今回記事でご紹介するのは2020年に富士見ファンタジア文庫(KADOKAWA)より刊行されたアクション小説、『スパイ教室』のあらすじです。
本作は竹町によるライトノベルでイラストはトマリが担当しています。
第32回ファンタジア大賞の大賞受賞作であり、2023年にはテレビアニメ化、2024年には舞台化を果たしました。
コミカライズは漫画家の「せうかなめ」と「べにしゃけ」がそれぞれ別の部を執筆しています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『スパイ教室』のあらすじ
史上最大規模の世界大戦の終結後、世界各国では講和条約が締結され表面的な平和が訪れました。
しかし水面下では各国諜報機関による熾烈な情報戦が繰り広げられ、少なからぬ犠牲者が闇から闇へ葬られています。
ディン共和国の凄腕スパイ・クラウスは、伝説のスパイチーム「焔(ほむら)」の唯一の生き残りでした。
政府に次代のスパイ育成を託された彼は、不可能任務専門のチーム「灯(ともしび)」を創設し、各地の養成学校が持て余した問題児を洋館「陽炎パレス(かげろうぱれす)」に召集します。
彼女たちはいずれも一芸に秀で、類まれな特殊技能や特異体質を持っていたものの、スパイとして活動するには性格に難がありすぎたのです。
陽炎パレスで少女たちと共同生活を送りながら指導に当たるクラウスですが、人に物を教えるのが致命的に下手なせいで、計画は暗礁に乗り上げました。
そんな中、コードネーム「花園(はなぞの)」ことリリィはクラウスに騙し討ちを仕掛け、豊富な毒薬の知識と機転を評価されます。
リリィとの交戦がきっかけで奇策を閃いたクラウスは、「僕を倒せ」と候補生に課題を出し、実戦で鍛え上げる方針に切り替えます。
この目論見は見事成功し、リリィを筆頭にした少女たちはみるみる頭角を現していきました。
それから4週間後、ガルガド帝国に盗まれた生物兵器サンプルの奪還任務が「灯」に舞い込みます。
クラウスは自身を除くチーム「焔」の面々が、同じ任務で全滅した事実を打ち明け、過酷な作戦に投入されるリリィたちの覚悟を問いました。
さらに1週間後、各々変装してガルガド帝国に入国した「灯」は、サンプルが保管されているエンディ研究所に潜入。
東側から攻めるクラウスと別行動をとった少女たちは、前回の任務で死んだはずの「焔」のメンバー、ギードと遭遇し動揺を隠せません。
ギードはクラウスの師ですが、帝国に与して仲間を売り飛ばしていたのです。
ギードの圧倒的強さにリリィたちは追い込まれ、絶体絶命のピンチに直面し……。