時代を越えて組み継がれる、暮らしの中の伝統工芸
組紐は、「結ぶ」「束ねる」「繋ぐ」など資材としての要素を持ち、縄文時代から私たちの暮らしに存在しています。仏具や刀を下げる紐として武具などにも使われるようになると、装飾性が求められるようになり、用途の広がりや時代の変化ととも発展してきました。
そもそも組紐とは、編物や織物と同じく糸で構成される技法のひとつで「組物」に分類される日本の伝統工芸品です。基本的な組み方だけで約40種類、模様などを含めると3000種類以上あるともいわれています。
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「昇苑くみひも」は、和装の帯締めを中心に製作する工房として、1948年に京都府宇治市にて創業。その後、和装文化の衰退や生活様式の変化に伴い、キーホルダーやグラスコードなどの生活雑貨も製作してきました。
「新しい依頼に対し、まずは一度方法を考えてみる」という柔軟な姿勢を大切に、アパレルやアウトドアメーカーの商品開発にも協力しながら、時代に合った組紐の在り方を提案。紐を組む楽しさや組紐の魅力を伝えるため、50年に渡り組紐教室を実施。地域の方を中心に技術の継承にも取り組んでいます。
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今回の企画展では、「組むこと」に焦点を当てて、昇苑くみひものものづくりを掘り下げます。現代の暮らしのあらゆる場面でも使われている組紐の技法。私たちの身の回りにある組紐に目を向け、組紐の可能性をみなさんと一緒に考える機会にしたいと思います。