【営業規則系】 分岐乗車券の処理について(車掌取り扱い編) - 旅と鉄道の美学

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【営業規則系】 分岐乗車券の処理について(車掌取り扱い編)

 次の記事の続編です。分岐片道乗車券がどういった形で行われているのか、確認してきました。

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 ルートはこちら。

 東京都区内から尾張一宮までの乗車券で、大曽根まで分岐する形です。分岐乗車券は原券の行先を変更したり、経路を変更するのとは違って、原券を維持した状態で分岐するという利用形態で区間変更の一つです。その際、打ち切り計算になるので、運送区間を分けないといけないのです。運送区間は分かれるけど、原券の運送区間に付随してなされる運送契約なので関連性があるということになります。だから分岐乗車券に入鋏印がなくても不正ではないと判断できますし、逆に言えば、原券の呈示も要求されます。

 上記の場合に原券が岡崎から尾張一宮という101キロを超えない乗車券の場合は方向変更となり、岡崎→尾張一宮間の方が大曽根までに比べて安いので、収受額なしとなります。通常は手間なので、そのまま着駅で渡してくださいと言われます。

 

 さて、新幹線の車掌氏に分岐の旨を申し出ると、分岐片道のことはよくご存じでした。券面証明も含めて研修でしっかり習うそうです。

 券面の「金山駅分岐 519A 5/7 オサイチレチ」がその証明です。オサは大阪、イチは第一運輸所、レチは車掌の意味です。

 この券面証明は次の規定に基づいています。

旅客営業取扱基準規程

(別途乗車の取扱方)
第271条 車内補充券又は改札補充券の事由欄を「分岐」とする別途乗車の取扱いをする場合は、次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。

(1)分岐駅において取り扱う場合は、原乗車券に途中下車印を押す。
(2)分岐線内の分岐駅以外の駅において取り扱う場合は、原乗車券の券面に分岐駅名及びその要旨を「何駅代」と記入し、途中下車印を押す。
(3)前各号以外の場合は、原乗車券の券面に分岐駅名及びその要旨を「何駅分岐」と記入して証明する。

2 (略)

 赤字で示したように、分岐駅や分岐線内以外で扱う場合にこのような証明をします。今回の場合、分岐駅は金山、分岐線内の分岐駅以外は鶴舞・千種・大曽根となります。

 

 なお、その際に発行された乗車券はこちらです。「分岐」と表示されます。

 

 最後に、大曽根にで下りる際です。こちらも正規の取り扱いをお願いしてみました。関連規定は下記の通りです。

 

旅客営業取扱基準規程

(併用乗車券の入鋏方)
第247条 

 (1項2項略)

3 規則第20条第1項第2号又は同第247条の規定によつて発売した普通乗車券を使用して当該券片区間の駅に下車した場合で原乗車券を回収することができないときは、第271条第1項第1号及び同項第2号の規定によつて取り扱つたものであるときを除き、次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。

(1) 第271条第1項第3号の規定によつて取り扱つたものであるときは、原乗車券に表示された「何駅分岐」の箇所に途中下車印を押す。
(2) 前号以外のときは、原乗車券の券面に「何駅代」の例により記入し、駅名小印を押す。

 券面に押されているのは駅名小印ですが、この規定に沿った処理となりました。本当は途中下車印が正解ではありますが。。。

 

 いつもながら、きちんと処理する安心のJR東海でした。