本日行なわれました、当社社長上田準二による、「年頭にあたっての社員に対する挨拶」の要約をお届け致します。
●軸をブラさずファミリーマートらしさを追求、結果に結びつけた2008年
みなさん、新年明けましておめでとうございます。
昨年は我々を取り巻く環境が大きく変化し、あっという間の1年でした。年初から相次ぐ食品・資材の値上げ、夏場のガソリンの異常な高騰もありました。下半期に入ってからは米国発の金融危機があらゆる産業に連鎖し、今や世界同時不況といわれる状況です。国内政治を見ても、この難局を打開する有効な手立てを見出せず、消費者の将来への不安は大きくなるばかりです。また連日「景気後退、大手企業の赤字転落、人員削減」等、ネガティブなニュースばかりが話題となり、昨夏の北京オリンピックの感動も今や遠い昔のような気がします。
このような環境下において小売業界は、百貨店は各社もはや単独では生き残れず業界再編にその活路を見出そうとしており、スーパーやGMSは更なる低価格志向路線へ向かっていますが、いずれにしても大きな転換を余儀なくされているといえるでしょう。
一方、コンビニエンス業界においては、タスポ効果・スーパーとの価格差縮小、あるいはサービスビジネスの拠点としてその強みを如何なく発揮した1年でした。業界全体がこれらの要因で底上げされ、小売業界の中で唯一の勝ち組とも言われています。
そんな中、ファミリーマートは2008年度を「業界における勝ち組としての地位を固める1年」とすることを目指してきました。これまでの約2年に亘り克ち得てきた前年を超えるお客さまの支持を、収益実績として確実に結びつけることができました。競合各社と比較しても、いわゆる真水の部分において1番健闘したチェーンであると堂々胸を張って言えると思います。
この背景には、コンビニエンスストアとして目指す方向に何らブレることなく、ただひたすらお客さまに「気軽にこころの豊かさ」を提案すべく、「ファミリーマートらしさ推進活動」を本部・加盟店が一体となって徹底追求してきたことがあります。
また、「あなたの家族になりたい」をテーマに、絶対的・圧倒的な商品力とホスピタリティ溢れる売り場を実現するために、「当たり前のことを当たり前にやり続ける力」がついてきた、それによってファミリーマートブランドを築き上げてきたことが、最大の強みとして挙げられるのではないかと思っています。
●強い信念を持った行動する集団へ。
しかしながら、今後の経済環境・外部環境に関してはもはや誰も予測はつかない。ただ、一言言えることは、昨年より間違いなく一層厳しくなるということです。業界全体としてもタスポ効果の反動は多少なりとも出てきますので、その反動を最小限に抑え着実に成長できるチェーンと、反動に押しつぶされてしまうチェーンとの差がはっきり表れる年になるでしょう。
これまで以上に本部がしっかり地に足をつけて、加盟店と一体となって、この逆境に立ち向かっていかなければなりません。外からの脅威、内在する弱みに対して、一人ひとりが「自分ならこれができる、自分がこうしなければならない」という強い信念を持った、行動する集団であって欲しいと思います。
新たな課題は何一つありません。ですが過去からやり残している課題はまだまだたくさんあります。これに対して決して目を背けずチーム一丸となってよりスピード感を持って解決し続けていけば、必ず結果に繋がります。
●小売はお祭り、高い目標に本気でチャレンジしよう
昨年も多くの加盟店を訪問しました。その多くが、私がかれこれ7年前に言った「小売はお祭りだ」という言葉を忘れずに実践してくれています。「厳しい環境だからこそ、スタッフ一同、小売はお祭りだという言葉を原点にしているんです」と言ってくれます。これは何もイベントで何かをやったとか、売場の演出物が凝っているとかそういうことを私に言っているのではなく、店長・マネジャー、スタッフそれぞれが、どうしたらお客さんにまた来ていただけるのか、日々のルーティンワークの中で具体的に何をするのか、そして売上げを幾ら上げていくか目標を立て、皆でワイワイ、ガヤガヤ考え、それを楽しみながら実行し続けているということです。疲労感など残らない。達成感・満足感の方が大きく、それがまたお客さまにも活気として伝わっていくんです。
翻って、社員の皆さんはいかがですか?お祭りは人から言われて参加するものではありません。ましてや皆で参加しましょうというものでもないんですね。自らが本気になって参加する。皆でやろうと言っているうちは、誰も本気ではありません。高い目標に自ら果敢にチャレンジしていけば、必ず周りにいい影響を与えます。そして人の話しを聞く、人をよく見る、人に興味・関心をもつ、そうして頑張っている人を褒めて称えながら更にモチベーションを高めていく。こうしたチームワークが更に強いファミリーマートになっていくと確信しています。
●2009年は「王道を探る一年」
2009年は、激動の時代から、「激震の時代」に突入します。何が起こっても不思議ではない、全く先行きを見通せない状況になるでしょう。激震の中では大津波も襲うこともあります。足元をしっかりと固めてないと、根こそぎ持っていかれて消えてしまうかもしれません。その中で、ファミリーマートは将来に向けて「王道を探る一年」にしたいと思います。これまでに積み残したことをしっかりとやり遂げ、より強い基盤を作り上げます。それによって、新たなビジネスもついてくるでしょう。こうすることによって、これからのコンビニエンスストアの王道を見つける年にしたいと思います。
●今年は己丑(つちのとうし)です。丑にはつかむ、からむという意味があり、芽が内部で伸びきらない状態表すそうです。まさに今年の環境を象徴するようですが、動物の牛は、十二支の中でもっとも粘り強く誠実な生き物です。ファミリーマートは2009年もどんな環境にも動じず、粘り強く、「元気・勇気・夢」を持ってまい進していきましょう。
以上