Part 103 BIG 3について、もう一度語ろう | DESIRE TO EVOLUTION「DNS」

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Part 103   BIG 3について、もう一度語ろう

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Part 103   BIG 3について、もう一度語ろう

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BIG 3について、もう一度語ろう

    メリット:有効な種目に集中して行うことができる 

    目的:集中してやるべき種目について詳しく知る



    何事にも「基礎」というものはある。野球だったら素振り、空手だったら正拳突き、バスケットならハンドリング、というように。
    ウェイトトレーニングの場合、基礎は「BIG 3」とされる。
    BIG 3は「スクワット」と「ベンチプレス」、「デッドリフト」の三種目のことだ。
    ウェイトトレーニング初心者は、まずこの三種目をしっかりやれ、と言われることが多い。

    ■BIG 3は基礎なのか

    「基礎」とは土台のことであり、重要ではあるが、比較的容易に習得できるものを指すことが多い。
    しかし、スクワットは決して容易に習得できるエクササイズではない。これは上級者ならば、身に染みて感じていることだろう。
    少なくとも足関節と膝関節、股関節と三つの関節が関与し、バーを担ぐ位置、足幅、しゃがむ深さなど、ただ「しゃがんで立ち上がる」というだけの動作に詰め込まれたファクターは、あまりにも多い。つまり、初心者向けではない。

    ベンチプレスはどうだろう。これも手幅や下ろす位置、肩甲骨の寄せ方、挙げる方向など、多くの要素があり、これまた初心者には難易度が高い。

    デッドリフトに至っては、初心者キラーとも言うべき種目だろう。正しい動作で床からのデッドリフトがいきなりできる初心者は、皆無に近いのではないか。腰を傷めてしまい、ジムから遠ざかる上級者すら数多い。

    ■BIG 3は優秀なのか

    スクワットの一番の問題点としては、バーを首の後ろに担ぐ態勢の不自然さであろう。
    肩は外旋し、頸椎は圧迫される。高齢者はスタートポジションさえ取れないことが多い。また、少しフォームを間違えるだけで膝や腰を容易に傷めてしまう。さらに動作の終盤(立ち上がる直前)では、ほとんど負荷がかからない。
    また、ベンチプレスで肩を傷めるウォリアーの何と多いことか。肩関節は外転したうえで内旋され、そこで強い負荷がかかる。またバーが大胸筋に触れるまで下ろしても、十分には大胸筋をストレッチできない。肘が伸び切るまで挙げても、十分に収縮させることはできない。

    デッドリフトでは、スタートポジションの高さがバーベルの半径で決まる。これは人間の構造となんら関係がない。多くのウォリアーは、床から引くデッドのスタートで骨盤が後傾してしまうはずだ。つまり前述の通り腰を傷めやすいし、スクワットと同様、動作終盤で負荷が抜けやすい。

    最も問題なのは、スクワットとデッドリフトで使われる筋肉の多くが重複していることだ。
    BIG 3では肘の屈曲や肩の外転は行われないし、腹筋や背筋もアイソメトリクスに収縮しているだけだ。
    もちろんBIG 3がダメだと言うつもりはない。しかしこの三種目を他より優先させる必要性もないのではないか。

    ■新しいBIG 3を提案するならば

    そこで、新しいBIG 3を提案してみたい。

    1. ヘックスバーデッドリフト

    まずはスクワットやデッドリフトに変わる種目として「ヘックスバーデッドリフト」だ。
    ヘックスバーで行うことにより、肩関節や頸椎への負担なしにスクワットに似た動作を行える。また過度に前傾せずにデッドリフトを行えるため、骨盤の後傾も起こりにくく、腰を傷める危険性も低下する。
    20名の男性に通常のデッドリフトとヘックスバーでのデッドリフトをさせて比較した研究でも、ヘックスバーでのデッドリフトの方が最大筋力やパワー、速度を高めるために有効である、と
    結論づけられている(※1)。


    2. ディップス
    ベンチプレスに変わる種目としては「ディップス」を提案したい。ディップスの場合、肩関節の外転や内旋はあまり起こらない。そのため安全に行うことができる。
    ベンチプレスでは大胸筋の断裂がたまに起こるが、ディップスではあまり起こらないとする報告もある(※2)。
    またベンチプレスでは両手と両足、背中が固定されるのに対し、ディップスは両手の2点だけで身体を支えることになる。そのため、より多くのスタビライザーを使うことになり、多くの筋肉を刺激することができる。


    3. チンニング
    三種目目には「チンニング(懸垂)」を入れたい。これもディップスと同様、両手の2点で身体を支えることになるため、多くの筋肉群を刺激することができる。また従来のBIG 3では鍛えにくい広背筋や大円筋、上腕二頭筋も刺激できる。
    この「新BIG 3」を基に、他のエクササイズを追加していくようにすれば、ケガの危険性が少ないまま効率よく身体を進化させることができるだろう。ぜひ取り入れてみてほしい。

    【参考文献】

    • 1: An Examination of Muscle Activation and Power Characteristics While Performing the Deadlift Exercise With Straight and Hexagonal Barbells J Strength Cond Res. 2016 May;30(5):1183-8.
    • 2: Rupture of pectoralis major during parallel bar dips: case report and review Med Sci Sports Exerc. 1998 Mar;30(3):335-8. doi: 10.1097/00005768-199803000-00001.
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      メリット:有効な種目に集中して行うことができる 

