報道発表資料
環境庁では、農用地の土壌の汚染のおそれのある地域を対象として都道府県が平成11年度に行った細密調査の結果及び平成11年12月以降に実施された農用地土壌汚染対策の状況について取りまとめた。 | |
【主なポイント】 | |
[1] | 平成11年度の細密調査の結果、新たに汚染が発見された地域は1地域であった。 |
[2] | 平成11年12月以降における農用地土壌汚染対策の進捗状況は、対策地域の新規・追加指定なし、対策計画策定なし、指定解除は部分解除4地域であった。 |
[3] | 汚染検出地域の面積に対する対策事業等完了面積の割合は、平成11年度の78.8%から2.5ポイント増加し、平成12年度末には81.3%となる見込み。 |
I.農用地土壌汚染対策について
農用地の土壌汚染については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づき、人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されることを防止するため、特定有害物質(カドミウム、銅及び砒素)による農用地の土壌汚染の実態を明らかにした上で、都道府県が汚染地域及びそのおそれのある地域を農用地土壌汚染対策地域として指定するとともに農用地土壌汚染対策計画を策定し、農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止、除去等に必要な客土等の対策が講じられている。
II.平成11年度細密調査結果
細密調査は、汚染のおそれのある地域で汚染状況等を把握したり、既に汚染が明らかになっている地域で汚染範囲を確定するために行っており、平成11年度では延べ8地域の607haで調査を行った。その結果、
[1] | 新たな汚染地域として確認された地域は1地域であった。 |
[2] | また、対策地域の周辺で既に汚染が明らかになっている地域において、基準値以上のカドミウムが検出された地域が1地域あり、この地域では引き続き調査を継続している。 |
(注) | 基準値:カドミウムについては玄米中1.0mg/kg、銅については土壌中125mg/kg、砒素については土壌中15mg/kg |
<平成11年度の対象地域等>
対象物質 | 対象地域数 | 調査面積 | 新たな汚染検出地域 |
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カドミウム | 8地域 | 607ha | 1地域 |
銅 | 0地域 | 0ha | 0地域 |
砒素 | 0地域 | 0ha | 0地域 |
(新たに基準値以上の汚染が検出された地域)
対象物質 | 調査地域 | 調査面積 | 玄米調査点数 | うち基準値 以上の点数 |
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カドミウム | 新潟県東蒲原郡鹿瀬町 | 9ha | 17点 | 9点 |
なお、新潟県では、学識経験者等から成る対策委員会を設け、汚染原因、汚染防止対策等について、検討を行った。今後、対策委員会の報告を踏まえ、地元との調整を行い、具体的な対応について検討する。
III.基準値以上検出地域における農用地土壌汚染対策の状況
1. | 平成11年12月以降の対策地域の指定、対策計画の策定及び対策地域の指定解除の状況 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注)( )内は、指定解除の該当地域の面積である。 |
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2. | 農用地土壌汚染対策事業の進捗状況(平成12年11月現在) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注1) | (4)[1]は、既に対策事業が完了した地域の累計面積に現在対策事業実施中の地域における面工事完了面積(平成12年度末予定)を加えたものである。 |
注2) | ( )内は、基準値以上検出地域の面積に対する比率 |
(参考) 昭和46年以降の基準値以上検出地域の累計
物質名 | 地域数 | 面積 |
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カドミウム | 93地域 | 6,616ha |
銅 | 36地域 | 1,403ha |
砒素 | 14地域 | 391ha |
合計 | 130地域 | 7,156ha |
注)合計が一致しないのは重複汚染があるためである。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :伊藤 洋 (内線6650)
担 当 :瀬川 雅裕(内線6652)
:平林 秀紀(内線6654)