第52回有明海・八代海等総合調査評価委員会 議事録 | 環境省

第52回有明海・八代海等総合調査評価委員会 議事録

開催日時

令和6年1月9日(火)

開催方法

対面方式及びWEB 会議方式を併用して開催

場所

環境省第2会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館19 階)

出席者

委員長: 古米弘明委員長
委員 :

大嶋雄治委員、上久保祐志委員、木原久美子委員、清本容子委員、鈴木敏之委員、中島則久委員、灘岡和夫委員、林美鶴委員、藤井直幹委員、皆川朋子委員、矢野真一郎委員、山西博幸委員

臨時委員:

小林政広委員、辻本剛三委員

(関係省庁)

農林水産省農村振興局整備部農地資源課 小松課長補佐、加藤係長、橋本係長
林野庁森林整備部治山課 日下部企画官、後藤課長補佐、矢野係長
水産庁増殖推進部漁場資源課 吉川課長補佐、田代係長、辻係員
水産庁増殖推進部栽培養殖課 鈴木課長補佐、田畑係長、伊藤係員
水産庁増殖推進部研究指導課 中村課長補佐、天野係員            
水産庁漁港漁場整備部計画課 落野計画官、山内係員
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 阿河課長補佐、木村係長、新保係長
国土交通省港湾局海洋・環境課港湾環境政策室 釘田課長補佐
国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付 紺野課長補佐
国土交通省九州地方整備局河川部 上村広域水管理官
国土交通省九州地方整備局河川部河川環境課 原田課長、古川建設専門官、辻丸流水管理係長

(事務局)

