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公園の特長
生きている火山と静まる蒼い湖 --火山活動の博物館--
指定:昭和24年5月16日
面積:99,473ha
北海道
面積:99,473ha
北海道
支笏洞爺国立公園は北海道の南西部に位置し、支笏湖、洞爺湖の二大カルデラ湖に加え、羊蹄山、有珠山、樽前山など様々な形式の火山や火山地形を見ることができます。また多種多様な温泉や硫気の吹き出す地獄現象などの火山活動が多く見られ、まさに『生きた火山の博物館』といえる公園です。火山活動の恩恵として、登別、洞爺湖、定山渓などの北海道を代表する温泉観光地が賑わいを見せ、湖と森と火山の織りなす景観美が人の心を和ませてくれます。また、支笏湖は北限の不凍湖としても有名で、独特な濃紺の水面は訪れる人々を魅了しています。
本公園は、札幌市中心部や新千歳空港からも近いため、多くの人が来訪しやすい立地にあります。マイカーや団体ツアーバスによる、火山現象などの自然探勝や温泉を利用した保養などの周遊観光のほか、登山や高山植物観賞にも利用されています。
本公園は、札幌市中心部や新千歳空港からも近いため、多くの人が来訪しやすい立地にあります。マイカーや団体ツアーバスによる、火山現象などの自然探勝や温泉を利用した保養などの周遊観光のほか、登山や高山植物観賞にも利用されています。
地形・景観
本公園は、我が国を代表するカルデラ湖である支笏湖と洞爺湖を中心に、今なお活動を続けている有珠山や成層火山の羊蹄山など多くの火山によって構成されています。また、噴泉、地獄谷などの火山現象地や、倶多楽湖、橘湖などの火山性湖沼が散在しており、我が国を代表する火山群の景観を呈しています。平成21年には、世界的に貴重な地質遺産として、洞爺湖有珠山ジオパークが日本で初めて「世界ジオパーク」に認定されています。
支笏湖エリア
約3万2千年前に始まった支笏火山の活動によりカルデラが形成され、その後、風不死岳、恵庭岳、樽前山が形成され、現在の支笏湖ができ上がりました。風不死岳は既に火山活動を終えていますが、恵庭岳は山頂下の火口に小規模な噴気が認められ、樽前山は現在も活動が続いています。支笏湖は、最大水深360m、日本で2番目に深い湖です。寒冷な気候に加え土砂の流入などが少ないため、我が国有数の透明度を誇っています。樽前山は、新しい火山のため森林は標高700m付近までしかなく、上部はイソツツジ、ミヤマハンノキ、イワブクロ、コメバツガザクラなど高山性の植物群落が生育し、特異な景観を呈しています。
定山渓エリア
定山渓は、無意根山、空沼岳、札幌岳などの比較的古い火山による山岳地形です。これらの山には高山植物が生育し展望にも優れているため、札幌市方面からの格好の日帰り登山コースとなっています。定山渓温泉は豊平川の渓流沿いに位置する有数の温泉地です。洞爺湖エリア
洞爺湖は、周囲約40kmのほぼ円形のカルデラ湖で、中央には火山活動でできた中島が浮かんでいます。湖の周囲は農地や集落が広がり開放的な景観を形成しています。有珠山は、約2万年前に活動を開始した火山で、周囲に多数の側火山を持ち、特に昭和18~20年にかけての活動で生成した昭和新山は、溶岩円頂丘と言われ学術的、景観的にも非常に価値が高いものです。また、明治43年の噴火で湖畔から温泉が湧出し洞爺湖温泉が誕生しました。羊蹄山エリア
羊蹄山は、標高1,898mの典型的な成層火山の独立峰で、蝦夷富士とも呼ばれています。景観の特徴は、その秀麗な山容と植生にあり、植物帯の垂直分布の変化を顕著に見ることができます。山頂からの眺望は特に壮観です。羊蹄山では、山麓の広葉樹林から中腹の針葉樹林、さらにキバナシャクナゲやエゾノツガザクラなどの高山植物が咲く山頂まで、典型的な植物の垂直分布を見ることができます。登別エリア
