【1/80,16.5mm】木製床板へ台車センターピンナット加工法検討 - 思考実験とD.I.Y.

思考実験とD.I.Y.

D.I.Y and Gedankenexperiment

【1/80,16.5mm】木製床板へ台車センターピンナット加工法検討

今回の、マイテ49の制作では、展望デッキ側に大窓があるので、1等展望室内がよく見えてしまいます。

車内に、センターピンナットが鎮座していると、何となく格好悪そうなので、
前に、カプラー台座を木製床板に施した時のやり方を踏襲して、
木製床板への台車センターピンナット加工をテストしたいと思います。

1.素材選定

木製床板へのカプラー台座加工[*1]の時は、タミヤのプラ丸棒を活用しました。

プラは、溶剤で溶けた時に、木材との相性が良く、個人的には、仕上がりに満足していました😃。

難点は、プラ棒が柔らかいため、カプラー取付ビスを締め過ぎると、めねじをなめてしまいそうになることでしょうか😅*2

この方法を、木製床板への台車センターピンナットに適用しようとすると、
カプラと違って、台車からの力が上下・前後・左右にかかるので、柔らかい素材だと何となく不安*3です。

タミヤのプラ棒(PS[*4]、*5)のロックウェル硬度はR50~R90ぐらいの様です。
一方、ABSのロックウェル硬度はR100~R120[*6][*7][*8]の様です。

昔、ポリカーボネート(PC)を加工した際、かなり硬くて(ロックウェル硬度M78)、加工で疲れたことがあります。

PCはPS/ABSに比べて硬度のスケールが違うので、PCに比べれば、PSもABSも柔らかいですが、PSに比べればABSの方が硬いようです。

今回の検討では、ピンナット加工の素材として、ABSを試してみることにします。

ABSは溶けにくいようなので、木材とうまく融合してくれるかのテストも兼ねてます。

うまくいかなければ、カプラ台の加工をおこなった時と同じく、プラ棒で加工することにします。

今回は、こちらのABS棒を用いて加工テストをすることにしました。

2.加工方法

基本的な加工方法は”【1/80,16.5mm】復活つばめ制作「2」:マシ 29 201の制作(7)”で紹介した、”カプラ台の工作”と同じです。

加工テストをする床板は、157系の修復時に出た、床板廃材を活用します*9

  1. まずは、床板へのピンナット加工位置の基準線の墨だしを行います。

  1. まずは、ガイド穴として、Φ1mmの穴を開けます。

  1. ついでピンナット加工位置に床板に5mmの木工用ドリルを使って穴を開けます。
    この時、一気に穴を開けると反対側の木材が割れることがあるので、片側から途中まで穴を掘り、板を裏返して、反対側から穴を抜くようにすると綺麗に穴が空けられます。

  1. タミヤの5mmプラ丸棒を適当な長さに切ります。木製床板との接合用接着剤は、プラ(PS)棒にはタミヤセメントを、ABS棒にはタミヤセメントABSを用います。

  1. 床板にあけた5mm穴にタミヤセメントを塗っておきます。
  2. 5mmプラ丸棒にタミヤセメントを塗り、床板の5mmの穴に押し込みます。
  3. ABS棒についても、上記2.~5と同じ手順で木製床板にABS棒を取り付けます
  4. タミヤセメントが乾き、木製床板とプラ棒が固着するまで、放置します

  1. 木材とプラ棒が一体化したら、はみ出しているプラ棒の不要部分を小型の鋸でカットします。
  2. 最後に、床板とプラ棒の表面が面一になる様に目の細かい平やすり*10で、整えます。

  1. 木製床板に埋め込んだプラ/ABSに、中心線を出し、ピンバイスでΦ1.4mmの下穴を開けます。
  2. M2の中タップで、タップを切ります。

3.引き抜きトルクの確認

引き抜きトルク計測機器は持っていないので、定性的な検証になります。

とりあえず、プラとABSの部分にΦ2mmのセンターピンナットにセンターピンネジを指で回らなくなるまで取付ておきます。

精密ドライバとミニビットで順々に、ネジが止まるまで、締めてみます。

  精密ドライバ ミニビット
(細) (太)
プラ ×
ABS

 

結果としては、プラもABSも精密ドライバで締める分にはしっかり占めることができました。

ミニビットの場合、細い部分で回した場合には、プラでは、ビスが舐め始めた感じがしました。太い部分で回すと完全に、めネジを舐めてしまいました。

一方、ABSは、ミニビットの細い部分で回した場合には、しっかりと止まりましたが、太い方で回すと、ビスがABSを舐め始めた感じがしました。

何れにしろ、精密ドライバ以外で強く占めると、めネジを舐めてしまいます。

ただし、今回使ったABSの方が、若干、めネジを舐めにくそうなので、今後は、カプラ台・台車センターピンのナット加工は今回買ったABS丸棒を使うことにします。

 

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出典・引用・備考

*1:

*2:めネジを舐めてしまいそうなので、実は今まで、精密ドライバーでも思いっきり締めたことがありません😅。

*3:模型だから、そこまで気にすることはないのかもしれませんが。。。😅

*4:”プラバン 0.5mm厚 B4サイズ (4枚入)”、https://www.tamiya.com/japan/products/70123/index.html、株式会社タミヤ、最終閲覧日:2024年8月25日

*5:ただし、上記のタミヤのHPでの表記が、
ポリスチレン”を意味しているのか、
"ポリスチレン"を意味しているのか判然としないところはありますが。。。😅

*6:”ABS 板/丸棒 物性表”、https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf、カットプラドットコム、最終閲覧日:2024年8月25日

*7:ABSエービーエス樹脂(物性表1)”、https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_abs2.htm、株式会社KDA、最終閲覧日:2024年8月25日

*8:”ポリスチレン樹脂の物性値”、https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_ps2.htm、株式会社KDA、最終閲覧日:2024年8月25日

*9:古い床板も、捨てずにおいておくと何かと役に立つことがあります😅。⇒小生が、断捨離が下手な理由でもありますが😅。

*10:木工用などの目の粗いもので処理しようとすると、床板も削ってしまいますので、注意が必要です。