日本にもっと乾杯を。/1ドリンクサブスク全国へ 東邦ガス、東京ガス、金沢エナジー座談会 - ガスエネルギー新聞

GENIX-CN70

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11月22日終値

国際ガス市況が上昇。米ガスパイプライン先物価格(HH)は21日、5カ月ぶりに3ドル台に乗せ、欧州パイプラインガス先物価格(TTF)、JKMスポット価格も同日、約1年ぶりに15ドル台に乗せた。
市況情報

 国際ガス市況は11月21日、続伸した。欧州エネルギー取引所ガスパイプライン先物価格(TTF1月限)は、百万BTU(英国熱量単位)当たり15ドル台に乗せ、北東アジアスポットLNG価格(JKM1月限)も15ドル台に乗せた。ともに約1年ぶりの高値水準。寒波の到来に加え、ロシア・ウクライナ情勢の地政学上の緊張が背景にある。

 米パイプラインガス先物価格(HH)も一段高となり、21日には1月以来となる3.3ドルまで上昇した。アナリストは「以前からの生産抑制と順調なLNG用原料ガス需要の伸びが需給を引き締めている。在庫水準はまだ昨年より高めだが、11月15日、昨年よりも早く在庫は低下に転じた。また従来、今年は暖冬と言われていたが、11月末~12月初旬にかけて例年並みに寒くなるとの予報も価格押し上げに作用している」(IEA白川裕氏)としている。

(2024年11月22日配信)

 東証14日 関西電力(GENIX-CN70構成銘柄)の株価が一時前日比441円安の1956円まで下落した。2000円台を割り込むのは8か月ぶり。前日引け後に発表した新株発行による5千億円超の資金調達計画を受けて、当面の株式需給の悪化が警戒されたようだ。調達資金はLNG火力発電所の更新などの他、再エネ等への投資やM&Aに備える方針で、中長期的には収益の向上につながると期待されるものの、昨年来、株価は2倍以上に値上がりしてきたこともあり、ひとまず利食いが先行しているようだ。大和証券の西川周作アナリストは、株式の希薄化率が最大で25%になると試算している。

この日は、北海道電力や九州電力、東北電力、北陸電力、中国電力も、連想売りからか下げがきつくなった。西川氏は「関電以外の自己資本比率が相対的に低い電力会社の新株発行による資金調達を株式市場が懸念することは自然だ」とし、電力会社の中では「連結自己資本比率と配当利回りの高さを踏まえると、中部電力が相対的に選好されよう」としている。

(2024年11月14日配信)

10月31日 東京株式市場は日経平均、TOPIXともに上値が重くなり、4日ぶりに値下がりした。

こうした中、GENIXーCN70構成銘柄の東京ガスは前日の大幅高に続いて、この日も買いが先行し、半年ぶりに3,800円台を一時回復した。昨日午後、同社が四半期決算に合わせて発表した自社株買いに関する株主還元方針が材料視されている。同社の説明資料には、総還元性向4割程度を目安とする従来の還元方針に加えて、「BSマネジメントに基づいて機動的に還元する」との方針が明記された。

大和証券の西川周作アナリストは、この方針追加を好印象と評価する。同日引け後の説明会で笹山社長は「中計で最も優先順位が高い目標がROE8%で、達成のために更なる還元策も検討していきたい」と言及。西川氏は「想定されていなかった方針改善」が株価の見直しにつながったと指摘する。

(2024年10月31日配信)

10月18日 東京株式市場は衆院選や、9月期決算発表を控えて、総じて方向感が乏しくなっている。GENIXーCN70も上値が重く、3週連続で小幅下落となった。中で、IHIが高値を更新、三菱重工業、川崎重工業も高値圏で根強く物色されている。

夏以降、株価が調整していた電力株がにわかに動意づいている。大和証券が16日に投資格付けを引き上げた中部電力、中国電力、九州電力が安値圏でのもみ合いを上放れてきた。大和証券の西川周作アナリストは引き上げ理由について、「2025年度業績予想に配当利回り3.0%を適用した配当利回り理論株価を基に、過去 1 年における月次平均PBRの最低値を2024年度末予想BPSに適用したPBR理論株価を併用して、今後1年程度の目標株価を設定した」としている。また、2025年度の増配を踏まえると四国電力、原発政策が追風となる余地があり配当利回りにも相対的に魅力がある九州電力、配当利回りに割安感が大きい中部電力が相対的に選好されうるとしている。 

(2024年10月18日配信)

9月27日 週末の東京株式市場は半導体関連株や中国関連株が買い直されるなどして、総じてしっかりした展開となった。日経平均株価はこの日の配当落ち分を即日で埋める強い動きを見せた。為替が自民党総裁選の行方を織り込む格好で円安に振れたことも買い方を強気にさせたようだ。大引け後の為替は総裁選の結果を受けて、円高にシフト、CMEの日経平均先物も急反落している。

