愛媛県立南宇和高等学校の取り組み
かんきつ類の出荷高全国一を誇る愛媛県でのGLOBALG.A.P.認証(オプション1(個別認証))取得事例。農業科約70名のうち、高校2年・3年生中心に約20名のチームで、2018年に河内晩柑、甘夏で取得。
インタビュー(2018年6月取材)
聞き手:一般社団法人GAP普及推進機構 専務理事 今瀧 博文
話し手:愛媛県立南宇和高等学校の皆さん(校長 島瀬 省吾先生、教頭 永井 伊秀先生、教諭 秋山 宏幸先生、教諭 寺元 充彦先生、実習助教諭 尾上 浩一先生、農業科3年(果樹専攻班)成宮 芹奈さん、農業科3年(果樹専攻班)和田早希さん)、農業生産法人 株式会社ミヤモトオレンジガーデン 代表取締役 宮本 泰邦さん
1 まずは率直に大変だったことを教えて頂けませんか
(先生)チェック項目が沢山あり、どう自分に落とし込むか、どう生徒に伝えるか、が難しかったです。例えば農薬の取り扱いは(安全上職員が取り扱うため)、生徒が実際に見ていない中でどう説明したらよいか、教育現場との整合に苦労しました。また、リスク分析には答えが無いので、生徒には、とにかく何でも良いから「脚立が倒れる」といった簡単な内容でもいいから、まずリスクを紙に書かせるようにしました。
2 どれくらいの期間で認証取得されましたか
(先生)とにかく急いで3ヵ月で取得。既にGLOBALG.A.P.認証取得した農業法人からICTツールを提供して頂き、色々教えて頂きました。国際的に広く認識され持続可能な農業実践の仕組みであるGLOBALG.A.P.認証を取得する意義や、GLOBALG.A.P.認証取得までの段取りが具体的だったので、非常に参考になりました。その結果、審査では、これからどうリスクを考えていくか、皆の前で生徒が回答出来るようになりました。近隣の生産者から聞かれるリスクについても勉強することが出来ました。また、これまでJAとの関係が深かったため、あまり考えてこなかった「販売」についても学ぶことが出来ました。
3 生徒の皆さんは何が一番面白かったですか
(生徒)・・・(苦笑)
4 生徒の皆さんは何が一番大変でしたか
(生徒)用語やプレゼン発表の仕方など覚えることが沢山ありました。
(先生)グローバル基準ということで、やや学校教育の農業用語と異なる表現もあり、生徒からの回答を導きだすために苦労しましたね(苦笑)。リスクを本人に考えさせることは重要ですが、生徒がどんどん変わっていくので、これをどう継承していくかが今後の課題です。
5 今回の取り組みで何が変わりましたか
(生徒)南宇和みかんの安全を伝えられるようになりました。新聞・テレビなどの取材が多くなりました。
(農業法人)GLOBALG.A.P.教育を受けていると、安心して人材受け入れ出来ますからね。大人と対話出来る事で、良い勉強になっていると思いますね。
(生徒)自分の取り組みがテレビに出ているのを見て、おばあちゃんが感動して電話してきました。
(校長)まだ生徒も実感が沸かないかもしれませんが、貴重な教育になっていると思います。今後もPRをしていきたいと思います。
ありがとうございました。