環境省水・大気環境局長、海洋環境課海域環境管理室長、海洋環境課海域環境管理室室長補佐

議事録

午後1時30分開会

○森川海域環境管理室室長補佐 皆様ありがとうございます。本日、第52回有明海・八代海等総合調査評価委員会、定刻となりましたので、ただいまから開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の委員会ですが、会場とウェブ会議、両方での開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいております委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど不都合がございましたら、事務局まで、お電話またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせいただければと思います。
 議事中、マイク機能は会場及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。
 なお、ウェブ会議で御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意志はこのマークで確認します。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作をお願いいたします。挙手アイコンは事務局でオン・オフを操作できないため、御協力をお願いいたします。
 通信状況や御発言者様の声質によっては、不明瞭な箇所が出てくる可能性がございますので、恐れ入りますが御発言前にお名乗りいただきまして、少々ゆっくり大きめに御発言いただけますと幸いです。
 また、会場で御参加いただいております委員の皆様におかれましては、マイク真ん中のオン・オフのスイッチにお手を触れないようにしていただければと思います。
 本委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。
 留意点、以上になります。
 それでは、まず、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の土居より御挨拶を申し上げます。
○土居水・大気環境局長 土居でございます。
 本日はお忙しい中、御参画いただきまして誠にありがとうございます。
 まずもって、令和6年能登半島地震におきまして、お亡くなりになりました皆様方に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災されました方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。政府全体で今、努力をしておりますし、特に環境省におきましては、し尿の処理、また廃棄物の処理などにつきまして、全省を挙げて対応しているというところでございます。
 その中で、本委員会が開催されるところでございますけれども、開催に当たりまして、私のほうから一言申し上げたいと思います。
 本評価委員会につきましては、昨年12月にほぼ全ての委員の皆様方の任期を迎えたというところではございますけれども、有明海・八代海などの再生につきましては、まだ道半ばということで、引き続きの御指導を賜りたく、再任につきましてお願いを申し上げたところ、皆様方に快くお認めいただき、誠にありがとうございます。
 有明海・八代海等につきましては、本年度においても、貧酸素水塊の発生が見られたり、また養殖業への赤潮被害、またタイラギ漁が休漁になっているということ、さらに、昨年におきましては、深刻なノリの色落ち被害など、様々な影響が引き続き見られているというところでございまして、環境省といたしましても、精力を挙げて対策の検討に尽力していきたいと考えているところでございます。
 評価委員会におきましては、令和8年度の報告取りまとめに向けて、審議を進めているところでございます。本日におきましては、昨年の10月、12月に開催されました小委員会におきます取組につきまして、事務局より御報告を申し上げるとともに、令和8年度委員会報告骨子案につきまして、御審議を賜りたいと考えております。
 令和8年度の委員会報告に向けまして、環境省といたしましても、評価委員会の事務局として、有明海・八代海等の再生に係る評価に必要な調査であるとか、科学的知見の収集などに引き続き努めていきたいと考えております。
 委員の皆様方には、お忙しいところではございますが、引き続きお力添えをお願い申し上げます。本日は忌憚のない御意見を賜ればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○森川海域環境管理室室長補佐 続きまして、委員の紹介・出席状況報告等をさせていただきます。
 この度、委員の任期満了に伴い、令和5年12月15日付で委員の改選がございました。資料1を御覧ください。有明海・八代海等総合調査評価委員会の委員名簿になります。時間の都合上、この名簿をもって委員の皆様の御紹介とさせていただきます。
 本日の委員の出席状況ですが、欠席の御連絡を内藤委員、山室委員よりいただいております。本日は委員17名中、15名の委員が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。
 なお、本日は関係省庁も出席しておりますので、御紹介します。
 まず、農林水産省農村振興局農地資源課の小松課長補佐でございます。
 続きまして、水産庁漁場資源課の吉川課長補佐でございます。
 そして、林野庁治山課の日下部企画官と後藤課長補佐でございます。
ほかに、水産庁、林野庁の担当がオンラインにて出席しております。また、国土交通省から、水管理・国土保全局河川環境課、港湾局海洋・環境課、九州地方整備局河川部の担当がオンラインにて出席しております。
 環境省側の出席者も紹介させていただきます。先ほど御挨拶させていただきました水・大気環境局長の土居、海域環境管理室長の木村、同室長補佐の川口、川田、そして私、森川でございます。なお、土居局長は15時より他用があるため、申し訳ございませんが、委員会途中で退席させていただきます。御容赦のほどお願いいたします。
 続きまして、資料につきましては、事前に電子データで御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。また、ウェブ会議では、事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきます。
 本日は、委員の新たな任命後、最初の委員会となりますので、委員長が選任されるまでの間、事務局のほうで議事を進めさせていただきます。御了承願います。
 それでは、議題1、委員長の選任について、委員会令第3条により、委員長は委員の互選により選任することとされております。つきましては、委員長の互選に入りたいと思いますが、委員長の候補者について、どなたか御意見のある方がいらっしゃいましたら、お名前横にある挙手アイコンをクリックして挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
 鈴木委員、どうぞお願いいたします。
○鈴木委員 水産研究・教育機構の鈴木でございます。
 これまで委員長を務めていただいている古米委員が適任かと思いますので、御検討ください。よろしくお願いします。
○森川海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
 ほかに手は挙がってはいないですか。よろしいですか。
 それでは、ただいま鈴木委員から、古米委員を委員長とする意見がありましたが、委員の皆様方、古米委員に委員長をお願いするということでよろしいでしょうか。賛同いただける方は挙手をお願いします。
(異議なし)
○森川海域環境管理室室長補佐 それでは、御異議がございませんでしたので、古米委員が委員長に選任されました。
 それでは、委員長になられた古米委員から御挨拶をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。
○古米委員長 委員長を仰せつかりました中央大学の古米です。
 先ほど局長からお話があったように、令和8年度の委員会報告に向けた審議となります。報告の取りまとめは、令和3年度に中間取りまとめをしていますので、それを踏まえながら、しっかりとしたデータ解析、あるいは評価を行って、次の10年、どうすればいいのかという再生目標みたいな方向性を明確にすることと、それに対して行われてきた方策は、どういうところがよくて、どういうところが改善の余地があるのかといったことをしっかりと分かるように整理することが調査報告を取りまとめることだと理解しております。様々な分野の専門家の方々がこの委員会に参加いただいておりますので、いろいろな視点から、しっかりと審議をしていきたいと考えています。
 今日は、今後の取組をどうするのかということと、先ほど局長からもありましたけれども、報告書の章立、あるいは骨子案という方向性を明確にして、同じ目標を持って委員会が一丸となって作業を進めていくという一番大事な委員会になろうかと思います。忌憚のない御意見をいただければと考えております。
 以上です。
○森川海域環境管理室室長補佐 ありがとうございました。
 それでは、以降の議事の進行は、古米委員長にお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○古米委員長 それでは、議事を進行させていただきたいと思います。
 まず、委員長職務代理を指名したいと思います。
 評価委員会令第3条に、「委員長に事故あるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。」との規定がございます。私としましては、これまでも委員長代理を務めていただいております矢野委員に引き続きお願いしたいと思います。矢野委員、よろしいでしょうか。
○矢野委員 矢野です。
 お引受けいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
○古米委員長 同時に、有明海・八代海等総合調査評価委員会の運営方針についてということにより、小委員会が二つございますけれども、その小委員会に所属すべき委員は、委員長が指名すると。そして、小委員会の委員長は、委員長の指名によりこれを定めるとされております。私としては、引き続き矢野委員に海域小委員会委員長、鈴木委員に水産小委員会委員長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○矢野委員 矢野ですけれども、お引受けいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○古米委員長 ありがとうございます。
○鈴木委員 鈴木でございます。
 引き受けさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 また、これまで小委員会に所属していた委員には、引き続きこれまでの所属していた小委員会に所属していただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○古米委員長 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事を続けさせていただきます。
 既に議題1は終わりましたので、2、3、4ということで、残りの三つの議題を進めさせていただきます。時間も限られておりますので、議事進行に御協力いただきますようお願いしたいと思います
 それでは、議題の2、第11回、第12回小委員会における取組についてということで、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、議題(2)第11回、第12回小委員会における取組について、御説明いたします。資料2-1を御覧ください。
 今年度、初めての評価委員会となることなどから、小委員会に係る昨年度の経緯をローマ数字Ⅰ、中間取りまとめ以降から第10回小委員会までの経緯として、こちらに簡単にまとめております。
 この第10回小委員会が昨年度に開催した小委員会となりますが、まず、中間取りまとめ後の第1回目の評価委員会となる令和5年1月に開催いたしました第50回評価委員会において、今後の審議の進め方、こちらは添付の参考資料4が今後の審議の進め方ですが、及び水産小委及び海域小委の所掌事務及び作業分担を決定いたしました。
