第53回有明海・八代海等総合調査評価委員会 議事録
開催日時
令和6年3月19日(火)
開催方法
対面方式及びWEB 会議方式を併用して開催
場所
中央合同庁舎5号館 共用第9会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館17階)
出席者
委員長: | 古米弘明委員長 |
委員 : |
大嶋雄治委員、上久保祐志委員、木原久美子委員、清本容子委員、鈴木敏之委員、中島則久委員、灘岡和夫委員、林美鶴委員、藤井直幹委員、皆川朋子委員、矢野真一郎委員、山西博幸委員、山室真澄委員 |
臨時委員: |
小林政広委員、辻本剛三委員 |
(関係省庁) 農林水産省農村振興局整備部農地資源課 小松課長補佐、加藤係長、橋本係長 |
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(事務局) 環境省水・大気環境局長、大臣官房審議官、海洋環境課海域環境管理室長、海洋環境課海域環境管理室室長補佐 |
議事録
午前9時31分開会
○川田海域環境管理室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第53回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の委員会は会場とウェブ会議、両方での開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいております委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。
議事中、マイク機能は会場及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。
なお、ウェブ会議で御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意志はこのマークで確認します。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作願います。挙手アイコンは事務局でオン・オフを操作できないため、御協力お願いいたします。
通信状況や御発言者様の御声の質によっては不明瞭な箇所が出てくる可能性がございますので、恐れ入りますが、御発言前にお名のりいただき、少々ゆっくり、大きめに御発言いただけますと幸いです。
また、会場で御参加いただいている皆様におかれましては、マイク真ん中のオン・オフのスイッチにお手を触れぬようお願いいたします。
本委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。
それでは、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の土居より御挨拶を申し上げます。
○土居水・大気環境局長 おはようございます。土居でございます。
本日は、年度末のお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
有明海・八代海等におきましては、アサリの資源回復の兆しが見られるという一方で、貧酸素水塊や赤潮の発生、また、ノリの色落ち、タイラギ漁の休漁が続くなど、まだ再生に向けての課題が残っているというところでございます。
こうした課題に対しまして、これまで評価委員会で御議論いただいた内容にのっとり、この2月に第13回の小委員会を開催させていただきました。その中で有用二枚貝、海域環境、気候変動、こういった側面での情報収集について実施をいただき議論を深めていただいたというところでございまして、令和8年度の委員会報告の取りまとめに向けた重要な一歩を踏み出したと考えております。
本日の評価委員会におきましては、3点大きく議論いただきたいと考えており、先ほど申し上げた小委員会での取組を報告させていただくとともに、関係機関での本年度の取組状況につきまして御報告し、御審議いただきたいというところでございます。また、本年度につきましては、第3回目となる委員会の所掌事務の遂行状況につきまして御審議いただければと考えております。
環境省といたしましては、評価委員会の事務局といたしまして、有明海・八代海等の再生に係る評価に必要な調査、また科学的知見の収集、こういったものに引き続き努力していきたいと考えております。委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜れればと考えております。
本日はどうかよろしくお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐
本日の委員の出席状況ですが、欠席の御連絡を内藤委員よりいただいております。本日は、委員17名中16名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。
本日は関係省庁も出席しておりますので、御紹介いたします。
まず、農林水産省農村振興局農地資源課の小松課長補佐、橋本係長でございます。
続きまして、水産庁漁場資源課の吉川課長補佐でございます。
林野庁治山課の矢野係長でございます。
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課の阿河課長補佐、新保係長、同省港湾局海洋・環境課釘田課長補佐でございます。
ほかに、農林水産省、水産庁、林野庁、国土交通省、九州地方整備局の御担当にオンラインにて出席いただいております。
環境省の出席者も紹介させていただきます。
先ほど御紹介いただきました、水・大気環境局長の土居、担当審議官の前田、海域環境管理室長の木村、同室長補佐の川口、同室長補佐の私が川田でございます。
続きまして、資料については事前に電子データ等で御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。資料に不足や不備がございましたら、事務局までお知らせください。
なお、議事進行中は事務局にて画面上に資料を表示いたします。
それでは議題に入ります。以後の進行につきまして、古米委員長、よろしくお願いいたします。
○古米委員長 おはようございます。
それでは、早速ですが議事に入らせていただきます。
本日の議題は、次第にありますように(1)、(2)、(3)と、4番目がその他ということです。
まず、第1の議題である第13回小委員会における取組についてということで、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
○川口海域環境管理室室長補佐 川口でございます。
私から御説明させていただきます。説明に当たっては、資料2、第13回小委員会における取組についてを主に使用して説明いたしますが、関連図表は資料4の令和5年度所掌事務の遂行状況の15ページ目以降を時折引用しますので、こちらも御用意ください。
まずは、資料2を御覧ください。
Ⅰには、中間取りまとめ以降から第12回小委員会までの経緯を記載しておりますが、前回の第52回評価委員会では、第13回以降の小委員会から、水産小委、海域小委、それぞれにおいて具体的な情報収集等を行うことを御報告申し上げたところです。
次に、Ⅱの第13回小委員会での検討状況として、2月14日午前の水産小委では、有用二枚貝に関する情報収集等を、同日午後の海域小委では、海域環境等に関する情報収集等や気候変動影響等に係る情報収集等を実施しました。これら小委員会における検討等の状況について御報告いたします。
次、2ページ目、水産小委における情報収集等の状況ですが、水産研究・教育機構、環境省、農林水産省から有用二枚貝類に関する報告がありました。
初めに、水産研究・教育機構より、有用二枚貝に係る資料の収集・整理・分析状況について、関係県の提供資料も含めて報告がありました。中間取りまとめ以降の資源の近況に関して、有明海等におけるタイラギ資源は稚貝、親貝ともに資源量の低迷が継続・顕在化、サルボウ資源は2020年以降資源量が急減して漁獲はほとんどみられなくなりました。また、アサリ資源は2018年~2020年豪雨により資源量が急減したものの、2022年以降稚貝が大量発生中であり、資源量が急増しています。例えば、福岡県有明海区では、2020年に約200tまで大幅に減少した後、2023年10月には約4,000tに増加しています。
関連図表は、資料4の15ページの別添4になります。
続きまして、資源変動と環境要因についてですが、熊本県の緑川河口におけるアサリ稚貝及び成貝の出現状況、同河口におけるアサリの肥満度と発生稚貝との関係を整理した結果、海域環境とアサリ再生産との関係性が伺えます。 こちらは、関連図表は資料4の16ページの別添5となります。
また、二枚貝減少要因については、中間取りまとめ以降の福岡県実施のタイラギ生残・成長試験結果、有用二枚貝と豪雨など大量死・環境特異項目との関係、エイ類以外のアサリ食害状況について整理した結果、豪雨による低塩分や大規模貧酸素水塊等が有用二枚貝資源を直撃していること、クロダイがエイ類以外のアサリ食害生物として浮上する可能性が示唆されました。
こちらは、関連図表は資料4の17ページの別添6、そして、次の18ページの別添7となります。
次に、環境省より、有明海における二枚貝類の成長・生残要因の検討結果について報告がありました。
貧酸素や浮泥などの環境要因の空間分布の把握結果として、底層における貧酸素の夏季の累積日数の経年変化等を整理したところ、底層DOが2mg/L以下の累積日数では、有明海湾奥東側のA2海域であるT5は短いですが、3mg/L以下の累積日数では、T5もかなり高めで推移しており、2020年以降、貧酸素の規模が大きく推移している状況がみられています。
こちらは、今回の資料では図表を省略しております。
また、貧酸素がタイラギ資源に与える影響に係る検討としまして、室内曝露試験と数値モデルを活用した影響評価を行いました。2006年~2012年の7月~9月におけるタイラギ稚貝・1歳貝・2歳貝のLC95と、佐賀県が実施した稚貝・成貝の生息調査結果との関係を評価した結果、タイラギ稚貝のLC95分布領域に稚貝が概ねみられないなど、対応関係が認められましたが、2008年の不一致などがございました。多くの年度でタイラギ稚貝に致死的な貧酸素発生海域に稚貝が分布しない一方、一部の海域では底層DOは致死的ではないのに、有明海湾奥東部のA2海域で1歳貝が大量死する現象も2011年にみられ、溶存酸素以外の要因が働いている可能性が考えられました。
こちらは、関連図表は資料4の19ページの別添8となります。
次に、3ページ目に行きまして、農林水産省より、有明海沿岸4県と国が協調した有明海再生の取組として、アサリ、タイラギに関する取組について報告がありました。
4県協調の取組では、重点魚種であるアサリ・タイラギのほか、アゲマキやウミタケ、サルボウなどの資源回復に向け、平成28年度委員会報告の再生方策を基本とし、漁業団体・漁業者の協力を得ながら、順応的に実施されています。
アサリに関しては、浮遊幼生に関する広域調査を実施、浮遊幼生供給ネットワークを解明し、ネットワークの重要地点において母貝団地の造成を進め、令和5年10月末時点で約3万5千袋の採苗・育成用の網袋を確保しているとのことです。
さらに、豪雨被害の頻発を踏まえたアサリ稚貝の融通の取組のほか、アサリの育成技術の高度化に向けた技術開発等を実施されています。
