(別添資料)パブリックコメントの結果について |
平成14年度環境省政策評価書(案)(概要版)について、を平成15年7月28日から8月15日まで、広く国民からの意見募集(パブリックコメント手続き)を行いました。 (1)意見募集の概要 (2)受付意見数 意見提出件数2件(延べ意見数12件)
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(3)受付意見の概要及び意見に対する考え方
ア 全体について
意見の概要 |
意見に対する考え方 |
(1)各施策ごとに目標を掲げ、具体的な数字でそれを表していることは、それぞれの項目の達成状況が分かりやすい。しかし、目標を達成するために具体的に何をやったのか(Do)を示すべき。 | 評価書概要版は、評価結果の概要をできるだけわかりやすい形で取りまとめたものであるため、詳細な記述はしておりませんが、達成状況の欄において、具体的な施策の概要を記述しています。今回のご意見も踏まえ、今後、評価書の具体性をより高める方向で検討してまいります。 |
(2)「指標」「実績値」「目標値」の設定は何か根拠があるのか。例えば「ヒートアイランド対策」のような施策の場合は、数値化した目標も設定することができると思われる。また、目標設定に対する意見募集はしているのか。 | 平成14年度の政策評価については、48施策の目標の下に下位目標を設け、より具体的な目標・指標の設定に努めています。目標値につきましては、すべてについて具体的な数値目標を設定することが難しいため、設定可能なものから取組を進めており、今後も目標の数値化に努めてまいります。また、目標の説明等については、環境省の政策評価のホームページ及び評価書本編に記載しています。 なお、目標設定に対する意見募集は行っておりません。 |
(3) 平成16年度の施策の方向性は、平成15年度の施策とのかねあいもわかるように示すべき。また、平成16年度の方向性や重点事業についての意見募集は別途おこなうのか。 | 「平成16年度の企画立案に向けて」では、「これまでの取組」という欄において平成15年度の事業についても記述を行っており、これらを踏まえて16年度の施策の方向性を示しています。 「平成16年度の企画立案に向けて」への意見募集については、今回の意見募集により行っています。 |
(4)「平成14年度の政策評価」は、平成15年度事業の中間点検や、各施策の目標設定の見直し等にも反映させるべき。 | 政策評価は、「企画立案-実施-評価-(企画立案)」という政策のマネジメントサイクルにより、評価の結果目標どおりの成果をあげていないものがあれば、改善策を検討し新たな政策の企画立案段階に反映させていくものです。ご指摘のように、評価結果につきましては、事業の改善・見直し、目標の見直し等に活用してまいります。 |
(5) 環境対策はシステム工学的に合理的でないと無策に終わる。特に、地球温暖化ガスについて、吸収源を求めたり、放出権を購入するのでなく発生源対策を強化すべき。 | 京都議定書の6%削減約束を達成するため、昨年3月に地球温暖化対策推進大綱を策定し、その着実な実行のため政府一体となって取り組んでいるところです。その中では、森林の整備・保全等の吸収源対策で3.9%を確保することを目標としており、温室効果ガス排出削減対策とともに、吸収源対策は極めて重要です。さらに、京都議定書の約束を費用効果的に達成するためには、国内対策に対し補足的であるとする原則を踏まえつつ、排出量取引などの京都メカニズムを適切に活用していくことが重要です。 引き続き大綱に盛り込まれた対策を推進するとともに、2004年には、ステップ・バイ・ステップのアプローチに沿って、対策の進捗状況や排出状況等を評価し、必要な追加対策を講じていくこととしております。 |
イ 平成14年度事後評価について
該当分野 |
意見の概要 |
意見に対する考え方 |
大気環境の保全 (自動車排ガス対策) |
(1)「自動車NOx・PM法」における平成22年度にいたるまでの達成目標を立てる必要がある。 (2)二酸化窒素と浮遊粒子状物質の環境基準達成の目標値が、平成22年度において概ね達成とされており、全国公害被害者総行動における回答では100%達成を目指すということであったが、これとどう違うのかが不明確。 |
環境省としては、①平成17年に世界一厳しい自動車排ガス規制(新長期規制)を実施し、②低公害車の普及を進めるとともに、③自動車NOx・PM法に基づく車種規制等、総合的な対策を講じることとしています。また、目標の達成に向け、万全の体制を取るため、対策の進捗状況については、平成17年度の状況について中間的な評価を行うこととしています。 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準の達成目標については、全国公害被害者総行動を含め、一貫して、平成22年度に概ね達成すると説明させていただいています。 |
大気環境の保全 (基礎調査・監視測定の整備等) |
