自然環境・生物多様性
レッドリスト・レッドデータブック
レッドリストとは絶滅のおそれのある野生生物の種のリストです。国際的には国際自然保護連合 (IUCN)が作成しており、国内では、環境省のほか、地方公共団体やNGOなどが作成しています。
環境省では、日本に生息・生育する野生生物について、生物学的な観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、レッドリストとしてまとめています。動物については、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、汽水・淡水魚類、昆虫類、陸・淡水産貝類、その他無脊椎動物の分類群ごとに、植物については、維管束植物、蘚苔類、藻類、地衣類、菌類の分類群ごとに作成しています。
レッドリストはおおむね5年ごとに全体的な見直しを行っており、平成24(2012)年度に第4次レッドリストを公表しました。第4次レッドリストについては、平成27(2015)年度から、生息・生育状況の悪化等によりカテゴリーの再検討が必要な種については、時期を定めず必要に応じて個別に改訂することとしていました。第4次レッドリストの改訂は、これまで5回実施されており、最新の改訂版は、令和元(2019)年度に公表したレッドリスト2020です。レッドリスト2020においては、74種についてカテゴリーを見直したところ、レッドリスト2019と比較して絶滅危惧種が40種増加し、合計3,716種となりました。
海洋生物については、一部の種を除き、絶滅のおそれの評価を行っていませんでしたが、海洋の生物に対する関心の高まりを受け、平成24(2012)年度から海洋生物レッドリスト作成の作業を進めてきました。平成29(2017)年3月に、魚類、サンゴ類、甲殻類、軟体動物(頭足類)、その他無脊椎動物の5分類群について取りまとめた「環境省版海洋生物レッドリスト」を公表し、絶滅危惧種として掲載された種数は56種でした。
既往のレッドリストと海洋生物レッドリストを合わせると、環境省が選定する我が国の絶滅危惧種は合計で3,772種となりました。
なお、レッドリストに掲載された種について生息状況等をとりまとめて編さんし、レッドデータブックとして作成しています。第4次レッドリストでは、掲載種を説明したレッドデータブック2014を発行するとともに、第4次レッドリストの改訂に対応した解説資料として、各レッドリストに対応する補遺資料を公表しています。
レッドリストのカテゴリー
レッドリストでは、種毎に絶滅のおそれの程度に応じたカテゴリー分けをして評価しています。
次期レッドリスト(第5次環境省レッドリスト)について
今後、選定・評価を行っていく次期レッドリスト(第5次環境省レッドリスト)は、以下の「レッドリスト作成の手引」を基準として令和6(2024)年度以降の公表を目指して作業を開始しています。
レッドリスト作成の手引(令和5年3月2日改訂版)
※ 参考:当初作成・公表時の報道発表資料(令和2年3月19日)
その際、評価対象種のうち、水産庁が資源評価を行っている種又は多くの知見を有する種(鯨類を含む海棲ほ乳類、魚類、甲殻類、軟体動物等。海洋生物の希少性評価における基本的事項で定めた種を基本としつつ、水産庁が最新の情勢を踏まえて別途整理・決定の上、水産庁ウェブサイト上に掲載予定。)については、水産庁において、既に行われている資源評価を活用した評価体制を検討し、評価対象種を決定した上で、評価及び公表を行います。
また、これ以外の野生生物については、環境省において、検討会と分類群別の分科会から構成される体制によって評価対象種を決定した上で評価を実施し、第5次環境省レッドリストを作成及び公表を行います。
最新のレッドリスト
分類群毎、カテゴリー毎の最新の種数についてはこちらをご参照ください。
環境省版海洋生物レッドリストの公表について [報道発表:平成29年3月公表]
環境省レッドリスト2020の公表について[報道発表:令和2年3月公表]
レッドリスト見直しに関する詳細は報道発表資料をご覧ください。
これまでのレッドリスト・レッドデータブック
これまでのレッドリスト・レッドデータブックについては、環境省生物多様性センターで運用しているいきものログサイト内の「絶滅危惧種情報レッドデータブック・レッドリスト」のページで詳しく紹介するとともにデータを提供しています。「環境省絶滅危惧種検索」のページにおいて、種名や分類群等による検索も可能です。
レッドリスト等に関するQ&A
レッドリスト・レッドデータブックに関する、よくある質問等をまとめました。