普段からゴルフを楽しむ方のなかでも、近年ではスコアの向上や大会での好成績を目指す「アスリートゴルファー」が増加しています。
特にシングルハンデ(ハンディキャップが1桁)を目標に技術を磨く場合、ゴルフ道具はもちろん、プレー中のウェア選びも重要なポイントになるでしょう。
そんなアスリートゴルファーの要求をかなえてきた「デサント(ゴルフ)(以下、デサントゴルフ)」から、2020年より新ライン「ブルーレーベル」が誕生。
今回は同ラインのMD(マーチャンダイザー)片山雄貴氏とデザイナー佐藤英則氏に、ブルーレーベルの商品の特徴やブルーレーベルへの想いについて伺いました。
「周りと差をつけたい!」ゴルファーが抱えるウェアの悩み
「アスリートゴルフ」のニーズの高まりを受けて、一般の方々が着用するゴルフウェアの傾向も年々変わりつつあります。「ゴルフウェアといえばポロシャツ」という時代から、最近はよりスポーティーなタイプのウェアなど、さまざまなスタイルが見られるようになりました。
各ブランドが機能性の高いゴルフウェアを開発していますが、ユーザーにとっては「どのウェアが良いのか、ほかとは一味違ったウェアはないか」という悩みも。
例えばアスリートゴルファーがウェアを選ぶとき、まず重要視すべきポイントは「動きやすさ」。動きを妨げず、いかに快適にプレーできるかはウェアの機能性によって左右されます。
また、そのうえでこだわりたいのが「デザイン性」。ゴルフは「メンタルが大きく影響するスポーツ」と言われているだけに、常にポジティブな気持ちで臨むことも大切。ありきたりなデザインとは一味違う、自分のスタイルを確立できるようなウェアが理想的ですね。
デサントゴルフが打ち出す新メンズラインである「ブルーレーベル」は、アスリートゴルファーの声に耳を傾け、動きやすさをはじめとした機能性やデザイン性にこだわって開発されたハイクオリティウェア。
今回は、開発者やデザイナーへのインタビューを通して、その特徴や魅力に迫ります。
2020年2月誕生。デサントゴルフの新メンズライン「ブルーレーベル」を徹底紹介!
「こだわりのウェアをさらに多くの人々に。」セカンドラインとして形になったゴルフウェアへの想い
――「ブルーレーベル」のコンセプトや、立ち上げた経緯についてお聞かせください。
片山(写真右):もともとデサントゴルフを5年前に立ち上げ、5年かけてハイクラスな“プレミアムアスリートゾーン”を開拓してきました。
一方で「ブルーレーベル」は価格やデザインを若干カジュアルダウンさせたライン。「動きに対応した機能性、そして着やすさを求めたウェア」というコンセプトで設計されています。
カジュアルにゴルフを楽しむアスリートゴルファーなど、より多くの方に選んでいただけることを期待して、セカンドラインを立ち上げ、2020年にローンチとなりました。
佐藤(写真左):アスリートゴルファーの方が快適な状態でプレーできる機能性と、こだわりが詰まったデザインやシルエットにも注目してほしいですね。
――トップスについているブルーのワッペンも目を引きますね。
片山:これはプロゴルファーが付けている「スポンサーワッペン」を意識しました。本物志向に近付けるポイントの一つですね。
佐藤:ブルーという色は、若々しくてスポーティーな雰囲気がありますよね。アスリートゴルファーというイメージにもぴったりくるカラーだと思います。
デザイン性・機能性ともにハイスペックなゴルフウェアの鍵は「Move Sport」「Shallow fit」
「大人のスポーティーを演出。ゴルフウェアとして初めて「Move Sport」を採用
――アイテムのデザインについては、どのようなコンセプトで設計されたのでしょうか?
佐藤:デザインは「プレミアムアスリート」を意識して、個性が引き立つウェアを意識しています。
デサントブランドのデザインコンセプトである「Move Sport」というグラフィックを、ゴルフウェアとして今回「ブルーレーベル」で初めて採用しました。デサントゴルフが持つ「シンプルでスポーティー」という世界観を保ちつつ、デサントらしさを盛り込んだデザインにしました。
――「Move Sport」をゴルフに落とし込むために、どのような工夫をされましたか?
佐藤:「Move Sport」はもともとデサントのアスレチックカテゴリーの人気シリーズで、目を引くロゴやグラフィックが特徴的です。やはりスポーツらしさが際立つグラフィックなので、そのまま表現するとどうしても「アスレチックウェア」になってしまいます。
ゴルフは少し大人なスポーツということもあって、少し落ち着いた雰囲気を出したいという想いがありました。スポーティーさを少し押さえつつ、世界観を保ちつつ…と、バランスを調整しながらデザインを固めていきましたね。
ワンステージ上を行く新縫製パターン「Shallow fit」。「機能性」と「着心地」を両立
――今回は「Shallow fit」という新しい縫製パターンを採用されたそうですね。
佐藤:はい。「Shallow fit」は、適度なフィット感や動きやすさを実現させるために開発された縫製パターンです。
片山:デサントゴルフ全体として「質感」や「ストレッチ感」というのを大切にしているので、「ブルーレーベル」においても縫製パターンや素材を選ぶ際には工夫を重ねました。
――「Shallow fit」は具体的にどのような箇所に採用されていますか?
