしまえば後は待つだけですが、どのくらいの時間がかかるかは修理する個所やその規模によって異なります。極端なケースでは数十分で終わることもありますし、丸1日かかることもあるかもしれません。
また、リコール修理の件数が多く、車両が殺到している場合は予約をしていても時間がずれることはあり得るでしょう。
以下では、そんなリコール制度の運用の実際と車の不具合が生じた際にメーカーが取る様々な措置について説明します。
もちろんリコールはないに越したことはないですし、メーカーも発売前に走行テストを実施します。
しかし、どんな使用状況なら不具合が生じるのか、起こりうる全てのパターンを網羅するのは不可能で実際にユーザーが使ってみないと分からない点も多いです。
例えば、山道を走ることで生じる不具合や、あまり使用しないことで生じる不具合もあるかもしれません。そのため、車が市場に出回った後で不具合の存在が発覚し、リコールとして発表されることはよくあります。
リコールに至る前には、細かな故障や不具合に関する情報の積み重ねがあります。そうした「リコール未満」の情報には車が販売や購入されてから何年か経過しないと判明しないような不具合も含まれます。
つまり、現在は有償で修理が行われているものも、後にリコールとして発表されるかもしれません。
既に中古車として何人かのユーザーの手を渡ってきた車両でも、新車と同じくリコール対象となるのはそういった理由からです。
その場合、修理代は後日返してもらえますが、条件として以下の2つが挙げられます。
・ディーラーでの修理であること
・申請手続きが必要であること
返金を受けるにはディーラーで修理を行っていなければならず、カー用品店や町工場で受けた修理の場合は返金されません。
修理をすると整備記録が残りますが、記録簿はディーラーでは2年しか保管しないので、手元の記録簿は紛失しないようにしましょう。
返金を受けるには申請手続きをしなければならず、納品書と分解整備記録簿の2つが必要です。ディーラー側は、これにより修理内容の詳細を確認することになります。
サービスキャンペーンとは、いわばリコール未満の不具合対策です。特定の車種に不具合が見つかり、修理が必要だけど安全性能には影響しないというレベルの場合にメーカーが独自に行うものとなっています。
では、リコール対象車を所有していて修理せずに放置したらどうなるでしょう?
リコールが発表されても、わざわざディーラーへ連絡したり出向いたりするのは面倒なものです。リコール修理が必要にもかかわらず無視したらどうなるのか、以下で具体的に説明します。
もしもリコール修理が必要な部分が故障し、それが原因で周辺機器や関連部品まで故障したら、リコール部分以外は有償修理になることもあります。
さらに、リコール放置の責任はメーカーではなく車の所有者が負うので、事故に至れば賠償責任が生じます。
また、車検そのものは受けられてもリコール修理と車検は異なるものなので、修理は必ずディーラーで行う必要があります。
そのため、リコール対象車を所有しているなら、ディーラーで修理してから車検に出すのがベストでしょう。
また、リコールを無視してもリコール対象部品が保安部品と無関係であれば車検は通りますが、その後に修理はするべきです。
ただし、この場合も車の整備をきちんとしていないと見なされる可能性はあります。
また、リコールの存在が直接の原因となって車の査定時に不利になることはありませんが、間接的な原因となって車両の価値が下がることはあります。
例えば、連続でリコールを出した自動車メーカーが評判を落としてしまい、リコール対象車に限らずそのメーカーの販売する車種全般の人気(価値)が下がってしまった場合などです。こうなると、当該メーカーの車が査定時に不利となるでしょう。
リコール自体よくあることなので、中古車を買った場合はリコール対象になっていないかどうかすぐに確認したいところです。では、具体的にどのように確認するのでしょう?
もしもリコール対象車だった上に未対応だったことが判明したら、どういう手順で修理に出すのが適切なのか、リコールを無視し続けたらどうなるのか、など車のリコールに関する疑問について説明していきます。
この記事の目次
中古で購入した車もリコール対応済みか確認しよう!
中古車を購入したら、その車がリコールの対象ではないか確かめましょう。中古車の場合、何年も前にリコール対象車になっていても、前の持ち主が修理やパーツ交換などの対応を行っているとは限りません。リコールに有効期限は存在しないので、発表から何年経っていてもディーラーはすぐ修理交換に応じてくれます。
以下では、そもそもリコールとは何か、リコール対応済みかどうかをどう確認すればいいのかについて解説します。
リコールとは?
