補食のススメ | DESIRE TO EVOLUTION「DNS」

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皆さん、こんにちは。本シリーズでは、アスリートが思いっきり競技に打ち込むために大切な「食事」にフォーカスをし、食事の基礎知識から、実際に食事を作る際のポイントを押さえた献立・レシピをDNS栄養士がご紹介していきます。頑張るアスリートを食事から応援したい、と日々奮闘されている応援隊長の皆さんにぜひご一読いただきたいページです。

■小まめな栄養補給がパフォーマンス向上のカギ

アスリートにとって、補食を正しく摂ることは、朝、昼、夕3食で不足するエネルギーや栄養素を補うだけでなく、疲労しにくくなったり、回復を早めたり、傷害の予防、集中力を維持させたりすることでトレーニング効果を最大限に引き出し、パフォーマンス力の向上に繋がります。

選手の身体が求める適切な量、質、タイミングの栄養を『補食』という形で摂取させてあげることで、選手を支えていきましょう。

■補食とは?

補食とは食事と食事の間にとる軽食を指します。一般的に軽食というとお菓子や菓子パンのようなおやつをイメージされるのではないかと思います。しかし、アスリートにとっての補食は、3食だけでは不足してしまう栄養素を『補う食事』のこと。つまり、おやつではなく戦略的な栄養摂取となります。その時そのときの状況によって積極的に摂りたい栄養素が変わってきますので、量や質、タイミングをコントロールすることが必要なのです。量・質・タイミングのポイントを押さえて、補食を味方にしましょう。

□量
運動前:糖質の目安は運動の1~4時間前に体重1kgあたり1-4gというガイドラインがあります。選手により感じ方が全く異なるため、それぞれにとってのベストを見つけることが大切です。おにぎり1個で最後までエネルギー切れせず走れるのか、2個食べた方が調子が良いのか、おにぎりよりもパンの方が調子が良いのか…。ここは、細かい数字を気にするよりも選手の身体の声を聴いてあげてください。是非色々と試してみてくださいね。

運動後:糖質は体重1kgあたり1g、たんぱく質は体重1kgあたり0.3gを目安に摂ることで素早い回復が見込めるとされています。激しい運動後はどうしても食欲も落ちますが、運動により消耗したエネルギーの補給、酷使した身体の回復を促すため、しっかりと摂れると良いですね。

□質
どのタイミングで摂る補食においても糖質とたんぱく質を含んでいて、できればビタミンなどの微量栄養素も配合されたものを選べると良いでしょう。さらに運動中の胃もたれや吐き戻し等を防ぐため、刺激物や消化に時間のかかる脂質を多く含むものは避け、運動を始めるまでに十分に消化出来るものを選ぶことがポイントとなります。

運動前は運動中に使うエネルギーを補うため、糖質(炭水化物)を中心に、おにぎりやあんぱん、ジャムパン、カステラ、果汁100%ジュース、ゼリーなどがおすすめです。さらに運動開始時間に合わせて、摂りたい形態も変わってきますので、下の図をご参照ください。


運動中は汗とともに流れ出てしまう水分、ミネラル(電解質)の補給が欠かせません。加えて、水分の吸収を助けるとともに運動中のエネルギー源となる糖質(炭水化物)の摂取も大切です。


運動後は消費したエネルギーを補うための糖質(炭水化物)と、身体の材料となるたんぱく質を素早く補給することが重要です。プロテイン糖質ゼリー、鮭や肉そぼろ入りのおにぎり、たまごやチキンを挟んだサンドイッチ、ヨーグルトなどがおすすめです。


□タイミング
Ⅰ)食事と食事の間が空き、空腹状態であるとき
Ⅱ)運動前
Ⅲ)運動後
Ⅳ)寝る前

空腹状態が続きエネルギー等が不足すると、人の身体では糖新生という反応が起きます。これはアミノ酸などを材料として、糖質を新しく作り出す反応です。糖を作る材料として特に使われる割合が大きいのが、筋肉から取り出されたアミノ酸です。つまり、糖新生が起こると筋肉の分解が進んでしまいます。このような状態では、せっかくのトレーニングもその期待する効果を得られず、もったいない時間を過ごすことになりかねません。

■スケジュールに合わせた栄養摂取

平日や休日で練習時間や試合時間は変わってくると思いますので、午後練(午前試合)・午前練(午後試合)・二部練の3パターンで摂取タイミングを組んでみました。


それぞれ▲の色は、次のように分けています。

毎回の食事:たんぱく質を含むバランスの良い食事をコンスタントに摂取することが身体作りの基盤となる。
補食:血中のアミノ酸濃度を一定に保ち、筋肉の合成を高めるとともに分解を防ぐことが出来る。
就寝前の補食:就寝中は成長ホルモンが活発に機能し、身体の修復と回復が行われる。成長ホルモンの働きにより、筋肉ではたんぱく質の吸収が高まる。

毎回の食事ももちろん大切ですが、普段から身体を酷使しているアスリートはさらなる栄養摂取が欠かせません。身体作りをしている選手を支える方も、選手の食が細く栄養不足を心配している方も、補食が強い味方になります。

今回は、こまめな栄養補給:補食に関するお話をお届けしました。



田中 初紀

田中 初紀 │ Hazuki Tanaka

栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNS OMO Div兼マーケティングDivに所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への食事指導のほか、自社ブランドサイトにて、チーム帯同レポートや食事コンテンツに関わる記事執筆を行う。チームサポートではいわきFCを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育てにも奮闘中。

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皆さん、こんにちは。本シリーズでは、アスリートが思いっきり競技に打ち込むために大切な「食事」にフォーカスをし、食事の基礎知識から、実際に食事を作る際のポイントを押さえた献立・レシピをDNS栄養士がご紹介していきます。頑張るアスリートを食事から応援したい、と日々奮闘されている応援隊長の皆さんにぜひご一読いただきたいページです。

■小まめな栄養補給がパフォーマンス向上のカギ

アスリートにとって、補食を正しく摂ることは、朝、昼、夕3食で不足するエネルギーや栄養素を補うだけでなく、疲労しにくくなったり、回復を早めたり、傷害の予防、集中力を維持させたりすることでトレーニング効果を最大限に引き出し、パフォーマンス力の向上に繋がります。

選手の身体が求める適切な量、質、タイミングの栄養を『補食』という形で摂取させてあげることで、選手を支えていきましょう。

■補食とは?

