水域保全学研究室 | 生圏システム学専攻

水域保全学研究室

研究室の概要

   

水域の中で、沿岸域は人間生活の影響を強く受ける場所のひとつであり、このため環境改変が進み、生態系は劣化の一途をたどっている。沿岸域には多様な生物が棲み、また人間活動に由来する汚濁物質の浄化や水産物の供給など多くの生態系サービスが存在するため、その価値は近年ますます高まりつつある。水域保全学研究室では、干潟、藻場、マングローブ水域、砂浜、サンゴ礁、塩性湿地など沿岸域の様々なタイプのフィールドを対象として、そこに生息する生物(特に魚類や底生無脊椎動物)と物理化学的諸因子の関係、および主要生物、希少生物、外来生物の生態を現地調査と飼育・培養・分析を通して明らかにし、沿岸生態系の保全・修復への方策を探求する研究を進めている。

研究の詳しい内容は、研究室ホームページhttp://www.suiiki.es.a.u-tokyo.ac.jp/に掲載されています。

所属教員

  • 安田 仁奈(教授)Nina Yasuda
  • 青木 茂(助教)Shigeru Aoki
  • 松崎 慎一郎(准教授、連携併任、国立環境研究所)Shin-ichiro Matsuzaki
  • 山北 剛久(准教授、連携併任、海洋開発研究機構)Takehisa Yamakita

これまでの実績

  • 海草藻場、マングローブ水域、砂浜、サンゴ礁における魚類群集の構造に関する研究
  • 浜名湖におけるアサリの食物源の推定
  • 東京湾の人工砂浜・天然干潟の生物相と環境の関係
  • 東京湾の付着生物相の現状と最近30年間の変化
  • 浜名湖における水環境の長期変動
  • バラスト水中の植物プランクトンの種組成と細胞数の時間的変化

これからの研究課題

  • 沿岸生態系や生息場の環境変化や悪化が魚類・無脊椎動物群集に及ぼす影響
  • 干潟、砂浜、人工海岸の物質循環機構と生物
  • 安定同位体を用いた内湾の食物網の解析
  • 東京湾におけるアサリの個体群動態
  • 沿岸域の主要種や希少種の保全のための生態・生活史研究
  • 外来種の駆除・管理のための生態・生活史研究
  • 沿岸保全に寄与する施策の提言

研究室紹介動画