展示会とは - 簡単に説明することの大切さ - 月刊イベントマーケティング 展示会・イベント・MICEの総合サイト

展示会とは - 簡単に説明することの大切さ

展示会とはー副編集長田中力のイベント内緒ばなし

展示会

東京ビッグサイトや幕張メッセのような巨大なイベント会場に多くの企業がブースを構え、来場者と商談をする展示会は、イベントマーケティングの代表的な施策といえる。メーカーや商社などリアルなカタチのある製品の販売には、現物を触って動かせるface to faceの商談機会なしでは考えられない。

2021年のいま、前年から続く新型コロナウイルス感染症拡大や、2度にわたる緊急事態宣言により、イベント開催が制限され、DXというキーワードとともに、オンラインイベントやバーチャル展示会へシフトしている。リアルな場で取引を行うオフラインマーケティングが、すべてデジタルマーケティングにとって変わるのか。その答えはまだでていないが、オンラインの便利さを体感する一方、展示会や見本市のアナログなイベントの良さも見えてきた。

このページでは、展示会や見本市の定義、目的、成果向上のノウハウ、イベントスケジュールなど、展示会情報を掲載しながら、読者とのコミュニケーションの場になるようにしていきたい。(月刊イベントマーケティング副編集長 田中力)

展示会トピックス

情報編

展示会とは(このページ)
見本市と展示会
展示会の歴史
世界の展示会
展示会施設
2021年の展示会・イベントスケジュール
日本の展示会主催・運営会社-1
世界の展示会主催・運営会社
展示会を支える〇つの業種
オンラインイベントとバーチャル展示会の今とこれから
イベントテクノロジーカオスマップ(プラットフォーム編)
イベント業界の団体・機関はこんなにある
コロナ後に主流になるハイブリッドイベントで成果をあげる方法
展示会も含まれる!? MICEとは

 

ノウハウ編

展示会を見に行くときに失敗しない〇つのつのヒント
出展者に担当者になったらすぐやるべきこと〇か条初心者でも使えるオンラインイベントツール〇〇選
商談がドンドン進んじゃうナイスなバーチャル展示会〇選
ゴールを共有してくれそうなイベント制作・企画会社
イベント業界で就職するなら、この〇社

展示会とは -簡単に説明できると5つのメリットが

読んでもらいたい人
① 展示会業界・イベント業界で働きはじめたが、目の前のことに追われてるだけでいいのか疑問に、疑問に思いはじめた人
② 展示会にかかわる仕事を就職の選択肢にいれている人
③ 頑張ってはたらいても、なにか報われていない気がしている人
④ 展示会・イベント業界で活躍したい人

 

このコラムに書いてあること

① 展示会とは、定義づけは本質を考えること、デキる大人になろう
② 定義は相手によって変える、相手が求めているものを探ろう
③ 自身の考えだけでなく、根拠を提示して説得力を

 

定義を考えること

「展示会は、商品やサービスを展示し、出展者と買い手が商談して、プロモーションしたり販売する場」と定義されるのが一般的です。それが正解なのですが、もう少し深く掘り下げるとことで、あなたにとって大きな武器になるかもしれません。

さして営業成績が良いわけでもなく、業務で成果をあげていなくても、上司の評価が高かったり、顧客にも信頼され、周りの人にも一目おかれている人っていますよね。昇進したり、華やかな転職をする人は意外とそういうタイプの人が多いように思います。

その人たちの共通点は、相手の質問に対して「本質をとらえた答え」をしていることです。エレベーターで偶然一緒になった社長にプロジェクトの現状を15秒で説明する、クライアントと急にその話題になった時に芯をとらえたコメントを言うのがみなさん上手ですね。展示会とは?と聞かれたときに、展示会がなにかを聞きたいというよりも、あなたがものごとをどう捉えて、どう考える人なのか知りたいのかもしれませんね。

もともと思考の瞬発力がある人もいるかと思いますが、すべての人がそうではありません。たいがいは事前に整理して考えたことがあることを話しているのです。もちろん突発的な質問をすべて想定して準備するのではなく、聞かれる可能性が多いこと、共通の話題になりやすいことについて、答えを考えておけばいいのです。

そういう意味では「展示会とは」という定義を考えることとは、いいお題だと思います。

もっとも多く聞かれるのは、自分の仕事のことでしょう。この記事を読んでいる人の多くが、展示会関連の仕事をしていたり、業務で展示会出展にかかわっている人、これから展示会業界で働こうかと興味がある人だと思います。自分にか関わることですから、考えやすいでしょう。また展示会にはさまざまな業界の人がそれぞれの立場で関わっています。共通の認識もあれば異なる意見もあり、考える意義が深そうです。

前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、「展示会とは」を考えることは多くのメリットがあるので、ぜひやってみてください。人生の飛躍の第一歩になるかもしれません。

展示会の定義について考える5つのメリット
① 自分の仕事を俯瞰的にみて、広い視野で考えられる
② 考えを整理する習慣が身につく
③ 根拠をもって信頼性の高い発言ができる
④ どう受け取られるか、相手の視点を考慮した思考法ができる
⑤ 自己・他者からの評価があがり、人生のステップアップにつながる

 

4パターンで相手によって定義を変える

1) 正解が求められている時

相手が本当に展示会のことを知らないとき、なにか調査をしている、聞き手がマジメな人な場合、相手にきちんとした人に見られたいといった時には、俯瞰的な視点で普遍的な、偏りのない定義を説明し、客観的なデータ、時事的な話題などを添えてみてはいかがでしょうか。