 これらを踏まえ、同年の2月に開催された第10回水産・海域小委員会、こちらは合同開催でしたが、こちらの小委員会にて、小委員会の作業方針及び小委員会における今後の情報の収集・整理・分析等の方向性を決定しており、これらにより生物の生息環境、ベントス、有用二枚貝、ノリ養殖及び魚類等の5項目について、関係省庁から適宜報告を受けつつ、情報の収集・整理・分析等を行うこととしております。
 その後、同年3月に第51回評価委員会を開催いたしましたが、それ以降、今年度において小委員会を第11回、第12回とこれまでに2回開催しております。
 まずは、先年10月に第11回水産小委員会、第11回海域小委員会を個別開催し、今後の情報収集等の具体的内容、そして連関図の方向性について、各小委員会にて検討いたしました。
 次に、二つ目ですが、先年12月に第12回小委員会を水産・海域合同で開催いたしております。こちらでは、10月に水産・海域の両小委員会を個別で開催し、検討した今後の情報収集等の具体的内容を小委員会として決定するとともに、令和8年度委員会報告の章立・項目、いわゆる骨子案について検討いたしました。
 これら2回の小委員会における検討状況につきまして、詳細を以下に報告いたします。
 まず一つ目といたしまして、今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討についてです。
 ここで、資料2-2を御覧ください。
 こちらは水産小委員会の担当する内容となりますが、1ページ目の1、基本的な考え方につきましては、水産小委員会、海域小委員会の両小委員会で共通の内容となっております。
 一つ目の丸、「また」よりも前の箇所ですが、ここで、新たに情報収集を行うことになった気候変動影響、生態系・渡り鳥など、社会経済情勢などに係る知見は海域小委員会において情報収集を行うということにしております。「また」以降のところでは、有明海・八代海の環境等の状況や再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を両小委員会において、①関係省庁及び関係県からのヒアリング・データ提供、②これまでに収集されたデータも含めた詳細なデータ整理、③令和3年度中間取りまとめ以降の新たな論文収集により行うとしております。
 また、次に二つ目の丸ですが、蓄積されたデータ等について、より詳細な分析を進めるに当たっては、専門分野の委員からデータ精度の管理も含めて適宜確認いただくこととしております。
 そして、この資料の2ページ目以降から、水産小委、海域小委とそれぞれの小委員会に関係する内容となっております。
 2ページの2、水産小委における情報収集等ですが、このうち(1)データの情報収集等では、小委員会の作業方針で整理された作業分担を踏まえ、水産小委員会では水産資源の特性や状況、それに関連する漁場環境等に着目し、これまでに得られたデータを含め整理することで減少要因等を検討することとしており、中間取りまとめを踏まえ、気候変動の影響や社会情勢の変化の影響などについて考慮することとしております。
 また、この小委員会における今後の方向性で整理された作業分担を踏まえ、データの蓄積等科学的知見の充実に係る項目のうち、水産小委が担当する項目について情報収集等を行うとともに、必要に応じて知見を有する評価委員や海域小委員会所属委員、この二つの小委員会のうちの、もう片方の小委員会の方になりますが、の協力を得るとしております。
 次に、こちらの資料の3ページ目の下のほうの(2)再生方策の情報収集等として、作業方針で整理された作業分担を踏まえ、水産小委では有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等に係る項目を中心に、平成28年度委員会報告で示された再生方策の実施状況及びその成果の情報収集などを行うとしており、その際、今後の方向性で整理された作業分担を踏まえ、今後の方向性別紙1の再生方策等の実施状況等と課題の整理のうち、今後の課題や取組方針等に記載された課題の解決に向けた取組状況についても情報収集等を行うものとしております。
 この3ページ目までは、これまでの審議内容を踏まえた記載としておりますが、次の4ページ目以降で情報収集に係る具体的内容を示しております。
 4ページの3、今後の情報収集等の具体的内容となりますが、先ほど3ページ目の(2)再生方策の情報収集等で掲げた有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等について、それぞれごとに平成28年度委員会報告で示された再生方策を列記し、再生方策ごとに①関係省庁・関係県の取組状況のヒアリング・関係データの提供依頼として、具体的な検討項目を記載の上、関連事業を掲載し、併せて②としてデータ整理・分析に係る留意事項を記載する構成となっております。4ページ目の(1)有用二枚貝の場合ですと、基本的な方針として、令和8年度委員会報告に向けて、関係省庁等において集中的に調査・研究が実施されているタイラギ、アサリを中心に検討を行うことや、その際、生活史の観点から生息状況を整理するとともに、環境項目等の影響や、海域ごとの環境特性等との関連性などについて、直近のデータを踏まえて分析するとしております。
 その下に片仮名のア)から8ページに至るまでのク)の再生方策は、先ほど説明いたしました構成にて記載しております。例えば、4ページ目のア)広域的な母貝集団ネットワークの形成においては、①の関係省庁・関係県の取組状況のヒアリング・関係データの提供依頼として、有用二枚貝の浮遊幼生や着底稚貝の分布状況、また、アサリの浮遊幼生シミュレーションモデルに係るデータ更新状況などを記載し、関連事業として、ここに4事業をまとめるとともに、②として、下のほうにデータ整理・分析に係る留意事項を記載しております。
 なお、(1)有用二枚貝の最後、8ページ目に作業方針の抜粋として、小委員会ごとの再生方策に係る検討事項の作業分担のうち、有用二枚貝の項目を抜き出して掲載しております。
 次に、9ページ目のノリ養殖にて基本的な方針に記載しておりますが、養殖期間である秋季から春季を調査の対象時期として設定し、水質の状況や競合する赤潮等に関する情報収集等を行うこととしております。
 そして、最後に、11ページ目の(3)魚類等では、基本方針として、資源量動向のモニタリングや赤潮発生予察の検討に資する情報収集等を実施するとしております。
 次に、資料2-3を御覧ください。
 こちらは海域小委員会の情報収集等の具体的内容となっておりますが、2ページ目の最後の行におきまして、先ほどの水産小委員会と同様に、必要に応じて知見を有する評価委員や水産小委所属委員の協力を得るということを記載しております。
 そして、次の3ページ目の下のほう、(2)再生方策の情報収集等といたしまして、作業方針で整理された作業分担を踏まえ、海域小委員会では生物の生息環境、ベントスに係る項目を中心に、平成28年度委員会報告で示された再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を行うとしており、その際、今後の方向性で整理された作業分担を踏まえ、今後の方向性別紙1の再生方策等の実施状況等と課題の整理のうち、今後の課題や取組方針等に記載された課題の解決に向けた取組状況についても情報収集を行うものとしております。
 また、4ページから水産小委と同様に、やはり情報収集等の具体的な内容となっております。先ほどの3ページ目の(2)再生方策の情報収集等で掲げた生物の生息環境、そしてベントスに係る項目を中心に、一部担当が含まれる有用二枚貝、魚類等を含め、それぞれごとにまとめております。
 4ページ目の(1)生物の生息環境では、基本的な方針として、生物の生息環境として、底質改善、河川からの土砂流入、藻場・干潟・カキ礁の保全・再生、漂流・漂着・海底ごみ対策等に関する情報収集等を実施することとしております。
 次に、7ページ目の(2)ベントスでは、基本的な方針といたしまして、ベントス群集及び関連する海域環境項目のモニタリングによるデータ蓄積を継続するとともに、ベントスの生息環境に関連する海域環境項目に着目し、データ整理等を実施することとしております。
 次に、8ページの(3)有用二枚貝では、基本的な方針として、令和8年度委員会報告に向けて、関係省庁等において集中的に調査・研究が実施されているタイラギ、アサリを中心に検討を行うとしております。
 最後に、10ページの(4)魚類等では、基本的な方針といたしまして、魚類等の生活史に関する情報収集等を踏まえ、対象とする海域における海域環境項目の状況を整理することとしております。
 ここまでは5項目の区分で記載してまいりましたが、海域小委員会では、次の12ページ目に(5)気候変動の影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等として、新たに情報収集等を行うこととした事項に関する知見の情報収集等について記載しております。
 ア)気候変動の調査・研究の②の留意事項といたしまして、有明海・八代海等の気候変動影響に係る知見の収集に当たっては、関連すると思われるキーワードによる文献検索を行い、情報を収集・整理すること。また、有明海・八代海等の知見の収集のほか、日本の海域全体の気候変動影響に関する知見を収集・整理するとともに、有明海・八代海等の現地で長期間モニタリングした調査結果も収集・整理すること。そして、三つ目といたしまして、基礎的な情報である気象データについて、経時的なデータを収集・整理し、長期的な傾向を分析することなどを記載しております。
 次に、イ)流域を意識した生態系のつながりや渡り鳥等の②留意事項といたしましては、渡り鳥のうちシギ・チドリ類は干潟生態系の指標として、ガンカモ類は陸水域生態系の指標として調査が実施されているため、これらの生息・飛来状況等に着目して分析すること。有明海・八代海の干潟等に生息・飛来するシギ・チドリ類、ガンカモ類等の個体数について、経時的なデータを収集・整理し、長期的な傾向を分析する。個体数の収集・整理に当たっては、有明海・八代海以外の内湾のデータも整理することなどを記載しております。
 次に、ウ)社会経済情勢等の変化の留意事項といたしましては、有明海・八代海等の流域における人口、土地利用などの経時的データを収集・整理し、過去からの変化状況を確認すること。また、これら社会経済的なデータと流域環境を指標するデータとの関連性について比較・検討し、社会経済情勢等の変化が流域環境に及ぼす影響について分析することなどを記載しております。
 以上が小委員会で決定いたしました情報収集等の具体的内容となりますが、このように、どのようなデータを集めるのかを示した具体的な内容について、第11回小委員会にて、個別開催のときの検討で出た意見を踏まえ、例えば3ページ目の表、こちらのデータの蓄積等科学的知見の充実に係る項目では、下から三つ目の丸、こちらの有用二枚貝、魚類等の資源量、漁獲量において、元はこちら、水産小委のみの分担が記載されておりましたが、見直しを行い、海域小委を追記しております。
 また、両小委員会での指摘や意見を踏まえ、事務局より提示いたしました留意事項、こちらは資料2-4となりますが、こちらを踏まえて、次の第13回小委員会から情報収集等を行うこととしております。
 また資料2-1に戻ります。
 次に、資料2-1、2ページ目の2、連関図の方向性の検討についてです。こちらにつきましては、第11回小委員会において、事務局から提示した連関図の方向性の検討、こちらは参考資料5となりますが、こちらを基に連関図の方向性の検討に係る論点について、小委員会内で意見交換を行った結果、今後、改めて検討の方向性について事務局より示すこととしております。
 次に、3、委員会報告の章立・項目(骨子案)についてですが、第50回評価委員会にて決定された今後の審議の進め方のうち、令和8年度報告の記載項目のイメージ案などをベースに作成した報告の章立・項目(骨子)について、第12回小委員会にて意見交換を行いました。小委員会での意見を基に、事務局で修正を加えたものを次の議題3として御審議していただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からの説明は以上でございます。
○古米委員長 御説明、どうもありがとうございました。
