食品ロスについては、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットの一つとして、
削減目標が定められるなど、社会の関心が高まっており、
事業者に求められる役割もますます大きくなってきています。
我が国における、食品関連事業者(食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業)から発生する
食品ロスの発生量の推計方法や推計結果を紹介します。
農林水産省では、毎年、食品リサイクル法に基づく定期報告結果と農林水産省大臣官房統計部「食品循環資源の再生利用等実態調査結果」等を基に、事業系食品ロス発生量を推計しています。
推計結果
我が国の事業系食品ロスの発生量は、236万トンと推計されています。
食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業の業種別食品ロス量については、農林水産省資料「食品ロスの削減に向けて」をご覧ください。
家庭系の食品ロス発生量は自治体向け情報「食品ロスの発生実態を知る」をご覧ください。
食品リサイクル法に基づく定期報告制度については農林水産省のウェブサイトをご確認ください。
食品製造業では製造工程のロス(パンの耳等)や返品、食品卸・小売業では返品、納品期限切れ、売れ残りや破損品等、外食産業では食べ残しや仕込みロスが食品ロスの原因として考えられます。
業種別の食品ロス発生要因
業種別、食品の種類別の食品ロス発生要因は、日本有機資源協会の「平成22年度食品廃棄物発生抑制推進事業報告書」で詳しく紹介されています。
また、農林水産省では、業種別の食品ロス発生要因を定量的に把握する調査を実施しました。調査結果は、下記のリンク先の「4.事業報告等」>「令和5年度」に掲載されております、「令和5年度食品産業リサイクル状況等調査委託事業(食品関連事業者における食品廃棄物等の可食部・不可食部の量の把握等調査)」の報告書(概要版)P.9もしくは詳細版P.20~21をご覧ください。
食品関連事業者等から発生する食品ロスについては、今後、食品リサイクル法の基本方針において、
SDGs等を踏まえた削減目標の設定を検討することと、第四次循環型社会形成推進基本計画に記載されています。
食リ法の新たな基本方針において、「事業系食品ロスの削減に関して、2000年度比で2030年度までに半減させる」こととなりました。
現在は、食品リサイクル法に基づき、不可食部も含めた食品廃棄物等の発生抑制目標値が業種別に設定されています。
食品ロス削減に向け、事業者ができることとして、次のものがあります。
業種共通 | 商慣習見直し(返品・過剰在庫削減)、余剰食品のフードバンク寄付、需要予測精度向上 |
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製造業 | 賞味期限延長・年月表示化、過剰生産 |
卸・小売業 | 売り切り、配送時の汚・破損削減、小容量販売、バラ売り |
外食産業 | 調理ロス削減、食べきり運動の呼びかけ、提供サイズの調整、ドギーバッグ等での持ち帰りへの協力(自己責任) |
主な取組の詳細は以下のとおりです。
その他、農林水産省資料「食品ロスの削減に向けて」および
消費者庁ホームページ「民間団体の取組事例」で、
民間事業者等による食品ロス削減方策が紹介されています。
一生懸命つくった料理は全て食べて頂きたいものですが、どうしても残してしまうお客さまには、家に持ち帰って食べきって頂ければ食品ロスを削減できます。
このロゴマークを店頭などに掲出頂くことで、お客さまに持ち帰って頂ける、食品ロス削減へ取り組んでいるサインとなります。
お客さまが持ち帰りを行う際には、注意事項をしっかりと伝えて理解してもらうことが重要です。
「mottECO」ロゴ・普及啓発資材を活用頂いている事業者等は、下記ページより確認いただけます。
環境省では、「mottECO(もってこ)」の普及を図ることを目的として、令和3年度にインターネット消費者アンケート調査を実施しました。調査結果は、以下のリンクからダウンロードいただけます。
食品ロスの削減に向け、賞味期限の年月表示化の取組、納品期限の緩和(いわゆる「3分の1ルール」の見直し)等の商慣習の見直しが行われています。
「フードドライブ実施の手引き」に、フードドライブを実施する際などに参考となる情報をまとめています。
農林水産省のホームページでは、フードバンクの立ち上げをお考えの皆様に、参考となる資料が紹介されています。
関係各省庁は、備蓄の役割を終えた災害用備蓄食品について有効活用を図り、食品ロスを削減するため、フードバンク活動団体等に提供する取組を実施しています。災害用備蓄食品を廃棄する前に、必要とする団体に提供することをご検討ください。
気象データを活用した需要予測の精緻化と、需要予測情報を製造業、卸売業、小売業で共有することによる食品ロス削減の取組が行われています。
小盛りや小分けのメニューを採用したり、宴会予約時には幹事と食事量を調整するといったことが、食べ残し削減につながります。また、来店客が「食べ残し」をした場合に、ドギーバッグ等で持ち帰ってもらうことで食品ロスを削減できます。持ち帰りで発生し得る食中毒のリスクは自己責任の範囲と消費者に理解してもらうことが重要です。
環境省では令和3年度から令和5年度に、食品ロス削減・食品リサイクルを推進するためのモデル事業を実施する事業者等を公募し、事業の支援を実施しました。報告書概要版ならびに個々の報告書は下記のリンクからダウンロードいただけます。