佐藤:シャツで言えば、バックセンターの切り替えが最大の特徴ですね。脊髄に沿わせた形になるので、より身体にフィットしつつシルエットもきれいに見えます。一般的にスーツのジャケットにはバックセンターに切り替えが入っているのですが、スポーツウェアでは珍しいと思います。
パンツに関しては、膝裏に沿わせるために切り替えを配置しました。これは「クリスカット」と言って、もともとデサントスキーのほうで昔開発されたパターンなんです。
着用して肌で感じる快適性と動きやすさ
――「Shallow fit」によって着心地やパフォーマンス向上につながるポイントはありますか?
佐藤:シャツに入れたバックセンターの切り替えは、フィット感とシルエットを実現するために取り入れました。一方で、背中への「当たり」が気になってはプレーに支障をきたしてしまいます。
そこで、肌触りと着心地のクオリティを下げないように、縫い代部分を倒してその部分をさらに縫製することで「当たり」を軽減する縫製仕様を取りました。
そしてパンツに採用している「クリスカット」をゴルフに応用することで、アドレスの際に適度なフィット感でスイングの安定感をサポートしてくれます。
トレンド感も欠かさない。時代に合わせたサステナブルな取り組み
――「ブルーレーベル」ではサステナビリティも意識していると伺いました。
片山:海外に比べるとまだ日本は後れを取っている印象にありますが、ゴルフ業界にもサステナビリティが徐々に浸透しつつあります。「ブルーレーベル」の開発でもサステナブルな切り口は意識しており、まずは素材から取り組みました。
佐藤:今主流のサステナブルな素材といえば「再生ポリエステル繊維」ですが、単にそのまま使うだけでは面白くない。そのため、再生ポリエステル繊維を“機能性素材”として成り立たせることに注力しました。
片山:また「ブルーレーベル」では質感を非常に重要視しているので、サステナブル素材のなかでもタッチ感の良い素材を選定しています。
2020年秋冬シーズンのおすすめ商品を紹介
サステナブル&機能性の融合を実現した秋コレクション
――「ブルーレーベル」初となる秋冬シーズンのおすすめアイテムを紹介していただけますか?
佐藤:僕のおすすめは、こちらの再生ポリエステル糸を50%以上使用した裏起毛のジャージですね。カッティングはスポーティーな雰囲気のラインで表現し、色も特徴的なブルーを分かりやすく落とし込んでいます。サステナブルと機能性を融合した、代表的なジャージアイテムだと思います。
片山:デサントゴルフのなかでも、切り替えのデザインは特にお客様からご好評をいただいているんです。だから僕たちから見ても「デサントらしいデザイン」になっていますので、ある意味特徴的なアイテムですね。より良いパフォーマンスを支える「ストレッチ感」と「肌触り」もぜひ体感していただきたいです。
冬コレクションは、細やかな工夫が詰まったダウンに注目
――冬のコレクションについてお聞かせください。
佐藤:やはり、アウターの「ハコマチダウンジャケット」に注目していただきたいです。1つ目の特徴は、ダウンにありがちな綿の吹き出しを防ぐ特殊構造。縫製部分を内側に隠してあるのですが、きちんと通気性もあるため蒸れを防いでくれます。
2つ目は、素材の使い分けです。こちらの身頃のホワイトの部分は「柔らかさ」と「ストレッチ性」を出すためにニットをベースとした素材を使用。反対に、ブルーの部分はバッグなどによる摩擦に強い織物を使っています。
そして、最大の特徴であるバックセンターですね。これを入れることでウエストまわりの膨らみを防いで、シルエットを美しく魅せてくれる効果があります。
「すべてのプレイヤーに最高品質を提供したい」。次世代のゴルフニーズを捉えた「ブルーレーベル」の未来とは
――最後に、今後期待する「ブルーレーベル」としての在り方や展望についてお聞かせください。
片山:EC・百貨店さんを中心にお取り扱いいただいていましたが、ブルーレーベルの立ち上げにより、ゴルフチェーン専門店さんにも本格的にお取り扱いいただくようになりました。そのためデサントのウェアを、より多くのアスリートゴルファーに触れていただく機会を創出できたと思っています。
今後はあらゆる現場から、多種多様なお客様の声をお聞かせいただきたいですね。それらに応えていくことで、お役に立てるようなブランドに成長していきたいです。
佐藤:デザインの観点から言えば、今はデコレーションの多いウェアが日本のトレンドなんですが、世界的に見ると少し特殊だと感じることもあります。
デサントとしては国内外に世界観を伝えていきたいので、シンプルだけど個性的なデザイン、そして手に取ってもらいやすい価格帯を追求したいですね。最終的には、トレンドを引っ張っていけるようなブランドになったらいいなと。
片山:近い将来「アスリートゴルフブランドといえば?」と聞かれたときに、デサントゴルフが筆頭に上がってくるような…。そんな確固たる地位を築いていきたいですね。
デサント ゴルフMD
片山雄貴(かたやま ゆうき)(写真右)
アパレル会社で現場を経験後、入社。営業を経てデサントゴルフのローンチから企画を担当。
デサント マーケティング部門 デザイナー
佐藤英則(さとう ひでのり)(写真左)
ルコックスポルティフ ゴルフで20年間デザインに携わった後、2015年からはデサントゴルフでデザインディレクターを務める。
2020年に立ち上がった「RE: DESCENTE」をはじめ、地球環境の負荷を減らすサステナブルに取り組む『デサント』ブランド。2021年に入り自然への配慮、エコに対する意識がより高まるなか、デサントゴルフはこの春夏「Re BirEarth[…]
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