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歯科とは

歯科とは、歯や歯ぐきといった口腔領域の疾患を専門的に扱う医療領域です。主に虫歯や歯周病などの防止・治療及び口腔ケアを中心に行うのが、歯科医の大きな役割になります。

歯科医は、患者の訴えやX線検査などで歯や口腔内の異常部位を特定し、歯科治療の必要性を判断。虫歯の場合、該当する歯に詰め物や被せ物などを用いて穴をふさぐ処置を行います。

また、歯周病は歯科で行うケアと患者自身のケアで改善が可能。場合によっては外科治療が行われます。口腔ケアは、全身疾患とも関連性が深い分野。歯科医療の発展は、今後も重要度を増していると言えるでしょう。

歯科で受けられる診療

「歯科」は、歯と歯肉(歯ぐき)を中心とした疾患の治療を行います。上顎、下顎、顎関節までが対象範囲です。

歯科では、虫歯治療や義歯(入れ歯)治療、インプラント(人工歯根)、歯並びの矯正、歯周病の予防・治療などを主に行っています。

また歯科関連の病院は、「歯科病院」「歯科口腔外科病院」「矯正歯科病院」「小児歯科病院」の4つです。

歯科で診療できる病気一覧

歯科で診療できる主な病気をご紹介します。

歯髄炎(しずいえん)

特徴

歯髄炎とは、歯の内部(歯髄腔)にある神経と血管の部分が何らかの原因で炎症を起こしている状態。引き起こされる主な原因としては、3つ挙げられます。

ひとつめは、虫歯の進行に伴う細菌により引き起こされる生物学的な要因。ふたつめは、外傷や激しいスポーツでの接触などによる、外部からの刺激によって引き起こされる物理的なものや、歯ぎしりや食いしばりなども同様の要因となります。そして3つめは、神経付近を治療した際に使用している、薬剤や材料の刺激による化学的な要因です。

症状

歯髄炎にある症状は、急性症状と慢性症状のふたつ。何もしなくても痛みが続くのが急性症状で、甘い物や酸っぱい物、冷たい物や熱い物、歯を咬み合わせるなど、歯に刺激を与えることで痛みが増悪します。

症状にもよりますが、大人でも我慢できないぐらいズキズキと痛むことも。また、違和感や不快感を抱く程度で、刺激を与えないと何もしない状態では、症状がないのが慢性症状です。急性症状が出たあと、一時的に症状が消えても、慢性化しているだけの可能性もあるので注意しましょう。

治療法

歯髄炎の治療は、軽度なものであるなら炎症を抑える薬剤を塗る、もしくは詰めることで炎症を緩和。歯髄を温存させるための、歯髄温存療法を行うことも。炎症が進行している場合は、抜髄(ばつずい)をすることになります。

抜髄とは、歯髄を取り除く治療です。まず、傷む箇所の歯を削り、歯髄腔や根管内の歯髄を除去。その後、歯髄腔や根管内の消毒や洗浄、拡大を行い、キレイになったら薬剤を詰め、歯を補強してかぶせ物や詰め物を入れ治療を行います。

唾石症(だせきしょう)

特徴

唾石(だせき)症とは、唾液腺疾患の中で最も多い病気です。唾液管や唾液腺の炎症により、唾液の中の石灰分が唾石となるために起きます。そのため、唾液が唾液腺を上手に通過せず、唾液の性状に変化が見られることもあるのです。

特徴として挙げられるのは、唾液腺その物が腫れるために唾液に障害が起き、痛みが出る点です。唾液腺は様々ありますが、唾石症は主に顎下腺に発症することが多め。唾石症を発症しやすい人の特徴は、主に中年男性と言われています。

症状

唾石症の主な症状は、食事のときに発生する口の中の突然の痛みです。石がまだ小さいうちは、唾液の分泌がしづらいという症状だけにとどまりますが、石が大きくなると唾液腺の排出管をふさいでしまいます。すると、唾液すら排出できなくなり、ひどい場合には舌が動かせなくなることも。

物を食べようとして、食べている最中に顎下腺が腫れて、激しい痛みに変わる場合もあります。腫れも痛みもしばらくすれば和らぐため、治ったと思う人もいますが、完治ではありませんので注意が必要です。

治療法

唾石症は、石の大きさにより治療法も様々。石が小さい場合は、唾液腺をマッサージすることで石が排出されたケースがあります。マッサージで排出されず石が大きい場合は、外科的手術が必要です。

手術方法は、石ができた位置により異なり、排出管の入口にある場合は、口内から唾石腺を切開し、排出管の奥にある場合は顎の下を切開。唾石腺の中でも、最も分泌量が多い耳下腺は、あえて何をしなくても自然と石が排出されることがあり、抗生剤を投与しての経過観察となります。

ドライマウス(どらいまうす)

特徴

ドライマウスとは、何らかの原因で唾液の分泌が低下し、継続的に口の中が乾く症状のことです。唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺の大唾液腺から主に分泌され、成人では1日約1.5ℓ分泌されます。

唾液の役割は、口腔内の洗浄作用、潤滑作用、抗菌作用、緩衝作用など。半分程度の分泌量になるとドライマウスを自覚するようになり、様々な問題が起こると報告されています。

原因は全身性の病気、神経性の要因、薬剤による要因、加齢による要因。全身性の病気では、糖尿病、腎障害、唾液腺疾患、シェーグレン症候群などが挙げられ、神経性の要因ではストレスなど、薬剤による要因では降圧剤などが原因となり唾液の分泌が抑えられます。

症状

ドライマウスの症状としては、もちろん口の渇き(口渇)なのですが、それに伴い唾液による洗浄作用が低下し、口腔内が不潔になります。口内炎の多発や虫歯、歯周病の悪化、口臭、摂食嚥下障害などの原因にも。

糖尿病が原因の場合、口渇はある程度症状が進行してから出る症状のため、その他にも神経障害や腎機能障害が起こっている可能性が高いことが考えられます。

涙や唾液の分泌が阻害される自己免疫疾患のシェーグレン症候群の症状は、強い口渇に伴う口内炎、味覚変化、虫歯の多発が特徴です。また、口呼吸によっても口渇が起こり、口腔内に問題が起こりやすくなります。

治療法

ドライマウスの治療は、糖尿病など原因が明らかな場合は、原因除去療法を実施。それ以外の場合は、対症療法が主な治療法です。

例えば、口腔乾燥を引き起こしにくい薬物への変更、口が渇いたら水を飲む、ガムなどの唾液分泌を促進する食品を噛む、唾液腺のマッサージを行い唾液の分泌を促す、スプレーやジェルの人工唾液の使用、などが効果的。

また、ストレスを発散できるような生活習慣の改善や、固い食品を良く噛んで唾液を分泌させるような日常生活の工夫も必要になってきます。

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