リコールとは、設計や製造過程に問題がある乗用車をメーカーが回収して修理などを行う制度のことです。こうすることで、当該車の事故やトラブルの防止につながります。つまり、後で発見された車の不具合をメーカーが修理してくれるわけです。しかし、ひと口に不具合と言ってもその範囲は広く、全く報道されない小規模なものから放置しておくと人命に関わる重大なものまで様々です。
中でも有名なのが、某大手エアバッグメーカーのエアバッグの異常破裂による死亡事故の発生を受けて、2018(平成30)年5月にリコール対象で未改修の車両は車検に通らないという特別措置が講じられました。
リコールは新車だけ?中古車は対象になるの?
リコール対象となるのは新車だけで中古車は制度の対象外なのではないかと思うかもしれませんが、リコールは中古車も対象となります。リコールはメーカーが全対象車に対して必要な修理交換を施す制度なので、新車・中古車の違いは関係ありません。
リコールが発表されると、国土交通省が自動車の登録情報にもとづいてリコール対象となる車両の所有者へ通知します。ディーラーやメーカーではなく国が通知をするという点からも、リコール制度の重大さが分かります。
ただし、転居したのに登録情報が変更されていないなどの理由で通知が届かないこともあるでしょう。自分の乗っている車種がリコール対象であると分かったら、メーカーに問い合わせるかホームページをチェックして確認してください。
自分の車はリコール対象?確認する3つの方法
自分の所有する車がリコール対象かどうかを確かめる方法は以下の3つです。・通知がきたら確認する
・メーカーのホームページで確認する
・国土交通省のホームページで確認する
以下では、それぞれの方法について詳しく説明します。
①通知がきたら確認する
テレビや新聞で自分の所有する車がリコール対象だという情報を得たら、DMや電話で通知がくるのを待つといいでしょう。ディーラーとのつながりがあれば電話などで連絡がきます。ただし、ディーラーは普段からメンテナンスなどでつながりの深いユーザーに優先的に連絡することが多いです。
中古車販売店から車を購入しており、日頃ディーラーとのつながりが少なければDMで通知がきます。
もちろん、通知が来るのを待ちきれなかったり、急を要したりするのであれば、こちらから最寄りのディーラーに電話を入れても構いません。ただし、その場合は該当する車の型式や車体番号を伝えなければならないので、事前に調べておく必要があります。
②メーカーのホームページで確認する
自分の所有する車がリコール対象であるかどうかは、メーカーのホームページで確認できます。リコール情報は不具合の内容や必要な作業なども含めて必ず記載されているので、車の型式と車体番号を照らし合わせてチェックしましょう。
型式と車体番号はいずれも車検証で確認できます。車検証の「型式」「車体番号欄」に記されているので、見てみてください。
その他にも、エンジンルーム内などにあるコーションプレートによっても確認することができます。
③国土交通省のホームページで確認する
車ごとのリコール内容はメーカーのホームページ以外にも国土交通省のホームページで確認することができます。ただし、こちらはメーカーとは異なり全メーカーの情報が事細かに記載されているので、自分の車の情報を探すのは少し大変です。
また、国交省ホームページでは「車名」「型式」「届出日」の情報が必要だったり、検索して示されるのはリコール内容ではなく届出番号だったりと、やや不親切と感じるかもしれません。表示される対象車両(車体番号)の中には、対象ではない車両が含まれていることもあります。
そのため、国交省ホームページで調べることはあまりおすすめできません。メーカーのホームページから検索していくのが簡単でしょう。
自分の車はリコール対象だった!対応・修理済みか確かめよう
ここまでで、自分の所有する車がリコール対象であるかどうかを調べる方法を紹介しました。確認した結果、自分の車がまさにリコール対象に該当すると判明したら、次は修理や修復が済んでいるかどうかを確認する必要があります。
リコールに有効期限はない
リコール作業には期限が設定されておらず、リコール情報が公表されてから5年経とうが10年経とうが、メーカーは修理に応じてくれます。とはいえ、ほったらかしにしておくと車検に通らなくなることもあるので、車検前か車検時に済ませるケースがほとんどです。
また、リコール通知を無視して、それが原因で事故を起こしてしまうと車の使用者に賠償責任が発生することもあります。通知を受けたらすみやかに修理や修復を行いましょう。
リコール対応済み(修理済み)か確認する2つの方法
自分の所有する車がリコール対象車だったら、既に対応済み(修理済み)かどうかを確認しなければなりません。この場合の確認方法としては以下の2つがあります。・ディーラーに問い合わせる
・メーカーのホームページを見る
ここからは、それぞれの確認方法について詳しく説明していきます。
①ディーラーに問い合わせる
自分の車がリコール対応済みかどうか確認する方法で、最も確実なのはディーラーに問い合わせることです。電話でもいいのですが、できれば直接出向いて車検証を提示し、リコールによる改修が済んでいるかどうか聞いてみましょう。そうすれば後はディーラー側で全て確認してくれるので楽ですし、もし未改修だったことが分かれば、そのまま修理のための打ち合わせもすることができます。