GENIX‐CN70は2週連続で上昇した。日本酸素、三菱重工、IHIが本年高値を更新したほか、関電工が高値圏で頑強な値動きとなった。10月に社名変更する日立造船(新社名:カナデビア)は終値ベースで9週ぶりに1000円台を回復した。

この日は9月末割り当ての株式分割銘柄の権利落ちがあった。指数構成銘柄では石油資源開発が1対5、アズビルは1対4、岩谷産業は1対4、北海道ガスは1対5の株式分割を実施。岩谷産業は権利落ち修正ベースで4日連続高となった。

(2024年9月27日配信)

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日本にもっと乾杯を。/1ドリンクサブスク全国へ 東邦ガス、東京ガス、金沢エナジー座談会

日本にもっと乾杯を。/1ドリンクサブスク全国へ 東邦ガス、東京ガス、金沢エナジー座談会

東邦ガスは7月、飲食店支援サービスの統合ブランド「1ドリンクサブスク」を公表し、事業者募集を本格化した。ユーザーは月額定額制(サブスクリプション)で、店舗1軒につきドリンク1杯が毎日無料になる仕組み。自社では「フラノミスタ」の名で展開する。OEM先の東京ガスは昨年12月から自社ブランド「よりみちパスポート」を開始。金沢エナジーは今年10月に「Nom—Tok(のむトック)」として提供する予定だ。各サービスは交通系ICカードのように相互利用できるため、全国に広め地域活性化ひいては日本全体の活性化につなげる。6月中旬に3社の担当者が金沢に集結し、座談会を開催。各社代表の3人が取り組みについて語った。

——1ドリンクサブスク誕生の経緯と仕組みは。

東邦ガス・臼井健二課長当社は新型コロナウイルス感染症拡大で打撃を受けた飲食店を応援するため、1ドリンクサブスクの基盤になったフラノミスタを2020年10月から開始した。政府は緊急事態宣言を発令し、飲食店は休業や時短営業に追い込まれ、街から活気が消えた。飲食店は人と人を結びつける場。コロナで失われた「乾杯」の価値をもう一度見いだし、多くの乾杯の声で街を元気にしたいという思いから開発した。おかげさまで好評で、東海エリア(愛知県、岐阜県、三重県)の加盟店は現時点で374店になった。

仕組みは、ユーザーがLINEの公式アカウントにあるアプリから会員登録し、月額550円の利用料を支払う。加盟店でアプリ上のクーポンを提示すると、1100円以上の注文を条件に店舗1軒につき毎日1杯無料になる。ユーザーにとっては月1回の利用で元が取れる。現在地付近の加盟店が地図上に表示されるため、探す手間もかからない。ふらっと1杯飲みに行くのに効果的だ。しかも、交通系ICカードのように相互利用が可能。例えば、東海エリアのフラノミスタに加入していても関東エリアのよりみちパスポートとして使用できるため、出張や観光で使いやすい。

一方で、加盟店は登録料や利用料不要で集客ができ、売り上げ増加が見込める。店の情報は、店舗名と住所、電話番号、営業時間等の基本情報のみのため、申し込みは5分程度で完了する。また、ユーザーがアプリ上のクーポンを提示するだけというのは店内オペレーション上の導入ハードルも低い。

——東京ガスがOEM第1号に。導入したきっかけは。

東京ガス・山本洋介主任コロナ禍で苦境に立たされる飲食店をなんとか支援したいという思いから、20年夏に飲食代を前払いする他社サービス「さきめし」のプロモーション支援を行い、手応えがあった。そんな中、社内でフラノミスタの話を聞き、飲食店支援という理念が一致していたことから、導入できないかと問い合わせた。

臼井課長フラノミスタはあらかじめ、OEMできる仕組みとして開発した。表示デザインなどを各社仕様に変更するだけ。もちろん独自のプラン追加などカスタマイズもできる。コールセンター業務も共通で利用することで金銭的および人的リソースの節約も可能。事業者にとって「楽」であることを重点に置いて開発した。

山本主任実際に楽だったので、検討からサービス提供までが早かった。よりみちパスポートは20年12月に導入検討を開始し、21年5月にリリースできるよう準備を進めていたが、新型コロナの状況を見極めつつ同年12月にリリースした。早ければ、検討開始から2~3カ月で導入できると感じた。

