そこまでする? 音質をとことん追求しドライバーを5つも搭載したイヤホン誕生 | ギズモード・ジャパン

そこまでする? 音質をとことん追求しドライバーを5つも搭載したイヤホン誕生

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  • author 武者良太
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そこまでする? 音質をとことん追求しドライバーを5つも搭載したイヤホン誕生
Photo: 小原啓樹

ワイヤレスイヤホンの音質、ついにここまで来た。

音が…深い…そして熱い!

いやあなんですかどういうことですかAVIOTのワイヤレスイヤホン「TE-ZX1」の音質がスゴすぎです。今までに数多のイヤホンを聴いてきましたが、異次元に入っちゃった?と思えるくらいのスゴさ。音の1つ1つが生です。ライブです!

キタニタツヤの『青のすみか』は艷やかなボーカルの裏に隠れていたバッキングも明瞭に伝わってくるし、Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』は七変化していくR-指定のボイスが際立って聴こえてくるし、ダフト・パンクの『Around the World』は音の1つ1つが分離したレイヤー状態で、今聴いているのって立体オーディオだっけ?と勘違いできるほどの強烈な立体感があるんです。

しかも再生したのはiPhone&Apple Music。それでこの感じですからハイレゾトラックを鳴らしたら恋心が止まらなくなりそう。

調べてみると、うわ、すっごい。

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Image: AVIOT

平面磁気駆動型ドライバーが1つ、ダイナミックドライバーが1つ、そしてバランスドアーマチュアドライバーを3つも使った“トライブリッド5ドライバー”システムなんです。ハイブリッド2ドライバー、3ドライバーくらいのモデルは今までにもあったけど、ワイヤレスイヤホンで片側5ドライバーも積んでいるのって尋常なことではありません。

ぶ厚く気持ちよい低音はダイナミックドライバーがカバー。キラキラと輝くような高音はバランスドアーマチュアドライバーが担当。ここまでは分かります。さらに中高音を受け持ち、ボーカルやさまざまな楽器の音を生々しく、そして空気感たっぷりに鳴らしてくれる平面磁気駆動型ドライバーがすごい。

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GIF: AVIOT
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GIF: AVIOT

上が一般的なダイナミック型ドライバー、下がTE-ZX1に採用されている平面駆動のダイナミック型ドライバーの断面図。専用の平面振動板へ平面方向に均一な磁気駆動力を与えることで音を再生するため、理想的な振動が得られ、低歪で位相乱れの少ないレスポンスが実現されているのです。

TE-ZX1はいったいどんな経緯で作られたイヤホンなのでしょうか。気になります。これはAVIOTの方々にお話を聞くしかないですね!

ということで、AVIOTの副社長である井上脩人さんと、開発を担当された菅原拓哉さんにインタビューさせてもらえることになりました。どうぞよろしくお願いします。

音の味わいが異なる3種のドライバーが作り出す最高のサウンド

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── まず最初にお聞きしたいのは、やっぱりTE-ZX1のドライバー構成です。ここまでこだわり抜いたゴージャスなイヤホンって今までにもあったのでしょうか。

井上脩人さん(以下、井上)ワイヤレスイヤホンではないと思います。有線イヤホンの世界はとても広いので、もしかしたら存在するかもしれませんが、我々が調べた限りでは、平面磁気駆動型ドライバーまで含めた“トライブリッド5ドライバー”システムのものはなかったです。

── まさに史上初のマスターピース! ワイヤレスイヤホンをはじめ、さまざまな音響機器を作り続けてきたAVIOTのハイエンドモデルにふさわしい設計ですね。しかし、平面磁気駆動型ドライバーは音が歪まない反面、しっかりと鳴らすにはアンプのパワーが必要だと言われてきた存在です。小型デバイスであるワイヤレスイヤホンに、しかもハイブリッドな構成で組み込むにはかなりのワザが必要だったと思うのですが、そこに秘技はあったのでしょうか。

井上我々は常にSoC(システムオンチップ:複数の機能を1つにまとめた半導体)メーカーさんと情報交換して、最新のテクノロジーを最大限活用するための研究をしております。その結果、“トライブリッド5ドライバー”システムイヤホンの設計ができると確信したんですよね。

