連続インタビュー動画「IPCC 第6次評価報告書 執筆者に聞く」(全6回)
IPCCとは「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称で、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立され、現在195の国と地域が参加しています。
政策的に中立であり特定の政策の提案を行わない、という科学的中立性を重視しながら、気候変動に関する最新の科学的知見(出版された文献)をとりまとめた報告書を作成し、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的としています。
2023年3月に「IPCC 第6次評価報告書 統合報告書」が公表されましたので、2022年9月に公開したIPCC WG2の「アジアへの影響」「健康」「農業・食料「水」に関するシリーズ動画4本に続いて、第6次評価報告書 統合報告書を総括的に解説した動画、さらに第7次評価報告書サイクルで作成が決まっているCity(都市関係特別報告書)へつながる「都市システムおよびその他の居住地(WG3第8章)」をテーマにした動画を制作しました。
(2022年9月公開 第6次評価報告書 執筆者インタビュー)
第1回 気候変動のアジアへの影響/鬼頭昭雄さん
第2回 気候変動と健康/橋爪真弘さん
第3回 気候変動と農業・食料/長谷川利拡さん
第4回 気候変動と「水」/平林由希子さん
(2023年9月公開 第6次評価報告書 執筆者インタビュー)
第5回 気候変動と私たちの未来/沖大幹さん
第6回 気候変動と都市/山形与志樹さん
インタビュアー:堅達京子
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー。
NHKに入局以来、クローズアップ現代やNHKスペシャルなどドキュメンタリー中心に活躍。2007年にプロデューサーとして、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のパチャウリ議長へのインタビュー番組制作をきっかけに危機感を抱き、環境や気候変動の問題を取り上げた数々の番組を作り続けている。
早稲田大学、ソルボンヌ大学留学を経て、1988年NHK入局。2021年8月から現職。環境省中央環境審議会臨時委員、文科省環境エネルギー科学技術委員会専門委員、東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員などを務める。主な著書に「脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題」
第1回 気候変動のアジアへの影響/鬼頭昭雄
<執筆者プロフィール>
元気象庁気象研究所 気候研究部 部長
WG2 第10章「アジア」のLA(主執筆者)。第2次~第5次評価報告書まではWG1のLAを務めた。
気象庁 気象研究所 気候研究部 部長、国立大学法人筑波大学 生命環境系 主幹研究員を務め、2017年から2020年までは一般財団法人気象業務支援センター 地球環境・気候研究推進室 室長。専門は気象学。気候変動、モンスーン、地球温暖化予測を研究の対象としている。
第2回 気候変動と健康/橋爪真弘
<執筆者プロフィール>
東京大学大学院医学系研究科 国際保健学専攻 国際保健政策学分野 教授
WG2 第10章「アジア」のLA(主執筆者)。
長崎大学熱帯医学研究所で国際保健学・助教、小児感染症学・教授を歴任。2015年から長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科・教授を務め、2019年から現職。専門は環境疫学。気候変動のグローバルな健康影響と適応策について研究。
第3回 気候変動と農業・食料/長谷川利拡
<執筆者プロフィール>
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門・気候変動適応策研究領域長
WG2 第5章「食料、繊維及びその他の生態系産物」 のCLA(統括執筆責任者)。
九州東海大学、北海道大学での教職、 独立行政法人農業環境技術研究所 地球環境部を経て、2016年より国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構へ。2022年より現職。専門は作物学。主に作物の環境応答をモデル化し、影響予測に役立てる研究を進め、耕地生態系のしくみを理解して気候変動への適応を図ることを目指している。
第4回 気候変動と「水」/平林由希子
<執筆者プロフィール>
芝浦工業大学 工学部土木工学科 教授
WG2 第4章「水」のLA(主執筆者)。
2019年に発表された海洋雪氷圏特別報告書では、第2章「高山地域」(山岳地域の雪氷圏の変化や影響)の LAを務めた。
東京大学工学系研究科、同大生産技術研究所の准教授を経て2018年より現職。専門は地球の水循環を研究する水文学。地球規模の水資源と水災害について研究。
第5回 気候変動と私たちの未来/沖大幹
<執筆者プロフィール>
東京大学大学院工学系研究科 教授/東京大学総長特別参与
WG2 第8章「貧困、生計及び持続可能な開発」のRE(Review Editor 査読編集者)。
土木工学、特に水文学(すいもんがく)、 地球規模の水循環と世界の水資源に関する研究を専門とし、IPCC活動においても第5次評価報告書では第3章「淡水資源」のCLA(統括執筆責任者)を務めるなど、その貢献度は大きい。
第6回 気候変動と都市/山形与志樹
<執筆者プロフィール>
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授
WG3 第8章「都市システム及びその他の居住地」のLA(主執筆者)。
2019年に発表されたIPCC土地関係特別報告書では、第6章「砂漠化、土地の劣化、食料安全保障及び温室効果ガスフラックスの間での インターリンケージ:シナジー、トレードオフ及び統合的な対応の選択肢」 のREを務めた。
国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員を経て2021年より現職。気候変動対策、生態系サービス評価、土地利用―交通システム、都市の都市持続可能性に関する環境省やJST等の研究プロジェクトを推進中。
国連SDGメディアコンパクトの枠組みで「1.5℃の約束キャンペーン」に参加している講談社から発行されている雑誌FRaUのSDGs MOOK「気候危機」(2022年10月3日発売号)に、今回のシリーズ動画(鬼頭昭雄先生、橋爪真弘先生、長谷川利拡先生、平林由希子先生)へのインタビューが、動画に掲載されなかった部分も含めて掲載されます。
https://gendai.media/frau
<参考>
◆作業部会について
IPCCの中には評価対象により分けられた3つの作業部会が設置されています。
第1作業部会(WGⅠ)- 自然科学的根拠
第2作業部会(WGⅡ)- 影響・適応・脆弱性
第3作業部会(WGⅢ)- 気候変動の緩和
(田辺清人氏2021年10月29日GEFシンポジウム発表資料より)
◆評価報告書について
1990年に第1次評価報告書(FAR)、1995年に第2次評価報告書(SAR)、2001年に第3次評価報告書(TAR)、2007年に第4次評価報告書(AR4)、2013年~2014年にかけて第5次評価報告書(AR5)が公表されており、2021年~2022年にかけて第6次評価報告書(AR6)の第1作業部会報告書・第2作業部会報告書・第3作業部会報告書が公表されました。
第6次評価報告書(AR6)については下記をご覧ください。
(環境省ウェブサイト)第6次評価報告書(AR6)サイクルにおける各報告書
第6次評価報告書(AR6)統合報告書についてはこちらをご覧ください。
(環境省ウェブサイト)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書 統合報告書の公表について
◆日本からの執筆者
第6次評価報告書(AR6)には、日本からは35名の研究者(WG2は9名)が参加しました。
CLA(Coorinating Lead Authors)統括執筆責任者
LA(Lead Authors)主執筆者
参考ページ https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/index.html
◆IPCCシンポジウム 2022年11月30日(水)開催
約3年半ぶりに海外からのゲストをお招きして対面開催。さらに、海外からのオンライン講演、IPCC第6次評価報告書の日本人執筆者メンバーを交えたパネルディスカッションを行います。講演では報告書の知見を紹介いただき、パネルディスカッションではこれまでの報告書と来年公表予定の統合報告書への展望について議論いただきます。
IPCCシンポジウム『IPCC第6次評価報告書から考える私たちと気候変動』2022年 11月 30日(水)開催
作成日:2022年09月02日 00時00分
更新日:2023年09月19日 15時29分