——金沢エナジーは第2号となる。導入経緯や不安は。

金沢エナジー・針原剛副主任当社は金沢市企業局からガス・発電事業の譲渡を受け、今年4月に事業を開始した。5月27日に発表した「22年度事業計画」において、民間企業ならではの付加価値サービスとして五つの新サービスを提供すると表明した。その一つが金沢エナジー版1ドリンクサブスク、Nom—Tok(のむトック)だ。

2月に導入検討を始め、6月から加盟店舗の募集を開始した。10月にはサービス提供を開始する予定になっている。会社が立ち上がったばかりのため、限られた期間と人数で導入できるか不安があったものの、東邦ガスの全面的なサポートにより、非常にスピーディーに進んでいる。自社開発すると時間や人手、そして費用がかさむが、そういった点を大幅に抑制できる。さらに、加盟店開拓に関しても2社からノウハウを共有してもらえることも大きく、サービス開始に向けた準備は順調に進んでいる。

山本主任これまで蓄積してきた情報を共有し、エネルギー事業者ならではのアドバイスができるので、困ったことがあれば何でも相談してほしい。当社も関東エリアの加盟店は当初、緊急事態宣言もあり170店程度だったが、現時点で338店になった。伸び悩んでいた頃に、東邦ガスが酒造メーカーのネットワークを活用することを教えてくれた。この情報を基に、飲食店と広い接点を持つ酒屋へアプローチしたことも、加盟店が増えた一つの要因だった。

臼井課長酒屋との連携については、逆に当社が東京ガスからノウハウをいただき、助かった。1ドリンクサブスクが集客できるツールだということを知ってもらうと、協力企業が増える。酒造メーカー、酒屋のほかに厨房機器メーカーや人材派遣会社などからも営業のきっかけとして活用してもらっている。

さらに今、フラノミスタではホテルとの関係強化を進めている。ホテルがフラノミスタのライセンスを買い取り、フラノミスタ付きの宿泊プランを提供する取り組みが始まっている。出張者や長期宿泊者を狙った取り組みとして有効だ。

●ガス需要増の足掛かりに、SDGsにつながるメニューも

——1ドリンクサブスクで、どのような効果が得られるか。

臼井課長事業者はOEMのため、初期開発や運営にかかるコストを抑えられる。収益はユーザーが支払う月額費用から得るが、1ドリンクサブスクを窓口に飲食店やホテルなどのガス・電気の需要家獲得や、既存需要家との関係強化につなげられるため、エネルギー会社として本業の収益増にもつながる。

針原副主任金沢エナジーは、ガス需要拡大に向け、新サービスによる需要創出を期待している。そのために、Nom—Tokを足掛かりにしたい。全社員営業マンをモットーに、行きつけの飲食店から地道に開拓していき、金沢市、野々市市、白山市エリアでの加盟を目指す。ユーザーには10月のサービス提供に向けて、夏ごろから周知活動を行う予定だ。

山本主任よりみちパスポート加盟店である飲食店との関係強化に手応えを感じている。また、ユーザー視点も取り入れ、社会課題の解決に貢献したいという若者の声を反映した独自メニュー「SDGsトッピング」を展開している。月額利用料金に1コースにつき50円をプラスするとフードロスや環境保護、障害者支援など社会貢献に資する取り組みを行うNPO法人等に寄付できる。身近な飲食を通じてSDGsの広がりにも貢献したい。

——今後の全国展開に向けた展望は。

臼井課長1ドリンクサブスクは、各地域に根差した企業との連携で拡大を図りたい。連携先はガス会社に限らず、業界の垣根を越えて拡大していきたい。実際に電力会社からも引き合いがあり、現在協議中だ。コロナからの復興に向け、サービス提供側と受け手側の双方にとってプラスになるよう、全国の事業者とともに日本にもっと乾杯の声を増やし、全国を活気付けたい。

◇◇◇「売買関係から共存共栄へ」フラノミスタ加盟店の声/SORAGROUP渡辺浩司管理本部本部長

名古屋市を中心にイタリアンやラーメン、居酒屋等さまざまな様式の飲食店を展開する飲食法人「SORAGROUP」は、10店舗以上でフラノミスタに加盟する。同社の渡辺浩司管理本部本部長は「飲食店の負担がほぼ無い仕組みの中で、顧客送客まで手伝ってくれるのはありがたい」と話す。

さらに、東邦ガスとの関係について、「エネルギーを供給・消費するだけの関係であれば、東邦ガス以外でも可能。事実、コストメリットを求め過去には他の新電力とも契約していた。しかし、顧客送客までサポートしてくれる現在の関係はビジネスパートナーであり、今後も関係は強まっていくと実感している」と語る。

単なる売買関係でなく共存共栄であり、現在はガス・電気・フラノミスタの3種類の契約で結びつく。両社は今後も長期的な付き合いが続く見込みだ。

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