令和5年度春季(4~6月)に4県が実施したアサリの浮遊幼生調査では、令和4年度までと同様、有明海全域で分布が確認されたほか、平成28年度の調査開始以降最多となる約3万4千個体の浮遊幼生が確認されました。この要因として、母貝団地の造成等によって母貝が増加したことや令和4年度に大規模な豪雨がみられなかったことなどが要因の一つと考えられます。
こちら、関連図表は資料4の20ページの別添9となります。
また、タイラギに関しては、アサリと同様に、浮遊幼生に関する広域調査を実施、シミュレーションモデルについては開発中とのことであり、人工種苗を用いた母貝団地の造成などを進められています。人工種苗生産については、水産研究・教育機構から、福岡県、佐賀県及び長崎県に技術移転し、令和3~5年度の3年間で約97万個体の着底稚貝を生産、母貝団地においては、令和5年12月時点で母貝約2万9千個体が生残している状況とのことです。
さらに、豪雨被害の頻発を踏まえ、記載の預託システムの取組を導入しているほか、低塩分化や貧酸素化に関するシミュレーションモデルの開発や、漁場環境の改善に関する取組等を実施されています。
令和5年度に4県が実施したタイラギの浮遊幼生調査では、令和4年度までと同様、有明海の全域で分布が確認されたほか、平成27年度の調査開始以降で2番目となる411個体の浮遊幼生が確認されましたが、これは過年度の平均の約2.2倍であり、人工種苗を用いた母貝団地造成によって母貝が増加したことが要因と考えられます。
こちらは、今回の資料では図表を省略しております。
次に、4ページ目に行きまして、海域小委における情報収集等の状況ですが、こちらは、環境省から海域環境等及び気候変動影響等に関する報告がありました。
初めに、有明海・八代海等の環境等の状況ですが、平成28年度委員会報告の「3章 有明海・八代海等の環境等の変化」の節項目を基に、令和3年度中間取りまとめの状況も踏まえ、主要な図表について中間取りまとめ以降のデータ更新状況等を整理した結果や、節項目ごとに、経年データの特徴のほか、今後の方向性では、今後更新していくデータや追加するデータ・視点等、情報整理の考えが示されました。
中間取りまとめ以降の経年データの主な特徴は記載のとおりでございますが、そのうち、汚濁負荷量の関連図表は資料4の21ページの別添10、大雨等の事象が発生の関連図表は資料4の22ページの別添11、水質環境基準達成率の関連図表は資料4の23ページの別添12、同じく底質の関連図表は、その次の24ページの別添13、貧酸素の関連図表は、その次の25ページの別添14として掲載しております。
赤潮と生物は、今回の資料では図表を省略しておりますが、赤潮については、有明海・八代海における赤潮の年間発生件数は、依然高位で推移しており、八代海では、2022年と2023年に赤潮による大規模な漁業被害が発生していること、生物については、有明海のタイラギは2012年以降休漁が継続しており、有明海のサルボウは2020年の豪雨被害を受けて、資源量が激減していること、アサリは、有明海では2009年以降、八代海では2012年以降、低い水準で推移しており、福岡県海域で2017年~2018年にかけて一時的に資源が回復したものの、その後の豪雨被害で減少していることについて説明がありました。
ただ、その後、アサリが増加していますが、水産小委で説明したとおりでございます。
赤潮、生物の記載の内容が、水産小委で主に取り組む項目ですが、海域小委においても情報として触れております。
次に、「有明海・八代海等における気候変動影響、干潟生態系、社会経済情勢の収集・整理等」でございますが、新規項目であるこれらの項目につきまして、情報収集・整理の方針等や、これまでに得られた知見の整理結果と特徴、今後の方向性・論点などについて説明がありました。
まず、「気候変動影響」では、有明海・八代海等や日本の海域全体に関する関連文献等による収集結果として、気温、降水量等の気象に係る知見、海水温、海面水位等の海域環境に係る知見、生物・生態系、漁業に係る知見に関して説明がありました。
主な特徴は、次の5ページ目に記載のとおりでございまして、これらのうち、降水量の関連図表は、資料4の26ページの別添15、海水温の関連図表は、次の27ページの別添16、海面水位の関連図表が資料4の28ページの別添17として掲載しております。
続きまして、「干潟生態系」ですが、こちらは有明海と八代海の境目に位置し、モニタリング調査が長期間にわたって継続されている永浦干潟での調査結果や、ラムサール条約湿地における調査結果等の整理状況に関して説明がありました。
主な特徴は記載のとおりですが、今回の資料では図表は省略しております。
「社会経済情勢」ですが、流域人口、土地利用面積、産業別就業者数の知見の整理結果に関して説明がありました。
主な特徴は記載のとおりですが、今回の資料では図表を省略しています。
なお、第13回小委員会では、水産小委では主に報告内容について、海域小委では主に今後の情報収集等の方向性等について、委員の皆様から様々な御意見・コメントをいただきました。今後の資料作成時には、これらの事項に留意しながら取りまとめ作業を行っていきたいと考えております。
最後に、6ページ目、3の各小委員会における情報収集等の審議スケジュール(案)についてですが、第13回小委員会で情報収集等を行った内容を含め、今後の小委員会の情報収集等の審議スケジュール案について確認いたしました。
水産小委では、今年度の第13回で、有用二枚貝の1回目を実施しましたが、この後、令和6年度の第14回では、有用二枚貝の残りを2回目として行うほか、赤潮をテーマにし、第15回では、貧酸素水塊、ノリ養殖。第16回では、魚類等に加えて各テーマの総括を行うことを想定しており、上記に間に合わないものについては第17回に組み込むことや、各回には海域小委での取組紹介も組み込むことも考えております。
また、海域小委では、今年度の第13回で海域環境等のほか、気候変動影響等の1回目を実施しましたが、この後、令和6年度の第14回では、生物の生息環境に係る再生方策や有用二枚貝、ベントスの1回目をテーマに、第15回では、気候変動影響、社会経済情勢の2回目、第16回では魚類等のほか、干潟生態系の2回目に加えて、各テーマの総括を行うことを想定しており、間に合わないものは第17回に組み込むことや、各回には水産小委での取組紹介も組み込むことも考えております。
まとめますと、令和6年度は、情報収集等の状況を踏まえながら、まず、小委員会で審議を開始し、また、小委員会を4回、状況に応じて開催することを考えておりまして、評価委員会につきましては、小委員会での審議状況も見ながら、1回もしくは2回開催を想定しております。
親委員会の開催のタイミングについては、次年度の進み具合を見ながら決定していきたいと思っております。
説明は以上です。
○古米委員長 御説明、どうもありがとうございました。
前回の委員会後に行われた第13回の小委員会、二つの小委員会の情報収集状況ということと、来年度に向けた審議スケジュールという御説明をいただきました。
委員の方々から御質問、御意見があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
灘岡委員、お願いします。
○灘岡委員 今の御説明の中で、適宜資料4の別添資料を参照しながら御説明いただきましたが、そちらのほうでの質問になってしまうのですが、その個別の質問というのは、その資料4の議題になったときにすればよいでしょうか。あるいは今でよいのでしょうか。
○古米委員長 資料4については、議題の3の分かりやすい形での公表についてというところですが、内容についての御質問は今のほうがよろしいかと思います。
○灘岡委員 例えば、最近の豪雨の増加傾向というのは、別添資料で非常に明確な傾向を示す図が示されています。豪雨の増加というのが、非常に最近の大きな懸念事項の一つであるというのはよく理解できると思うんですね。それが、どういうメカニズムで、実際に資源に対して悪影響を及ぼすのかということについて、今のこの資料、あるいは御説明によると、豪雨の発生に伴って塩分の減少があると。もう一つは貧酸素です。
そういう塩分に着目しているとかね、貧酸素は前から言われていることなので良いのですが、少し気になったのは、塩分だというのであれば、例えば、水温の最近の長期的な上昇傾向の話は、また別添資料で明確に示されていて、それは分かりやすいのですけどね。塩分が、これぐらいのタイムスケールで、同様に減少してきたかどうかということは、既に調べられているのだろうと思うのですが、それはここには示されていません。で、そういう塩分の低下傾向というのが同様な図としてあって、それも最終的には資料4の中に入れられることになるのかどうかということが一つ。
関連して、塩分以外の豪雨による影響、例えば土砂、いろんな粒径成分があるので、それぞれ効き方は違うと思いますが、それによって、例えば、この海底面の位置が急激に浅くなるとか、つまり貝が埋もれてしまうとか、あるいは、細かい粒子の土砂であれば、また別の影響が出てきますよね、そういった話であるとか。
そういうような、あえてここでは塩分にフォーカスと、あとは貧酸素も言われていますけども、この塩分にフォーカスされた表現になっているというのは、これは特出しすべき、いろいろ影響はあり得るけども、特に重要だと結論が出ているからこうなっているのかどうか。
3番目の質問です。これは出水時の塩分に限らない、まあ限らないというか、例えば、水温のここ数年来の上昇傾向が別添資料で示されていますが、物理過程として、それに関連して気になるのは、水温成層が強化されているのか、そうでないのか。要するに混ざりやすくなっているのか、混ざりにくくなっているのかどうか。外洋のほうでは、そういう議論はいっぱいあるのですね。要するに表層だけ温められて、底層はあんまり温められなければ、水温躍層が強化されて上下の混合が抑えられる方向にいくというのはよくある議論。
そういうことから言うと、水温だけじゃなくて、最終的には密度躍層がどうかということが重要で、それには塩分もやっぱり関わるわけですよ。塩分の成層度合いがどうなっているのか、だから、これもやっぱり水温だけの図だとそこら辺の議論がしにくいのですね。だから、海水温の密度をちゃんと計算されているのだろうと思うんだけども、特に表層、5m層、底層だったかな、そういう値だけ示されているのですが、これを見ると、水温については成層が強化されているとは思えないのだけど、塩分については、表層だけ甘い水になっていて、底層はそうでもないという、仮にそうであれば、塩分躍層は強化されて、結果的に密度躍層が強化されるということになりますよね。
だから、そういう議論がすぐ出てくるので、やはりこれも密度、塩分も含めたトータルの密度環境がどう変わったかという検討が、非常に物理過程を理解する上で重要なポイントの一つになると思います。
以上、3点です。
○古米委員長 はい、事務局、いかがでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
まず、塩分の資料について資料4に載せるかどうかについてですが、委員のおっしゃられたことは、有用二枚貝への影響ということで、一つのストーリーとして低塩分化というのをしっかり載せるべきではないかという御意見だったと思います。この資料は、小委員会で御審議いただいた内容のうち主なところをピックアップして作りましたが、見直しましてストーリー的にもう少し付加したほうがいいトピックがございましたら付け足すように致したいと思います。
