Uber、アリゾナで自動運転試験中に人身事故。史上初の死亡事例に | ギズモード・ジャパン

Uber、アリゾナで自動運転試験中に人身事故。史上初の死亡事例に

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Uber、アリゾナで自動運転試験中に人身事故。史上初の死亡事例に
Image: vaalaa/Shutterstock.com

路上の飛びだしに対応できませんでした。

3月18日、Uber(ウーバー)の自動運転車が人をはね、死なせてしまう事件が起こりました。アリゾナのABC15のリポートでは、死亡したのは49歳の女性エレイン・ハールズバーグさん。日曜の夜22時頃、彼女は自転車を押して、横断歩道ではない車道を横切っていたところ、UberのボルボSUVが激突したのです。現場はミル・アべニューとカリー・ロードの交差点で、どちらも車線が複数あり、道幅も広く見通しもいい場所でした。ですが自動運転車は不意の歩行者に対応できず、減速しないまま突っ込んでしまったようです。

自動運転車の開発者は、夜な夜な試運転をすることが多いのだそう。嵐の日や悪天候の日でも、自動車にさまざまな状況を学ばせるために、あえて走らせることも少なくないんです。

テンピ警察署いわく、この車両は2017年製のボルボXC90。Uberの報告では、事故当時は自動運転モードで、運転席にオペレーターがひとり同乗していたとのこと。

テンピ市のマーク・ミッチェル市長は、Twitterにてハールズバーグさんに追悼の意を表しています。

テンピは彼女と家族と友人に、追悼の念を感じています。テンピ市は自動運転車の発展と、運送や障害を持った、または高齢の住民を助けるなどさまざまなエリアで約束された技術となるであろうことから、試験に協力してきました。
試運転は安全がともなわないといけません。過去の事例が指し示すように、ここで会社が試運転する際にも道路交通法に従わなければいけないのです

今回の事故は、自動運転車と歩行者による初の死亡事故として知られるようになってしまいました。

過去(2016年)には半自動運転モードのTeslaがトラックに追突する事故がありました。が、このときは国家運輸安全委員会の調査により、Teslaのシステムが運転者に何度もハンドルを握るように警告を発していたことが判明しています。

国家運輸安全委員会は米ギズモードの取材に対し、4人体制のチームを派遣し、調査を開始したことを教えてくれました。

調査は、当時の状況、その他の車両や歩行者などの交通弱者、自転車の存在などと、どのような関係性があったのかを教えてくれるでしょう

そしてUberの広報担当者は、以下のコメントを出しています。

我々の気持ちは被害者の家族とともにあります。地元の機関と密に協力をとりながら、この事故の解明に当たります

Uberの自動運転プログラムは、ちょうど1年前に同じテンピで事故が起こり、中止になったことがあります。ですがこのとき、重傷者は出ていませんでした。また、2016年12月にはサンフランシスコでUberの自動運転車が赤信号を無視した、というハプニングも起きています。はじめ、これらは人的ミスだとしていましたが、後々これは自動車側のミスであることを告白。また、今回の死亡事故をうけ、テンピでは自動運転車計画が延期にされることになりました。

UberのCEOであるダラ・コスロシャヒさんは、今回の件について以下のようにTwitterでつぶやいています。

アリゾナで、とても悲しいニュースが起きました。私たちは被害者の家族のことを考え、地元の法執行機関に協力し、何が起こったのかの理解に努めます

テンピ警察は、路上の監視カメラや車載されたドライブレコーダーから当時の様子を収めた映像をいくつか検証しました。いずれも非公開ですが、事故の直前に車両が減速した様子はなく、オペレーターは44歳のラファエル・ヴァスケスさん、というところまで公開しています。


Image: vaalaa/Shutterstock.com
Source: ABC15, Twitter(1, 2), CNBC, The New York Times
Bryan Menegus - Gizmodo US[原文

岡本玄介