(1)有害大気汚染物質、微小粒子状物質、ナノ粒子などの測定体制をいつまでに整えるのかを具体的に示す必要がある。 (2)西淀川公害裁判での和解条項において約束されたPM2.5の調査について、平成13年度政策評価に寄せられた意見への回答においては、平成14度末までにマニュアルを作成するとのことであったがそれができていない。達成すべき目標として、測定体制を整えるべき汚染物質を具体的に掲げ、調査計画を示すべき。 |
有害大気汚染物質のうち優先取組物質については、全国的に測定体制を整備し、平成9年以来、地方公共団体によるモニタリングを実施しています。 PM2.5(微小粒子状物質)については、測定方法を確立すべく検討を急いでおり、平成15年度末を目途に測定マニュアルを作成します。なお、平成14年度には全国で計33測定局において、予備的な測定を実施しています。 なお、いわゆるナノ粒子については、この問題にも対応すべく、ディーゼル自動車等から排出されるPMについて、従来の粒子質量による測定方法の他に、粒子数や組成等、粒子の質による測定法を確立することを目的として、平成14年度より調査を実施しています。 |
環境教育・環境学習の推進 | (1)「日中韓3カ国で環境教育に関する情報交換・交流等を図る」に関して、達成状況や評価結果の概要で記述すべき。 また、我が国の公害経験の記録資料の保存や情報発信等については、環境教育・環境学習の施策としてきちんと位置付ける必要があるのではないか。 |
環境教育については、日本国内のみならず、国際的な連携・協力を図っていくことが非常に重要であり、特に位置的にも近い日本・中国・韓国の3カ国が情報交換するのは意義が高いことから、その推進を図ることが重要であると考えていますが、現時点で具体的な数値目標を設定することは難しいと考えています。 我が国の公害経験の記録資料の保存や情報発信等については、環境教育・環境学習を推進するにあたって重要な観点であると考えています。これまでもそうした取組を進めるとともに、地球環境基金による関係民間団体への支援等に努めているところであり、今回のご意見も踏まえ、今後も取り組んでまいります。 |
環境情報の整備と提供 | (1)歴史資料として重要な公文書等の保全や利用についても施策としてとりあげ、目標の達成状況、政策評価をおこなうべき。 また、国立公文書館への移管、保存期間の延期、廃棄等の判断については、どのような判断基準を採用しているのか明らかにし、市民の意見が反映されるような仕組みを検討することが必要。 |
環境基本計画の第3部第2章第2節「各種施策の基盤となる施策」の3「環境情報の整備と提供」において、「公害・環境問題に係る資料を適正に保存し、散逸を防ぐよう努めます。」とあるように、取り組むべき施策として位置づけているところですが、現時点で具体的な数値目標を設定することは難しいと考えています。 国立公文書館への移管については、平成13年3月30日の閣議決定(歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について)に基づき行われています。 また、保存期間の延長、廃棄等の判断については、環境省文書管理規程に基づき行われています。 |
公害健康被害対策 | (1)「公害健康被害の補償等に関する法律」(公健法)に基づく公害保健福祉事業および健康被害予防事業については、既存の認定患者の高齢化に対する問題認識が明確に示されていない。「指標」「実績値」「目標値」の設定とともに、今後の施策の重要な視点になると思われるので記述すべき。 (2)大気汚染に係る環境保健サーベイランス事業の知見や蓄積データの分析など評価や総括がなされていない。 公害健康被害対策(補償・予防)にどのように寄与したのか、「指標」「実績値」「目標値」とともに、調査結果をわかりやすく情報提供することが必要。 |
「公健法の認定患者に対する公正な補償給付等の実施を確保する」ことは、達成すべき目標として認識しており、この中には、認定患者の加齢の実態を踏まえた効果的な公害保健福祉事業等の検討が含まれるものと考えています。なお、公害保健福祉事業等について、本年度は、まずは高齢の認定患者の生活実態を把握するための調査を実施することとしており、この結果については、施策の必要性、「目標値」等の設定の妥当性等、今後の検討に役立てていきたいと考えています。 環境保健サーベイランス調査については、平成8年度から本格的に実施されていますが、平成12年度データの解析からは5年分のデータが蓄積されたことから、経年的な解析(蓄積されたデータの総合解析)も実施しているところです。本調査は、予見的観点から大気汚染とぜん息等の症状の関係を監視するものであり、引き続きサーベイランス調査を着実に実施することが、公害健康被害の予防につながるものと考えています。また、環境保健サーベイランス調査結果については、年度ごとに、解析結果とその概要を公表しています。 |
環境省大臣官房政策評価広報課 |