ちなみに、かつてはリコールの改修が終わった車には「e」を逆さまにした形のステッカーが貼られており、それで修理の有無が確認可能でした。しかし、現在は廃止されていて令和2年11月1日以降に改修されたものには貼られていません。
②メーカーのホームページを見る
自分の車がリコール対応済みかどうかは、各メーカーの公式サイトでリコール関連のページから確認することも可能です。車検証を参照して車体番号を入力すれば、改修済みのものと未改修のものの一覧をチェックできます。
ただし、この方法では古い年式の車両についてはサイト内にも情報が載っていないことがあります。確認したいのが低年式の中古車であれば、すみやかにディーラーへ直接出向くのがベストでしょう。
自分の車はリコール未対応!修理してもらうための手順
ここまでで、自分の所有する車がリコール対象か、そしてリコール対象だった場合に修理や改修が済んでいるのかを確認する方法を説明しました。まだ修理や改修が済んでいなければ、ディーラーに依頼しなければなりません。ここからは、その手順について説明していきます。
1.最寄りのディーラーに連絡しよう
自分の車がリコール対象だと判明したら、まずは最寄りのディーラーもしくはリコール通知が来ている場合はそこに記載されているディーラーへ連絡しましょう。混雑していることもあるので、いきなり出向くのではなく、まず連絡するのがベストです。
リコール対応のためにどうすればいいかは基本的にディーラー側から指示があります。車の持ち主が準備することは特になく、車両と車検証とメンテナンスノートがあれば十分です。
2.修理の予約を入れよう
修理の日時を予約する際は、できるだけ日時の選択肢を複数提示できるようにしておきましょう。ディーラーが混雑していると、こちらの第1希望日には対応できないこともあるので、第2希望、第3希望まで考えておくのが賢明です。
ディーラーが混雑するケースとして、リコールが発表された直後だったり車検の時期が重なっていたりして車両の持ち込みが増えている場合が考えられます。また、土日祝日は利用客も多く訪れる傾向があります。
3.代車は借りられるか確認しておこう
修理のためにディーラーに車を持ち込むのは、その車を使う用事がない日が理想的です。どうしてもそれが難しければ、ディーラーで代車の貸し出しを行っているかどうか確認してみましょう。ディーラーによりますが、リコールの修理中に無料で代車を貸し出してくれる場合もあります。ただし、リコール対象車が殺到している場合は代車が全て出払っていることもあるので、余裕を持って修理日時を予約するようにしましょう。
基本的に代車の貸し出しはディーラーが好意で行うもので、特に共通したルールはありません。借りられるかどうか、有料なのか無料なのかは確認しないと分かりません。
有料の場合は1日で約5,000〜10,000円ぐらいかかるのが相場となります。
4.ディーラーで修理してもらおう
修理の日時が決まったら、ディーラーの指示の通りに車を持ち込みましょう。鍵をスタッフに渡してしまえば後は待つだけですが、どのくらいの時間がかかるかは修理する個所やその規模によって異なります。極端なケースでは数十分で終わることもありますし、丸1日かかることもあるかもしれません。
また、リコール修理の件数が多く、車両が殺到している場合は予約をしていても時間がずれることはあり得るでしょう。
リコールはしょっちゅう起きている
実は車のリコールは珍しいことではなく、報道されない小さなリコールはしょっちゅう起きています。以下では、そんなリコール制度の運用の実際と車の不具合が生じた際にメーカーが取る様々な措置について説明します。
リコールは珍しくない
そもそも、車のリコールは珍しいことではありません。大々的に報じられるほど重大なものは稀で、小規模なものなら国産車だけでも年間1,000万台以上が対象となっています。もちろんリコールはないに越したことはないですし、メーカーも発売前に走行テストを実施します。
しかし、どんな使用状況なら不具合が生じるのか、起こりうる全てのパターンを網羅するのは不可能で実際にユーザーが使ってみないと分からない点も多いです。
例えば、山道を走ることで生じる不具合や、あまり使用しないことで生じる不具合もあるかもしれません。そのため、車が市場に出回った後で不具合の存在が発覚し、リコールとして発表されることはよくあります。
リコール未満の不具合も珍しくない
車の不具合などについて情報を得たディーラーは必ずメーカーに報告します。そして、メーカー側ではその情報について調査し、不具合の内容が保安基準に抵触するものであればリコールを届け出ます。リコールに至る前には、細かな故障や不具合に関する情報の積み重ねがあります。そうした「リコール未満」の情報には車が販売や購入されてから何年か経過しないと判明しないような不具合も含まれます。
つまり、現在は有償で修理が行われているものも、後にリコールとして発表されるかもしれません。
既に中古車として何人かのユーザーの手を渡ってきた車両でも、新車と同じくリコール対象となるのはそういった理由からです。
リコール発表前に有料で修理していたらどうなる?
