今回の記事でご紹介するのは、大今良時が週刊少年マガジンで連載している長編SF漫画『不滅のあなたへ』のあらすじです。
本作は2016年に連載がスタートし、現在までに既刊22巻が刊行されている人気作です。
2021年にはNHKでアニメ化もされました。
作者は『聲の形』でセンセーショナルな話題を呼び、『不滅のあなたへ』ではさらに深化したヒューマンドラマが展開されています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『不滅のあなたへ』のあらすじ
「観察者(かんさつしゃ)」と称する存在が地上に送り込んだ謎の球。
それは無機物・有機物問わず、あらゆるものの姿を模倣し、自在に変化することができました。
やがて球は事切れたレッシオオカミと遭遇し、その姿を写し取ってさまよい始めます。
ボロボロのオオカミを出迎えたのは、氷原の廃村に住む少年でした。
オオカミはもともと少年に飼われており、ジョアンと呼ばれて可愛がられていました。
他の村人は新天地を目指して旅立ち、高齢者の世話係として残された彼は、老人たちを看取る役目を終え、たった一人で暮らしています。
ある日、少年は誰もいない村を捨てる決断を下し、旅支度を整えました。
しかし吹雪に阻まれ、川に滑落して足を怪我するトラブルが発生します。
傷の炎症が原因で高熱に苛まれながらも先に進む少年は、雪に埋もれた墓標と壊れた荷車を目撃し、同胞の全滅を悟り、心が折れて静かに息を引き取ります。
オオカミは少年に成り代わり、故人の遺志を継いで南へ向かいます。
次に訪れたのは、南の土地で原始的な暮らしを営む先住民、二ナンナの集落でした。
早く大人になりたいと夢見る二ナンナの少女・マーチは、集落を支配するヤノメの役人・ハヤセの肝煎りで、山のヌシ・オニグマの生贄に選ばれます。
もし断ればまだ赤ん坊の妹や友人が身代わりにされると脅され、マーチは辛い役目を引き受けました。
当日、マーチと親しい間柄の弓使い・パロナは、生贄を輿に乗せて運ぶヤノメ人一行に弓を射掛けて進路を妨害。
争いの混乱に乗じて森に逃げ込んだマーチは、体をバラバラに引き裂かれた少年とめぐりあいました。
その少年に食べ物を与えると、少年は母親を追うようにマーチの後を追ってきたので、マーチはその少年に「フシ」という名前を与えました。
ホッとしたのも束の間、再びハヤセに捕まり、今度こそオニグマの祭壇に捧げられてしまったマーチ。
万事休すかに思われたその時、レッシオオカミに変身したフシがオニグマに挑み、見事にこれを倒します。
フシの異能に興味を持ったハヤセは、マーチ、パロナ、フシを首都に連れ去り……。