早稲田大学理工学部情報学科卒業、研究室ではCAI班に属しeラーニングの前身であるCAIを研究。スタジオジブリ 東小金井村塾1期生として高畑勲監督に師事。
1996年1月 | 株式会社デジタル・ナレッジの前身テレコム学習ネットワーク有限会社の創業時に学生アルバイトとして入社。 |
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2005年3月 | デジタル・ナレッジ 執行役員に就任。 |
2006年3月 | 株式会社デジタル・ナレッジ・ユニバーシティ・ラーニング 取締役に就任。 |
2008年6月 | 特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム 資格制度「e-Learningエキスパート」eラーニングテクノロジ/LMS活用技術担当。 |
2009年9月 | 消費者に向けたeラーニング販売を目的に、NTTグループと株式会社NTTナレッジ・スクウェア(現 株式会社ドコモgacco)を設立、取締役就任。 |
2010年3月 | デジタル・ナレッジ 取締役に就任。 |
2013年4月 | 東洋学園大学 非常勤講師に就任。 |
2014年3月 | デジタル・ナレッジ 取締役COOに就任。 |
2015年10月 | ラーニングアナリティクス総合サービス「Analytics+」の初期バージョンを開発、提供。 |
2016年4月 | eラーニングやEdTechといった教育に関する最新技術の開発、調査、普及啓蒙をミッションとした株式会社デジタル・ナレッジ教育テクノロジ研究所 所長に就任。 |
2016年6月 | デジタル・ナレッジ 代表取締役COOに就任。 |
私は小学生の頃から当時まだ出たばかりのパソコンに興味がありました。幼少期を1970年代後半から80年代の宮崎で過ごした私にとってパソコンは日常的なものではなく、町の大きな電器店で見るものでした。親にパソコンを買ってもらうまでは、市街地にある電器店まで自転車で出掛けては入り浸ったものです。パソコンを手にしてからはパソコン雑誌を読み耽り、BASICという言語で簡単なゲームを作ったりしていました。中学に入ると自らパソコン部を立ち上げ、より高度なプログラミングをするようになり、高校では物理の課題をプログラミングでシミュレーションし解いたりすることに没頭していました。
そして大学では理工学部情報学科に入り、情報を専門に学んでいました。研究室ではCAI班に属していました。CAIとはComputer Aided Instructionの略で、コンピュータを教育指導に役立てようという領域で、今のeラーニングの前身にあたります。
ちなみにどうしてこの研究室を選んだかというと、コンピュータで教育を変えよう!という熱い想いがあったから・・・ ではなく、私の卒業と同時に教授が退官になられるので、まあ多少出来が悪くても卒業はさせてもらえるだろうと踏んだからです。
研究室では先輩たちから引き継いだ「力学問題学習支援システム」の研究開発を主に行なっていました。当初はやる気のなかった私も、いざ研究が始まると面白くてのめり込みました。どういう研究をしていたかというと、まず学習者に高校の力学の問題(例えば斜面に物体があり紐で滑車に繋がれ反対側にも物体がぶら下がっているとき、斜面の物体の加速度を求めよ、というような問題)を提示します。この問題を学習者が解く際に、マウスを使って力の分解などの作図をしてもらい、さらに掛かる力の方程式を学習者に入力してもらうのです。これらの入力情報をAIを用いることで学習者が理解できていないポイントを推論します。そして学習者の弱点を指摘し、適切な教材を提示するというようなものでした。当時の私は研究に没頭し、徹夜も厭わない日々を送っていました。小学生の頃からやってきたことが成果としてつながっている感覚がありました。
この頃の話は下記blogでも紹介しております。
https://www.digital-knowledge.co.jp/blog/archives/2640/
そして、この研究を行なっていたことが縁で、「はが」と知り合い、創業期のデジタル・ナレッジにアルバイトとして入社したのでした。
入社した当初、1996年の弊社では、はがを筆頭に私や今も弊社に在籍している取締役や監査役も開発者として日夜ひたすら開発を行なっておりました。最初のお仕事は学習塾さんの中学生向けの英語・数学・理科・社会の主要科目の家庭学習システムでした。ソフトをインストールしたパソコンと、教材の入ったCD-ROMをセットで在学で学習できるよう開発し、当時はそれほど普及しておらず低速で高価だったインターネットを学習前と学習後に接続し、その接続時の通信で本部の先生からの指導や最新教材を配布したり、学習者の学習履歴を本部に送る仕組みを実装していました。
教材にもこだわりました。単なる文章や静止画ではなく、音声やアニメーションが動くマルチメディア教材を提供したかったのです。そのためのオーサリングツールを開発しました。先生がパソコンに音声レコーディングし、音声に合わせてマウス操作で指差しや書き込みをすると、その内容をそっくりそのまま記録するという仕組みを開発しました。このシステムを先生方に活用いただき音声やアニメーションによる全教科の膨大な数のマルチメディア教材を提供したのです。先生方の教育メソッドをそのまま取り込んで学習者に届ける・・・ 今のSNS時代では当たり前のことですが、当時としてはなかなか画期的だったように思います。