○灘岡委員 よろしくお願いします。
○古米委員長 今の御指摘は、現案では羅列的に成果が整理をされているので、本質的な有明海・八代海における水産資源に対する影響、いわゆる連関図の中のどの部分が重要になりつつあるとかなど、そういう情報をここに書いていただき、今までの情報整理がどう更新されていくのかというところを記載していただくといいかなと思います。私は両小委員会にも出ているので、そういった情報を、今、整理をしている状況で、新たな情報が問題解決にどのように生かせるかとか、再生方策に生かすとか、あるいは、今後の気候変動に対してどう対応すればいいのかという内容に反映できるものと思います。そして、連関図の一部にもう少しフォーカスした詳細な因果関係を示す議論が別途されています。今の段階では、この評価委員会に出せるほど取りまとめの議論は進んでいないと思います。例えば、低塩分についても、水の成層が強化されるという議論が同じように行われているのだけれども、現段階では、まだ本委員会に出せる段階ではないものと思います。きっと来年度にはとりまとめ成果が出てくるのかなと私は感じております。ただし、途中段階でも、こういうことをやっていますよという、これは公式の資料ですので記載しないとしても、評価委員会での説明の段階で、口頭でもいいので、こういう動きがありますとか、こういうことが、今検討中ですと、将来的にはこれに反映できそうですというような御説明をいただくといいのかなと感じました。ぜひ、次回から工夫していただければと思います。
ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。
○林委員 林でございます。
今、出てきました資料4の別添14の溶存酸素濃度に関してですが、資料2のほうでは、4ページ目の2の①の真ん中ほどですかね、貧酸素水塊に係る資料ということで、この別添14があると思うのですが、その一つ上の底層の情報の中のCODは、別添12ですね。資料4の24ページ目ですが、これ、環境指標だから、かなり古いところからデータがあって、そのようなグラフになっているかと思うのですが、この底層のDOは、やはり、この2019年からしかデータがないということなのでしょうか。
もし、それ以前からあれば、それも載せたほうがいいのかなと思ったのですが、同じその底層の状況ではあるのですけれども。
○古米委員長 別添13と別添14の底質のCODに絡めて、貧酸素水塊の情報について4年分、5年分が掲載されているけれども、もっと古い情報があれば、もう少し長いタームで示すことはできないのかという御質問だと思います。
○林委員 いえ、別添12と比べて物すごい短期間ですけれどもということですね。
○古米委員長 別添12は水質のCODですよね。
○林委員 あ、そうですね。
○古米委員長 で、別添13は底質のCODですね。
○林委員 これは、そうすると、こちらの別添12のほうは、水質、水の中ということの違いがあるということ。
○古米委員長 環境基準点で表層水を測定している、CODの達成状況を示していて。
別添の13というのは、比較的貧酸素水塊に影響する底質のCOD、有機分の濃度で、これは2020年度、2021年度、2022年度ということで、3年分だけしか出ていません。きっと水質と同様に、できるだけ長いタームで状況をお示しすることで、後での議論に役立つ分かりやすい資料になります。特筆すべき状況が最近あるので、この3年の期間を示しているというような御説明があるといいかなということかと思います。データがあるのかどうかということと、それを利用した表示ですかね。いかがでしょうかね。
底質のデータは、私はあると思います。貧酸素水塊の連続測定地点について、何年間あるかは、ちょっと私も記憶していません。全ての点ではないですけれども、幾つかの測定点では昔から測られているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 別添14に関しましては、環境省や水産庁で行っている連続観測データとかを使っていまして、中間取りまとめでは、底層溶存酸素量の日間平均値2.0m/L未満の日数だったりとか、3.0m/L未満の日数だったりとか、そういう図もあるのですが、そちらの図の更新が間に合いませんでした。逆に言うと、貧酸素の7・8月の累積日数のデータによる比較は今までなく、今回取りまとめたところなんですが、どの地点がいつまで遡れるかというところは、こちらでも、もう少し精査したいと思います。
○古米委員長 林委員、水質のデータは長期間で出ていますので、底質であるとか、あるいは底層DOに関して貧酸素水塊が発生しているところについて、長期的なデータがあれば示すことが有効です。なお、今回出ている数年間分のデータは、ページ6のところで説明されている貧酸素状態が継続しているというところが特筆すべき点で、図に示されていると私は理解しております。何か、併せて特筆すべき点と全体の傾向というのを組み合わせることができればいいのかなというように思いますので、御検討いただければと思います。
林委員、このような対応でよろしいでしょうか。
○林委員 はい、まとめていただきまして、どうもありがとうございます。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
清本委員、どうぞ。
○清本委員 資料4の別添5の図にかかる質問です。
この図で左の軸ですが、アサリ肥満度の偏差になっているのですが、偏差、%ということは、これ0.1%とか0.05%という図と読めてしまうのですが、この0.05,0.1というのは恐らく5%と10%なのかなと思いましたので、熊本県に再度確認をいただければと思います。これで間違ってないのであれば、これで構わないのですが、そんな精度でやっている話なのかなという単純な疑問がありました。
あと、ついでに、青以外の凡例が入ってないので、そこについても加筆をお願いしたいと思います。
あと、資料4の図については、内容に関わらないところで、専門用語の説明をしたほうがいいのではないかなとか、場所を地図の上にプロットしたほうがいいのではないかなというような、見せ方についての気になるところが幾つかありましたので、そこは内容にはかからない部分なので、会議後に、環境省のほうに別途お知らせしたいと思いますが、そういう取り扱いでよろしいでしょうか。
○古米委員長 はい、どうもありがとうございました。
それでは、続いて山西委員、お願いいたします。
○山西委員 はい、山西です。おはようございます。
私からの質問は、先ほど灘岡先生から御質問があったものと少し関連するんですが、灘岡先生からは、塩分が、例えば大雨が降ることによって、その低塩分化することとの、その生息環境だとか、生物の関係がどうなっているかというのが分からないよというお話だったのですが、同じように、今回、その海域環境の話として新たに気候変動を加えて、水温の上昇だとかをまとめてもらっているのですが、私も水温、有明海の水温分布について少し調べていたのですが、今はやりの統計解析をすると、均質化のその幅があるんですよね、何通りか。いわゆる水温ジャンプするような状況があるのですが、今回御説明いただいた資料の中では、ただ単に回帰的に直線でばーっと上がっているようなことを示されているのですが、そういう水温のジャンプと、例えば、そういうその生息場との関係だとか、何かそういうところも調べていただきたいなと思うのですが、いかがでしょうか。現状として、そういう調べ方はされてないのですか。
○古米委員長 それでは、清本委員と山西委員の御質問について、事務局よりお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。凡例を追加し、%のところは確認のうえ修正いたします。水温ジャンプと生息場との関係については、どの程度データがあるのか、今この場でお答えできませんが、確認いたしたいと思います。
○古米委員長 海水温のジャンプは、連続観測している地点がないとなかなか捉え切れなくて、定期的にしか観測していないデータではジャンプは捉えられないと思います。連続観測している点は有明海に幾つかあるので、そこのデータを、海域小委なり、流動ワーキンググループなりで、そういうところについて御検討いただくようにしていただくといいのかなと思います。ぜひ事務局のほうで調整いただければと思います。
ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。特によろしいですか。
はい、どうもありがとうございました。
それでは、本日幾つか委員の方々から御意見をいただきましたし、資料のデータの確認もしていただきたいということですので、次年度に向けて小委員会のほうの情報収集等の作業を進めていただければと思います。
はい、ありがとうございました。
それでは次の議題が、議題の2の再生方策の取組状況についてということで、資料の3-1から3-3、3種類において、事務局及び担当省庁から御説明をいただきたいと思います。
まずは、資料の3-1と3-2を用いて、環境省から御説明をお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。それでは、資料3-1を説明させていただきます。
こちらは、平成28年度報告の再生方策の実施状況について定期的に確認し、それに係る評価を適切に実施することとされています。このことについて、平成28年度以降、毎年度、関係省庁から再生方策の取組状況について御説明しているところです。
こちらの資料3-1は、平成28年度報告に記載されている対象種ごとの再生方策について、関係機関がどのような取組を行っているのか、全体像を整理した表となります。まずは、この資料の構成について、説明いたします。
この左から順番に見ますと、一番左の列に黒い数字で番号を書います。こちらは上から順番につけた連番となっています。その右隣の「対象種等」とは、ベントス、有用二枚貝、魚類等、そしてノリ養殖の4項目に生物の生息環境を加えたものとなっています。そして、その右側の再生方策と書かれている欄は、平成28年度報告にまとめられた再生方策となっています。その隣の平成29年度、平成30年度と令和6年度まで続いていますが、こちらは平成29年度から令和5年度までに、関係機関が実施した施策、または、一番右端のこの令和6年度予算案の施策について記載したものとなっています。
この表では、色を黄色、緑、そして水色と色分けしていますが、黄色が農林水産省、緑が環境省、そして、水色が国土交通省となっています。また、平成28年度以降に事業名や事業の内容に変更があった場合には、その新しい内容を記載しており、それらに変更がなく継続されたものは矢印で表しています。
こうして全体を見ますと、若干の推移はあるものの、平成29年度から事業はおおむね継続して取り組まれているところです。令和6年度においては、ほぼ令和5年度の事業が引き継がれ、実施される予定となっています。
ただ1点、こちらの2ページ目の真ん中から少し下のほうになりますが、頭の数字⑮の環境省事業、藻場・干潟の分布状況等の調査に関しては、瀬戸内海、有明海・八代海、伊勢湾、東京湾と順繰りに実施してきている調査になりますが、こちらが令和6年度から有明海・八代海にて5年ぶりに実施される予定となっております。この結果の反映につきまして、令和8年度報告の取りまとめに間に合えばと考えているところでございます。
