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先人のスゴ技で賢く食品保存! Vol.2 ~今日からあなたも干しニスト~

先人のスゴ技で賢く食品保存! Vol.2
~今日からあなたも干しニスト~

■太陽が味方! 天日干しで食品をおいしく食べられる期間が伸びるんです!

実家やご近所から、食べきれないほど大量の野菜をいただいた! スーパーの特売で、激安の薄切り肉を大量に購入した! そんな経験はありませんか? 生鮮食品を保存する時は冷蔵庫・冷凍庫に保存することが多いと思いますが、量が多すぎて入りきらないこともあります。そんな時に思い出してほしいのが、冷蔵庫がない時代に先人たちが活用してきた食品保存の知恵です。

以前、WNNで、「先人のスゴ技」として、食品を酢などで締める・塩などで漬ける「シメ・ヅケ」の方法を紹介しましたが、今回はその第2弾として、「天日干し」について紹介します。

■家庭で行う食品天日干しの4つのメリット

食品が傷んで食べられなくなる理由は、主に細菌やカビなどの微生物による腐敗といわれています。微生物は条件が揃うと急激に増殖しますが、逆に増殖の要因を抑制することで食品の長期保存が可能になります。その方法の1つが、微生物が生命を維持するのに欠かせない水分を抜くこと、つまり食品の乾燥=天日干しです。

食品を天日干しにすると、常温で長期保存が可能になること以外にもさまざまなメリットがあります。たとえば、食品は乾燥すると中の水分が減ってかさが減るので、保存場所がコンパクトになること。さらにかさが減った分、一度に多くの量を消費することができます。

また、食品を天日干しする時、乾燥の度合いを均等にするために食品を同じ厚さにカットしてから干します。だから実際に調理する時は包丁いらず。水で戻して調理するか、乾燥したまま使うことができてとても便利です。さらに水分が抜けた分食品のうまみが凝縮され、料理のおいしさにも良い影響を与えます。

さらに、家庭で天日干しをすると購入するよりお得、というメリットもあります。現在流通している乾燥食品の多くは機械干しがほとんどで、完全天日干しは高価になる傾向があります。そんな食品を家庭で作って気軽に食べられることを考えると、ちょっぴり贅沢な気持ちを味わうこともできます。

つまり食品の天日干しは、食品ロスを抑制するための有効な手段であり、料理する人に嬉しい調理時短&うまみアップに貢献、さらにお財布にもやさしいと、いいことづくめの方法なのです。

■道具を揃えて快適な天日干しライフをスタート!

食品の天日干しというからには、「食品を天日にさらして風に当てておけば完成!」で基本はOKなのですが、実際に天日干しを行う際には、効率や利便性を考えて少し道具を整えておくと、便利で快適に天日干しの作業を行うことができます。

ざる

風の通りがよく、太陽の光を食品に効率よく浴びさせるには、底から空気が行き来できるざるを使って干すのが一番。竹製のざるや揚げ物の油きりの網、ケーキクーラーなどが役立ちます。

干し網

数段重なったネット状の干し網は、一度にたくさん仕込みたい時に便利。ネットの中で乾燥させておけば風で吹き飛ぶこともなく、虫や鳥・猫なども寄せ付けません。干し網はホームセンターや釣り専門店などのほか、インターネットでも購入できます。

■食品の天日干しは、こんなに簡単にできちゃいます!

食品を天日干しするのは、それほど難しくありません。食品をざるに並べて数日間干すだけで常温保存食品の完成です!

野菜

実野菜、根菜、葉野菜など、さまざまな野菜の天日干しを試してみましょう。ポイントは、干す前にしっかり洗って汚れを取り、表面の水分をきっちりと拭くこと。そして小さくカットしたり、均一な厚みに切り分けたりすること。野菜の種類によって、2日間~1週間程度で天日干しが完成します。

きのこ

干ししいたけに代表されるように、干しきのこからはとても良いダシが出るので、天日干しにはおすすめの食品です。しいたけやエリンギは薄切りに、しめじやえのきたけなどは小さくほぐして干します。

肉・魚介類

牛肉や豚肉のスライスに塩を振って3日程度天日干しすると、カチカチに乾いた干し肉が完成! スープや煮物などに入れると良いダシが出ます。また、魚介類を丸身や半身で一夜干しすると、生魚とは違ったおいしさが楽しめます。

果実

普段食べ慣れているみずみずしいフルーツとは異なる食感や味わいが魅力! 数日間の天日干しによって、おいしさがぎゅっと凝縮された無添加ドライフルーツが作れます。

(ひとくちメモ)

※干している最中は時々裏返したりして、どちらの面にもしっかり天日が当たるようにしましょう。
※日本は湿潤な気候なので、湿気が多いと乾燥中に腐らせてしまいます。天日干しをする時は天気予報をチェックして、数日間好天が続く日に行いましょう。
※天日干しした食品は、密閉袋や保存容器などに入れて常温で保管します。数週間から数ヵ月の間で食べきりましょう。

参考文献
植木幸英・野村秀一編(2016)『栄養科学シリーズ NEXT 食べ物と健康、食品と衛生 食品衛生学 第4版』 講談社
魚柄仁之助(2008)『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』 大和書房
濱田美里(2017)『干し野菜百科』 河出書房新社

※本記事が掲載されていたモッタイナイキッチンは2022年10月にワケルネットへ統合されました。本記事は統合される前にモッタイナイキッチンで公開された情報となります。