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菅原拓哉さん(以下、菅原)スマートフォン用だけではなくワイヤレスイヤホン用のSoCも日々進化しているのですが、最新のSoCを使うことで5つのドライバーをバランスよく制御し、理想的な音質を実現できるようになりました。また、ドライバーを増やしながらも消費電力を抑えることにも成功しています。さらに、カスタムIEM(イン・イヤー・モニター)に多用され、義肢のような精密で複雑な形状を要求される製品にも使用される積層造形技術でイヤホン本体のボトムパーツ(耳に入れる部分)を作っています。積層造形技術を用いることによって5つのドライバーを最適な角度・位置に配置できるので音響特性も最適化しています。

── このTE-ZX1の前には、2022年12月に発売された当時のハイエンドモデル「TE-Z1PNK」で平面磁気駆動型ドライバー×ダイナミックドライバーという2種2ドライバーを開発され、このモデルは監修をした凛として時雨のピエール中野さんをはじめ、多くのアーティストから高く評価されました。

井上TE-Z1PNKはある種の到達点だと考えていましたが、さらに魅力的な音が出せるのではないかという思いもあり、吟味を重ねて選び抜いたバランスドアーマチュアドライバーを搭載することに決めました。

菅原TE-Z1PNKは、ダイナミックドライバーと平面磁気駆動型ドライバーで素晴らしい製品に仕上げることができました。ただ、バランスドアーマチュアドライバー搭載イヤホンと比べると、特性上の遜色はないもののシャープさの点で味わいの違いがあります。そこでTE-ZX1では、それぞれ音の味わいが異なる3種のドライバーを用いて相互に特徴を補完し合うモデルを目指したのです。

ピュアオーディオの世界をワイヤレスイヤホンで実現

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半透明のボディからドライバーの構造が見えます

── TE-ZX1の各ドライバーはどのような特徴を持っているのか教えてください。

菅原まず低域を担うダイナミックドライバーは10ミリ径のものを使っています。アクティブノイズキャンセリングの性能を高めながらも低音をしっかり鳴らすことが目的で、かつ多ドライバー構成のため高域の再生能力をある程度無視してよいので、シンプルで鳴りっぷりのよいものを採用しました。中高域をカバーする平面磁気駆動型ドライバーはTE-Z1PNKでも使った6ミリ径のものとなります。歪みが少なくて音が高域まで綺麗に伸びるという優位性を持っています。この2つは樹脂系の振動板を使っているため、シンバルやブラスといった金属楽器の音を生々しく再現するべく、高域用に金属製のバランスドアーマチュアドライバーを3基追加しました。これで3種5基です。他の構成もいろいろと試してみたのですが、各帯域の量感のバランスを取るという意味で最適解がこの組み合わせでした。

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── なるほど、そうしてTE-ZX1は最新のハイエンドモデルとして仕上がったわけですが、結果として高級な有線イヤホンクラスのサウンド再生力を持っていますね。

菅原実はTE-ZX1って、DSP処理(デジタル補正)をほとんどやってないんです。デジタル補正を行うと、どうしても一定程度のデータが欠損してしまうんですよね。“トライブリッド5ドライバー”システムによって生み出された音をピュアなままユーザーに届けたいからこそ、デジタル補正はしない。また、これは体験に個人差が出てくるものではありますが、イヤホンで聴きつつも、前方にあるスピーカーで聴いているような立体感が出るように仕上げました。

3Dプリントを採用し、自由な設計が可能に

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── AVIOTは以前から異なるドライバーを組み合わせたワイヤレスイヤホンを作り続けていますが、TE-ZX1はパーツの作りや構造にも特徴がありますね。

菅原個々のユーザーの耳型をとって作るカスタムIEM(インイヤーモニター)をリサーチして、量産型のユニバーサルモデルでもフィット感を高めるための構造を考えていきました。その結果が内側上部にある、少し反り返ったダックテール形状です。これにより装着時の安定性を高めているのですが、普通の金型では抜けないため、先ほどお話しした積層造形技術で造形することにしました。ドライバーのご説明で述べた通り、音響設計の自由度も上がりました。生産コストは高くなりましたが、デザインとしても高級感を感じられる仕上げになり、一石二鳥どころか三鳥四鳥の効果がありましたね。

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── バッテリーもSoCも基板もドライバーも、イヤホンという限られたスペースの中に組み込む挑戦をし続けてきた、スペース効率とアコースティック音響設計の両立をずっと突き詰めてきたメーカーだからこそ、3Dプリンターによるボトムパーツ製造のメリットが際立ったのですね。

菅原また、音が通る道となるノズル部分には高精度な金属パーツを使いました。樹脂でも高精度なノズルは作れるのですが、バランスドアーマチュアドライバーを固定して一体構造にするため共振の抑制効果を考えて金属を選びました。重みのある金属にすることで、耳にできるだけ近いところに重心を持ってこられるという効果もあります。

