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世界中からお知恵を拝借!世界の保存食を作って食べて、楽しく食品ロス削減。

世界中からお知恵を拝借!
世界の保存食を作って食べて、楽しく食品ロス削減。

■食品ロス削減対策のひとつ「世界の保存食」を自宅で作ってみませんか?

家庭内で起こる食品ロスを減らすためにできることは、たくさんあります。たとえば、買い物の際に食品を買い過ぎないこと、食べられる分だけ調理すること、作った料理は食べきること、などもその例です。また今回ご紹介するように、食べきれなかった食材を加工して保存食にする方法もあります。

漬物や乾物など、日本には昔ながらの保存食がありますが、世界に目を向けるとお国柄を感じさせる保存食がたくさんあります。そこで今回は、身近にある食材を使う世界の保存食をご紹介します。ご近所さんや知人から野菜をたくさんもらってしまった! スーパーで安売りしていたので思わず多めに買ってしまった! そんな時は、おいしい保存食を作って食品を長持ちさせてみましょう。

■世界の保存食4種類、実際に作ってみました

ザワークラウト

ドイツの伝統食ザワークラウトは、キャベツの葉についている乳酸菌を塩分で発酵させた漬物です。仕上がりはかなりかさが減るので、キャベツを大量に消費したい時にもおすすめ。キャベツと塩、キャラウェイシードと、材料がシンプルなのも魅力です。

さらにレシピも簡単。キャベツを千切りして塩を加えてもみ、保存瓶に入れて常温で発酵するのを待つだけ。保存は冷蔵で1~2ヵ月程度です。

食べ方は、ドイツらしくソーセージの付け合わせにしたり一緒に煮込んだりして食べるのが定番。サラダやスープに加えたり、ホットドッグの具にしたり、炒め物にプラスしてもいい味を出してくれます。

キムチ

ザワークラウトと同じ発酵食品なのが、韓国のキムチ。「キムチを自宅で作るのはハードルが高そう」と思われるかもしれませんが、粉唐辛子やナンプラーがあれば、あとはメインの白菜や人参、ニラ、長ねぎなど冷蔵庫によくある材料で作ることができます。

レシピはやはり簡単で、白菜を塩漬けにした後、材料を混ぜ込み冷蔵庫で発酵させます。すべての材料がなじんだらすぐ食べることができ、発酵の進み具合を感じながら食べ進められるのも楽しみのひとつです。冷蔵庫で保存し、2週間から1ヶ月程度で食べきりましょう。

キャロットラペ

フランスの家庭料理キャロットラペは、人参ひとつあれば作れるおしゃれなデリの定番です。千切りにした人参をオリーブオイルや酢、砂糖、塩などで調味するのですが、酢の力で保存期間が長くなるので、多めに作って常備菜にするのがおすすめ。瓶詰めにして保存し、そのまま食卓に出すのも素敵です。

基本のレシピのまま食べてもおいしいですが、レーズンやカッテージチーズ、クミン、粒マスタードなどを加えれば、味わいの幅が広がります。その日の献立や気分に合わせて、アレンジしてみましょう。保存は冷蔵庫で約1週間です。

ポークリエット

ポークリエットは、豚肉を長期保存するために作られたフランス料理です。豚バラ肉の塊に塩を振り弱火でじっくり火を通し、細かくほぐすかフードプロセッサーでペースト状にしてココットに盛り付けます。

バゲットに塗っていただくのが一般的で、ワインのおつまみにもぴったりです。また温野菜と合わせてパスタにしたり、市販のホワイトソースと合わせてグラタンにしたりとリメイクが効くのも魅力。瓶詰めにして1ヶ月程度保存できるので、「冷蔵庫に食材がない!」「じっくり料理するのが面倒」といった時のお助け食材として大活躍してくれます。

■世界の保存食を作る時は、衛生面や材料の使いきりにも配慮しましょう!

料理が長持ちして食品ロスの削減に貢献できる世界の保存食ですが、長く日持ちさせるには保存の仕方が大切です。保存する容器に雑菌がついていると、保存中に繁殖してしまう可能性があるからです。煮沸消毒やアルコール消毒などをした、清潔な保存容器を使用しましょう。消毒の仕方は、WNNの過去記事「 ホームキャニング(自家製瓶詰)で食品をおしゃれにストック。」を参考にしてみてくださいね。

また、世界の保存食を作った後に余った材料も、おいしく食べきることが大切です。たとえば、ザワークラウトで使うキャラウェイシードは、爽やかさと甘い香りを生かしてパンや焼菓子、ポテトサラダなどに使うとおいしいです。

粉唐辛子は、韓国料理を作る時に大活躍。スンドゥブなどのチゲ鍋やナムルはもちろん、スープにひと振りするだけで味わいがパッと変わって便利です。またナンプラーは魚醤の一種なので、だしや醤油のような感覚で和食に合わせてみると、新しいおいしさの発見につながります。

とは言っても、普段の食生活では、その材料はなかなか使う機会がなさそう…と思われる方は、手持ちの調味料などで代用してみる、またはその材料を抜いたレシピで作れるものもあります。自分に合った保存食づくりで、おいしく楽しくレシピ開発してみてくださいね。

参考文献
ダンノマリコ(2021)『野菜・果物・魚介・肉 365日おしいいびん詰め 保存食&食べ方テク』 朝日新聞出版
フレディー・ジャンセン(2017)『世界の作りおき野菜 みんなに愛される味付けの魔法』 エクスナレッジ
リンダ・ブラウン(2012)『わたしの手づくり保存食百科-ジャム・シロップ・ピクルス・燻製・ソース-』 緑書房
主婦の友社編集(2020)『スパイス&ハーブの使いこなし事典 最新版 スパイス&ハーブ検定1級・2級・3級公式テキスト』主婦の友社
井澤由美子(2005)『残りがち調味料をおいしく使いきるレシピ120』 地球丸

※本記事が掲載されていたモッタイナイキッチンは2022年10月にワケルネットへ統合されました。本記事は統合される前にモッタイナイキッチンで公開された情報となります。