廃棄物処理施設建設工事等の入札・契約の手引きについて | 報道発表資料 | 環境省

報道発表資料

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2006年07月18日
  • 再生循環

廃棄物処理施設建設工事等の入札・契約の手引きについて

環境省では、市町村におけるごみ焼却施設やし尿処理施設などの廃棄物処理施設建設工事の入札・契約について、競争性・透明性を高め、公正・公平性が確保されるような入札・契約が行われ、品質・経済性の面で優れた廃棄物処理施設建設工事が実施できるよう、入札・契約の具体的な見直し・改善の方向性を提示する手引きを作成しました。
 作成した手引きは、発注者である市町村が、談合防止の観点と、価格に見合った、より品質の高い調達に努めるという観点から、費用対効果の高い廃棄物処理施設建設工事を実施できるよう、入札・契約の方法の見直しや改善に取り組むべき方向を示すものです。

1.趣旨

  • 全国の市町村は、ごみ焼却施設やし尿処理施設などの廃棄物処理施設建設工事の発注者として、地方自治法に基づき入札・契約を行っている。
  • 市町村の廃棄物処理施設建設工事の入札・契約をめぐっては、プラントメーカーや建設コンサルタントによる談合問題が注目されている。
  • 談合問題については、独占禁止法等に基づく制裁措置による対応が中心となるが、発注者である市町村においても、入札・契約の方法の見直しや改善に取り組むことが重要である。
  • また、発注者である市町村においては、価格に見合った、より良い質の調達をすることが求められ、費用対効果の高い廃棄物処理施設建設工事を実施できるよう、入札・契約の方法の見直しや改善に取り組むことが重要である。
  • こうしたことを踏まえ、環境省では、「廃棄物処理施設の入札・契約適正化検討会(参考資料に委員名簿を添付)」を開催し、専門家の意見をいただきながら、市町村において、競争性・透明性を高め、公正・公平性が確保されるような入札・契約が行われ、品質・経済性の面で優れた廃棄物処理施設建設工事が実施できるよう、入札・契約の具体的な見直し・改善の方向性を提示する手引きを作成した。

2.手引きの概要

 手引きは、大略以下の5つの具体的な見直し・改善の方向性を提示している。

(1)競争性の向上
  • 入札・契約の競争性の向上を図るため、[1]入札に参加し最終的に契約する相手方の選定方法の改善と、[2]競争に付す発注範囲の拡大、という2つの方向で取り組むべきことを提示。
  • 具体的には、選定方法の改善策として、価格と技術の両面で競争させる総合評価落札方式等を導入することを提示。
  • また、競争に付す範囲の拡大策として、建設工事に加えて運営を含めた発注(PFI事業や長期包括的運営事業)等を導入することを提示。
  • さらに、市町村がこれらの取組に現実的、段階的に取り組むことができるよう、「最低限の水準」、「標準的な水準」、「目標とすべき水準」、「さらに望ましい水準」の4つのステップによる段階的な取組を提示。(参考図1参照)
(2)予定価格の適正化
  • 予定価格はこれまで多くの市町村においてプラントメーカーの見積を基にして積算されてきたが、より適正な予定価格の積算のためには、最終的に入札に参加する可能性のあるプラントメーカーから得た見積のみに依拠した方法を改めることが必要。
  • このため、既契約の廃棄物処理施設建設工事の中核部分であるプラント工事費をプラント設備の種類別にブレイクダウンし、その工事費用内訳書と仕様から、プラント設備ごとに価格を積算し、工事費用全体の予定価格を積算する方法を提示。(参考図2参照)
  • さらに、こうした積算が市町村において円滑に実施できるよう、環境省において、市町村等が活用できる費用積算のためのデータベースを構築する予定。
(3)建設コンサルタントの発注・選定の適正化
  • 建設コンサルタントとプラントメーカーの不透明な関係を遮断するため、実施設計と施工を一括で発注する方式を基本とし、さらに、建設コンサルタントが通常行う基本計画、発注者支援、施工管理等の業務について、同一のコンサルタントに随意契約で発注するのではなく、別々に発注し、競争的に選定し、契約することを基本とすべきことを提示。
  • また、価格と技術の両面で優れた建設コンサルタント業務を調達できるようにするため、定型的な業務を除く知的業務については、公募型プロポーザル方式を提示。
(4)契約の的確な履行の確保
  • 国土交通省が平成17年9月に示した「工事における違約金特約条項の強化について」を参考にし、廃棄物処理施設建設工事請負契約においても、工事請負者の談合に対して請負代金の一定割合を違約金として支払わせる条項を盛り込むことを提示。
  • また、不良工事を防止するため、引渡し前の性能試験の確実な履行や、工事及び設計上のかし担保条項を発注仕様書に明記することを提示。このほか、公共工事の品質低下やダンピング防止のため、低入札価格調査制度の導入を提示。
(5)市町村間の相互協力の強化
  • 一部の大都市を除き多くの市町村ではプラントメーカー等と技術や価格等について交渉する専門的能力を有する職員を確保することは困難であり、市町村が、優れた技術をそれに見合った価格で導入し、住民に対する廃棄物処理サービスの維持・向上ができるようにするため、市町村間での知識・ノウハウ・データの共有や相互協力の仕組みを確立することが重要。
  • このため、環境省において、19年度を目途に市町村等が予定価格の積算に活用できるデータベースを構築する予定(再掲)。また、環境省において、19年度以降の具体化を目指し、公正・中立な立場にある専門家や高い技術力を保有する大都市職員などからなる専門家集団の組織化による市町村支援体制を構築する予定。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
課長:粕谷 明博 (内線6841)
 補佐:松澤 裕 (内線6842)
 補佐:野口 竹志 (内線6844)

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