 それでは、資料2-1から2-4ということで、小委員会における取組について御説明いただきましたけれども、これについて何か御質問があれば賜りたいと思います。いかがでしょうか。オンラインの参加の方も挙手をしていただければ助かります。よろしいでしょうか。
 大嶋委員、お願いいたします。
○大嶋委員 取りまとめ、どうもありがとうございました。
 一つ気になるのは、やはり有明海だけの特徴というのはどれなのかというのは、明確にされていますでしょうか。やはり有明海・八代海にフォーカスしていて、ほかのところでも同じように変動している部分というのは、やはりあると思うのですね。やはり、そこはきちんと差別化というか、星印をつけるなりなんなりして、ここは特徴的だというのは、ちゃんとマークしておくべきではないかと思うのですね。この問題は、やはり有明海がどういうところが特徴的なのかというのをきちんと理解をするのが大事かなと思いました。
 それと、あともう一点ですが、例えばタイラギですが、これ、有明海というのは、韓国とか中国とほぼ似たような環境にあって、タイラギは韓国にもいるのですね。中国にもいますし、ほかのやつとかもいますので、たしか韓国では、あまりタイラギは減っていないというのは聞いているのですが、ですから、そういうふうな、もう少し海外に向けても同じような環境、有明海というのは、東シナ海沿岸、ほぼ同じような生物をしていますので、そことの比較という視点も、やはりあってしかるべきなのかなと思いました。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 事務局から何かありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 貴重な御意見、ありがとうございます。御意見を踏まえまして、有明海に特化したところが分かるようにどのようなことができるかというところを検討してまいりたいと思います。
 また、国外等のよく似た環境等の事例につきましては、どの程度情報が集められるかというところもありますが、相談していきたいと思います。ありがとうございました。
○古米委員長 大嶋委員、よろしいでしょうか。私の記憶だと、海域環境の気候変動のところでは、有明海・八代海以外のところも見て、どういう特徴があるのかという整理をするということが書いてあります。ほかの項目についても同じように整理すると思いますが、どういう形なのかというのは今回、記載はされていません。意識されていると思いますので、今後の作業に生かしていければと思います。
 ほかに御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に挙手がないようですので、先ほど大嶋委員から御指摘のあったところを踏まえて、今後、小委員会の情報収集に反映していただければと考えております。ありがとうございました。
 続きまして、議題の3に移らせていただきます。令和8年度委員会報告の章立・項目(骨子案)についてということで、事務局より御説明をお願いいたします。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口でございます。私から御説明させていただきます。
 説明に当たっては、資料3、委員会報告の章立・項目(骨子案)の検討と記載されているもの、また、参考1として、令和8年度報告の骨子案と過去の報告との項目比較を主に使用しますので、こちらを御覧ください。
 こちらにつきましては、昨年12月8日に開催いたしました第12回小委員会でいただいた御意見を基に、事務局で修正を加えたものとなりますが、御意見等の概要は、最後にまとめてお示ししたいと思います。
 最初に、資料3、委員会報告の章立・項目(骨子案)の検討についてですが、こちらの1の基本的な考え方の文面は、令和5年1月12日に開催いたしました第50回評価委員会で決定した、今後の審議の進め方での記載を基にしたものであり、こちらは小委員会の作業方針の基本的な考え方の前半部分と同じものですので、御説明は省略いたします。
 次に、2の委員会報告の章立・項目(骨子案)の検討、こちらについてですが、第50回評価委員会で決定された今後の審議の進め方において、令和8年度委員会報告の記載項目のイメージ案、これは今回、参考資料4としてお配りしているものの別紙2に相当しますが、こちらで全体的な方向性として、記載の4項目を提示していたところです。
 まず一つ目として、中間取りまとめを踏まえ、平成28年度委員会報告をベースに現状を整理。二つ目として、次期再生目標、再生方策の提示。三つ目として、気候変動の影響などの新たな視点を追加。四つ目として、再生目標の達成状況に係る評価の実施(海域ごとの状況は資料編に掲載する等、報告書本体については軽量化する。)としております。
 これらの事項を踏まえて、令和8年度委員会報告の章立・項目(骨子案)の検討に向けた目次構成案(たたき台)を作成いたしました。
 2ページ目から4ページ目、こちらに令和8年度委員会報告の目次構成案(たたき台)として記載しております。こちらは令和8年度委員会報告の記載項目イメージ案で示した各章の記載の方針をベースとして構成したものとなります。
 また、この資料の5ページ目から7ページ目には、参考1として平成28年度委員会報告の目次を、8ページ目から9ページ目には、参考2として令和3年度中間取りまとめ目次を掲載しておりますが、こちらの章立・項目も参考にしております。
 それから、こちらは少し細部の話になりますので、まずは資料3(参考1)と記載をしております、令和8年度報告の骨子案と過去の報告との項目比較という表題の表を御覧ください。
 こちらは平成18年度報告、平成28年度報告、令和3年度中間取りまとめ、令和8年度報告の骨子案を中項目レベルで比較したものとなります。この表を用いまして、令和8年度報告の骨子案の体系を説明させていただきます。
 初めに、1章、有明海・八代海等総合調査評価委員会ですが、この章では、委員会のこれまでの経緯、令和8年度委員会報告の位置づけ等を記載するという方針の下、平成28年度報告、令和3年度中間取りまとめの構成も参考に、記載項目例として整理しております。
 本章では、委員会の経緯、委員会報告について、平成28年度委員会報告における基本的な考え方と再生目標、中間取りまとめの概要、令和8年度委員会報告の位置づけ、令和8年度委員会報告に係る検討状況、令和8年度委員会報告の構成といった記載を想定しております。
 続きまして、2章、有明海・八代海等の概要でございますが、この章では、海域の特徴、背景について、平成28年度委員会報告での記述内容を更新する方針としております。海域の背景としましては、平成28年度委員会報告でも流域人口等、土地区分状況、産業構造の推移、こういったものを記載しておりましたが、これらの指標の現況について、まずは記載することを想定しております。
 なお、令和3年度中間取りまとめでは、令和8年度委員会報告に向けて必要となる検討事項等について取りまとめたものでございましたので、こちらでは平成28年度委員会報告以降において、新たなデータや知見等が得られた情報を中心に整理を行いましたので、平成28年度委員会報告と目次構成が異なるところも多々ございました。令和8年度委員会報告では、原因・要因も含めた考察を行いますので、平成28年度委員会報告の目次構成を基本として、中間取りまとめの目次構成・内容も参考にしながら整理しております。
 続きまして、3章、有明海・八代海等の環境等の変化でございますが、平成28年度委員会報告、令和3年度中間取りまとめでは同一項目で整理しておりました。令和8年度委員会報告においても、平成28年度委員会報告に記載されていた項目は継続するとともに、中間取りまとめでの指摘を踏まえ、新たな視点である気候変動や社会経済情勢の変化について追加する方針ですが、現時点では記載順を決めているわけではございませんので、並列ということの表記にしております。
 なお、令和3年度中間取りまとめでは、先ほども申しましたように、平成28年度委員会報告以降において、新たなデータや知見等が得られた情報を中心に整理を行いましたが、令和8年度委員会報告では、中間取りまとめでは組み込んでいなかった原因・要因も含めて考察を行いますので、中間取りまとめで既に掲載したものや、既に情報収集等を行っていたが記載をしなかったものも含めて、平成28年度委員会報告以降において、新たなデータや知見等が得られた情報を中心として、原因・要因の考察に必要な内容を盛り込むことを想定しております。
 続きまして、4章、問題点とその原因・要因の考察ですが、こちらは前章を受けて、現状の問題点について整理する方針としております。基本的には、平成28年度委員会報告の目次構成を踏襲する方向で考えておりますが、こちらの問題点とその原因・要因の考察として、海域区分ごとに全268ページ記載していたところ、先ほどの全体的な方向性でお話ししたとおり、令和8年度委員会報告では、報告書本体の軽量化を目指し、海域ごとの考察は資料編に掲載することを検討したいと考えております。
 続きまして、5章、再生方策の実施状況等と課題の整理ですが、第50回評価委員会で提示しました令和8年度委員会報告の記載項目イメージ案では、5章、再生目標に対する評価として、次の6章の内容をまとめて一つの章として記載しておりました。平成28年度委員会報告では、再生方策の実施状況等と課題の整理に相当する内容というのはございませんでしたが、令和3年度中間取りまとめにおいて、平成28年度委員会報告に掲げられた再生目標の達成状況等の定期的な確認とともに、当該取組について検証し、これらも踏まえて、有明海・八代海等の再生に係る評価を適切に実施するとしたところであり、再生に係る評価は、その前の章の有明海・八代海等の環境等の変化、問題点とその原因・要因の考察、再生方策の実施状況等と課題の整理の状況を踏まえて総合的に評価することを踏まえ、独立した章としたほうがよいのではないかという考えの下で、このような整理としております。この5章では、連関図及び関連する再生方策の実施状況や再生方策ごとの進捗状況を整理する方針としております。
 続きまして、6章、再生目標に係る評価ですが、平成28年度委員会報告では、直接的な項目はなく、実質的には、こちらの4章の問題点と原因・要因の考察が再生目標の達成状況の確認、検証の役割も持っていたと考えております。
 今回、この6章では、3章から5章の状況を踏まえ、平成28年度委員会報告に記載された再生目標に対する現状の評価、今後の展望について整理する方針としており、本章の構成、再生目標の達成状況に係る評価の考え方、再生目標に係る現状の評価、まとめといった構成を考えております。
 最後に、7章、再生への取組ですが、ここでは令和9年度以降の再生目標の設定、令和9年度以降の再生目標を達成するための再生方策の設定を行う方針としており、平成28年度委員会報告の5章と、令和3年度中間取りまとめの第4章、こちらを合わせたようなものとして考えておりまして、本章の構成、令和9年度以降の再生目標の考え方、再生方策の考え方、再生目標と再生方策、今後の課題といった構成を考えております。
 ここまでは過去の報告との項目比較という形で、全体的なところを説明させていただきましたが、少し細部の話として、先ほどの資料3に戻りまして、2ページ目を御覧ください。
 先ほどまでは、こちらの表のうち、各章の方針と中項目の例のところに相当する箇所を中心に説明をさせていただきました。
 1章は、先ほどの説明のとおりでございまして、2章に関しては、検討に当たり特に留意する事項として、海域の背景のところで、3章に当てはまらないが、以降の4~7章の議論に必要な基礎情報は本編2章に、その他は資料編に掲載することも検討と記載しております。これは報告書本体の軽量化の一環として考えているところです。
 次の3章のところの、検討に当たり特に留意する事項として、ここの※印のところも含めてなのですけれども、各項目で4~7章の議論に必要なものは本編に、その他は資料編に掲載することも検討の部分も、先ほどと同様の趣旨で記載しております。
 なお、平成28年度委員会報告の3章、4章に相当する部分に関しましては、図表に掲載された調査結果等の年次更新や、委員会報告後に新たに公表された文献収集等は、これまでも事務局で行ってきたところですが、新規項目の気候変動、社会経済情勢、そして藻場・干潟等では、鳥類等干潟生態系についても言及する方向としており、新たな作業を多く伴いますので、次回以降の海域小委員会の中で御議論をいただくことを考えております。
