今回記事でご紹介するのは2006年にスタジオジブリが手掛けたアニメーション映画『ゲド戦記』。
監督は巨匠宮崎駿の息子、宮崎吾朗が務めました。
内容はアーシュラ・K・ル=グウィンの原作から大幅なアレンジを加えられており、壮大な世界観のファンタジーに仕上がっています。興行収入は78億円でした。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『ゲド戦記』のあらすじ
主人公はエンラッド王国の王子・アレン。本来は聡明で心優しい少年ですが、世界の歪みや人々の心を想うあまり、その精神は闇に侵されていました。
同時にアレンの影ともいえる存在が四六時中付き纏い、邪な考えや幻を吹き込むのですからたまりません。
ある時アレンの体から抜け出した影が、父である国王を襲撃する事件が発生します。
自分の影がしでかしたおこないに混乱したアレンは、現場に落ちていた魔法の剣を拾い、衝動的に逃亡を図ります。
国外を放浪中に獣に襲われ、絶体絶命の窮地に陥ったアレンを助けたのは、ハイタカと名乗る老境の魔法使いでした。
アレンはハイタカの旅に同行し、彼の目的地であるホート・タウンに向かいます。
漸く辿り着いたホート・タウンの治安は乱れ、怪しげな薬や奴隷が売り買いされていました。
犯罪が蔓延る町の現状に驚くアレンをよそに、ハイタカは用件を済ます為、別行動をとります。
その後アレンは人狩りを生業とするウサギが少女を襲っている現場に出くわし、魔法の剣を抜いて彼を追い払いました。
しかし夜一人でいる所を報復され、今度は自分がウサギに捕まり、奴隷として売られかけます。
またしてもハイタカに救出され、彼の知人テナーが暮らす家を訪れたアレンは、先日助けた少女テルーと運命の再会を果たします。
アレンとハイタカはしばらくテナーの家に滞在することになりますが、テルーはなかなか心を開いてくれません。
テルーは両親の虐待により酷い火傷を負い、命の恩人であるテナーとハイタカ以外の人間に、強い不信感を抱いていたのです。
アレンはテルーの美しい歌声に感動し、彼女の事をもっと知りたいと願い、二人の心は通じ合います
後日、ハイタカの留守中にウサギが殴り込み、力ずくでテナーを誘拐しました。
実はウサギは邪悪な魔法使い・クモの手下で、ハイタカと親しいテナーを人質にとり、城に誘き出す魂胆だったのです。
遂にはアレンまでもがクモの手に落ちて連れ去られ、テルーに事情を聞いたハイタカはクモの居城へ急ぐものの、そこには卑劣な罠が待ち受けていました……。