また、この表につきまして、幾つかメニューが書かれている事業は、複数の再生方策にまたがって記載されているというケースもあります。
例えば、環境省の事業では、有明海・八代海等再生評価支援事業が、赤丸数字の①、②、③、④、⑧と、それぞれ掲載されています。
また、大方のこちらの再生方策では、複数の事業が、このように掲載され、関係しています。
例えば赤丸数字、②の広域的な母貝集団ネットワークの形成では、農林水産省事業にて、このアサリ・タイラギの浮遊幼生調査が行われ、環境省の有明海・八代海等再生評価支援事業では、タイラギ浮遊幼生及び着底稚貝に及ぼす水質環境の影響評価を行っています。似たような調査を各省庁がばらばらに実施しているわけではなく、農林水産省事業の調査で得られたデータを環境省の調査事業に活用するなど、連携しながら進めているところです。
また、同じこの②の水産多面的機能発揮対策事業ですが、こちらは漁業者の方などが行う干潟保全活動などを支援するものです。こういった草の根的な活動支援も併せて、総合的に再生方策に対して成果を出していく必要があるものと考えております。
また、赤丸数字⑧、一番下のほうになりますが、こちらの貧酸素水塊の軽減対策では、国土交通省にて下水道整備を行っています。また、農林水産省では、農山漁村地域整備交付金等にて、農業集落排水施設、漁業集落排水施設の整備に関する支援を行っています。
で、また次のページでは、先ほどの⑧の続きが書いていますが、ここで、環境省の緑色の循環型社会形成推進交付金にて、浄化槽の整備に係る支援を行っています。このように海域にとどまらず、陸域における汚濁削減にも取り組んでいるところです。
また、赤丸の数字⑰漂流・漂着・海底ごみ対策の推進では、国土交通省では海洋環境整備事業にて漂流ごみの回収や水質調査、底質・底生生物調査を実施しています。
そして、農林水産省の水産多面的機能発揮対策事業にて、漁業者の方等が行う漂流・漂着物などの処理に対して支援がされています。
環境省でも、海洋ごみの回収、処理などに関する支援を行っており、こういった各省庁の取組を行いまして、全体として、有明海・八代海での処理に当たっているところです。
以上、環境省の事業を中心に全体像の説明でございました。
続きまして、資料3-2で、それぞれの事業について担当省庁から説明させていただきます。まずは、環境省から御説明します。
資料3-2aを御覧ください。1ページ目の有明海・八代海等再生評価支援事業は、環境省の請負業務で、水産資源と水環境特性との関係の調査などを実施し、得られたデータについて、評価委員会、小委員会に報告するとともに、関係省庁からも知見を収集しながら、委員会を運営している事業です。本日開催のこの委員会も、この予算によるものです。
次のページの海岸漂着物等地域対策推進事業です。先ほどの資料3-1にて、環境省で海洋ごみの回収処理などを支援していることを御説明しましたが、本事業は、海洋ごみの回収処理等の事業を行うことへの補助事業となっています。
補助率として、地域の実情に合わせて嵩上げを実施しており、基本10分の7のところを、有明海・八代海におきましては10%上乗せの10分の8の補助率となっています。また、漁業者等が行うボランティアによって回収された海底ごみ等の処理を行う場合は10百万円を上限とする補助も行われています。
資料の下のほうに、緑色の囲いに有明海・八代海等に係る成果として令和4年度の実績と、課題や対応等を資料3-3の個票から抜き取って掲載しています。本事業の実施による有明海・八代海等の環境の改善に係る貢献については、数値化といったものは非常に難しいところもございますが、関係県の取組を支援する本事業の果たしている役割は大きいものと考えられます。
次のページでございます。こちらの循環型社会形成推進交付金等につきましても、資料3-1にて、環境省の事業で浄化槽の整備にかかる取組を行っていることを御説明いたしましたが、こちらが、その事業になっておりまして、市町村が行う浄化槽整備事業に対して、交付金によって支援を行うといった内容となっています。こちらも全国対応の事業となりますが、下のほうに、有明海・八代海での実績などを記載しております。
環境省の事業に係る御説明は以上です。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
続きまして、資料3-2bで、水産庁の吉川様より御説明をお願いしたいと思います。
○吉川漁場資源課課長補佐 続きまして、資料3-2を御覧ください。
先ほどの小委員会の報告の中で詳細に述べていただきましたが、令和6年度の農水省の取組について御説明いたします。
特に水産庁としましては、漁業者の方に有明海再生の実感を持っていただくということが大事だと思っておりまして、事業を進めるに当たって、3点の視点を重要視しております。
1点目は現場の合意形成を図りながら、ボトムアップ型のアプローチを取るということ。2点目は4県や水産研究・教育機構といった研究機関とともに、漁業者さんからも現場の漁獲情報等の情報を聞き取り、現場感覚も調査、研究に反映していくということ、3点目は、海の世界はなかなか分からないこと、不確実性が多いので、順応的に管理しながら、事業を実施していくということに重点を置いて事業を進めています。
資料のほうに移りまして、来年度の事業としては、予算額は17億6千5百万円ということで、今年度と同額になっており、資料にありますとおり、3本柱で農林水産省としては調査、研究をすすめています。1本目の柱が、海域環境等の調査になります。
下の図にありますとおり、底質、赤潮に関することといったようなモニタリング調査に加えまして、先ほど報告があったような二枚貝資源の調査、そういうことも実施しております。
これまで得られた成果として、浮遊幼生のネットワークが形成されているということであるとか、パーム椰子というようなものでアサリの種苗が効率的に採苗できるといったような技術を使いながら母貝団地として保護、造成するという取組を行っています。中でも、先ほどお話にありましたような豪雨による影響というのは、大きいと考えております。一般的に海の生き物にとって低塩分というのはリスクの高い環境変化だと考えておりますので、そういった低塩分リスクをどうやって避けていくか、さらに、二枚貝は割と浅いところに住んでいるので、水温の影響というのも大きいということもありまして、そういった高水温の影響というものもどうやって対策していくかということに主眼をおいて来年度以降も対応していきます。
2ページ目が、増養殖の取組になっております。タイラギ、残念ながら天然資源はまだ少ないという状況にもありますので、種苗生産技術の開発に注目してきているところです。
そういった中、ガザミの漁獲量が増えて来たとか、タイラギについても、種苗生産技術が上がってきたといったような成果がございますけれど、タイラギ種苗生産技術も不安定なところはありますので、そういった生産の安定化ということを繋げていく必要があると考えております。
また、ノリの話ですが、高水温の影響がありまして、どんどんノリの生育期間というのが短くなってきているということで、高水温耐性を持つノリの選抜試験を行っているところです。ある程度候補株はできてきておりますので、現場で実証をしながら、早く現場で実際に活用していただける技術につなげられるよう技術開発を進めてまいりたいと思います。
3ページ目が、漁場改善対策ということで、漁業者自らが漁場を管理して、稚貝を確保したり、環境変動に強い方法を一緒に考えて実証調査をしているところです。また、タイラギ等の資源回復のための飼料環境の整備といったことですとか、公共事業で覆砂、海底耕運を行うとかも合わせて行っているところです。
事業ごとにそれぞれ目標は立てながら共通の目標である有明海の再生に向けて各関係省庁とも連携しながら事業を進めていきたいと思っています。
説明は以上でございます。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは、国土交通省の阿河様より資料の3-2cについて、御説明をお願いしたいと思います。
○阿河河川環境課課長補佐 国土交通省の阿河でございます。
国土交通省の取組でございますが、先ほど、全体の説明の中でもございましたとおり、主に3点ございます。
一つは、海洋整備船によるごみや流木の除去、それから、海に流れ込む川での取組として、栄養塩類の管理であったり、河川における土砂動態の調査を行っているところです。
資料の3-2cで、それぞれ御説明させていただきますが、まず、1点目が海洋環境整備船による海域の環境保全のための取組で、航行する船舶の安全を確保するためにも、海面に漂流する流木等のごみの回収に関する業務を実施しているところです。
漂流ごみの回収実績や予算の推移としては、記載のとおりとなっています。
近年の成果としては、右下のところですけれども、令和4年10月に、漁業者の方と連携して、浅海域における漂流ごみの回収作業をしているところです。
なお、令和5年度は、多量の漂流物の発生がなく、回収は実施していないところです。引き続き、海面に漂流する流木等のごみへの対応をしてまいります。
2ページ目ですが、関連する話として、令和5年4月には、船の老朽化に伴って新造船の就航を行っています。新しい船に関しては、漂流ごみの回収効率を向上したり、災害支援の強化であったり、耐波性能の向上といったところで、機能をアップした上で、新しい船が就航しておりますので、引き続き回収等にも活用していきたいと考えているところです。
1ページめくっていただきまして、下水道の整備に関してです。
こちらは、海に流れ込む栄養塩類の管理というところで、目的を二つ書いてございます。貧酸素水塊の軽減と、水質環境基準の達成・維持に向けた汚濁負荷量の削減と、海域に応じて栄養塩類を、必要なところでは供給するという両面での取組をしているところです。
取組内容としては、社会資本整備総合交付金によって、地方自治体が実施する下水道整備を支援しているというところと、栄養塩類の能動的な運転管理というところで、ガイドラインを周知して推進しているところです。
交付実績は記載のとおりです。下水道処理の人口普及率は、現在67%です。また、有明海・八代海等の海域において、6市7箇所で能動的な運転管理を実施しているところで、引き続き下水道整備と、処理場における栄養塩類の能動的管理を推進してまいります。
続きまして、1ページめくっていただき、河川における土砂動態の調査に関してです。
河川からの土砂流出量の把握を目的に、土砂の調査、土砂挙動の調査を進めていき、流域全体の土砂収支の把握の取組を進めております。
現在の状況としては、筑後川流域を対象にして、平成29年7月の九州北部豪雨における土砂の発生状況等の調査を実施しているところです。このとき、大量の土砂が河川へ流出したことが推定されており、筑後川の中流域では、河床高が上昇していることが確認されているところです。今後、引き続き、測量や調査を実施し、河川からの土砂の流出状況について確認をしてまいります。
1ページめくって、もう少し具体の実施内容を次のページにつけています。
真ん中の部分で、主な実施内容として、ダムにおける堆砂量の調査、それから河道における横断測量であったり、河床材料の調査をやっています。
右側に青字で書いていますが、ダムに入ってくる土砂の量が、崩壊した土砂がどれぐらい流入しているかということも把握できるものとなっており、そこから海に至るまでの川の中で、測量によってどれぐらい土砂が堆積しているかを確認し、それを差分することで海に流出している量が推定できるのではないかということで、今、分析等をやっているところです。