 戻りまして、2ページ目から3ページ目の3章の内容に関しまして、内容(例)で記載している項目についてですが、継続項目に関しましては、過去の例、つまりこの資料でいいますと、5ページ目から9ページ目の項目を参考に整理したところでございまして、新規項目及び拡充項目は、本日の資料2-3も参考に記載したところです。
 なお、こちらの内容(例)として記載しているものにつきましては、今後、情報収集等が進み、報告書の執筆を行っていく中で、追加・修正も出てくると思いますが、現時点でのたたき台として記載しております。
 なお、こちらの気候変動や社会経済情勢の変化状況に関しては、最初に記述したほうがよい部分と、こちらの汚濁負荷以降の項目を踏まえて記述したほうがよい部分もあると考えておりますが、一旦記載してみないことには、どのような順番・方法で記載するほうがよいか、何とも言えないところもございまして、委員の皆様の御意見も伺いながら、今後検討していきたいと考えております。
 その他、こちらの2ページ目の河川からの土砂流入のところでは、検討に当たり特に留意する事項として、土砂流入に関する知見等は平常時、豪雨時それぞれ整理・検討としています。これは、令和3年度中間取りまとめでは豪雨時の調査結果を基に整理しておりますが、その際、平常時における土砂流入に関する知見等については、令和8年度委員会報告で取りまとめる予定であると記載したことによるものです。
 また、次の3ページ目の水質に関しまして、水生生物保全環境基準について、全亜鉛、ノニルフェノール、LAS、これは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の略称でございますが、こちらも整理しております。
 有明海は、国が水質環境基準に係る類型指定を行う水域でございますが、平成29年10月の中央環境審議会の答申を受けまして、平成30年3月に類型指定を行ったところです。
 一方、八代海は、熊本県、鹿児島県が類型指定を行う水域となりますが、こちらは前者が昨年7月、後者が昨年11月に類型指定を行ったところであり、関連情報を整理していく予定です。
 なお、平成28年3月に生活環境項目に係る水質環境基準に追加された底層溶存酸素量の類型指定に関しては、国が水質環境基準に係る類型指定を行う水域のうち、海域では、令和3年度に東京湾、令和4年度に伊勢湾及び大阪湾の湾奥部のみで行われましたが、瀬戸内海、有明海が残っている状況であり、令和8年度委員会報告では、どのような記載になりそうかも含め、現時点でははっきりと言えないところですが、平成28年度委員会報告の再生方策にも記載がありますので、今後の小委員会等の場で、適宜検討状況について情報提供を行う予定です。
 もう一つ、形態別の窒素の経年変化も整理・検討についてですが、こちらは平成28年度委員会報告で言及があり、令和3年度中間取りまとめでは、今後の検討が必要と考えられるということで、資料編に平成29年度以降の形態別の窒素データを掲載しておりますが、実質的な検討を記載しておりませんでしたので、これも整理・検討を行う事項として挙げております。
 次に、4章のところ、3ページ目の真ん中より下のところになりますが、検討に当たり特に留意する事項として、問題点とその原因・要因の考察のところで、先ほどの海域区分ごとの考察は資料編に掲載することを検討のほか、平成28年度委員会報告後に新たな知見等が得られた事象、改善・向上した内容の整理と、その連関図への反映、未解明であり引き続き調査が必要な事象・課題の整理といったことを記載しております。
 次の4ページ目に行きまして、5章のところになりますが、こちらにつきましては、生物の生息環境、ベントス、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等の5項目ごとに、平成28年度委員会報告に記載された再生方策について、それぞれ平成28年度委員会報告による問題点等、再生方策等の実施状況等と課題、ここまでは令和3年度中間取りまとめと同じ内容になりますが、これに加えて、今後の再生方策等の方向性等を整理することを想定しております。
 また、検討に当たり特に留意する事項として、連関図及び関連する再生方策の実施状況との関係図も掲載と記載しております。
 続きまして、6章のところでは、下のほうに行きまして、再生目標の達成状況に係る評価の考え方の検討に当たり特に留意する事項として、平成28年度委員会報告に記載された再生目標の達成状況に係る評価の考え方を別途整理・検討と記載しておりますが、こちらは今後の評価委員会で別途御議論いただくことを想定しております。
 なお、次回以降の小委員会では、まず3章、4章、5章の議論に必要となる情報収集等に関して重点的に取り組んでいただくように、資料の準備を進めているところでございます。
 なお、7章のところの再生目標の考え方、再生方策の考え方も同様に、方向性については今後の評価委員会で御議論いただくということを想定しております。
 最後になりますが、資料3(参考2)、令和8年度報告の骨子案等に係る小委員会における主な指摘事項と記載した資料を御覧ください。
 こちらは、第12回小委員会での委員等からの御意見をまとめたものになります。
 一つ目として、鳥類等陸域生態系という記載に関して御意見がありましたが、こちらにつきまして、もともと第47回、第48回評価委員会での委員の意見としては、鳥類やラムサール条約登録湿地に係る記述が少ないので、もう少し記述をしてほしいというところが趣旨でございました。これを踏まえまして、今回の資料3の作成に当たり、陸域と書いていたものを干潟ということで修正の上、検討に当たり特に留意する事項のところに記載しております。ただ、どこまでの内容が記載できるのかといいますのは、今後の情報収集等によりますので、情報収集等の状況を踏まえながら、適宜関係する委員の方に今後、記載内容や資料提示の仕方について御相談させていただきたいと考えております。
 二つ目としまして、新規項目である気候変動や社会経済情勢の項目立ての順番について御意見がありましたが、事務局としてもいただいた御意見の内容は認識しているところでございまして、今後の情報収集等を基に、一旦記載してみた上で、委員の皆様の御意見等もお伺いしながら、どのような順番・方法で記載するほうがよいか、今後検討していきたいと考えております。
 最後に、三つ目として、海域区分のうち、有明海湾奥部のA1海域について、御意見がございました。こちらにつきましては、中間取りまとめの際も類似の御意見がございまして、第49回の評価委員会で、当時の閉鎖性海域対策室室長が海域区分について、ここは平成28年度報告などとの比較といった継続性の観点もあると思うということで、区分を改めるということも一つの選択肢かもしれないが、それよりも海域区分の中での考察において、その海域内での特徴的な水域があるのであれば、その違いを含めた考察をするというアプローチもあるのではないかといった発言をしております。こちらにつきましては、また改めて御意見がございましたので、また委員の先生方にも御相談しながら、海域区分に関する方向性を最終的に決定していくような形で進めたいと考えております。
 今回、委員会報告の章立・項目(骨子案)の検討を議題としておりますが、これは今後の作業を進めていく上での現時点でのたたき台であり、今後、情報収集等が進み、報告書の執筆を行っていく中で、追加・修正も出てくるものと考えております。事務局で今後の作業を進めるに当たり整理したものですので、御意見等をいただければと存じます。
 説明は以上です。
○古米委員長 どうも御説明、ありがとうございました。
 私なりに取りまとめをしたいと思います。令和8年度骨子案については、基本的に平成28年度の報告の構成に準じて行うのだけれども、中間取りまとめで議論があったように、再生目標自体をしっかりと見直すというか、しっかりと定義をするということと、実際に行われている方策がどういう連関図の問題点に係って行われているのかということを明確にすることによって、次の再生方策を明示すると。そうすることによって、問題点であるとか今後の展開が分かりやすくなるだろうというように、中間取りまとめの段階で議論があったと。それを踏まえて、前回は5章構成だったものが7章に増えていて、それぞれ実施状況を連関図と関連づけながら整理する。また、前回の再生目標はこうだったけれども、この位置づけについてどう見直しをしたほうがいいのかといったところを明示しながら、7章で今後どうすればいいのかという再生目標と再生方策を構成立てしようということです。もちろん、新規の情報があり、新しい再生事業もあるし、データも増えてきているので、それはしっかりと反映する。また、前回は3章、4章のところで環境状況を整理していますけれども、4章が非常に長いページであったので、そのエッセンスをしっかりと書き込むことにして、資料編で詳細内容は示すという形にしたほうが本編としてはいいのではないかという議論も中間取りまとめ以降で行われたところがポイントかなと思っております。抜けているところはあるかも分かりませんけれども、章構成が変わっていることと、どこが重要な観点で構成が変わっているのかだとか、記載の内容がどう変わるのかということについて、私なりに説明させていただきました。
 つきましては、今後の作業方針を決定づける最終的なアウトプットの章構成がこういう形になるということをイメージした上で、本当にこういう構成でいいのかだとか、こういうものが抜けているのではないかな、あるいは、こういう章立がいいのではないかということも含めて、御質問だとか御意見を伺いたいと思います。遠慮なく。
 灘岡委員、どうぞ。
○灘岡委員 今の委員長の御説明でもあったのですが、5章の再生への取組のところ、再生目標というのをしっかり整理し直してという御説明でした。そこでの基本的なことの質問なのですが、再生目標を議論するとき、よく目標年次を議論しますよね。そういうものはしっかり書き込むことになるのでしょうか。大体何年先に達成しようというふうに取り組むのかというのは、基本的なこの種のマスタープランというのですか、基本的なスタンスだと思うのですが、そこはどうなっているのですか。
○古米委員長 事務局より私が先に発言します。中間取りまとめのときやそれ以降で、議論があった内容としては、御指摘のように、目標を決めれば、どこまで再生が進めばその目標が達成しているのかという評価の方法があって、それに応じて、達成するためには10年、20年かかるだろうというようなことで、目標年次もそれに深く関わると思うのですよね。ただ、平成28年度の再生目標というのは、私からすると、非常に重要なキーワードとか重要な内容は含んでいるのだけれども、それがいつ達成できればいいかというのは、明確には示さないまま目標を明示されたということだったと思います。令和8年度の委員会報告に関しては、どういう形で目標を提示することがよりいい方策を示し、その成果をチェックしながら進めていけるのか、ある程度の評価ができた段階で、この項目については改善されたと判断できるようにしてはと考えます。数値目標的なものが設定できる項目に関しては、目標年次みたいなものを示す可能性は、私はゼロではないかなと思います。きっと特段、まだ具体的に検討はしていませんが。
○灘岡委員 なぜそういう質問をしたかといいますと、今回というか最近の議論で、気候変動を入れましょうという、それは皆さん合意したわけですね。どうも今日の説明を聞くと、3章の環境等の変化というのは、データをしっかり多角的、統合的に吟味した上で、これまでの環境の変化をしっかりここでまとめましょうと聞こえました。だけども、気候変動というのは、特になのですけれども、項目によってはまだはっきり顕在化していない、中には顕在化しつつある、いろいろ千差万別だと思うのだけれども、少なくとも今後の時間スケールとして、二、三十年、あるいはもっと先まで考えると、明らかに気候変動のいろいろなファクターはより顕在化していく、悪い方向に。それを想定した上での再生目標と考えなければいけないということを我々は合意したことになります。ということは、今までのデータで顕在化して、まあ、他の海域との比較もあればもっといいでしょうけども、それだけにとどまらない議論がされるべきですよね。