学習履歴においても発見がありました。このシステムを用いると、本部のサーバに全ての学習者の学習履歴が蓄積され、学習者の行動が手に取るように分かりました。この履歴を元に、半自動でそれぞれの学習者に次の学習範囲を指導するように設計しました。紙や教室での講義を超えることができるのでは・・・ そう思えるようになりました。
中学生向けの在学学習システムにとどまらず、より広い層へ学習を届けようと、このシステムを汎用化した学習システムを開発しました。ソフトとCD-ROMを併用し、目次から学習進捗を確認し、教育教材で学習したりテストを受験できるようなシステムです。このシステムは資格試験の学校さんに採用いただきました。
我々が作り上げたものを多くの方に使っていただけている、テクノロジーの力で教育を支えている、そのことがただただ嬉しかったです。お客様のご担当者様より受講者からの評判をお聞かせいただき感謝の言葉を頂いたとき、私は感動のあまり涙を堪えるのに必死でした。この感動や喜び、達成感は、私の仕事をする上での原点となっています。
創業期から初期の状況については下記ブログをご覧ください。
https://www.digital-knowledge.co.jp/blog/archives/4236/
そして、西暦2000年、現在の弊社の主力商品であるLMS、KnowledgeDeliverのルーツとなるeラーニングシステムを開発しました。
現在のeラーニング同様、Webブラウザとインターネットで学習が行えるというもので、これまで開発してきたソフトとCD-ROMベースの学習システムをWeb化し、管理機能を強化したものからスタートしました。当時はまだまだWebシステムの開発は一般的ではありませんでした。私にとっても初のWebベースでの開発で、新たな技術を学び設計と開発を行いました。Webの発想が求められ、これまでのパソコンベースと比べて開発手法はもちろん、その提供価値もガラリと変わるのを感じました。
インターネットとWebブラウザさえあればインストールなどの事前の準備はいらない。これさえあれば、いつでもどこでも学習できるし、最新の情報のやり取りができる・・・ これは従来の教育を大きく変えるほどのパワーを秘めている! 最初のバージョンを完成させたとき、その価値に気づき、打ち震えるほどの衝撃が走ったのを昨日のことのように覚えています。
世間ではこの西暦2000年が"eラーニング元年"と言われています。
当時から真っ只中にいた私の耳には、eラーニング元年の号砲はしっかりと聞こえていました。
この頃から「テクノロジーの力で教育を支援する」という同じ志を持つ仲間が続々と加わってきました。開発力も飛躍的に上がり、eラーニングの基幹パッケージの開発だけでなく、それぞれのお客様のニーズに応じたカスタマイズ開発も進みました。教育は画一的なものではなく、それぞれに異なる目的や方法やゴールがあり、それらを丁寧にお聞きして実現するのが我々の役目・・・ 今日まで続く弊社の価値の礎がこのとき既に見出されていました。
今日に至るまで、この世界には、さまざまな技術、教育手法、表現手法が登場しました。そういった新しいものに興味を持ち、まず使ってみて、良さそうだったら取り入れてみる・・・ さまざまなコンテンツの表現技法、ラーニングアナリティクスやアダプティブラーニング、生成AI、デジタルバッジ・・・ こういった利便性の高い最新技術を時代に先んじて取り入れ、学習成果や利便性を高めることで、多くの方がより学びやすい環境を提供し、結果「育つ喜びを全ての人へ」届けることが我々の行動のベースにあります。
そして、それは、私が幼少期、自転車を漕いで町の電器店に通ったことにつながっているように思えます。
家の近所より交通量の多い通りを自転車で走り、店の前に自転車を停め自動ドアが開くと、そこには夢の世界が広がっている。入り口をまっすぐ進んだオーディオコーナーの先のパソコンコーナー、そこには3、4台のパソコンが電源を入れられた状態で待ち受けている。少年はキラキラした目でパソコンを見つめ、周りの様子を伺いながらも、恐る恐るキーボードを叩く。デモモードで動かしたり、試してみたいコマンドを走らせているうちに、そこが電器店の店先であることを忘れて没頭する。そして様々な試みの後に思い通りに動いたのを見て、その可能性や未来性に想いを馳せる・・・
新たなモノと出会い、好奇心の赴くままに試し、その可能性を見出し、それを取り込む。
そうして作り上げたものを、多くの方々に使っていただき、成長を実感していただき、共に喜ぶ。
そういった連綿とした営みを仲間と共に進め、テクノロジーによる学びの新たな価値と、DX化されたことで創出される教育流通などの新たな価値を、皆様にお届けし続ける所存です。
代表取締役COO
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