ダムの堆砂量調査は毎年1回実施しており、測量の調査に関しては5年に1回と書いていますが、これは筑後川が長いので、区間を区切ってやっているということで、全川できるのが大体5年ぐらいはかかるというところです。
御説明は以上でございます。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは、資料の3-3の個票について、事務局より御説明をお願いします。
○川田海域環境管理室室長補佐 資料3-3につきまして御説明させていただきます。
冒頭申し上げましたように、平成28年度におきまして再生方策の実施状況を定期的に確認することとされており、これまで、先ほどの資料3-1の一覧表や、資料3-2のポンチ絵といった資料によって、再生方策の取組状況を毎年御報告してまいりましたが、令和8年度に向け、より具体的な内容を確認するため、昨年度より個票を事業実施部局により作成しております。
こちらは評価委員会の場にて事業を評価するといったものではなく、当該委員会において再生目標に対して、個々の再生方策がどのような目的で実施され、どのような成果が出ているのかなどをこの個票によって確認するためのものとなっており、昨年にお示しした内容をアップデートしたものとなっています。
資料3-3aを御覧いただきますと、先ほど御説明した三つの事業、再生評価支援事業、海岸漂着物等地域対策推進事業、循環型社会形成推進交付金が再生方策に関係しています。
2ページ目を御覧ください。
こちらの再生評価支援事業の個票を見ていただきますと、ローマ数字Ⅳに背景・目的という欄があり、その下に、ローマ数字Ⅴ事業内容という欄で、実施されている内容について記載しています。例えば、この事業内容の最初の項目に、底質及びベントスの調査等と記載されていますが、こちらについては、再生方策①に対応していることから、「再生方策① 関連」と記載しています。この丸数字は、資料3-1一覧表の赤い丸数字にそれぞれ対応しています。
そして、このすぐ下のタイラギ浮遊幼生及び着底稚貝に及ぼす水質環境の影響評価調査におきましては、丸数字②③④と複数に関連づけていますが、先ほどの資料3-1の説明のときに、一つの事業が複数にまたがっているケースがあることを述べましたが、それがこういったケースとなっています。したがいまして、先ほどの資料3-1の一覧表が、再生方策を軸として関係事業をまとめた資料だといたしますと、こちらの個票は、各事業そのものについてまとめた資料となります。
これらの施策の成果と課題を、次の欄のローマ数字Ⅵ、実施施策の成果及び課題の欄に記載しております。
そして、このような課題を踏まえて、次年度の見通し・計画として、次のページのローマ数字Ⅶ、次年度の見通し・計画において、現状の取組を継続するとともに、特に、その課題1での底生生物と海域環境項目との関連性の検討をすることとしているところです。
この事業においては、先の小委員会での御指摘を踏まえて、課題といたしまして、ベントスのバイオマスとしての湿重量に着目した解析の他、季節特性に着目した解析につながることなどが、追記されています。
次の4ページが、海岸漂着物等地域対策推進事業となります。
海洋ごみの回収等に対して支援する事業となっており、こちらのローマ数字Ⅴの事業内容を見ていただきますと、再生方針の⑰に関連しております。先ほどの資料3-1の2ページ目の一番下に記載されている事業となりますが、この事業は、有明海・八代海等再生評価支援事業と異なりまして、全国を対象として実施されているものです。有明海・八代海限りの成果を見てみますと、令和4年度の補助件数が21件、回収したごみの量が1,700トンとなっています。令和3年度は補助件数23件、回収したごみの量が約1,400トンでしたので、補助件数は減少したものの、回収したごみ量が300トン増加しています。
このような事業は、単年度、または、ある期間のみ実施すれば環境がよくなる、また、解明できるというものではないため、こちらの課題に記載させていただいていますとおり、継続的に漂着する海洋ごみに対応するため、引き続き実施を行うこととなっております。
次の5ページの、循環型社会形成推進交付金につきましては、こちらは浄化槽の整備に対して支援する内容となっております。汚水処理施設は、政府目標で、令和8年度に汚水処理施設整備の概成を目指して、合併処理浄化槽の整備を加速化するということを掲載しております。
令和4年度の助成件数は、令和3年度の64件から減少して60件となっています。
簡単ですが、環境省の個票について御説明しました。
次に、農林水産省の個票です。資料番号は3-3bとなります。
こちらでは、例えば6ページ、有明海漁業振興技術開発事業の成果の4におきまして、冷凍餌料の浮遊状況に着目して、飼育水の循環を改善することで高い生残率で種苗を生産することに成功したことが新たに追記されています。
また8ページの地球温暖化に適応したノリ養殖技術の開発では、成果1の、バイオスティミュラントの活用による成果や、成果5のドローンによる活用が示され、課題では、昨年度より一歩踏み込み、実用化の必要性が示されています。
これら以外にも、10ページの有明海のアサリ等の生産性向上実証事業の成果や、12ページの有明海水産基盤整備実証調査の次年度の見通し計画が更新されています。
次に、国交省の資料3-3cですが、事業規模が更新されており、先ほどの資料3-2で、国土交通省から言及されたとおり、海洋環境整備船による海の環境整備事業または下水道の整備や土砂動態調査についても実施されておりまして、ここに個票としてまとめられています。こちらにつきましても、資料3-2と併せて御覧いただければと存じます。
説明につきましては以上でございますが、補足すること等が担当省庁からありましたらお願いいたします。
ないようですので、説明は以上になります。
○古米委員長 御説明ありがとうございました。
資料の3-1が全体の方策の実施状況の一覧表で、資料3-2は各省庁の事業について、図を用いた御説明資料です。それぞれの事業の中にはいろいろと項目があるので、それを整理していただいています。再生方策にどのように関わるのかということを記載いただきながらまとめたものが実施施策の個票ということでございます。
それでは、御質問、御意見があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。
はい、木原委員どうぞ。
○木原委員 資料3-2cについてお伺いしたいことがございます。
国土交通省様にお出しいただいた資料になりますが、海岸漂着物等の実際にごみであるものというものの中でも、流木というのは人間の世界では漂着ごみではありますが、実際には海域活動において本当に直接的に影響する存在なんですけれども、河川の流域から発信しました木材等につきましては、陸域と海域をつなぐセルロースを介した生態系の中の一つの重要な項目として無視できないものだと、環境を考える上では重要事項として考えたほうがいいことだと思っております。
その際には、この木材の具体的な量について、資料3-2cの2ページにグラフ化されていて、視覚化されているのは非常に理解のうえで大変よろしいというふうにと思うのですが、実際の漁業活動であるとか生態系において、それらがどういうふうに分布していたのかという海域における分布図というのも存在しているはずなので、そちらのほうも掲示していただくと、同じような災害もしくは漁業活動において、どう管理すればよいかとか、どういう対策を取ればよいかということに対する理解が深まったりすると思いますので、具体的なごみの分布、もしくは、回収した量の具体的などこで、どのぐらいの量が取れたのかというのが分かるような図を一つ付加していただけると大変助かるなと考えます。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。オンラインの人で他におられないですかね。
それでは、山室委員、清本委員、皆川委員の順番でお願いいたします。
まず、山室委員、どうぞ。
○山室委員 山室です。私からは、資料3-2bの2枚目のスライド、魚介藻類の増養殖対策という農水省さんのもので、これは資料3-1ですと⑤の一番上に当たるのですが、これについて教えてください。「有明海の再生に向けた有明海沿岸4県が協調して行う海域特性に対応した効率的な種苗の量産化及び効果的な放流手法などに関する技術開発を支援」と書かれています。この資料3-2bの2のところでは、タイラギ、アゲマキ、ガザミ、クルマエビ、エツ、それから藻類、これは資料3-3bを見ると、藻類というのはワカメとヒジキであることを確認したんですが、この中には4県全てで共通しているものはタイラギとガザミだけでした。ですので他の魚種について「4県が協調して行う」というのが、どういうことを指すのか分かりませんでした。クルマエビは熊本だけ、エツは福岡だけ、それから藻類は長崎県だけです。中でもエツは海の魚というよりは汽水の魚で、私が理解している範囲では、産卵も川の淡水域でやっていると思います。だとすると、これは海の話というよりは、例えば国交省さんが筑後川のことをおっしゃいましたけども、そちらと組んで、土砂移動等によって、淡水や河口の汽水域を行き来するエツの資源がどのように変わったのかを踏まえて、増殖事業をするのが適当ではないかと思います。せっかくこの有明海・八代海のくくりがあるのですから、「4県が協調して」とあるここに入れるのはどうかなというのが一つ疑問に思いました。
複数県で対象魚種になっているのはタイラギ、アゲマキ、ガザミですが、アゲマキはアサリなど他の二枚貝と同等に扱うべきだと思います。例えば、資料3-2bで言いますと、1番の海域環境などの調査で、産卵場や成育場のネットワークの形成による資源回復に向けた調査を行うとなっていて、アサリ、タイラギ、ハマグリとなっているのですが、アゲマキも同じ二枚貝なので、同じようなその調査で、浮遊幼生がどういうふうに出て、どういう海流に乗って散布するのかというのは、入れてもいいような気がします。
もっと言えば、ガザミも泳ぎますし浮遊幼生期もありますので、少なくともタイラギ、アゲマキ、ガザミは、この2番のところの事業だけでなくて、1番の海域環境などの成果も踏まえて、養殖とか育苗をするだけでなく、より広く、初期発生期にどのように広がって、どのような環境で生残しているのかということもやったほうがいいような気がしました。これについて教えていただければと思います。
以上です。
○古米委員長 ありがとうございました。
続いて、清本委員、どうぞ。
○清本委員 清本です。
資料3-3bの16ページについての質問です。
有害生物の事業に係る個票ですが、下の成果に係る図表のところに、トド、大型クラゲ等と書いてありまして、これは多分、この有害生物の事業そのものの研究フローを記載いただいているだけで、有明海に係る成果というものとは少し違うと思います。表の中の成果を見ると、ナルトビエイの生態把握、情報共有などを行ったと書いてありますので、せっかくなので、有明海のその辺のところにかかる成果が分るような図表を、差し替えて載せていただければありがたいと思います。
以上です。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは、皆川委員、どうぞ。
○皆川委員 私からの質問は、資料3-2cに対しての質問になります。