 具体的にいうと、気候変動の影響というと、いわゆるクロニックの影響。要するに、毎年じわじわ水温の上昇なんて典型的ですよね。海洋酸性化もそうですけれども。クロニックの影響だけではなくて、エピソディックなディスターバンスですね。例えば巨大台風が来ますとか、そういうパルス的、イベント的な、そういうファクターがあります。大きくざっくり分けると、そういう2分類ができるかと思うのですけれども、今回議論になっている、例えば豪雨が増えてきているようだと。いろいろな論文が出ていますが、こういう北太平洋西側のエリアというのは、将来的に台風のインテンシティは明らかに増える傾向にあるのですよ。そういうものが増えていると、どこかスレッシュホールドがあって、どこかの段階で、例えば流域からの土砂流出なんかが一気にどんと増えるような状況が出てくるかもしれない。それをしっかり定量的に書き込むというのは、今からはトゥーマッチかもしれないのだけれど、そういうことを想定しなければいけないという議論は、どこか一節でも明示的に入れるべきだと思うのです。章の構成として。節でもいいですよ。そういうのが、せっかく気候変動を入れると合意したにもかかわらず、章の構成上には見えてきていないのですよね。それぞれ関係しそうなところに少し触れるのかなと想像はしますけど、むしろそういうことをしっかりおもてにイクスプリシットに書き出すということが非常に重要かなと思います。
 関連して、4章で、細かく海域を区分けしてというのは、それはある意味いいのだが、一方で、湾全体でという節も入れるという、それは分かるんです。分かりやすい区分だと思います。だけども、実現象としては、例えば流域等の話というのをしっかり入れなければいけないのだけども、海域の関係性というのは、この章立でどこに入るのだとか、あるいは海域のネットワークという言葉がどこかにありましたけども、母貝団地集団の話かな。母貝団地集団の節だけにとどまらず、ほぼベントスは総じてソース、シンクの関係にあって、メタ個体群動態的な把握をしなければいけない。どこかで産卵すれば、それが幼生分散によって別の海域にたどり着いて、そこのローカルな加入環境に支配される。シンク側の加入先の環境でほぼ決まるのだったら、海域を小分けにした議論は有効かもしれないけども、それだけでは個別の事象としては言えない部分は当然いっぱいあって、そのように湾域全体がネットワークでつながっていますから、そういう重層的な立体的な関係をどこでどう総括するのかという。そこに陸との関係性も入ってくるし、重層的なのですよね。だから、付録にしますというのは、分量をあまりだらだら書かないようにするという意味では重要かもしれないけど、逆に総括をどのようにしっかりまとめ上げるかって、とても重要になります。できれば、いろいろな原因究明云々というのを、例えば資料2のところに書いてあったけれども、いろいろなデータを集めて、統合して解析するというようなことを書かれているので、本当は事務局任せにして、数か月に1回の委員会で議論するような話では済まないのではないかという、作業分量的に。できればタスクフォース的なものを設定して取り組むべき重要な課題かなと思いましたので、そこも提案ですが、是非御検討いただければと思いました。
 以上です。
○古米委員長 事務局から何か関連の御回答なりお考えがあれば。
○川口海域環境管理室室長補佐 では、まず気候変動に関するところから先にお話をしますが、まず、今説明したのは、確かに3章のところを踏まえてということであれば、過去からの部分の話を中心にしましたことになりますが、それとは別に、今の段階で継続中の部分がありますので、どこまで入れるかというのは、はっきり言えないところです。令和5年度から令和7年度まで、環境研究総合推進費で、今研究をしていただいている部分がございまして、そちらについて、テーマとしては自然外力の増加に適応する水環境保全に向けた有明海・八代海等の気候変動影響評価ということで、こちらの委員会の委員としても入っていただいている矢野先生や海域小委員会の専門委員である東先生とか、そういったメンバーで、いわゆる豪雨時だったりとか、台風とか、その辺も京都大学防災研の方も入っていただいていますが、そういった極端な事象が起きたときの、いわゆる確率的の観点からの発生頻度とかも踏まえて気候変動影響を見ていこうという取組をしているところでございます。そちらの取りまとめの方向性がある程度見えてくれば、こういった目次の構成のところに入れることも可能とは思ってはいるのですが、現時点ではまだ、いわゆる令和8年度委員会報告でどこまでのことが言えるかというところがはっきり言えない部分がございまして、今はまだ入れていないのですが、そういったことは一応想定に入れております。
 あとは、海域区分といいますか、いわゆる海域ごとに細かく見る部分と全体的に見た部分の話なのですが、もともと平成28年度委員会報告で、初めて海域区分ということで設けているのですが、そのときの議論の中で言いますと、結局、有明海・八代海等は様々な環境特性を持ち、生物の生息状況も異なることから、問題点とその原因・要因が海域ごとに異なるものもあると考えられるため、まず海域特性により区分して、個別海域ごとに問題点及びその原因・要因の考察を進めることによって、各海域の再生に係る適切な評価、再生方策を見いだすことにつながることが期待できるということで、まず平成28年度は、海域区分ごとに評価をした上で、有明海全体、八代海全体ということで評価をしているところなのですけれども、今回、灘岡先生の御意見も踏まえまして、どのような形で示せるのかというところを、また事務局でも検討していきたいと考えております。
○古米委員長 大事な御指摘は、今回は新しく再生目標を設定するために、前回のものを検討しましょうということなので、従来の考え方を進化させていくのだけども、私が発言したように目標がどう達成されるのかということも、大事なのだけれども、同時に、将来、10年先、20年先の気候変動が有明海・八代海にどう影響するのかということを想定した形で目標設定しないといけない。それに対して、どういうものが方策としてあるのかだとか、それがどこまでいけば目標に近づいているというような形を作らないといけない段階になっている。しかし、残念ながら、3章のところに気候変動の記述はあるけれども、そういったものが4章、5章、6章にどう反映した形で出るのかというところが今回の章立の骨子案にはあまり見えないので、それは明確にしたほうが良いというのが一つで、私もそのように思いました。
 もう一つは、海域区分ごとの成果は、別に付録にいくわけではないのだけど、資料編に整理されて詳しい内容が載ること自体は問題ではないのだけれども、海全体をどう捉えるのかというところを充実した形で4章を取りまとめるのですよねという確認をされたと思います。そのときに、取りまとめる上では、母貝団地の広域的なネットワークの話もあるし、気候変動によって出水があったときに、広域に影響が出ることもあり、流域の影響もあるので、そういったものをいかに整理しながら、実のある報告書にするのかということが大事ですよと。とても大事な御指摘をいただきましたが、それを実行するには、今の体制でいいのかというのが3番目の指摘だと思います。これらが、私が理解したポイントです。
○灘岡委員 ありがとうございます。
○古米委員長 それに対して、情報を集めて対応するということは可能ですが、幸いにも有明海・八代海をターゲットに、流域モデルと海域モデルを結合して気候変動の影響を考慮に入れた形の研究が環境研究総合推進費で採択されました。それは、今年度から始められたのですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね、気候変動は矢野先生が代表者である研究ですので、今年度から開始されています。
○古米委員長 矢野先生が代表者である研究が今年度からスタートして、あれは3年、2年でしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 3年間です。
○古米委員長 研究成果が出てくると反映できるというのが回答というところですよね。
○川口海域環境管理室室長補佐 はい。全体的な体制のことは、私のほうからは難しいので。
○古米委員長 最後のところは、体制の問題だから、きちんとどうするのかというのは。
○灘岡委員 今日は章立の話なので、そっちがメインでいいのですけど。
○古米委員長 現状ではいいのだけど、今回の方向で章立をしましょうねという共通認識ができたら、それを達成するためにはどういう体制がいいのかというのを同時並行で考えなければいけないということだと思います。とても根本的な御指摘で、なかなか簡単ではなく、すぐにこの段階では答えは出ないと思いますが。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね、今の浮遊幼生のネットワークとかの話は、再生方策のところの個別のところでは入ってはきているのですが、全体的なまとめとしては、まだ章立のところまでは考えてはいなかったところですので、全体像がどのように、いわゆる海域との関係というところが示せるかというところについては、どういう方法が考えられるか、今後、事務局でも検討していきたいと思います。
○古米委員長 きっと簡単には答えられる段階ではないですが、章立の構成だとか、そこの重要な留意点というのかな、それは御指摘いただいたと思うので、それを反映した形で再度取りまとめをして、皆さんに確認する必要がある内容かなと私は思いました。
 会場におられる委員、さらにはオンラインで参加の方々で御質問、御意見があれば、是非お願いしたいと思います。これ、とても大事なところなので、気になる点を次々御指摘いただければと考えます。
 清本委員、お願いします。どうぞ。
○清本委員 水研機構の清本です。
 3章の章立に係る部分で、赤潮と生物の部分に係るのだと思うのですが、プランクトンに係る記載についての質問です。
 生物のところの知見の充実に係る項目というので、基礎生産との関係を含むという括弧書きがありましたので、プランクトンのうち、二枚貝の餌生物に係るような部分は、生物のほうで記載することを想定しているのかなと読んだのですが、そうなると、植物プランクトンに係る部分が、赤潮原因種については赤潮の項で、餌生物としての視点については生物の項でというふうに切り分けて書かれることになるのかなと思ったのですが、その辺の整理をどのように仕分けることを考えておられるのかを質問したいなと思いました。
 それから、赤潮生物については、多くが植物プランクトンの部類に入るものだと思うのですが、魚類の餌生物としては、動物プランクトンというものも入ってくると思うのですが、動物プランクトンは、今までほとんど取り上げられていなかったと思うので、動物プランクトンも含めた基礎生産との関係ということなのかどうかというところと、植物プランクトンを赤潮と生物で切り分けるのであれば、切り分けることで記載の抜けがあったりとか、考察がしにくかったりとかということにならないような整理をお願いしたいというところで、その辺についての項目立ての具体的なところについて、事務局に質問をさせていただきたいと思いました。
そういう切り分けについての心配事項としては、今後、再生というのを考える上では、汚濁負荷というか栄養塩ですね、そこから植物プランクトンなりを通して高次生産者へのエネルギーフローですね、それがうまく漁獲物として回収されていたはずの有明海で、そこのエネルギーフローがうまく流れないようになっているというのが現状の大きな問題点だと思いますので、再生のための整理をするという意味で、その辺りですね、赤潮なり餌生物なり、その辺がうまく整理ができて、再生方策に結びつくような整理を是非お願いしたいというところでの質問です。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにあればお受けしますが、ほかに挙手がなければ、今のことについて事務局、お考えがあれば御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 きっと、御指摘のように、赤潮のところでは問題になるプランクトンの議論があるのと、有用二枚貝に関しては、餌として大事な植物プランクトンの話がありますので、プランクトン全体として記述するとすれば別の節にする必要があります。これらを上手に整理することができれば、今の項目立てでも可能かなと私は思います。新しい節立てをするよりは、その対応を明確にすればよくて、清本委員が言われるように、それをどういう形で記述しておくことがいいのかということです。4章でそういった記述を入れることでも可能だし、3章の中でも関連づけて、8節のところについても、9節のほうを見てくださいという形で整理することも可能かと私は思いました。