      目的:集中してやるべき種目について詳しく知る



      何事にも「基礎」というものはある。野球だったら素振り、空手だったら正拳突き、バスケットならハンドリング、というように。
      ウェイトトレーニングの場合、基礎は「BIG 3」とされる。
      BIG 3は「スクワット」と「ベンチプレス」、「デッドリフト」の三種目のことだ。
      ウェイトトレーニング初心者は、まずこの三種目をしっかりやれ、と言われることが多い。

      ■BIG 3は基礎なのか

      「基礎」とは土台のことであり、重要ではあるが、比較的容易に習得できるものを指すことが多い。
      しかし、スクワットは決して容易に習得できるエクササイズではない。これは上級者ならば、身に染みて感じていることだろう。
      少なくとも足関節と膝関節、股関節と三つの関節が関与し、バーを担ぐ位置、足幅、しゃがむ深さなど、ただ「しゃがんで立ち上がる」というだけの動作に詰め込まれたファクターは、あまりにも多い。つまり、初心者向けではない。

      ベンチプレスはどうだろう。これも手幅や下ろす位置、肩甲骨の寄せ方、挙げる方向など、多くの要素があり、これまた初心者には難易度が高い。

      デッドリフトに至っては、初心者キラーとも言うべき種目だろう。正しい動作で床からのデッドリフトがいきなりできる初心者は、皆無に近いのではないか。腰を傷めてしまい、ジムから遠ざかる上級者すら数多い。

      ■BIG 3は優秀なのか

      スクワットの一番の問題点としては、バーを首の後ろに担ぐ態勢の不自然さであろう。
      肩は外旋し、頸椎は圧迫される。高齢者はスタートポジションさえ取れないことが多い。また、少しフォームを間違えるだけで膝や腰を容易に傷めてしまう。さらに動作の終盤(立ち上がる直前)では、ほとんど負荷がかからない。
      また、ベンチプレスで肩を傷めるウォリアーの何と多いことか。肩関節は外転したうえで内旋され、そこで強い負荷がかかる。またバーが大胸筋に触れるまで下ろしても、十分には大胸筋をストレッチできない。肘が伸び切るまで挙げても、十分に収縮させることはできない。

      デッドリフトでは、スタートポジションの高さがバーベルの半径で決まる。これは人間の構造となんら関係がない。多くのウォリアーは、床から引くデッドのスタートで骨盤が後傾してしまうはずだ。つまり前述の通り腰を傷めやすいし、スクワットと同様、動作終盤で負荷が抜けやすい。

      最も問題なのは、スクワットとデッドリフトで使われる筋肉の多くが重複していることだ。
      BIG 3では肘の屈曲や肩の外転は行われないし、腹筋や背筋もアイソメトリクスに収縮しているだけだ。
      もちろんBIG 3がダメだと言うつもりはない。しかしこの三種目を他より優先させる必要性もないのではないか。

      ■新しいBIG 3を提案するならば

      そこで、新しいBIG 3を提案してみたい。

      1. ヘックスバーデッドリフト

      まずはスクワットやデッドリフトに変わる種目として「ヘックスバーデッドリフト」だ。
      ヘックスバーで行うことにより、肩関節や頸椎への負担なしにスクワットに似た動作を行える。また過度に前傾せずにデッドリフトを行えるため、骨盤の後傾も起こりにくく、腰を傷める危険性も低下する。
      20名の男性に通常のデッドリフトとヘックスバーでのデッドリフトをさせて比較した研究でも、ヘックスバーでのデッドリフトの方が最大筋力やパワー、速度を高めるために有効である、と
      結論づけられている(※1)。


      2. ディップス
      ベンチプレスに変わる種目としては「ディップス」を提案したい。ディップスの場合、肩関節の外転や内旋はあまり起こらない。そのため安全に行うことができる。
      ベンチプレスでは大胸筋の断裂がたまに起こるが、ディップスではあまり起こらないとする報告もある(※2)。
      またベンチプレスでは両手と両足、背中が固定されるのに対し、ディップスは両手の2点だけで身体を支えることになる。そのため、より多くのスタビライザーを使うことになり、多くの筋肉を刺激することができる。


      3. チンニング
      三種目目には「チンニング(懸垂)」を入れたい。これもディップスと同様、両手の2点で身体を支えることになるため、多くの筋肉群を刺激することができる。また従来のBIG 3では鍛えにくい広背筋や大円筋、上腕二頭筋も刺激できる。
      この「新BIG 3」を基に、他のエクササイズを追加していくようにすれば、ケガの危険性が少ないまま効率よく身体を進化させることができるだろう。ぜひ取り入れてみてほしい。

      【参考文献】

      • 1: An Examination of Muscle Activation and Power Characteristics While Performing the Deadlift Exercise With Straight and Hexagonal Barbells J Strength Cond Res. 2016 May;30(5):1183-8.
      • 2: Rupture of pectoralis major during parallel bar dips: case report and review Med Sci Sports Exerc. 1998 Mar;30(3):335-8. doi: 10.1097/00005768-199803000-00001.