国土交通省さんのほうで、筑後川の土砂流出状況等、河床横断測量等の調査ということで御報告いただいたのですが、筑後川においては、平成29年7月豪雨や平成24年の豪雨ということで、筑後川が対象になっているのですが、令和2年7月豪雨においても、先ほど、ごみのデータはかなり大きいものだったのですが、土砂動態についても把握すべき事項だということは考えて、重要だと思うのですが、それについて御予定がないようなのですが、八代海においても、芦北等への影響であるとかという被害も出てきていますので、その辺についても調査、河川として加えていただいたほうがいいのではないかと考えていますが、いかがでしょうかというものが一つです。
それに関連してですが、球磨川においては、資料3-1で再生方策というところがありますが、⑯番目、河川からの土砂流出状況の把握というところが、今申し上げた球磨川では追加はないのかというところですが、その次にある適切な土砂管理については、球磨川において、例えば適切な土砂管理、次に⑯番なんですけれども、ダム堆砂及び河道掘削土砂の海域への還元等の検討ということで、既に球磨川河口においては、干潟の造成を、球磨川における河道掘削土砂を用いたかなり大きい大規模な干潟の再生が実施されていますので、その辺もこちらの再生に関わってくると思うんですね。そうなると、球磨川における、先ほど申し上げた令和2年7月豪雨の影響もありますので、加えていただくと、より最終的な施策のところへの展開にも書き込めることができるのではないかと思いますので、ぜひ、その辺のところを加えていただきたいと思いました。
それともう1点、下水道の整備が67%ということで、ここ数年でどのぐらいに上がってきているのかということを少しお示しいただけると、その事業の評価にもつながるかなと思いますので、少しコメントいただければ幸いです。
以上です。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは、山西委員、お願いいたします。
○山西委員 私からは、資料3-1を基に、コメント的になるんですが。
たくさんの事業を実施されているのはよく分かって、これが、漁業者の皆さんに、最終的には還元するというか、うまくいくというところを示していかないといけないのですが、どれも、結局、報告書にどのようにしてまとめるかという観点で言っているようなところが多いような感じがして、いわゆる漁業者の振興策につながるような項目がどこかにあるといいなと思ったんです。
実は、先々週かな、水環境学会というのがありまして、そこで特別講演を企画して、九大とトヨタ自動車がやっているブルーカーボンの話を聞いていたのですが、そのときに、いわゆるカーボンニュートラルを目指している中で、どうしても企業としては、足らない分をオフセットクレジットで何とかしたいという中で藻場の造成とかをしているんです。その中で非常に興味を持ったのは、いわゆる、漁業者の人たちに、環境ビジネスみたいな形に参画できるというようなところを一つ加えているというのが非常に面白いなと思ったんですね。
どうしても、例えばノリ漁場でもそうですけど、非常にシビアな状況だというのは、話は出るのですが、だからといって自分たちが何か対策をしようとしても、それが最終的には自分たちの生活だとか、はっきり言えばお金になるというようなことが、何か、そのモチベーションとなるようなものがないとなかなか大変だなということを非常に感じましたので、ここでやっているような環境省さん、あるいは水産庁のほうは、非常に漁業者の方たちには分かりやすいような事業だなと思うのですが、それが何か、最後、その出口として、振興策あるいはビジネスとしてつながるような、何かそういう話がどこかでできるようなことがあるといいなというふうに思いました。
以上です。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは、大嶋委員どうぞ。
○大嶋委員 恐らく国土交通省さんのことになるかと思うのですが、筑後川の大堰のデータが、実は3に関連する調査のデータが30年ぐらいあるんですね。ずっと取られ続けておりまして、そこでベントスとか水質とかも測っているので、かなり前からのデータかな、これは恐らくこの中に取り込んでないと思うのですが、今後もし取り込まれるのか、その点をお伺いしたいのですが。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
それでは、たくさん御質問が出ましたけれども、順を追って、うまく重ね合わせられる場合には重ねて御説明いただくといいかと思います。
最初に木原委員からの御質問の回答をお願いします。
○釘田海洋・環境課課長補佐 国土交通省港湾局でございます。
分布図につきましては、九州地方整備局熊本港湾・空港整備事務所のほうで、ホームページで、有明湾奥、有明湾央、八代海、橘湾というふうに、それぞれブロックを分けて、ごみの回収量などを公表していますので、そういう形で、今後もそれぞれ過去5年ずつの比較などでお示ししたいと考えております。
以上です。
○古米委員長 木原委員、よろしいでしょうか。
それでは山室委員からの御質問、水産関係です。
○吉川漁場資源課課長補佐
山室委員からの御質問について、4県協調のこの種苗生産技術開発は、地域の重要対象種の種苗の量産化及び効果的な放流手法等に関する技術開発を目的にしているところです。
例に出されたエツについては、確かに河川での生活が長いのですが、この事業では、種苗生産技術の向上や放流に適した時期がいつなのかといったような分析をしています。アゲマキについては、どういった形で放流すれば生残率が高くなるとかといったような視点で研究を進めているところです。
予算がたくさんあれば、ほかの事業とも連携をして、研究調査を進めていきたいと思うのですが、予算の制限もあり、この事業の中では、種苗生産の技術開発ですとか、放流方法をよりよいものにしていくという視点で技術開発を進めています。
○小松農地資源課課長補佐 農村振興局から、重複部分もありますが、補足をさせていただきたいと思います。
本年2月14日の水産小委員会でも説明した資料になるのですが、4県協調の考え方について、その場では説明をさせていただきました。吉川のほうからも説明がありましたが、我々は漁業者の方と一緒に取り組むということを非常に重視しております。というのは、実際に現場で作業をされる方というのは漁業者の方になりますので、漁業者の方の同意・協力なしにはできません。そのため、漁業者の方と一緒に話し合う場というものを設けまして、取組内容というのを決めております。
この中で、4県協調で、有明海の中で二枚貝類の浮遊幼生というのはぐるっと回っていきますので、単県で取組をしても効果は出ないということでございますので、山室先生のおっしゃったとおり、アゲマキも確かにそうですが、まず4県で取り組む柱となる漁種として、アサリとタイラギというものを皆さんで、我々も含めて合意をした上で、浮遊幼生の調査であるとか、あるいは人工種苗生産の開発であるとか、あるいは母貝団地に母貝を植えていくといったようなことをして、再生産サイクルをつくっていくという取組を4県で進めております。
それから、それ以外の漁種に関しましては、各県が特に力を入れたいと思っているもの、業者さんが力を持っているものをセレクトしまして、先ほどの予算の話もありましたけれども、選択をして行っているというところでございます。
アゲマキについても、できるところは協力して、県の間で技術協力をしながらやっていっておりますし、その辺の知見というのは4県の中で共有されていっておりますので、各県でやったものが、その県の中で知見がとどまるということがないようにしていくというところでございます。
補足でございました。
○古米委員長 続いて清本委員の御質問の回答をお願いします。
○吉川漁場資源課課長補佐 資料の3-3bの有害生物漁業被害防止総合対策事業の記載について、有明海・八代海に関係のないトドとか大型クラゲ等よりもナルトビエイの事業内容について記載すべき等御指摘はごもっともだと思います。近年、事業の成果として、漁業者の方からは、ナルトビエイが減ってきたという声もきかれているところですので、引き続き、こういった事業も活用しながら漁業被害の軽減に努めてまいります。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
それでは、皆川委員の国土交通省関連。
○阿河河川環境課課長補佐 国土交通省の阿河でございます。
土砂流出の状況に関して、八代海でも影響が出ているので、球磨川も土砂動態の把握対象に加えることや、河口で干潟造成されているような取組も施策への展開に加えてほしいという御意見、それから下水道の整備率というところをいただいたかと思います。
まず、土砂流出の調査に関しては、これまで、筑後川で実施してきており、令和8年度の計画変更に向けてというところも考えると、スケジュール的にも筑後川で引き続き行っていきたいとは思っております。一方で、先ほどおっしゃっていただいたような河口での干潟造成など、そういったところは改めて確認をして、最終的な施策の反映ができるものに関しましては、反映していきたいと思います。
また、下水道の整備率に関してですが、こちらに関してはウェブ参加している下水道部のほうからお願いします。
○紺野下水道部流域管理官付課長補佐 国土交通省下水道部の紺野といいます。
下水道の整備率で、下水道処理人口普及率で約67%だけれども、近年の推移ということの御質問だったと思うのですが、近年の値が手持ちでないんですが、平成14年、20年前ぐらいになりますが、その頃の比較はしていまして、平成14年当時が39%で、令和4年が67%ということで、20年近くで28ポイントの伸びになっています。これ、全国平均に比べて約1.8倍の伸びとなっていますので、この有明海・八代海等の指定区域においては、それなりに整備が進んできたものと認識しております。
以上です。
○古米委員長 はい、関連して、大嶋委員から、筑後川大堰のところのベントスデータ等もあるのではないかということなので、国土交通省から、連続でお願いします。
○阿河河川環境課課長補佐 確認いたします。
○古米委員長 調べていただいて、可能であれば、お願いいたします。
それでは、山西委員からの、資料3-1に関連して、漁業者絡みの環境ビジネスを推進するような政策はどうですかという、今までにないタイプの御意見ですが。
○吉川漁場資源課課長補佐 水産庁でございます。
例えば、この資料3-2bに書きました、種苗生産技術の中に、カキ養殖の種苗生産技術として一粒カキを作ろうなどの課題があります。こうした課題はビジネスに近い技術開発となっており、技術開発ができましたら、水産庁の既存の予算の中で、養殖施設整備ですとか、いわゆる「もうかる養殖」といった事業を活用し、安定した生産体系に変えていくという支援する事業でもありますので、そういったスキームを使っていただきながら、よりビジネスにつなげていただくというように持っていきたい、出口として目指したいと思っています。
○古米委員長 ありがとうございました。
御質問、御意見いただいた方、いかがでしょうか。今の、山西委員、よろしいですか。