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先端の黒い部分が金属製ノズル

── ハイクオリティで音源に忠実かつ敏感なイヤホンだからこそ、わずかな環境の違いも突き詰めたくなります。そういう意味でイヤーピースが8種類用意されているのはありがたい。黒いウレタン製のものがMとLサイズ、グレーのシリコン製のものがS短、S長、M短、M長、L、XLとサイズだけではなく長さの異なるものもセットされています。

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菅原フィット性を高めるという目的でイヤーピースを豊富に用意したのですが、ウレタンとシリコンで音の違いに気づいてもらえたら、よりオーディオの面白さを楽しんでもらえるのではないかと考えています。

井上音質重視の方はイヤーピースにもこだわりを持っておられると思います。TE-ZX1は、そんな方たちにもご満足いただけるイヤホンであると言えます。

高級DAPと高級有線イヤホンのクオリティに匹敵するTE-ZX1

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菅原さんいわく「カナル型ワイヤレスイヤホンとして、ほぼほぼ完成形であると言えるモデルだと考えています」というTE-ZX1。たしかに、このモデルの音質特化力はずば抜けています。特性の異なる3つのドライバーを使ったからこそ、他のイヤホンなら打ち消されてしまうようなわずかなボリュームの音も1つ1つ余すことなく捉えて僕たちに届けてくれる。ロックもポップスもジャズもクラシックもEDMも、どんなジャンルの曲を鳴らしても潤いたっぷりのサウンドを聴かせてくれます。

Bluetoothのコーデックはハイレゾもワイヤレスで流せるLDAC(エルダック)に対応。8デバイスまでのマルチペアリングに、2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント機能も装備。アクティブノイズキャンセリング機能も入っていますし、連続再生時間も約8時間とたっぷり。チャージングケースを使えば約20時間のリスニングが可能です。

また、専用アプリAVIOT SOUND MEを使うことで、細かな音質調整やアクティブノイズキャンセリングの効き具合の調整、TE-ZX1の探知機能も使えます。

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さらに、TE-ZX1の個性を際立たせているのがデザイン。実は本機、人気アニメ『カウボーイビバップ』とのコラボが実現しており、イヤホン本体はメカニックデザイナーの山根公利氏監修によって劇中に登場する高速戦闘機「ソードフィッシュII」をイメージソースとしたデザインとカラーリングを採用。商品ロゴ、パッケージ、セミハードケース、充電ケースはグラフィックデザイナーの上杉季明氏が担当し、クールな印象に仕上げられています。

電源のON/OFFや端末との接続状況をアナウンスするボイスガイダンスには、主人公スパイク・スピーゲル(CV:山寺宏一氏)をはじめとするオリジナルキャストの声が使用されていて、特別感を演出してくれますよ。

全方位的に完成度が高い!

高級オーディオプレーヤーと、多ドライバー構成の高級有線イヤホンで圧縮音源を聴いたときに、圧縮音源であってもハイクオリティな機材であればこれほどの音が鳴らせるのだなと思ったあの感じが、TE-ZX1でも感じられました。音楽に対する解像度を高めてくれるのです。ハイエンドなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)&ハイエンドイヤホンの組み合わせは数十万もしちゃいますが、対してTE-ZX1は4万9500円です。コスパめっちゃ良い。良すぎます。本当に良いイヤホンを1台欲しいというなら、迷うことなく狙うべき一品ですよ。

あぁでも迷うかも

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でもやっぱり迷うかもしれません。なぜかって、TE-ZX1のバリエーションモデルである「TE-ZX1-PNK」も魅力的なワイヤレスイヤホンなんです。

凛として時雨のドラマーであり、無類のオーディオ好きであるピエール中野さんがサウンドチューニングを監修し、TE-ZX1よりも低音の響きが太くてタイト!

さらに、さまざまなミュージシャンがチューニングした音を楽しめるAssemble for PNKプロジェクトも進行中で、随時アプリを通じて設定が提供されます。1つのイヤホンが何色にも変化するんですよ。おいしすぎます。

Assemble for PNKプロジェクトに最初に参加したのは、BOOM BOOM SATELLITES、THE SPELLBOUNDの中野雅之さん。今後は、大沢伸一さん、クラムボンのミトさんの参加が決定しています。

TE-ZX1-PNKのお値段はTE-ZX1と同じく4万9500円。うん、やっぱり迷いますね。TE-ZX1にするか、TE-ZX1-PNKを選ぶか!






Photo: 小原啓樹
Source: AVIOT