 もう一つ、重要な点は、水産資源の再生を考えると、基礎生産に支えられる高次の消費者が最終的には魚類だったりするわけですけど、その前の栄養段階の消費者が餌になるわけで、さらにその前の段階が植物プランクトンであることで御指摘がありました。そういった餌生物としての整理の仕方というのは、今の生物と節のところには記載はなくて、問題になっている水産資源が対象です。また、赤潮の問題は書いているのだけど、餌生物としての植物プランクトンをどう捉えるのかということです。有明海の中で生態系がどうなっていて、どういうエネルギーフローになっているかという図がもし描ければ、どこに問題点があるかを示すことができると思います。実際どれぐらい植物プランクトンのデータがあり、いわゆる栄養段階のヒエラルキーを描けるだけのデータがあるかどうか私は知りません。そのようなデータが少なくともないとしたら、そういったエネルギーフロー図を作っていく必要があるという課題を書くことになるのかなと思いました。要は、問題になるプランクトン類ではなくて、次の有用な水産資源のための餌生物としての植物プランクトンだとか動物プランクトンみたいなものの位置づけがこういった調査報告、最終的な報告書の中で目立つ形で出てくることが、今後の再生方策を考える上でも重要なのだということを清本委員は御発言されたのかなと、私は解釈しておりますけれども。
 清本委員、このような感じでいかがでしょうか。
○清本委員 まとめていただいてありがとうございます。舌足らずで申し訳ありませんでした。
○古米委員長 きっと事務局は、すぐには答えられないと思っているので、私のほうでちょっと取りまとめました。
○川口海域環境管理室室長補佐 今までの記載としては、基本的に問題になりそうなものについては、赤潮のところで記載をしていて、餌資源のところに関しては、いわゆる今まででいうと問題点とその原因・要因の考察のベントスのところの中で、二枚貝のところもそうですが、餌資源としての植物プランクトンとか餌料環境についても触れていたところです。切り分けをどうするかというところを現時点で事務局としても、考えを明確に示すことはできないのですけれども。
○古米委員長 今回の場合は、それを留意事項としてどう取り入れるのかというのをしっかり記録に残すと。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね。今回、御意見を踏まえて、検討に当たり留意する事項というのを拾っていくというのが主な目的で考えておりますので、そこに反映させていただきたいと思います。
○古米委員長 ほかに委員の方々から御質問、御意見はございますか。
 大嶋委員、続いて林委員の順番でお願いいたします。
○大嶋委員 全体を通してですが、過去の報告書からどこまでが分かって、どこが分からないとかいう、そういうような一覧表みたいな分かりやすいものはないので、作られるのでしょうか。例えば、環境の変化とかいうのは、もう分かったというように、ある程度言えるのかなと、どういう環境だったのかなと思うのですが。それで、気候変動とかいうのは新しい部分でありますし、どこが分からない、ここまで分かったというのを明確にするのは、報告書として国民に対して見せる意味では、非常に大切かなと思うのです。なかなか書きにくいかとは思いますが、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね、一部分に関しましては、中間取りまとめのときに、いわゆる3章の再生方策等の実施状況と課題の整理の中で、平成28年度の問題点と課題として残っていることとか、そういったものを整理はしているのですが、一覧表として整理したものとしては、一部分は、今回、参考資料としてつけているものの中で、参考資料2-1再生方策等の実施状況等と課題の整理ということで、一部分に関しましては、令和3年度中間取りまとめに基づき整理した、この参考資料2-1で、大項目、中項目ごとに平成28年度委員会報告で指摘されていた問題点、課題等と、あとは中間取りまとめ時点で明らかになった事項と今後の課題や取組方針等というのをまとめているところなのですが、これが全てではない可能性があるので、これが分かりやすいかどうかというところに関しては、今現在で示せる部分としては、この課題の整理表というところになっていまして、少なくともここに書いてある部分に関しては、いわゆる明らかになった事項と、今後やっていかないといけないということを整理しているのですが、今、現状でお示しできるのは、このぐらいです。
○古米委員長 大嶋委員、いかがでしょう。
○大嶋委員 なかなか難しいとは思うのですが、やはり分かりやすく、どこができて、どこが分からない。どこが分からないというのはいっぱいあると思うのですが、やはりここまでは分かったけど、ここから先は分からないとかいうのは、きちんとどこかに、各章ごとにでもいいのですが、あったほうが分かりやすいかなと。それで進んでいるということが分かるかと思いました。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員 連関図について伺いたいのですが、もしかすると、これはさきの議題の2の今後の検討についてということで、参考資料5が該当するかも分からないのですが、今現在行っている議題の中で、4章の中で平成28年度の委員会報告後に新たな知見が得られたので、その整理、連関図への反映を行うとあるのですが、途中で、中間取りまとめで、参考資料5の中に中間取りまとめの連関図があるのですが、今回の議論は、結局、この中間取りまとめでまとめた連関図からスタートするというようなことでよろしいのでしょうかというのが一つと、それと、その連関図というのが原因、関連の可能性というものと、それから各事業との関係という2種類あって、今の大嶋委員の御質問と同じなのですが、各事業との関係ということに対して、こういう関係の中で、こういう事業を展開していますよというものに対して、では、それの成果がどうなのだというようなことですね、その結果みたいなものもどこかに盛り込んでいく必要があるのかなと思っています。その2点。
○古米委員長 事務局、いかがでしょうか、二つ。
○川田海域環境管理室室長補佐 連関図について、これから検討していくことになりますが、これまで培ってきたこの連関図をどのように踏襲していけばいいのか、より細分化をしていって、この点線をできるだけ実線にできるようにしていくにはどうすればいいかとか、そういったことがこれからの検討となっておりますので、これはこれで、このようにまとまってきたこれまでの経緯があって、現在の連関図となっているのですが、それを踏まえて次にどのようにするのかを検討してまいります。
○古米委員長 少なくとも、連関図については平成28年度から今の段階までに、新しい情報が入ったところは、点線が実線になるとか、あるいは新しい項目が追加されるということは、検討中です。それをどう表現するのかというのを議論するときに、現在のたくさんの項目がある図だと、ベントスへの影響を見ようとしただけでも非常に複雑なので、さらに細分化するというのは困難です。ベントスを見るときには、どんなものが連関図としてあったらいいのか、あるいはノリ養殖についてはどうなのかだとか、そういった個別の連関図も併せて示すことがとてもいいかなと感じております。中間取りまとめのときに、どこに問題点があり実際にどういう方策が実施されているのかというのを連関図の中に入れていただくことをお願いしたのですが、それをいいとするならば、そういった形で整理をすると。御指摘があったように、連関図の中に全て入るかどうか分かりませんが、問題点に対する方策によって、どんなことが明らかになったとか、どういう解決が見いだされたとかということは、大嶋委員が言われたような形で分かりやすく表現できるかもしれません。それをどうするかというのは、今後考えていかなくてはいけないということだと思います。
○林委員 かなり大幅に大きくこの連関図の在り様が変わる可能性があると。
○古米委員長 令和8年度までに間に合うところまではやることになると思います。大幅に変えたものができたとしても、委員会の中で、あるいは関係者の中でコンセンサスが得られないものを載せることはできないので、コンセンサスが取れたものだけが出てくるということだと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 小委員会の中で検討したときにも、やはり委員の方によって、全体を包括したもの、または、全体図はもう置いておいて、より細かく作っていくべきだという意見もいただきましたので、そこを今後どのように検討していくかも含めてお示ししてまいりたいと思います。
○古米委員長 それが先ほどの資料2-1の2番で、連関図の方向性の検討については、今後改めて示すと言っているので、早めに示してねという意見のようにも理解しました。
 ほかに御質問、御意見、お願いいたします。
 どうぞ、灘岡委員、お願いします。
○灘岡委員 資料3の後ろのほうに添付されている令和3年度中間取りまとめの目次と比較すると、中間取りまとめのほうの第3章というのが、今回の目次案の一部が4章に重なっているのかなと理解しましたが、再生方策等の実施状況等というのが消えているので、少なくともタイトル上は。それはどのように新しい目次案に生かされるのかなということが疑問で質問したいのですが、私はこれ、結構再生方策等の実施って、もちろん事業目的そのものというのは、それぞれ意義があって設定されているので、そういう意味でも重要なのだけども、有明海の状況を知るという意味で、こういう再生方策、中には言うなれば、現地での操作実験をやっているようなもので、その後の事後モニタリングもしっかりやっているということであれば、これはある種のアクティブなモニタリングというか、要するに操作実験を意図的に仕掛けて、そのレスポンスを見てみる。有明海の動態の一端が解明されるということで、ある種、モニタリングの一種にもなっているので、そういう意味で、しっかりどういう意図で、どういう内容でやったやつがその後どうだったかということまでしっかり書き込めば、非常に有用な情報提供をし得ると思うのです。だから、そういう観点で検討いただければいいかなと思いました。
○古米委員長 資料3の参考1に書いてある中間取りまとめの3章の内容というのは、このまとめ方のマトリクスを見ると、何か5章にいきそうに見えてしまうのだけど、実際上は4章のほうに記載するべきだと思います。
○灘岡委員 4章のタイトルそのものが少しぼやっとしてしまって、問題って、何の問題点のことを言っているのだろうと。まず、このタイトルは、もう少しアップデータしたほうがいいのと、できれば、今言ったような意義がしっかりありますので、そういういろいろな改善のための、再生のための事業もせっかくやられているので、それを生かさない手はないので。要するに、失敗したというのも重要な情報なのです、極端に言うと。うまくいかなかったというのも重要で、しっかり事後モニタリングしていれば、うまくいった、うまくいかないというシンプルな、でも非常に決定的に重要な情報を含めて、非常に有用な、さっき言った現場の操作実験としてのモニタリング結果を我々に与えてくれているというのですかね。
○古米委員長 4章が平成28年度の報告書スタイルから変わるわけだから、必然的に4章のタイトルもそれに基づいて考えればいいし、中間取りまとめの段階で再生方策等の新しい3章の中身が出てきているので、それがうまく活用した形で4章を位置づけることが、私も非常にいいかなと思います。後半部分の、方策で行われたことによって得られた成果として、現場でどのようなレスポンスがあったかというようなモニタリングデータ的な取扱いが可能なものについては入ってくるとは思います。事業を実施されている側として、そのデータをオープンにできるかどうかを確認するステップが入るのかもしれません。その際、想定されていない結果が出たとしても失敗と言わないで、問題点が見つかったというポジティブに捉えて表現することは、私は方策の評価だとか改善のためにはとても重要だと考えています。想定外でうまくいかなかったということを書くのではなくて、こんな問題点が見つかりました、こんな方法では限界がありましたという書き方であれば、いろいろな形で成果を表現できるかなと思います。やはり誤解を招いてはいけないと思うので、想定外の結果も貴重な情報として扱うというのは、この評価委員会としての重要な視点だという御発言だと思います。
