今回記事でご紹介するのはスタジオジブリが1993年に公開した劇場アニメ、『海がきこえる』のあらすじです。
原作は氷室冴子による青春小説で、1995年にはテレビ朝日でドラマ化されました。
徳間書店のアニメ雑誌『月刊アニメージュ』に連載されていた本作は、高知県の田舎を舞台に転校生の美少女と地元の少年の淡い恋愛を描いた話で、続編『海がきこえるII〜アイがあるから〜』も発表されています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『海がきこえる』のあらすじ
主人公の杜崎拓(もりさき たく)は高知の田舎出身の青年。
大学進学に伴い上京した彼は、吉祥寺駅のホームで高校の同級生、武藤里伽子(むとう りかこ)によく似た女性を見かけます。
里伽子は拓の初恋の相手であり、東京から転校してきた美少女でした。
同窓会に出席する為、久々に帰省を決めた拓は、移動中の飛行機の中で、里伽子と過ごした青春の日々を回想します。
高校二年生の拓はこれといった取り柄のない、至って平凡な少年でした。
そんな彼のちょっとした自慢は、リーダーシップ溢れる同級生・松野豊(まつの ゆたか)と親友なこと。
松野は実に頼り甲斐のある人物で、同性異性問わず信頼を獲得しています。
ある時松野に呼び出された拓は、東京から来た転校生に関する相談を持ち掛けられ、松野が里伽子に恋していると直感します。
ぽっと出の女子に友達をかっさらわれた嫉妬に駆られ、「東京もんにコイツのよさがわかるわけない」とむきになる拓。
以来別のクラスの里伽子を目で追い、彼女が孤立していることに気付きます。
周囲の学生は里伽子の垢抜けた所作を「お高くとまっている」と見なし、敬遠しているみたいでした。
それから数か月、修学旅行でハワイに出発した二年生たち。
現地到着後、不注意から所持金を紛失した里伽子に「お金を貸してほしい」と頼まれた拓は、彼女の管理能力の甘さを批判し喧嘩になります。
お互い本音で言い合った怪我の功名で2人の距離は縮まり、最後には根負けして6万円を貸しました。
さらに歳月が過ぎ、3年に進級した2人は同じクラスになりました。
里伽子と話す機会が増えた拓は、彼女の両親が離婚済みなこと、母親に黙って東京の父親に会いに行く計画を立てていることを知らされます。
里伽子の複雑な家庭環境に肩入れした拓は、彼女の上京に付き合い父親の家を訪ねたものの、彼は既に新しい家庭を築いており、そこに里伽子の居場所はありませんでした。
父の裏切りにショックを受ける里伽子を慰めるうちに、2人はイイ雰囲気になり……。