例えば

  1. 言葉の意味:“商品やモノを並べて見せる”という意味の展示会もあるが、一般的には販売・商談などを行うビジネスの場
  2. 形態/目的:業界ごとに2~3日の会期で開催され、業界の多くの企業が販売・宣伝したいものを手に一堂に集まる。バイヤーは多くの企業と一度に効率的な商談ができ、同業他社との比較もできるというメリットがある。経済振興や中小企業の営業支援など経済産業者が管掌している。
  3. 規模感/データ:大規模なものだけでも、全国で年間数百件の展示会が開催されている。最も大きな会場の1つである東京ビッグサイトは10万平米くらいの規模で、年間1300~1500万人が展示会参加の目的で来場する。
  4. 現在の話題:東京五輪の影響で東京ビッグサイトが一部使えないという問題がある。コロナ禍で中止や規模縮小、オンラインへの移行が進んでいるが、一方感染症対策や人数制限を定めたガイドラインに沿って、開催をしている展示会も増えてきた。

といことで、1つの定義として、このように答えるのはどうでしょうか?

マジメに答えるには

展示会とは、業界ごとに2~3日の期間で開催され、企業が販売したい商品やサービスを会場にもちこみ、来場者と商談を行う場。
とくに中小企業にとっては重要なビジネスの機会だが、現在は東京五輪の影響で東京ビッグサイトが一部使用できないこと、コロナ禍で出展企業・来場者が集まりづらいことが課題になっている 

 

2)ビジネスチャンスの視点で話す

自社の上司や社長、取引先に提案する時、投資・起業に関する会話では、展示会を活用することで、ビジネスでどのようなメリットがあるかを中心に説明してみましょう。相手のポジションや業務内容に合わせて相手の視点で展示会を考えるのも大切です。

出展者(セラー)からみた展示会(出展)のメリット

  1. 新しい見込み顧客に会える(リード獲得)
  2. 顔と顔をあわせて、製品を実際に触ってみるなど、深いコミュニケーションがとれる(Face to Face)
  3. 自社商品に対する評価が得られる(マーケットリサーチ)
  4. 企業の認知度向上(ブランディング)

 

一方、展示会に来場する人にとってのメリットは、

  1. 業界社が最新商品ももって一堂に集まるので、トレンドがわかる(情報収集)
  2. 他社製品との比較ができる。1日で多くの企業と商談ができる(効率)
  3. 商品に実際に触れる、開発者の話(想い、熱意)
  4. 自分の知らなかったモノやサービス、人と出会える(セレンディピティ)

メリット、ということは比較対象になるものがあるはずですが、

展示会比較と比較される営業・マーケティング施策

  1. 個別訪問の営業
  2. テレカンファレンスの営業
  3. ウェブマーケティング(デジタルマーケティング)
  4. セミナー開催

などと比較検討した内容も盛り込むのもいいでしょう。
このような内容をもりこんだ展示会の定義(案)は、

ビジネスチャンスとしての展示会とは

各業界の最新の製品とソリューションが集まり、実機を見て触って実感でき、開発者や営業担当者と直接話すことで、製品のもつストーリーや企業の熱意を知ることができる機会。
BtoBの商談・発注プロセスに欠かせない信頼性の確認ができるのはリアルな場である展示会が適している。

また、自分が知らなかったサービスや人との偶然の出会い(セレンディピティ)があることや、深い関係性の構築、良質なコミュニケーションがとれるのも展示会の特性。
展示会出展にはある程度のコストがかかるが、印象的なブース制作や十分なスタッフの配置といった費用を負担をできる会社と捉えれ、企業ブランディング向上の成果が大きい。

 

3)ビジネス関係以外の人に展示会について話をする

自分の両親、合コンやママ友、冠婚葬祭であった親戚、学生に、”仕事としての展示会”を説明する時には、

  • 相手は展示会のことはよく知らないのでイメージしやすく
  • もしかするとビジネス・経済のことに詳しくないかもしれない
  • 社会的意義があり魅力的な仕事であることをアピールしておきたい

ということを踏まえて考えてみます。
そうすると盛り込みたいポイントは

  • 大規模展示会だけでも、年間5~800件(日本展示会協会調べ)開催されている。
  • 大企業から中小企業まで、展示会での商談によりビジネスを加速させるエンジンになっている。
  • 展示会での名刺獲得(リードジェネレーション)はマーケティング施策の最初のステップとなっている
  • 展示会の年間経済波及効果は東京ビッグサイト7,547 億円、幕張メッセ3,500 億円、パシフィコ横浜2,070 億円
  • 展示会の仕事は、各業界の最新情報・動向が把握でき、出展企業の経営層と戦略を考え、ビジネスマンとしてのスキルアップができる。
  • 数カ月にわたり準備したものを会期の2~3日で出しつくす熱量がある場。苦労はあるがその分やりがいが大きい

といったところでしょうか。
人それぞれの想いや話す相手によって変わってくるとは思いますが、この場合の展示会の定義を文章にすると、

ビジネス関係以外の人に展示会を説明

展示会は、さまざまな業界で多くの企業のビジネス発展に欠かせない商談の場。展示会業界で働くことは、企業の経営・販売戦略を共に構築することで、個人のスキルアップにつながり、やりがいもある仕事と考える人が多い。

4)社会的な問題や課題の抽出、ネガティブな話が求められる時

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