利益相反ポリシー | 東京藝術大学
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東京藝術大学利益相反ポリシー

平成30年12月20日制定

1 目的

 東京藝術大学(以下「本学」という。)は、唯一の国立総合芸術大学として、百年以上に亘り世界的な芸術家を輩出し、我が国の芸術分野において指導的役割を果たしてきた。本学は、このような伝統や遺産を継承しつつ、創立以来の自由と創造の精神を発展させ、優れた芸術家、研究者及び教育者を養成することを目標としている。
 また、本学は、情感の豊かさや精神の深さを育む芸術環境の重要性を認識し、社会における芸術の必要性を発信するとともに、抽象的に語られやすい芸術の特異性を科学的な視点から明確化し、その普遍性を具体的な形で社会に位置づけていく。
 このため、本学における研究活動(芸術活動)の活性化を図り、それによる研究成果を広く社会に還元するとともに、日本はもとより、世界の芸術環境の醸成に寄与すべく、企業、自治体、機関その他の団体(以下「企業等」という。)との連携及び支援を推進する。
 しかしながら、研究活動(芸術活動)を活性化し、社会連携活動及び産学官連携活動を推進するに当たっては、大学の教職員及び役員(以下「教職員等」という。)が特定の企業等から利益を得る、又は特定の企業等に対し責務を負うことが想定され、かかる利益や責務によって大学の利益や大学に対する責務と衝突する「利益相反」「責務相反」と呼ばれる状況が生じる可能性がある。
 また、大学自身が実施主体となる事業において、大学自身が特定の企業等の営利活動に対して利害関係を有するという事態も想定される。この場合、大学が組織レベルの決定を行う際に、その決定に関連する利害によって、大学の教育・研究の責務と相反する状況、すなわち「組織としての利益相反」状態が生じる可能性がある。
 このような「利益相反」「責務相反」「組織としての利益相反」(以下「利益相反」という。)の適切な管理を怠れば、大学は社会的信頼を損ないかねず、結果として、産学官連携活動等の推進自体が阻害されるおそれがある。
 そこで本学は、教職員等の表現の自由及び学問の自由に配慮しつつ、大学として産学官連携活動等の健全な推進と、教職員等が安心してこれらの活動に取り組める環境を整備するため、利益相反に関するマネジメント体制の構築に向け、ここに「東京藝術大学利益相反ポリシー」を定める。また、本学は、今後、利益相反に関する具体的な事例を主体的に収集・分析し、本利益相反ポリシーの一層の充実を図る。

2 定義

 本学は、利益相反を次のとおり定義し、利益相反に関するマネジメント(以下「利益相反マネジメント」という。)の対象とする。

(1) 広義の利益相反
狭義の利益相反と責務相反の双方を含む概念である。

(2) 狭義の利益相反
教職員等又は大学が、産学官連携活動等に伴って得る利益と、教育研究という大学における責任が衝突・相反している状態をいう。

① 個人としての利益相反
狭義の利益相反のうち、教職員等の個人が得る利益と、教職員等の個人の大学における責任との相反をいう。

(例)
教職員等が大学の教育・研究活動(芸術活動)として遂行する行為につき、特定の企業等から兼業報酬等の金銭的利益を得ているため、社会からその教職員等の当該教育・研究活動(芸術活動)が「専ら特定の企業等の利益のために行われているのではないか」、「大学としての学術研究上の有意性に欠けるのではないか」等の疑念を抱かれるような場合。

② 大学(組織)としての利益相反
狭義の利益相反のうち、大学が得る利益と大学の社会的責任とが相反している状態をいう。

(例)
大学が特定の企業等との間で大規模な共同研究に関する契約を締結したり、大学が有する特許等について特定の企業等への実施権の設定・利用許諾を行うにあたり、当該行為の態様又は内容が、大学の社会的責任や利益の観点から、その公正性・公平性に疑念を抱かれるような場合。

(3) 責務相反
教職員等が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負っていて、大学における職務遂行の責任と企業等に対する職務遂行責任が両立しえない状態をいう。
大学における責任の遂行が問題となる点では狭義の利益相反と同様であるが、その要因が「企業等から得る利益」である場合には狭義の利益相反、「企業等に対して負う責任(責務)」である場合には責務相反、と区別することができる。

(例)
教職員等が企業等の役員や技術指導等の兼業活動又は研究活動(芸術活動)を行っている場合に、企業等の業務に関する責任を優先したために、本学での休講が多い、あるいは研究室に不在がちで、学生への対応が不十分である等の場合。

>>利益相反事例集(PDF)

3 利益相反マネジメントの基本的考え

(1) 本学は、教育・研究活動をさらに発展させるため、自由と創造の精神のもとに研究活動(芸術活動)の活性化を図る。
(2) 本学は、社会への直接的な貢献を教育・研究に続く第三の使命として位置づけ、産学官連携活動に取り組む。
(3) 本学は、教職員等が安心して産学官連携活動等に取り組めるよう、教職員等の表現の自由及び学問の自由に配慮しつつ、利益相反に関するマネジメント体制を構築し、利益相反を適切に管理する。
(4) 本学は、個別事例に応じて多様な解決方法を提案・実施するための手続き・体制を整備する。

 

4 利益相反マネジメントの対象者

 利益相反マネジメントの対象者は、教職員等(非常勤教職員を含む。)とする。

5 基準

 産学官連携活動等を推進する上で生じる利益相反の問題を解決する指針として、以下の3点を利益相反マネジメントの基準とする。

(1) 教職員等が、本学の職務及び責任よりも、個人的な利益を優先させていると客観的に判断されることのないようにすること
(2) 本学は、その社会的責任に対し、本学の利益を優先させていると客観的に判断されることのないようにすること
(3) 個人的な利益の有無に関わらず、教職員等が本学以外の活動を優先させていると客観的に判断されることのないようにすること

6 利益相反マネジメント体制

(1) 利益相反マネジメント委員会
本学は、産学官連携活動等を公正かつ効率的に推進するため、利益相反に関する対処方法及び措置について審議する利益相反マネジメント委員会を設置する。
(2) 利益相反アドバイザー
利益相反マネジメントに関し、部局の長その他の利益相反マネジメントに関わる者からの質問及び相談に対して必要な助言及び指導や、類似事例の情報提供等を行うため、学外の専門的知見を有する者に利益相反アドバイザーを委嘱する。

7 教職員等への啓発

 本学は、利益相反に関する意識の向上を図るため、利益相反に関する研修等を開催するなど、教職員等に対し利益相反の啓発に努める。

8 情報公開

 本学は、社会に対する説明責任を果たすため、利益相反マネジメントの取組状況等について公開する。

9 利益相反ポリシーの見直し

 利益相反ポリシーは、利益相反の個別具体的な事例及び措置を反映するため、随時、利益相反マネジメント委員会において見直しを行う。

10 その他

 利益相反ポリシーに定めるもののほか、利益相反マネジメントに関し必要な事項は、規則等により別に定める。

 

>>利益相反自己申告書PDF / Word / 記載例

 

※参考

【関係規則等】
・東京藝術大学利益相反マネジメント実施規則
>> 東京藝術大学規則集

【依頼】利益相反自己申告書の提出について

 

以上