2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧 - 銀行員のための教科書

銀行員のための教科書

これからの時代に必要な金融知識と考え方を。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

私募投資信託の残高増加は懸念する必要があるのか

日本において私募投信の残高が急増しています。日銀のマイナス金利政策導入後の運用難の環境下、少しでも収益を確保するために私募投信に資金が流れているのです。今回は私募投信の残高増加に懸念はないのか考察します。 私募投信とは 私募投信の規模 私募投…

ヤフーによるジャパンネット銀行の連結子会社化は良い戦略

ヤフーによるジャパンネット銀行の連結子会社化が2017年8月1日に発表されました。今回はこの動きについて考察します。 発表内容 連結子会社化の目的 ジャパンネット銀行とは ジャパンネット銀行の課題 ジャパンネット銀行の戦略 ジャパンネット銀行に…

ドンキホーテの銀行業参入はセブン銀行モデルなのか

ドンキホーテホールディングスは2017年6月期決算発表(グループ事業説明会)で、大原CEOが「銀行業や金融業は当然視野に入っている」と述べたとの報道がなされています。 大原CEOは「売上金は日々溜まり、集金で回収してもらう。ATMがあるなら、ATMに入…

CAT債(キャットボンド)の魅力と課題

低金利の環境下、資産運用で収益を確保することは非常に難しくなっています。 投資家は、近時は、伝統的な4資産(国内株式、外国株式、国内債券、外国債券)に加えて、不動産(REIT等)のようなオルタナティブ投資を行うことによる分散投資で収益を確保しよ…

不動産クラウドファンディングとJ-REITの比較

フィンテック(Fintech)に続き不動産テックという用語を耳にするようになってきています。 不動産テックには様々な形態が出てきていますが、今回は不動産クラウドファンディングについて特にJ-REITとの比較を行いながら考察します。 不動産クラウドファンデ…

アパート建築の着工減少の本当の背景は?

近時は、賃貸アパートの建設やアパートローンの貸出が過熱しているとの記事や、それを金融庁や日銀が問題視しているとの記事を目にすることが多くなりました。現状は「本当のところどうなのか」について今回考察します。 貸家着工の状況 アパートローンの状…

音声検索拡大に伴う銀行への影響

インターネットの検索は現在主流の文字検索から音声検索にシフトしていく可能性が高まってきています。 この音声検索のトレンドを踏まえた上で、銀行にとってどのような影響があるのか、今回は考察します。 音声検索へのシフト 音声検索にシフトした場合に起…

広大地の規定改正による相続対策への影響

平成29(2017)年度税制改正大綱において広大地の規定見直しが明記されました。 実際の適用は2018年1月以降の相続等により取得した財産の評価に適用されることになる予定です。 この広大地の規定見直しは広大地の保有者にとっては大きな影響を及…

iDeCoを銀行が積極的にセールスしない理由とは

2017年1月から個人型DC(iDeCo)の対象者が拡大しました。 これによりiDeCoの普及拡大が見込まれています。 一方で銀行の店頭ではiDeCoの積極的なセールスは行われていないのが現状です。 今回はなぜiDeCoを銀行があまりセールスをしないのか考察します…

バランスシートレンディング(アマゾンレンディング)は既存金融機関にとって脅威か

フォーブズのニュースサイトにAmazonの事業者向けローンが米英日で総額3,000億円超となっているとの記事がでていました。 アマゾンの事業者向けローン、米英日で総額3千億円超を融資 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)出典 フォーブズホームページ …

年金の積立不足が企業の外部格付に与える影響

前回までに退職給付会計、退職給付債務、退職給付費用について述べてきました。 今回は、企業の退職給付制度に関連し、企業年金の積立不足が企業の外部格付に与える影響についてみていきます。 年金の積立不足とは 企業年金積立不足の状況 格付会社の考え方 …

退職給付費用を理解するポイント

前回まで退職給付会計、退職給付債務について説明してきました。 今回は退職給付費用について解説します。 退職給付費用とは 退職給付費用にかかる用語 勤務費用 利息費用 期待運用収益 過去勤務費用 数理計算上の差異 退職給付費用のポイント 退職給付費用…

退職給付債務の定義と計算方法

以前の記事で退職給付会計についての基本的な事項について解説しました。 今回は、退職給付債務について解説します。 退職給付債務とは 退職給付債務の計算方法 退職給付見込額の計算 退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額の計算 期間…

退職給付会計の基本

銀行員にとって退職給付会計の理解はやっかいなものです。 ただし、取引先企業が財務体質を着実に改善し企業の資金需要がなくなってきている現在の環境下では、簿外債務といえる退職給付会計を理解することは法人営業・業務に携わる銀行員にとって必須といえ…

株式報酬型ストックオプションの行使時期と売却時期

ストックオプションは上場企業のうち600社程度が導入している制度です。 この制度は役員退職慰労金の廃止と引き換えに導入された企業も多く存在します。 今回は株式報酬型ストックオプション(いわゆる1円ストックオプション)において、なぜ退職後の短…

DCの運用改善に関する改正法の影響

2016年6月に確定拠出年金法等の一部を改正する法律が交付されました(施行日は公布より2年以内)。 この法改正により金融機関においても営業のチャンスとなる点、留意すべき点等が出てきています。 今回はDC法改正による金融機関への影響について考察…

株式給付信託は株式報酬の本命か

自社株式を役員に報酬として付与する企業が増加しています。 2013年6月の株主総会時点では役員報酬に株式給付信託を導入していたのは4社でしたが、300社を大きく超えています。 今回は役員報酬における自社株報酬手段として導入増加の続く株式給付…

特定譲渡制限付株式とは

先日記載した記事にもあるように株式報酬の導入が盛んになっています。 http://www.financepensionrealestate.work/entry/2017/08/07/204845その株式報酬の類型のひとつである特定譲渡制限付株式制度について今回は考察します。 特定譲渡制限付株式とは 導入…

リクルートのフィンテック(貸金業)参入の影響

リクルートグループがフィンテックを活用した中小企業向け融資に参入しました。まずは「じゃらん」に参画している宿泊関連企業が対象とのことです。今回はリクルートの融資業務参入について考察します。 [:contents] リクルートの融資業務参入とは 始めにリ…

AIは銀行員の雇用を奪うのか

AI

MIT Technology Reviewに以下の記事が出ていました。以下引用します。 https://www.technologyreview.jp/ゴールドマン・サックス、自動化でトレーダー大幅減3割がエンジニアに 世界最大級の投資銀行ゴールドマン・サックスは金融取引の自動化を進め、全社員…

空き家という大問題とアパートローン

空き屋問題という言葉を最近聞くようになってきたのではないでしょうか。今後、われわれにとって大きな影響を受けるであろう空き家問題について今回は考察します。 空き家問題とは 空き家問題の将来予測 空き家問題の影響 今後の金融機関における課題 空き家…