鹿じゃが~山と里と人の思い~【第7回ジビエ料理コンテスト入賞/一般・学生部門】 | ジビエが地域を元気にする 日本ジビエ振興協会
ジビエ料理のレシピ紹介

鹿じゃが~山と里と人の思い~【第7回ジビエ料理コンテスト入賞/一般・学生部門】

★第7回ジビエ料理コンテスト 一般・学生部門 一般社団法人大日本猟友会長賞受賞作★

赤塚 聖 様(エコール 辻 東京)

【レシピのポイント】

 私は、東京生まれ東京育ちのため、ジビエと触れる機会がほとんどありませんでした。しかし、学校の授業で深く振れる機会があり、ジビエがどういうものなのかを知りました。その過程で、捕獲された野生鳥獣が活用されずに処分される割合が圧倒的に高いことに衝撃を受けました。そういった現状から私は、ジビエが多くの人に認知され、そして消費されるように、親しみのある「肉じゃが」をベースにレシピを考えました。

 お肉の部位はカタ肉を使いました。使用した理由は、安いけどどのように活用するのかよく分からない部位だと思ったからです。そして、栄養面では鉄分の吸収を促進するビタミンCが豊富で、他にも様々な栄養素のあるコリンキー。鹿の滋養強壮作用の補佐としてクコの実を使いました。アクセントとしてソースには、鹿も食べると言い、私の地域の特産品のブルーベリーと私の故郷の特産品の梨を使ったフルーティな仕上がりにしました。
さらに、地産地消の精神を取り入れ、メニューに記載されている材料はほぼ地元周辺で栽培されたものを選びました。その中には、見た目が不格好な訳あり食材も使いました。他には、盛り付けにも意味を込めました。おかひじきで森を表現し、その森に食べ物がなくなり人里におりて作物(サツマイモ)を荒らしにきてしまうというストーリーを込めました。

材料・分量(4人分)

鹿カタ肉 320g
ジャガイモ 250g
コリンキー(皮を取り除いたカボチャで代用可) 150g
おかひじき 80g

鹿肉だし汁[おかひじき茹で用]※鹿肉を茹でた煮汁から取り分けます

200ml
サツマイモ(1mmスライス) 8枚
マイタケ[具材用] 80g
マイタケ[漬け込み用] 170g

◆ブルーベリーソース

ブルーベリー 50g
30g
クコの実 15g
バルサミコ酢 小さじ2
鹿肉だし汁[ソース用]※鹿肉を茹でた煮汁から取り分けます 40ml

◆煮汁

1L
清酒 大さじ4
みりん 大さじ2
砂糖 大さじ2
醤油 大さじ2
たまり醤油 小さじ2

作り方

① マイタケ[漬け込み用]を細かく叩く。鹿肉を4cm×4cm×2mmの板にとり、刻んだマイタケと一緒に袋に入れる。口を閉めて軽く揉み、1時間つけておく(最低1時間)。
② 野菜の処理をしていく。
・コリンキーは皮を取り、1口大に切りわたの部分を落とす。
・ジャガイモは皮をむき、芽を取り、1口大に切って水にさらしておく(ジャガイモのピュレで使用します)。
・マイタケ[具材用]は、器の大きさに合わせて割いておく。
・おかひじきは、太い軸から外しておく。
・サツマイモは厚さ1mmの輪切りにし、油で揚げチップスにし、塩を振る。
③ ①が1時間経ったら鹿肉を取り出し、マイタケを軽く落とす。鍋に水と酒と鹿肉を入れて沸かす。沸いたら落とし蓋をして、ふつふつとする火加減で10分間煮る。
④ 10分経ったら、煮汁240ml取り分けておく(ブルーベリーソースと、おかひじきを茹でる工程で使用します)。醤油以外の調味料を入れ、15分間煮る。
⑤ 15分経ったら、醤油を入れて10分煮る。
⑥ 残り時間が8分になったら、コリンキーとマイタケを入れてそのまま煮る。

◆ジャガイモのピュレ
① 煮終わったジャガイモを取り出し、裏漉し器でこす。
② 全部漉し終えたら、煮汁を加えて伸ばす。重さの目安はマッシュポテトくらい。

◆おかひじき
① 鍋に200mmの鹿だし汁を沸かし、おかひじきを入れ1分くらい煮る。
② 冷水に落とし、水気を切り、冷蔵庫で保管する。

◆ブルーベリーソース
① ブルーベリーはよく洗う。梨は皮を剥き、3mmのあられ切りにする。クコの実は、3等分にする。
② 鍋に鹿だし汁とブルーベリーとクコの実を入れ、ブルーベリーの皮が半分の数裂けるくらいまで火を通す。
③ バルサミコ酢を入れて、ひと煮立ちさせる。
④ 火を止めて梨を合わせて完成。

◆仕上げ
① おかしじき以外を温め、皿にジャガイモのピュレを広げ、鹿肉を小高く盛る。
② 手前にコリンキー、マイタケを立てかけるように置く。
③ 後ろにおかひじきを丸めながらこんもり盛る。
④ 最後にジャガイモのピュレにソースを乗せ、サツマイモチップスを添えて完成。