補食とは食事と食事の間にとる軽食を指します。一般的に軽食というとお菓子や菓子パンのようなおやつをイメージされるのではないかと思います。しかし、アスリートにとっての補食は、3食だけでは不足してしまう栄養素を『補う食事』のこと。つまり、おやつではなく戦略的な栄養摂取となります。その時そのときの状況によって積極的に摂りたい栄養素が変わってきますので、量や質、タイミングをコントロールすることが必要なのです。量・質・タイミングのポイントを押さえて、補食を味方にしましょう。

□量
運動前:糖質の目安は運動の1~4時間前に体重1kgあたり1-4gというガイドラインがあります。選手により感じ方が全く異なるため、それぞれにとってのベストを見つけることが大切です。おにぎり1個で最後までエネルギー切れせず走れるのか、2個食べた方が調子が良いのか、おにぎりよりもパンの方が調子が良いのか…。ここは、細かい数字を気にするよりも選手の身体の声を聴いてあげてください。是非色々と試してみてくださいね。

運動後:糖質は体重1kgあたり1g、たんぱく質は体重1kgあたり0.3gを目安に摂ることで素早い回復が見込めるとされています。激しい運動後はどうしても食欲も落ちますが、運動により消耗したエネルギーの補給、酷使した身体の回復を促すため、しっかりと摂れると良いですね。

□質
どのタイミングで摂る補食においても糖質とたんぱく質を含んでいて、できればビタミンなどの微量栄養素も配合されたものを選べると良いでしょう。さらに運動中の胃もたれや吐き戻し等を防ぐため、刺激物や消化に時間のかかる脂質を多く含むものは避け、運動を始めるまでに十分に消化出来るものを選ぶことがポイントとなります。

運動前は運動中に使うエネルギーを補うため、糖質(炭水化物)を中心に、おにぎりやあんぱん、ジャムパン、カステラ、果汁100%ジュース、ゼリーなどがおすすめです。さらに運動開始時間に合わせて、摂りたい形態も変わってきますので、下の図をご参照ください。


運動中は汗とともに流れ出てしまう水分、ミネラル(電解質)の補給が欠かせません。加えて、水分の吸収を助けるとともに運動中のエネルギー源となる糖質(炭水化物)の摂取も大切です。


運動後は消費したエネルギーを補うための糖質(炭水化物)と、身体の材料となるたんぱく質を素早く補給することが重要です。プロテイン糖質ゼリー、鮭や肉そぼろ入りのおにぎり、たまごやチキンを挟んだサンドイッチ、ヨーグルトなどがおすすめです。


□タイミング
Ⅰ)食事と食事の間が空き、空腹状態であるとき
Ⅱ)運動前
Ⅲ)運動後
Ⅳ)寝る前

空腹状態が続きエネルギー等が不足すると、人の身体では糖新生という反応が起きます。これはアミノ酸などを材料として、糖質を新しく作り出す反応です。糖を作る材料として特に使われる割合が大きいのが、筋肉から取り出されたアミノ酸です。つまり、糖新生が起こると筋肉の分解が進んでしまいます。このような状態では、せっかくのトレーニングもその期待する効果を得られず、もったいない時間を過ごすことになりかねません。

■スケジュールに合わせた栄養摂取

平日や休日で練習時間や試合時間は変わってくると思いますので、午後練(午前試合)・午前練(午後試合)・二部練の3パターンで摂取タイミングを組んでみました。


それぞれ▲の色は、次のように分けています。

毎回の食事:たんぱく質を含むバランスの良い食事をコンスタントに摂取することが身体作りの基盤となる。
補食:血中のアミノ酸濃度を一定に保ち、筋肉の合成を高めるとともに分解を防ぐことが出来る。
就寝前の補食:就寝中は成長ホルモンが活発に機能し、身体の修復と回復が行われる。成長ホルモンの働きにより、筋肉ではたんぱく質の吸収が高まる。

毎回の食事ももちろん大切ですが、普段から身体を酷使しているアスリートはさらなる栄養摂取が欠かせません。身体作りをしている選手を支える方も、選手の食が細く栄養不足を心配している方も、補食が強い味方になります。

今回は、こまめな栄養補給:補食に関するお話をお届けしました。



田中 初紀

田中 初紀 │ Hazuki Tanaka

栄養士
東京農業大学卒業。2017年株式会社ドーム入社後、サプリメント事業部、ドームアスリートハウスを経て、2020年より株式会社DNS OMO Div兼マーケティングDivに所属。アスリートや健康の保持・増進を目指す方への食事指導のほか、自社ブランドサイトにて、チーム帯同レポートや食事コンテンツに関わる記事執筆を行う。チームサポートではいわきFCを担当。自身も5歳から少林寺拳法に打ち込む現役アスリート。一児の母として、子育てにも奮闘中。