職場のバレンタインデーは、チョコレートを渡す側も受け取る側も負担が大きいとして、“義理チョコ禁止”を掲げる会社も出てきた。そんななか、社員に負担をかけないユニークなやり方で、職場のコミュニケーション活性化を狙う企業もある。
あみだくじでチョコのランク分け
マニュアル作成・共有プラットフォームを手がけるスタディストは、2018年のバレンタインデーに社内で「チョコレートロワイヤル」を実施した。簡単に言えば、あみだくじに当たった3名に高級チョコレートが贈呈されるという企画だ。
1位はリアルな「ゴリラ」の形をしたチョコレートで、2位と3位はゴディバのチョコレート。落選者にはブラックサンダーなどの菓子が配られた。
スタディストの広報グループ グループリーダーの朝倉慶子さんは、企画の経緯について次のように話す。
「くじ引き形式の考案者は、総務の女性社員です。チョコレートロワイヤルと名付けたのは営業サポートの社員です。バレンタイン企画を相談する中で、個別にクオリティの高いものをあげてしまうと、お返しがかえって負担になってしまうのでは、という意見が出たので、『控えめなものをどっさりとあげる形はどうだろう』という案が出ました。そして、『基本賛成だが、他社がくじ引き形式でチョコのランクを分けていると聞いたことがあるから取り入れたい』となり、決まりました」
性別関係なく感謝の気持ちを込めてプレゼント
家計簿アプリやクラウド会計サービスのマネーフォワードでは2017年のバレンタインデーに、森永チョコレートのパッケージをアレンジし、「Money Forward」と社名を記したオリジナルのラベルを制作。
2018年のバレンタインは全社懇親会で会社のロゴ入りのチロルチョコを配布した。部署やチームごとにチョコやお菓子の交換もしたという。同社担当者は「部署やチームで、女性や男性というのはあまり関係なく、感謝の気持ちを込めてプレゼントしあっています」と話す。
2019年のバレンタインには何を予定しているのだろうか。
「今年は、社員同士の懇親を目的に、社員同士で会社のスペースを活用して飲んだり、食事をしたりして交流を深める『Money Forward Happy Hour』を開催しています。今回はバレンタインの時期ということもあり、バレンタインに合わせてチョコレートを使用したメニューを提供する予定です。また、元フレンチシェフの役員が、その場で調理したアクアパッツァと魚介のパスタを振る舞います」
【取材協力】
株式会社スタディスト
「伝えることを、もっと簡単に。」というミッションのもと、マニュアル作成・共有プラットフォーム『Teachme Biz』を開発、販売。企業における情報伝達ロスをなくし、「知る、考える、創り出す喜びにあふれた、知的活力みなぎる社会をつくる」というビジョンを掲げるスタートアップ。
株式会社マネーフォワード
2012年5月に設立。「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げ、すべてのお金の課題解決を目指すFintech企業。主に、個人向けのお金の見える化サービス『マネーフォワード ME』やビジネス向けクラウドサービス『マネーフォワード クラウドシリーズ』などを提供。
(石原亜香利)