○山西委員 はい、なかなか難しいと思うのですが、要は、水産庁とかの御説明だと、漁業者を取り込んで取り組んでいるという、非常にいいなと思います。恐らく、体感的に分かるので。ですので、環境省とかが主導でやられているようなものが、机上のものだけにならないように、いわゆる、実際に現場の人たちが体感できるようなものとして還元できるというような何か仕組みというか、仕掛けというか、というのがあればいいなということで意見させていただいたということになります。御検討いただければと思います。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
それでは山室委員、挙手がされていますのでどうぞ。
○山室委員 私が先に質問した趣旨も、実は山西先生とよく似たことが念頭にありました。例えば、今の御説明によると、ガザミはこの4県全部が、漁師さんによって積極的に増やしたいということですが、ガザミというのは、御存じのとおりにベントスです。そうすると、資料3-1の再生方策の中の①のベントス群集・底質のモニタリングの結果が、このガザミにとっても有用なデータになるというのは明らかですし、資料3-1の2ページ目の貧酸素、それから河川からの土砂流出とか、こういった環境を対象として調査結果が、ガザミという大型底生動物には非常に大きな影響を与えているということは、誰でも分かることです。では、ガザミにとって、こういうこの大規模な調査でやられている結果からどんな影響が及んでいると考えられるのかまで、4県の漁師さんたちがすごく関心を持っているというこのガザミという魚種について、どこかで説明があったほうがいいと思って、先ほどの質問をいたしました。
エツも同様で、海と全く関わってないとは私も思っておりませんが、逆に、国交省さんの土砂調査や河川調査で調べている要因がエツには非常に大きな影響を与えている可能性があるということを、国交省さんの現場の方も考えて調査するのとそうではないのとでは全く違うと思います。漁師さんに聞いたら、こういうことが重要な要因かもしれないということでしたよといった情報を、もう少し前段階で共有できるのがよいと思います。先ほど予算がないからという御説明がありましたけども、予算はかなりいろんなところで個々に使っていらっしゃって、せっかくこれだけお金をかけて様々な調査をしているので、その個々に使っている項目に、もう少し前広に、漁業者さんからどういうものが求められているのかという観点からのまとめ方があればいいなと、それこそ山西先生が言われたようなことなんですけども、そういうまとめ方を踏まえて、令和6年度の調査というのが決まっていくといいのかなと思いました。
以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
今の御意見については、何か御対応があれば、御発言をお願いしたいと思います。
○吉川漁場資源課課長補佐 私の説明が不十分でしたが、国交省や環境省の環境調査のデータも、予算が限られているがゆえに、水産庁や農水省の事業の中に取り入れて調査研究を進めているところです。
そのアウトプットの仕方についても、こういう環境の影響があるから、アゲマキやガザミがこういう資源状態であるということを分かりやすく漁業者に伝えていく必要がありますので、連携して進めていきたいなと思います。
○古米委員長 4県連携されているのと同じように、省庁を超えても連携いただいて、特に水産資源には海域環境が非常に影響しているので、どういうところの情報が関連しているのかということをこちら側で整理し、それを分かりやすい形で現場の漁業者に提供することを考慮していただく。情報を活かした事業展開をするなり、今後データの取りまとめをしていくと、非常にうまく事業が進みつつあるので、それを現場の方々の活動に反映できるのではないかと私は今感じました。ぜひ御検討いただければと思います。
ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。
はい、どうぞ、灘岡委員。
○灘岡委員 御指摘の確認を含めての御質問ですが、資料の3-1で、裏側の⑮で、先ほどの御説明で、特記的な項目として、衛星画像を用いた解析を5年ぶりに復活されるということがありました。これは、令和元年度にやられたときは、その年だけに限らず、それ以前からの歴史的な変遷も含めて解析されたのですよね、恐らく。
○川田海域環境管理室室長補佐 有明海・八代海に関しては、平成30年と令和元年の2か年で、衛星画像を用いた調査を実施しておりますが、それより前に3か年かけて瀬戸内海で調査を実施しております。それまでの調査は現場での聞き取り等によって、藻場・干潟の面積を出していましたが、その瀬戸内海の調査から衛星画像を用いて、より効率的に藻場・干潟の面積を出していこうというのが始まったところです。このときに、聞き取りの調査結果との誤差はどうであったとか、そういったことも含めて、解析しています。
○灘岡委員 令和6年度に行う予定の衛星画像調査は、空白の令和2年度以降も含めて、過去も遡って、各年についても分析をされるのですか。
○川田海域環境管理室室長補佐 衛星画像を使うので、過去の年でも入手できるのですが、現地調査も行ったうえで、それらを教師データとして補正し解析しないといけないため、あくまで、令和6年度の藻場・干潟分布ということになります。
○灘岡委員 今のは確認の質問でした。
希望を込めた今後に向けての話ですが、衛星画像を使った分布調査を、なぜもっと本腰を入れて、いろいろと使われないんだろうなというのは前から疑問で、どんどん、いろんな解析手法も進歩していますし、いろんなタイプの衛星が、これからも含めてどんどん出てきている状況なので、その応用可能性がどんどん広がりつつあります。中には、コストフリーの画像もどんどん増えてきていてというようなこと、だからコスパもよくなってきているんですね。
そうすると、ここからが要望ですが、藻場・干潟の分布調査だけに衛星画像分析を使うだけだと、もったいないというか、いろんな応用可能性があるものですから、むしろ、特に藻場の調査となると、少し濁ったらもう、本当にごく浅いところしか見えないので、なかなか難しい。あとは雲でしょっちゅう隠れているというのは共通する課題なんですけれども、例えば、海域で言うと濁りの分布であるとか、あるいはクロロフィルの分布であるとか、こういうのは昔からやられていることで、精度もだんだん上がってきているわけですね。それがどういうふうに分布して、検出するかなんていうのはどんどん進んできています。そういうのはぜひやっていただきたいなと思うのと、衛星リモセンのもう一つの利点は、陸域も含めて、広域的に分析をできるということで、陸域の調査にもどんどん活用できるんじゃないか。土地利用、植生被覆の経年的な変化も含めて、これはどんどんやれる話で、特に、今日の最初のほうの議論で出てきた豪雨災害で、どっと斜面が崩れて土砂が出てくる。粗いやつも細かいやつもというような話で、特に、細かいやつなどを含めて議論する必要があると思うのですが、粒径の影響を考えれば、特に。
そうすると、今日の国交省さんの御説明資料によると、ダムでの堆砂量の変化から定量化するとかね、あるいは、河道での調査であるとかされているのですが、発生源の調査、土砂崩壊の現場の調査。以前の委員会で出されていたというのは記憶していますが、リモセンであれば、過去に遡って、そこら辺も含めて調査できるので、どこら辺に崩壊現場があるとか、その規模とか、頻度とか。
行く行くは土砂管理という方向に踏み入れるとなると、発生源まで立ち戻って管理という話に当然なるわけですよ。そこは国交省さんだけの話にとどまらないと思いますが、そうすると森林管理をどうしていくのかという話にもなっていくので、そういう発生源をちゃんと調べるというときに、衛星画像の有用性というのは結構高いのではないかなと思うものですから、そういう観点からも、希望を込めたコメントをさせていただきました。
以上です。
○古米委員長 よろしいでしょうか。
○阿河河川環境課課長補佐 国土交通省で答えられる範囲ですけれども、おっしゃっていただいたとおり、衛星画像は、土砂災害等を把握するときに非常に有用で、国土交通省でも、災害時の情報収集でも衛星画像を活用したり、ドローン使ったり、活用しているところです。また、土砂の管理を総合的にという話の観点では、総合土砂管理を国土交通省でも進めているところで、いわゆる直轄河川区域だけではなく、上流域も含めて、土砂の移動、それから土砂の管理を、関係機関と連携して行っていくことに取り組んでいます。
○古米委員長 来年度というわけにもいかないと思いますが、省庁を超えて、衛星画像による環境の把握であるとか、あるいは、地形変化であるとか、そういったものを含めた形での何か方策が考えられるようだったら進めていただくといいかなと思いました。
はい、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○林委員 林でございます。
○古米委員長 はい、どうぞ。
○林委員 資料3-2cの2ページ目に、国交省さんのごみの回収のお話があるのですが、こちらの、そのごみの例えば回収実績は、この事業は、先ほどのお話だと、有明海に特化したものではなくて、全国で展開しておられて、それの有明海の部分ということだったと思うのですが、このごみの回収実績も、このグラフだけだと、令和2年がとても多かったんだねということぐらいしか分からなくて、その絶対的な量的なものが、これが、例えばほかの海域に比べて多いのか、少ないのかということも分からないわけです。ほかの海域の情報もあるのでしたら、そういうものと比較をすると、この有明海というのが、例えば、ほかに比べて結構多いところですよとか、そんなこともないですよというようなことも分かるのかなと思いました。
それから、もう一つは、資料3-1の全体の表ですが、もうこれ、先ほどの議論でも出たのですが、各省庁間の連携というものをどう表していくかだと思うのですが、やはり、この表だと物すごく縦割り感がすごくあって、同じような事業で、同じようなことを、省庁がそれぞれやっていて、その予算的な使い方はどうなのと思われかねないかなと、そのほかの報告も、結局、各省庁さんでされているので、今後、この表なりほかのところなりで、そういう縦割り感があまりないような形というのも、省庁間で連携しているよと、予算的に、そういう無駄はないんですよというようなことが、やはり分かるようになればいいかなと思いました。
以上でございます。
○古米委員長 ありがとうございました。事務局から何かございますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 貴重な御意見ありがとうございます
具体的には、冒頭申し上げましたように、調査データのやり取り等を行っているところでございますが、なかなか、そういったところを示し切れておらず申し訳ございません。
連関図のような形になるかもしれませんが、どのようにお示しできるかということを検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○古米委員長 はい、ぜひお願いしたいと思います。
国土交通省から、前半のごみの件回答お願いします。
○釘田海洋・環境課課長補佐 国交省港湾局でございます。
この海洋環境整備事業ですが、ほかの海域としましては、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海で実施しております。で、それぞれその広さ、面積ですね、海域の面積というのが全然違いますので、一概にそのそれぞれの海域で多い、少ないというまでのその見解は出せないとは思うのですが、データだけでよろしければ、それぞれの海域において、年度別でお示ししたいと考えております。