登別では、現在も地獄谷をはじめ各所で火山現象が見られ、我が国屈指の豊富な温泉が湧出しています。倶多楽湖は、直径約2.5kmの円形のカルデラ湖で透明度が高く、静かな環境や清澄な水質から神秘の湖と呼ばれています。植物
本公園は、ミズナラ、エゾイタヤなどからなる落葉広葉樹林やエゾマツ、ダケカンバなどの針広混交林に広く覆われており、標高1,000mを超える山頂部や稜線部にはハイマツ帯も見られるほか、高山植物のお花畑が随所に発達しています。
羊蹄山では、山麓の広葉樹林から中腹の針葉樹林、さらにキバナシャクナゲやエゾノツガザクラなどの高山植物が咲く山頂まで、典型的な植物の垂直分布を見ることができます。
樽前山は、新しい火山のため森林は標高700m付近までしかなく、上部はイソツツジ、ミヤマハンノキ、イワブクロ、コメバツガザクラなど高山性の植物群落が生育し、特異な景観を呈しています。オコタンペ湖周辺などでは、小面積ながら湿原植物の生育が確認されています。
羊蹄山では、山麓の広葉樹林から中腹の針葉樹林、さらにキバナシャクナゲやエゾノツガザクラなどの高山植物が咲く山頂まで、典型的な植物の垂直分布を見ることができます。
樽前山は、新しい火山のため森林は標高700m付近までしかなく、上部はイソツツジ、ミヤマハンノキ、イワブクロ、コメバツガザクラなど高山性の植物群落が生育し、特異な景観を呈しています。オコタンペ湖周辺などでは、小面積ながら湿原植物の生育が確認されています。
動物
動物は、森林性の環境に適応する多くの野生動物が見られ、哺乳類では、ヒグマ、キタキツネ、ユキウサギ、エゾリス、シマリス、エゾシカなどが生息しています。
鳥類では、天然記念物のクマゲラをはじめ、ヤマセミなどの希少種やコノハズク、アオバト、ヒガラなどの森林性の鳥類が生息しています。
また、支笏湖では水鳥類のカルガモ、キンクロハジロなどを見ることができますが、藻場や小魚などの餌が少ないため、数、種類とも少なくなっています。
なお、洞爺湖の中島は、かつて観光施設で飼育されていたエゾシカが野外で自然繁殖し生態系が崩れていることから、様々な関係機関が協働で対策を進めています。
また、支笏湖では水鳥類のカルガモ、キンクロハジロなどを見ることができますが、藻場や小魚などの餌が少ないため、数、種類とも少なくなっています。
なお、洞爺湖の中島は、かつて観光施設で飼育されていたエゾシカが野外で自然繁殖し生態系が崩れていることから、様々な関係機関が協働で対策を進めています。
文化
洞爺湖畔開発の歴史
本公園の周辺は、昔からアイヌ民族の生活の場でした。この一帯の観光事業に道が開けたのは、明治43年の有珠山噴火の後に温泉の湧出が発見され、大正末期に函館と札幌を結ぶ国鉄室蘭本線と千歳線が開通してからです。昭和初期にはホテルやゴルフ場が進出し、さらに昭和30~40年代にかけて、高度成長期の観光旅行ブームとともに、洞爺湖畔は観光地として発展してきました。支笏湖畔の森林と鉱山の開発
国立公園指定以前の支笏湖周辺は、鉱山開発などの産業活動が行われてきた歴史があります。苫小牧の製紙工場が、明治41年に苫小牧から支笏湖畔まで鉄道(山線)を敷設し、千歳川に発電所を建設し支笏湖周辺で森林の伐採を行いました。また、美笛金山などの鉱山が開発され、一部は公園指定後まで操業していました。現在は、公園内の鉱山はすべて廃止され、当時建設された鉄橋などは産業遺構として、公園の景観の一部となっています。