先に有料で修理してもらった不具合や故障が、後日リコールになった事例は多くあります。その場合、修理代は後日返してもらえますが、条件として以下の2つが挙げられます。
・ディーラーでの修理であること
・申請手続きが必要であること
返金を受けるにはディーラーで修理を行っていなければならず、カー用品店や町工場で受けた修理の場合は返金されません。
修理をすると整備記録が残りますが、記録簿はディーラーでは2年しか保管しないので、手元の記録簿は紛失しないようにしましょう。
返金を受けるには申請手続きをしなければならず、納品書と分解整備記録簿の2つが必要です。ディーラー側は、これにより修理内容の詳細を確認することになります。
サービスキャンペーンという名目の場合もある
リコールは国土交通省がメーカーへ車の不具合の改善対策を命じることで実施されます。それ以外にも、メーカー側で「サービスキャンペーン」という取り組みを行うことがあります。サービスキャンペーンとは、いわばリコール未満の不具合対策です。特定の車種に不具合が見つかり、修理が必要だけど安全性能には影響しないというレベルの場合にメーカーが独自に行うものとなっています。
リコールを無視するとどうなる?
ここまで、所有する車がリコール対象だった場合の対応方法や、リコールを含め自社製品に不具合が見つかった場合にメーカーが取る措置などを説明しました。では、リコール対象車を所有していて修理せずに放置したらどうなるでしょう?
リコールが発表されても、わざわざディーラーへ連絡したり出向いたりするのは面倒なものです。リコール修理が必要にもかかわらず無視したらどうなるのか、以下で具体的に説明します。
リコールを無視した車は故障の危険性がある
リコール修理を受けるには必ず正規のディーラーまで足を運ばないといけないので、面倒に感じることも多いでしょう。しかし、リコールを無視すればいつ車が故障するか分かりません。もしもリコール修理が必要な部分が故障し、それが原因で周辺機器や関連部品まで故障したら、リコール部分以外は有償修理になることもあります。
さらに、リコール放置の責任はメーカーではなく車の所有者が負うので、事故に至れば賠償責任が生じます。
リコールを無視した車は車検に通る?
重要な保安部品がリコール対象となっている場合、リコール修理をしていない車は車検を通過できません。また、車検そのものは受けられてもリコール修理と車検は異なるものなので、修理は必ずディーラーで行う必要があります。
そのため、リコール対象車を所有しているなら、ディーラーで修理してから車検に出すのがベストでしょう。
また、リコールを無視してもリコール対象部品が保安部品と無関係であれば車検は通りますが、その後に修理はするべきです。
リコールを無視した車は売却できる?
リコールを無視した車も普通に売却することができます。その場合、車のリコール修理は売却後に買取業者が行いますし、リコールゆえに無償となるので修理にかかるコストは問題視されません。ただし、この場合も車の整備をきちんとしていないと見なされる可能性はあります。
また、リコールの存在が直接の原因となって車の査定時に不利になることはありませんが、間接的な原因となって車両の価値が下がることはあります。
例えば、連続でリコールを出した自動車メーカーが評判を落としてしまい、リコール対象車に限らずそのメーカーの販売する車種全般の人気(価値)が下がってしまった場合などです。こうなると、当該メーカーの車が査定時に不利となるでしょう。
まとめ
①中古車もリコール対象になるので、購入後はすぐにリコール対象車かどうか確認しましょう
②リコール対象車はメーカーや国交省のホームページで確認することができる
③自分の車がリコール対象なら、修理済みかどうかをディーラーに問い合わせて確認するかメーカーのホームページで調べておきましょう
④リコール未対応の場合は、ディーラーで修理を受けます
⑤リコール発表前に有料で修理した分は返金されることもあるので条件を確認しましょう
⑥未修理のままだと車検が通らないことも
⑦未修理のままでも車の売却は可能
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