 ほかにいかがでしょうか。大事な点というのは、今回議論した内容、いろいろ御指摘が出たので、修正したり追記したりすることで、改めてまた評価委員の方々に御確認をいただいて、修正版で作業方針の基となる骨子案、あるいはそれに伴う留意点の整理を行うということになろうと思いますが、追加で御発言とか御質問、御意見があれば、今の段階でいただいたほうがいいので。
 矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 矢野です。
 今の議論の中の最初の灘岡先生の御質問に関係する話になろうかとは思うのですが、今回の令和8年度報告書では、気候変動の話と社会経済情勢というのが加えられるということなのですが、この二つというのは、今も進行している話ではあるのですが、やはり将来の話なので、非常に不確実性が高い話です。どういうシナリオを描くかによって、出てくる結果もがらがら変わってしまうという、そういう内容になるのかなと思うのですが、その場合に、ここでシナリオ設定そのものもかなり難しい話もありますし、設定したシナリオに基づいて予測することの、また不確実性もいろいろあるので、かなり不確実性の高い議論にはなります。とはいいながら、それをやはりやらないと、令和9年度以降の再生目標の設定に関わってくる話に多分なってくるので、その不確実性をどの程度受け入れるのかというのは、なかなか難しい話なのですが、ある程度の幅の中でこのくらいのことが起きる可能性があるよということは言える部分は言えたら非常に良いと思います。恐らく、この二つの話というのは、これまでの評価委員会の中で議論してきた2000年までに起こったことと、それから今までに起こったことという過去に起きてきたことの影響によって、有明海・八代海がどういう悪影響を受けて、それを改善していこう、そして再生という話になっていたと思うのです。その悪影響をもっと上回る、気候変動や社会経済情勢が影響を与える可能性もあるので、その辺りの位置づけをある程度明確に示せたら非常にいいなと思うのですが、恐らくあまり具体的なことは示せないのではないかなと個人的には思っていまして、そういったことの将来的な研究とか調査の展望を示すというぐらいになるのではないのかなと個人的には感じているところです。それと、今言った二つのことというのは、再生というよりは、気候変動の言い方で言うと、適応ということになると思うので、言葉をうまく使い分けておかないと、かなりごちゃごちゃの議論になるのではないかなという気もします。これは今後、実際書きながら練っていくことになると思うので、そういう意識を持ちながらやっていただいたらいいのではないかなと感じました。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 きっと、最終的には気候変動をどう踏まえた形で再生目標を記述するのかだとか、あるいは、それを踏まえた形での方策の在り方みたいなものをどう示すのかということで、非常にいろいろなシナリオを考えて、いろいろな方策を考えるのもなかなか困難です。不確実性もあるので。ただ、明らかに想定できることは記載するし、不確実性があるものについては、不確実性があって、今の段階でこういうことが分かってきているというのは、研究成果が出ればこういうところに反映すると。一番難しいのは、それをこの報告書の中の再生目標のところにどう反映するのかというところと、それを踏まえた形での方策というのはどうあるべきなのかだし、方策を実施したときに、気候変動の影響があった上で、その方策が本当に有効だったのかどうかという評価も同時に難しい。先ほど、目標年次のところでも私、申し上げましたけれども、どうなったらその方策の目標が達成できたのかということは、方策をやりましたではなくて、やったことによって、こうよくなりましたということを評価する必要があります。数値目標が設定できればいいのだろうけど、方策による改善効果項目を設定することによって、次々方策がグレードアップするなり、ステップアップする。そういう形での目標設定が今後整理できるといいかなとは思っています。その中にも気候変動の話は非常に難しいので、評価委員会の中で、どういう形で書くかというのは、皆さんと一緒に議論しないといけないかなと思います。それに必要な情報をぜひ事務局のほうでしっかり集めていただきたいというように思いました。
 ほかに御質問、御意見があればお願いしたいと思います。
○灘岡委員 矢野委員が言われた、不確実性の中でどう取り組むのかというのは非常に重要な課題で、特に我々、生態系の保全再生ということを考える上では、もともと気候変動の議論以前に、不確実性が物凄くある対象、そこにどう有効な保全再生の事業を入れ込んで進めていくかというのも根本的な、本質的なテーマ。いつも出てくるキーワードは、順応的管理ですよね、アダプティブマネジメント。だから、いいと思って、ある方策、計画、施策を考えるのだけれども、それが100%うまくいくことはまずない。やってみて、結果をモニタリングし続けるということが重要で、その結果からフィードバックして、アジャストしていくというのが順応的管理、アダプティブマネジメントの基本的な考え方なので、そうやるしかないのですよ。そこで大前提なのは、しっかりモニタリングをずっとやり続けるということです。自分たちがやった結果の成績、通信簿がどう出てくるかというのは、モニタリングしなければ分かりませんから。なので、今回、この令和8年度の報告書に向けて、データの統合化ということをやるのだけども、理想的には、そういうように何年単位ですか、物すごいインターバルでようやくやるわけですよね。理想的には、もっと頻繁にやるべきなのですよ。どんどん事態は変わっていっているという前提で。自分たちのやっている施策が、通信簿がどう出るのかというのをモニタリングしなければいけない。それを各事業主体は個別に自分たちの受持ちの範囲でモニタリングをされていて、それは非常に貴重なデータなのだけど、それを統合して評価するということをもう少し頻繁にやる必要があるのですよね。だから、統合ということを資料にいろいろ書いていただいているのは非常にいいのだけど、繰り返しますけども、それをどうヘビーな仕事を割と頻繁にやり続けるようなメカニズムをこしらえるのかという。これは再生目標の設定、ターゲットの設定に加えて、それにどうたどり着くのかという体制の話として、私はセットで議論すべき重要な話かなと思っています。
 以上です。
○古米委員長 いかがでしょうか。
○木村海域環境管理室長 おっしゃることは非常にもっともなのですが、すぐに何とも言いにくいところでもあります。報告書を作るとともに、それをどう運用していくのかという体制的なところも含めて、考えていきたいと思います。
○古米委員長 私から発言させていただくと、資料2-4に先ほどの今後の方針のまとめが示めされており、編集ワーキンググループが図に出てくるのですが、これは報告書を編集するための体制案です。灘岡委員が御指摘の体制は、これを超えて長期的に有明海・八代海が望ましい姿になるようにいろいろ方策を打ち出すためには、いろいろな省庁が実施している、あるいは県が行っている情報を統合し、統合したものを全体として評価するようなものだと思います。今は、そのような体制はないだろうし、それを担うことを期待される組織は、この評価委員会なのかもしれません。評価委員会には小委員会があるけれども、今の体制では、しっかりとした議論ができるような状況ではないので、それをどうするかということも大きな課題であるということだと思うのだよね。だから、事務局側としては、評価報告書を作るための体制を考えているのだけど、もう少し令和8年度に向けて考えなければいけないこととして御指摘をいただいたのだと思います。したがって、今回の骨子案構成の議論とは直接関係はしないのだけど、骨子案の重要なことを考えるためにも、そういった体制がないといけない。
○灘岡委員 5章の中にもし書けるのであったら、そういう体制づくりという節を1個入れてほしいということです。
○古米委員長 そういう反映の仕方ということであれば、どう表現するかですね。確かに、4章、5章、6章、あまり具体的には書き込めていないので、自由度がありますし、変えていくことは可能だと思いますけれども。5章辺りに記述するという。
○川田海域環境管理室室長補佐 実際のところ、またこの5章、6章、今後具体的にしていく中で、御相談をしていきたいと思いますので、そういったときに、これからの再生状況等を取りまとめる中で、どうこれに反映していくことができるかというところも含めて御相談させていただければと思います。その中で、将来を見据えた、そういった体制といったところにも言及できるかどうか、またそのときに御相談できればと思います。あ
○古米委員長 5章は、課題を整理しているわけだから、十分今の御指摘を書き込むことはできる章だと私は思います。
 ほかに御質問、御意見、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 大嶋委員、お願いいたします。
○大嶋委員 興味深い論文があったので、あれなのですが、過去の有明海の縄文時代の古墳を調べて、アサリ貝を調べたら、ほとんどなかったという論文が出ていまして、そういう過去のところも必要かなと思ったものですから、チャットでその論文は流しますが、ベントス学会に出た論文です。島原大変で地震が起こって、その後、砂が広がってアサリが入ってきたのではないかという論文がありました。もしよろしかったら。過去には、アサリが増えたのは、どうもその島原大変で地震が起こった後ではないかというシモムラ先生かな、の論文なので、もう少し過去も考えてという視点も要るのかなと思いまして。場違いかもしれませんが、紹介させていただきました。チャットで論文は流しておりますので、もしよかったら参考にされてください。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。先ほどの海外での類似の事例というのも参照しながら評価しましょうということにつながるかなと思いますので、もう少し幅広く、可能な範囲内で情報収集いただきたいということだと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
○古米委員長 特に挙手はございませんね。いろいろと御意見をいただきました。大きな課題が幾つか出されましたし、各章の記述の内容についても御指摘をいただいたりしています。今日いただいた御意見を基に、資料3でまとめていただいたものを修正あるいはバージョンアップしていただいて、皆さんに確認を取っていただくと。それでもって、方針というか骨子案ですかね、それを委員の共通認識とすることにしたいと思います。それをもってして、令和8年度の取りまとめに向けて審議を進めることになります。委員の方々からいろいろと御意見をいただきましたので、修正案に不備があれば、御指摘をいただいて、最終的に精査したいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、議題4で、その他ということですけれども、事務局から何かありましたら、お願いしたいと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
 次回の第53回評価委員会は、3月19日の午前に、対面・オンラインのハイブリッド方式にて開催することを予定しています。先月、当室より開催通知を御連絡させていただきましたので、締切りの今月26日までに、御回答のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 本日は、骨子案等を御議論いただきましたが、全体を通じて、この委員会のことも含めて御発言があればお願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(意見なし)
○古米委員長 どうもありがとうございました。それでは、本日予定されていました議事は全て終了いたしましたので、議事進行への御協力にお礼申し上げるとともに、進行を事務局にお返ししたいと思います。
○森川海域環境管理室室長補佐 古米委員長、ありがとうございました。
 本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
 それでは、以上をもちまして、第52回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会とさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

午後3時41分閉会