○古米委員長 はい、行った事業自体がどういう意味を持っているのか、要は、有明海の再生にとってどういう意味があり、効果があるのかというのを理解するための助けになるようなデータの表示の仕方だとかを考えていただくといいかなということだと思います。事業をやりました、整備率が六十何%になりましただけではなくて、先ほどの下水道整備で言うと、有明海に入っている負荷量が、これだけ削減されましたみたいな形であるとか、不足していた栄養塩が、この冬場に能動的な管理によって供給されましたという、やったことと、それがどう現場に役立つのかというのが、住民の方々が分かるものにしたり、効果を解釈したものにしたり、理解をサポートするような情報もつけ加えていただく。この資料自体は非常に魅力的に整理されているので、さらにレベルアップできるのかなと思います。ぜひ御検討いただければと思います。先ほどの分布図というのも、その一つかなと思います。
ほかによろしいでしょうか。
(なし)
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
それでは本日、いろいろと御意見が出ましたので、引き続き、再生に向けた取組を精査いただいて、実施していただくとともに、この評価委員会のほうに必要なデータ等を、分かりやすい形で提供していたく、あるいは、御説明をいただくということをお願いしたいと思います。
事務局は小委員会が二つございますので、作業分担はありますが、二つの小委員会がうまく連携した形で、同時に関係省庁だとか、関係県の取組の情報をうまく小委員会のほうへ提供いただいて、しっかりと情報収集だとか、議論を進めていただきたいと思っております。
きっとその中では、関係省庁がどう連携してやっているのかと、どういうことによって、こういう大きなメリットができているとか、あるいは、なぜこういうことをやって、こういう成果が出てきているというレビューも併せて作業していただくと、非常に小委員会の効率も上がるかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題の3に移らせていただきます。
令和5年度所掌事務の遂行の状況に係る分かりやすい形で公表について、事務局から御説明をお願いします。
○川田海域環境管理室室長補佐 それでは、令和5年度の所掌事務の遂行の状況につきまして御説明させていただきます。
こちら、表紙となりますが、こちらを1枚めくっていただきますと、1ページとなります。
毎年、所掌事務の遂行状況を分かりやすい形で公表することが令和3年4月の法改正によって定められており、本年度の所掌事務の遂行状況についてもまとめました。
ただ、こちらの資料につきましては、当該年度の所掌事務の遂行状況を記載する性質上、本日の議題内容を含む必要があることから、未完成の状態でございます。今回は、この本素案をたたき台として議論いただきたいと考えています。
そして、本日の委員会後でも御意見がございましたら、メール等でいただければと考えています。
こちらの資料はⅠとⅡの2部構成としており、一つ目として、所掌事務の遂行の状況、二つ目といたしまして、主な審議の結果なっています。
2ページでは、先ほど申し上げました所掌事務の遂行状況について一覧としてまとめています。本年度におきましては、昨年度に委員会にて決定した今後の審議の進め方や作業方針、情報収集の方向性、それらを踏まえて、令和8年度委員会報告の取りまとめに向けて、主に情報の収集等に係る具体的内容等について審議・決定を行い、情報収集等を始めています。
こちらの一覧を見ますと、10月の小委員会から始まり、1月の第52回評価委員会、そして本日、3月19日の第53回評価委員会について記載していますが、この第53回評価委員会の結果は、本日の結果を踏まえ記載させていただきたいと考えています。
3ページから小委員会、評価委員会にて御審議いただきました項目ごとにまとめています。
一つ目の情報収集等の具体的内容では、昨年3月の第51回評価委員会で御確認いただきました作業方針と、情報収集等の方向性を踏まえ、第11回・第12回小委員会、そして、1月の第52回評価委員会で審議・決定したことを記載しています。
ただ、これ以降も同じなのですが、取りまとめた内容そのものをここに掲載いたしますと、この本編のボリュームが増えるために、詳細は別添として、この資料の後ろのほうに添付しております。
例えば、水産小委員会の具体的な内容であれば、別添1を見ていただきますが、この別添1というものをクリックしていただきますと、添付している資料にジャンプするようになっています。
次の4ページでは連関図の方向性の検討、骨子案の検討を記載しています。
その次の5ページでは、2月の第13回水産小委員会で行った有用二枚貝の具体的な情報収集の内容について、主なものをピックアップして掲載しています。
そして、6ページでは第13回海域小委員会で行った海域環境、気候変動影響等の具体的な情報収集の内容のうち、主なものをピックアップして掲載しています。これらも、やはり図表については、後ろの添付資料を見ていただくことになります。例えば、こちらの別添をクリックしますと、そちらにジャンプいたします。
この本資料では、あくまで主な項目しか掲載していませんが、このジャンプした先の添付資料の上のほうに、水色の四角があります。こちらを開きますと、インターネット上の第13回小委員会での資料本体を見ていただけるようになっています。
7ページでは、先ほど御確認いただいた再生方策の取組状況について、対象種と再生方策の関係をまとめた図を掲載しています。こちらの各項目をクリックいただきますと、添付の一覧資料へ移動します。例えば、この①をクリックすると、この①の載った一覧表が開くようになっています。
移動した先の再生方策一覧は、先ほどの資料3-1の内容となっています。さきの議題では、その資料3-3の個票を省庁ごとにまとめてお示しいたしましたが、この資料では、その個票を再生方策ごとにまとめ直して、この遂行状況一覧のこの赤丸数字の再生方策をクリックすれば、それが開くようにする予定です。まだその個票資料をURLに組み込んでいませんので、これからの作業となります。
8ページ目では、6月に実施いただきました現地視察につきまして、簡単でございますが掲載しています。
9ページでは、昨年度版の所掌事務の資料で御指摘いただきました関係機関が実施した調査などの結果が公表されているURLについてまとめています。
以上の内容をもって、資料本体10枚に添付資料25枚を合わせて35枚の資料となっています。
簡単でございますが、説明は以上でございます。
○古米委員長 御説明どうもありがとうございました。
それでは、御意見、御質問をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、木原委員、お願いします。
○木原委員 資料4について御説明ありがとうございます。様々に工夫されて、リンクによっていろいろの資料に飛ぶことができるのは非常によい状況だと考えます。
しかしながら、一般の方が御覧になる場合には、特に、どの部分をクリックすればどこに飛べるのかというクリックできる文字列と、クリックできない文字列を識別することが難しいと思いますので、クリックできる場所については、具体的なボタンのような形とか、何か視覚的に分かりやすい状態にして示していただくのが有効なのではないかと考えました。
○古米委員長 はい、ありがとうございました。
これは作業できるかなと思います。本文には赤字のところがリンク先に移動できると書いてあるけど、実際にボタンがあったほうが分かりやすいということだと思います。
はい、ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。
(なし)
○古米委員長 私から1件です。各主要な審議の1から7のページには、必ずクリックできる別添がついているのですが、残念ながら、連関図の方向性の検討については、まだ公表できるような改定版がないので、別添はないと思います。連関図というのはどういう図なのかと、平成28年度の連関図はこのようにできていて、今こういうところを検討中ですよという別添があったほうが良いかと思います。多くの方が、連関図をベースにしながら、どんな事業が進められていて、どういう課題があって、どういうことが分かっていて、何が分かってないのかということを理解するには、やはり図があったほうがいいかなと思います。ぜひ、古いバージョンの連関図でも結構ですので、追加説明といった形で別添をつけていただくといいかなと思います。
ほかにいかがでしょうか。
オンラインの方々も、今のところ挙手がございませんが、よろしいでしょうか。
写真が入っていたり、図が入って、リンクを貼っているというところだとか、色もいろいろ使われているので、分かりやすくなっているとは思いますが、よろしいですか。
はい。特に、挙手ございませんね。
先ほど事務局から御説明があったように、この現段階の資料は、この評価委員会の内容を受けて、修正も入りますし、追加も入ろうかと思います。今の段階で、一応、一通り説明はいただきましたが、本日から1週間をめどに、各委員の方々に資料を見ていただいて、お気づきの点があれば事務局にお知らせいただき、それを踏まえた形で最終版を作っていきます。その際には、よろしければ委員長一任という形で最終版にさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○古米委員長 はい、ありがとうございます。それでは、ぜひ、1週間以内で事務局のほうにお気づきの点、御連絡いただければと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題は4番で、その他ということですので、事務局からありましたらお願いしたいと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
議題1にて言及させていただきましたが、次年度におきましては、まず、小委員会より開始し、状況を見ながら、親委員会を1回もしくは2回開催いたしたいと考えております。
開催に当たりましては、事前に日程調整を行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○古米委員長 ありがとうございました。
それでは議事、一通り終わりましたけれども、全体の、委員会全体を通して何かお気づきの点、御意見があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(なし)
○古米委員長 特にないようですので、本日予定されておりました議事は全て終了いたしました。議事進行に御協力いただきましてありがとうございます。
それでは、進行を事務局にお返しいたします。
○森川海域環境管理室室長補佐 環境省の森川です。
議事進行を川田から森川に代わりまして、オンラインですが失礼いたします。
○古米委員長 はい、お願いします。
○森川海域環境管理室室長補佐 古米委員長、本日はありがとうございました。
本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
それでは、以上をもちまして、第53回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会とさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
午前11時44分閉会