種の保存法とは
象牙(全形牙)・象牙製品の取引制度について
種の保存法において国際希少野生動植物に指定されているゾウは、象牙を含む個体等の国内取引が原則禁止されています。ただし、法規制に基づく管理下となった場合に限り、象牙(全形牙)や象牙製品の国内取引が可能となります。
お持ちの象牙や象牙製品の形態や加工状態等により取扱いが異なります。下記のそれぞれの区分をご参考に、適切な手続きを行った上で取引をしてください。
象牙の利用に対しては国際的にも様々な意見があるところですが、象牙の持続可能な利用を通じてゾウの保護に貢献するためにも、非合法な象牙が入り込む隙を与えないよう徹底した法令遵守が必要です。適切な手続きへのご協力をお願いします。
なお、平成29年(2017年)8月31日に開始した象牙在庫把握キャンペーンは令和元年(2019年)5月31日をもって終了しました。(現在、キャンペーン事務局の電話番号は使用できません)
牙・磨牙・彫牙等(全形を保持した象牙(全形牙))
生牙(原木)、磨牙、彫牙など、全形を保持した象牙(全形牙)は、種の保存法で譲渡し等(売買等)が原則禁止されています。
全形を保持した象牙のうち、ワシントン条約で規制される前に取得されたもの等は、希少野生動植物の個体等登録制度に基づく登録を受けることが可能です。また、登録番号、登録年月日を示した上での広告(オークションサイト等への出品を含む)と、登録票を伴った譲渡し等が可能です。ただし、登録票は輸出の際に規制前取得を証明する目的では使用できません(「象牙・象牙製品等の海外取引(輸出入)について」を御参照下さい)。
また、特別国際種事業に事業者登録する場合には、事業者登録に際し、別途、所有する全ての全形牙を個体等登録制度により登録する必要があります(「象牙のカットピース、端材、印材、製品等」を御参照ください)。
登録は種の保存法に基づく個体等登録機関である一般財団法人自然環境研究センターが行っています。
令和元年(2019年)7月1日から、全形を保持した象牙の登録審査をより厳格化しました。具体的には、規制適用日以前に適法に所有したという自己申告の裏付け証明について、「第三者の証言」のみでの登録を認めず、「第三者の証言」及び「第三者の証言を裏付ける補強(全形牙の放射性炭素年代測定法による年代測定結果等の客観的に証明できる書類)」を求めています。
第三者の証言を裏付ける補強を放射性炭素年代測定結果による場合について、個体等登録申請者向け及び測定機関向けに、留意事項等をまとめたお知らせを作成しています。下記をご覧ください。
個体等登録の制度については下記をご覧ください。
象牙のカットピース、端材、印材、製品等
事業として、象牙のカットピース、端材、印材、製品を取り扱う(有償、無償を問わない譲り渡し)ことを、種の保存法において「特別国際種事業」と位置づけています。この特別国際種事業に該当する取引を行うには、事業者(法人及び個人)としてあらかじめ特別国際種事業への事業者登録が必要です。
登録された事業者は、取引記録(記載台帳)への記載と5年間の保存が必要です。取引記録は、環境大臣及び経済産業大臣にご提出いただく場合があります。
また、環境省及び経済産業省が特別国際種事業に関し、事業者に報告を求める場合がありほか、施設への立ち入りや書類等の検査を行う場合があります。
注意事項
個人であっても、反復継続的に、象牙のカットピース、端材、印材、製品等を取引(有償、無償を問わない)する場合、実施には登録が必要な特別国際種事業に該当する可能性があります。無登録で特別国際種事業に該当する取引を行った場合には罰則(最大5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又は併科)もありますのでご注意ください。
特別国際種事業及び事業者登録については下記をご確認ください。
象牙の譲渡し等に係る手続き
象牙の譲渡し等に係る手続きの要否や種類(許可、届出、個体等登録、特別国際種事業者登録)の確認に下図をご活用ください。
希少野生動植物種の譲渡し等に係る手続きフローチャートを確認する(A) | 希少野生動植物種の譲渡し等に係る手続きフローチャート をご確認ください。象牙の全形牙は国際希少野生動植物種の器官に当たります。 |
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事前に事業登録機関(一般財団法人 自然環境研究センター)へ特別国際種事業者の登録をする(B) |
一般財団法人自然環境研究センター 国際希少種管理事業部 直通電話:03-6659-3577 (土日祝日を除く平日10時~17時) ※昼(12時30分~13時30分) 直通FAX:03-6659-6320 |
事前に経済産業省製造産業局生活製品課に問い合わせる(C) |
経済産業省製造産業局生活製品課 電話:03-3501-0969 |
- (参考)象牙とマンモス牙識別マニュアル
- ※1 全形牙とは、ゆるやかに弧を描き、根元から先端にかけて先細るといった一般的に象牙の形と認識できるものを指します。具体的な定義については下記リンクを参照ください。
「全形を保持している象牙」及びその加工品の解釈に関する意見の募集(パブリックコメント)の結果について - ※2 廃棄、相続については手続き不要ですが、詳しくは環境省にお問い合わせください。
- ※3 事業とは、反復継続して行うことを指します。個人・法人、有償・無償を問いません。
- ※4 象牙製品を販売等する事業者は、特別国際種事業者として登録し、登録番号等を表示する義務があります。取引先が法令を遵守していることを確認しましょう。
- ※5 相続した遺品の整理のため1回限り販売・譲渡を行う場合等
「種の保存法」改正等による象牙の国内市場の管理強化について
平成29年(2017年)6月2日に、象牙の国内取引の規制強化を含む「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)の改正法が成立し、平成30年(2018年)6月1日に施行されました。
この改正における具体的な内容は、以下のとおりです。
- 象牙製品等の製造販売事業について、現行の届出制を登録制に変更。登録申請には審査があること、5年毎の更新制とすること、法令違反により登録が取り消された場合は、その後5年間再登録不可となること。
- 事業者が所有する全形牙の登録の義務化。
- 象牙のカットピース等の管理票作成を義務化。
- 象牙製品等の広告・販売時の登録番号等の表示の義務化。
- 事業者登録簿の公開。
- 象牙取扱事業者に対する罰則の強化(懲役刑の新設、罰金の引き上げ)。
事業者向けに種の保存法改正内容に関する説明会を開催しました。
説明会で使用した資料(※)は、以下よりご覧ください。
また、「改正種の保存法における象牙等に関するQ&A」を環境省種の保存法関係様式等ページ内に掲載しています。
象牙・象牙製品等の海外取引(輸出入)について
象牙・象牙製品等を含む、ワシントン条約附属書掲載種に係る製品の海外取引を行う場合は、事前に経済産業省(野生動植物貿易審査室)までお問い合わせください。
経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 野生動植物貿易審査室
電話:03-3501-1723
輸出入に係るワシントン条約の手続きや関係省庁等についてはこちらをご確認ください。(経済産業省ウェブサイト)
適正な象牙取引の推進に関する官民協議会
概要
象牙及び象牙製品の取引について、官民をあげて幅広い関係者の知見を結集し、適切な制度運用をこれまで以上に徹底するとともに、国内外への情報発信など、様々な観点から、更なる取組みを進めていくことを目的として、平成28年5月に設置されました。
過去の協議会の開催結果
- 報告書並びに議事要旨及び配布資料(リンク:経済産業省)
- 審議記録(配布資料、議事録、議事要旨)は概ね過去5年度分を掲載しています。それ以前の情報は国立国会図書館「インターネット資料収集保存事業(Web Archiving Project)」ホームページでご覧になることができます。